K-1 ReBIRTH 22023年12月9日(土)エディオンアリーナ大阪
▼第18試合 K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級タイトルマッチ 3分3R延長1R×和島大海(月心会チーム侍/王者)KO 2R 2分13秒 ※左フック〇オウヤン・フェン(中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP/挑戦者)※フェンが新王座に就く。和島は3度目の防衛に失敗。
和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りで2020年3月の第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントでは準優勝。その後3連続KO勝ちを飾ると、2021年12月に木村“フィリップ”ミノルに挑戦して左ミドルでKO勝ち、K-1王座に就いた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアから3度のダウンを奪う圧勝を遂げ、9月はメレティス・カコウバヴァスを1RでTKO。2023年3月にはジョムトーンを延長戦でKOし、7月にはかつて敗れているジョーダン・ピケオーをもKOしてK-1では7連続KO中。戦績は20勝(17KO)4敗。
初来日のフェンは武林風-70kg級世界王者、WLF武林風スーパールーキー-70kg級王者、2023年中国キックボクシング選手権-75kg級優勝、IPCC中国 -70kg級王者で中国70kg最強の呼び声が高い強豪ファイター。かつて、GLORYのライト級トップ戦線を争っていたクリスチャン・バヤから判定勝ちを収めたことがある。バヤは2023年8月、海人に判定勝ちしたティジャニ・ベズタティと2018年に対戦し僅差で敗れたものの世界トップクラスの実力者。2023年7月29日の武林風では、武林風70kg級王者のアナトリー・モイセーエフ(ロシア)の初防衛戦でモイセーエフをKOし、WLF武林風-70kg級世界王者となった。戦績は20勝(6KO)2敗。
1R、サウスポーの和島はまずは左ロー、フェンも右ローを返すがこれはローブローに。フェンの右ミドルに和島は左インロー。互いにインローを蹴り合う中、和島はワンツー、前蹴りも。和島の左インローに速い右フックを合わせるフェン。和島が蹴ればフェンが蹴り返し、フェンが蹴れば和島が蹴り返す。和島はヒザを突き刺すが、フェンも左の強打。
2R、和島は前に出てヒザを突き刺していく。フェンも前へ出てワンツーで応戦。しかし、和島の左ハイキックでフェンの動きが止まる。さらに左ハイからパンチの連打、ヒザを突き刺す和島。フェンも下がらず打ち返し、和島の左フックに左フックのカウンターを合わせてダウンを奪う。完全に足に力が入らない和島は転倒を繰り返し、フェンの右ストレートをもらって仰向けにダウン。ここでレフェリーがストップし、フェンのKO勝ちが決まった。 嬉し泣きしたフェンは腰にベルトを巻くと「K-1は私の小さい頃からの憧れのリングで、全世界にその名を轟かせています。そのK-1で私が王者になれたことは中国のみならず全世界で必ずよい効果が出ると思います。今日対戦していただいた和島選手は日本70kg級最強だけあって本当に強い選手でした。最後に自分を支えてくれた皆さん、仲間たちに感謝したいと思います」と語った。
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▼第17試合 K-1 WORLD GPミドル級タイトルマッチ 3分3R延長1R×ハッサン・トイ(トルコ/Team Toy/王者)延長R 判定1-2 ※9-10、10-9×2〇松倉信太郎(team VASILEUS/挑戦者)※松倉が第2代王座に就く。トイは初防衛に失敗。本戦の判定は30-29、29-29、28-29。
トイは2015年WFL武林風 -65kg級王座、2016年WFCA -68kgヨーロッパ王座を獲得。K-1でも活躍したイリアス・ブライドにも勝利している。184cmの長身から繰り出す強烈なフックと鋭いヒザ蹴りを武器とし、圧倒的な試合運びで勝つ姿から“The Dominator”(支配者)と呼ばれている。2019年12月のK-1名古屋大会では野杁正明に判定で敗れたものの、試合後の野杁に「シンプルにすごく強かった。また日本で見たい選手」と言わしめた。
