スペシャリストがいた時代から来た。どんな対戦相手にも対応できるという自分の強さが、今回の試合で大きな意味を持つ
──ラフモノフもトンプソン選手同様に、ノーモーションの右や後ろ廻し蹴りなどを得意とし、「自分の方が打撃スキルも上だ」と言っていましたが、言葉通りには受け止められない部分もあるということですね。
「もちろん彼の打撃スキルはとても高いと思うよ。だからまだ無敗でタイトル戦に向かっている。シャフカトのことは重く受け止めているし、彼は打撃じゃなくグラップリングも、どこの分野でも長けている。だからこそこの試合をしたいと思ったんだ。トップ5にランクされるような選手と試合がしたかった。これまで戦ってきた相手はみんな僕より下だったからね。みんなが『次にタイトルを獲るのは彼だ』と言っているから、僕がまだタイトルを獲れることをみんなに証明するために、世界で一番の選手と試合をしてぶちのめしたいと思っているし、ラフモノフを倒す事で世界のファンにも、UFCにもタイトル戦に自分が相応しい事を見せたい。自分のスキルはラフモノフより優れていると思うし、それを今週の『UFC296』で見せられると思っている」
──どのような距離とタイミング、そしてアングルを使って戦うのか、楽しみにしています。
「僕と対戦する選手はみんな、(僕のスタイルを)心配している。アングル、さまざまなテクニック、スイッチ・サイド、そして僕のスピードを知らない。とてもフラストレーションのたまるスタイルだと思うし、僕のようなスタイルの選手とはやってみないと分からないんだ。ラフモノフはさっきも言った通り、アグレッサーだ。常に向かって来る、だから常に前に向かわせるのではなく踵に乗せられれば、自分のアングルを使ってアウトサイドから距離を詰められる。もちろん彼も距離を埋めてクリンチしたがると思うから、そこは……秘策を用意しているんだよ。まだ言えないけどね(笑)。試合を見れば、“これか!”と分かるかもしれない。
とにかくラフマノフと対戦できる準備はできているよ。スタンドも組みもラフマノフは総合的な選手だ。対して僕はまだスペシャリストがいた時代から来た。ものすごく強いレスラー、ストライカー、柔術家、ムエタイファイター……自分のディスタンス、アングル、そしてどんな対戦相手にも対応できるという自分の強さが、今回の試合で大きな意味を持つと思うよ」
──なるほど。その経験がいまでもあなたを“ワンダーボーイ”たらしめているのですね。3歳から空手を学び、キックボクシングを経て、26歳からMMAを始めて、14年目、40歳になります。
「すべてが今、この瞬間に繋がっている。今こそ、僕がタイトルマッチに相応しいことを、UFCと世界に証明する時だ。このために何年も努力してきたし、自分の方が上だと分かっている。そう“思っている”のではなく、そうだと“知っている”ことが、世界のすべての違いを生むんだ」
──空手の母国・日本でもあなたの試合を見る機会が来るといいですね。
「イエス!! 日本には言った事がないから、ぜひ行ってみたいんだ。世界では日本が空手の首都みたいなものだ。自分の格闘技をファンに見せたいし、自分の先生でもある父(レイ・トンプソン=元キックボクサー、アップステート・カラテ主宰)も一緒に来て、日本の人たちと時間を過ごせればと思う。レッツゴーUFC、UFC Japanをやろうぜ!!! 今日はインタビューをアリガトウ。日本のファンの皆さん、今週の『UFC296』を見てもらえるといいな。日本のファンの皆の為に勝つ姿を見せたいと思う! ぜひ僕を応援してください!」