MMA
インタビュー

【ONE】4年ぶり日本大会に向け、チャトリCEO「年に2回開催は“やりたい”ではなく“やる”」「日本人選手にチャンスがあるがレベルアップが必須」「ONEルールは北米で続々認可されている」「日本の団体と共催は無いけど──」

2023/12/18 12:12

どうすれば日本人選手が強くなれるのか、それが日本の格闘技の現状

――ONEの日本人選手で試合間隔が空いた選手も少なくありません。今後はそういった選手にも試合機会が与えられそうでしょうか。

「そうですね、日本の選手にとっても試合は増えると思います。でもONE ChampionshipとABEMAで話すときにも一番大きな問題になるのは、いまONEで日本人選手が勝てなくなっていること。選手はたくさんいて、日本のベストだが、ONEで勝てないからトップを目指すことが難しい。世界レベルじゃない選手が多い。どうすれば日本人選手が強くなれるのか。それが日本の格闘技の現状だと思います。でも、今回の武尊はやっぱりすごく大きなチャンス。彼が日本の選手に扉を開くかもしれない。でもみんなレベルアップしないといけないですね。この12年間、いくら日本の選手がタイトル戦線に向かっても大体みんな負けてる」

──そんななか、ONEのタイトル戦線を長く引っ張った青木真也選手が、今大会でセージ・ノースカット選手と対戦します。40歳になった青木選手が「ベストパフォーマンスを世界最高峰とされる相手とできるのは本当に最後」と言うなか、ラストチャンスを日本大会に持ってきました。

「そうですね。これは絶対ラストチャンス。私はいま青木選手と話していました。『もう世界クラスを相手にピークパフォーマンスのファイトはできないかもしれない』という考えね。だから、このトレーニングキャンプでは一生懸命練習して、100パーセントやりたいと。そして、もし負けても試合がすごくギリギリの接戦だったらOK。でもすごい大変な試合だから、簡単に負けたらこれが最後になる。真也にとって、もう40歳だから最後でしょう。この最後の試合はファンにとっても意味がある。レジェンドの最後の試合かもしれない。でも今回の試合は“レジェンドファイト”じゃない。27歳のノースカットと真也は戦うのだから」

──ところで、青木選手が前戦で敗れたサイード・イザガクマエフ選手は、ONEを離れたのでしょうか。

「そうです」

――それは彼が望んだ?

「いや、ONE Championshipに、彼と同意できない部分がありました」

──なるほど。ほかにライト級では、クリスチャン・リーが、2022年11月のウェルター級王座戦でキャムラン・アバソフにTKO勝ちして2階級制覇を成し遂げて以来、試合をしていませんが、その後は……。

「また戻りますね。先週話しました。トレーニングもしています。来年早々に復帰予定です」

――おお、それは安心しました。ヴィクトリア・リーが亡くなったことで、アンジェラ・リーのみならずクリスチャンも試合から遠ざかっていたので、心配していました。ただアンジェラは正式に引退しましたね。決意は固かった。

「そうですね……。練習の気持ちが出てこないから。妹が同じチームだったから、練習するとすべてを思い出してしまう。でも練習する気持ちが出なかったら、絶対ファイトの気持ちは作れない。いま『ファイトストーリー』(※非営利のメンタルヘルス組織)を起ち上げたし、いいことだと思う。ただ、格闘技から離れていることは永遠かは分からない。ここ1、2年で戻る話じゃないけど、いつかまた格闘技をしたいと思うときも来るかもしれない。そのときが来れば、また話したいと思います。そして、リーファミリーには新たな出来事もあります」

──ビクトリア・リーの弟のエイドリアン・リーが、ONE Chamlpionshipと契約したことですね。

「そうです。20224年にクリスチャンが復帰し、エイドリアンがデビューします。これはとても喜ばしいことです」

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