野杁戦以降は新型コロナウイルスの問題もあり、コンスタントに試合ができない状況が続いていたが、ミドル級に階級を上げて、2023年6月に行われた「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」に出場すると、ダニロ・ザノリニ、リー・ホイ、松倉信太郎に勝利して優勝。初代王座に就いた。戦績は47勝(10KO)12敗。 松倉はK-1甲子園2009 -70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場を『RISE』に移し、『RIZIN』にも参戦。2019年7月にイ・ソンヒョンとRISEミドル級王座を争うも、5R判定負けで王座戴冠を逃した。2020年9月の『スックワンキントーン』ではWPMF世界スーパーミドル級王座を獲得。12月にT-98を判定3-0で降し、2021年3月にトーナメントを制してKNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王座に就いた。10月にはK-1クルーザー級トーナメントに出場した武来安をKOしている。2022年4月にK-1に復帰するとジュリオ・セザール・モリに判定勝利。2023年6月に行われた「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するも、トイに42秒でKOされた。戦績は36勝(19KO)18敗。
1R、トイは右ストレートを打つと蹴り上げるような右前蹴り。松倉は左ローを蹴るが、トイの強烈な左フック連打を浴びる。ジャブ、右ストレートに仰け反る松倉は右カーフを返すが、トイは左アッパーと左右フック、そして左ボディ。この左ボディが効いたと見たか、トイは左ミドル、左前蹴りとボディを攻める。カーフの右カーフには松倉が左フックを返す。松倉はトイの奥足内股を前蹴りで蹴る与座キックを繰り出す。
2R、サウスポーとオーソドックスを切り替えてアッパーにつなぐ細かい連打を見せるトイに、松倉は右カーフと右ミドル。トイの左ストレートに松倉が左フックを返すとトイが下がり、松倉がパンチをまとめる。トイの左ストレートに左フックで対抗する松倉は笑顔を浮かべる。トイは左ボディストレートを連打、さらに左インロー。ハッサンの打ち終わりに松倉はワンツーを返す。松倉の左ボディにトイは身体を丸める。このチャンスに攻める松倉にトイは飛びヒザ蹴り。しかし、松倉がトイにロープを背負わせる。松倉が完全にボディを効かせた。
3R、サウスポーになるトイは左ミドルと左インロー、松倉の右インローはローブローに。トイは右フックを多用し、ワンツーを打つ。またスピードを上げてきたトイに松倉は左ボディ。松倉は右ストレートもボディに打つ。サウスポーから強烈な左ミドルを蹴るトイ。さらに右フック。トイは頻繁にスイッチし、長い攻撃で松倉を近付けない。松倉は右をヒットさせるが、トイは左ハイキックを軽くヒットさせる。連打をまとめ、ノーガードになって余裕を見せたトイへ松倉の右ストレートがヒット。しかし、トイは追撃を許さない。
本戦の判定は三者三様でドロー。延長戦へ突入する。松倉の左ボディにサウスポーになるトイ。前へ出る松倉が右ロー、トイも左ローを返す。ローの蹴り合いにトイはジャブを突く。松倉の強打をかわすトイ。松倉の右ロー2連発にトイは左ヒザから右顔面前蹴り。それにも下がらない松倉は打ち合いに行くが、トイが左ボディを打つ。松倉は前へ出て右ストレートと右ロー、トイはジャブを打つが手数が少ない。最後の打ち合いでトイが左ジャブを当てに行く。
難しい判定となったが、前に出続けた松倉が判定2-1の僅差で悲願のタイトル奪取。親友でセコンドに就いた武尊も思わず涙ぐむ。松倉も嬉し泣きだ。プレゼンターの魔裟斗は「強くなったな」と松倉を称えた。松倉はマイクを持つと次のように語った。
「私事なんですが3週間前に小指を骨折して、靴も履けなくて歩けなくて本当に怖くてどうすればいいか分からなくて。そんな時に周りの人にマジで助けてもらって。本当に怖くて何も出来なかったんですけれど、いろいろな人が支えてくれたおかげで、今日リングに立って勝つことが出来ました。
よくみんな挑戦した方がいいって言うんですけれど、僕はそういうのを押し付けるのは違うと思っているし、挑戦しなくても幸せな生き方ももあるけれど、格闘技を続けてきて思ったことなんですけれどひとつのことを真剣にやり続ければ自分が追い求めていた結果じゃなくても本当にきつい時に周りを見渡したら絶対に自分が求めていた以上の出会いとか、人とかそういうのがいっぱいあって。だから成功とは失敗は分からないけれど挑戦を始めた時点で成功なんじゃないかなと僕は思っていて。
こうやって格闘技で生きていくのも大変なことが多いんですけれど、俺は生まれ変わってももう1回格闘家をやるし、奥さん、子供、大事な仲間、全部格闘技を通して出会っているので俺はこの格闘技が大好きです。こうやって格闘技が出来ているのも支えてもらっている皆さんのおかげなので何か苦しい時、何かあった時に周りを見渡してください。必ず素敵な人がそばにいると思うし、いなかったらDMかなんか送ってください。ちょっとアドバイスします(笑)。本当にたくさんの応援ありがとうございました」
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▼第16試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R×レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)判定0-2 ※29-29、29-30×2〇レミー・パラ(フランス/CARCHARIAS/WAKO世界-62kg級王者)
レオナは“石の拳”と称される強打を武器に、大雅、山本真弘、朝久泰央、小宮山工介らを撃破。2019年9月には西京佑馬を下して第9代Krushスーパー・フェザー級王座に就き、12月には山本直樹をKOして初防衛に成功。さらに2020年3月、村越優汰をも3Rにマットに沈めてKO勝ち。7月には武尊の盟友である大岩龍矢を判定に下して2度目の防衛に成功したが、2021年3月に武尊と大激闘の末にKO負けして連勝は「9」でストップ。2022年6月の『THE MATCH 2022』では中村寛と62kg契約で対戦して判定負け。9月の「K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」で優勝し、王座に就いた。戦績は32勝(14KO)7敗1分。
初来日のパラはフランスの攻撃型ファイター。WAKO世界-62kg級とIKBO世界-60kg級の二冠王で、ローキックで足を潰しておいてのサウスポーから繰り出される伸びる左ストレートは破壊力抜群。12勝のうち9KOとKO率が高く、まだ22歳という若さから伸びしろも十分。ローとパンチで上下に攻撃を振ってくるタイプだがディフェンス力も高い。戦績は12勝(9KO)1敗。
1R、サウスポーのパラは序盤からどんどん前へ出て左ストレート、左ミドル。その勢いに下がるレオナだが狙いすました右ストレート。再び前へ出てくるパラにレオナはステップを踏みながら下がりコーナーに誘うような動きを見せる。レオナがワンツーから飛びヒザ、前へ来るパラに右の3連打。レオナのワンツーからのヒザが何度も入るが、距離を詰めるパラが左ストレートをヒットさせる。
2R、左手を下げたデトロイトスタイルのような構えからジャブを打つレオナに、パラはガチャガチャしたような動きから左右のパンチを繰り出す。前に出て距離を詰めるパラは左ロー、左ミドル、左ストレート。レオナはローを蹴らせながら右を狙う。ロープやコーナーを背負う場面が多いレオナだがこれは戦略的なものか。左ストレートで前へ出るパラにレオナはジャブを突きながら回り込む。しかし、パラのワンツーをもらう。ジャブを突くレオナにパンチを出しながら突進するパラ。
3Rもどんどん前へ出てきてパンチを出すパラ。レオナは右ストレートから左フックをヒットさせるが、パラは下がらず前へ出てくる。必死に右を打つレオナだが距離が近すぎる。ならばとヒザを蹴るレオナ。右ストレートを当てたいレオナだったが、パラが前に詰めてくるため威力が不十分。
戦いにくいパラに最後まで苦戦したレオナ。判定は0-2でパラが勝利。初参戦にして復帰戦とはいえ王者レオナを破った。パラは「ありがとう。また来ます」と語った。
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▼第15試合 スーパーファイト -56㎏契約 3分3R延長1R〇金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)判定3-0 ※30-27×2、30-28×ラン・シャンテン(深◎盛力人和/CFP/2020年GLORY OF HEROES -57kg級トーナメント優勝)※◎は土に川
金子は2006年9月にKrushでプロデビュー。無敗のまま6戦目で軍司泰斗を破りKrushバンタム級王座を奪取、第3代王座に就いた。卓越したテクニックと攻撃力で9連勝を飾っていたが、2020年3月に玖村将史に判定で敗れ初黒星。2021年3月に1年ぶりの復帰を果たすと連続KO勝利を収め、2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝してK-1王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』ではRISE王者・鈴木真彦に判定負けを喫したが、その後は2連続KOで再起。2023年3月にコンペットを破り初防衛に成功するとさらに連勝を重ね、9月に玖村将史との再戦を制して2度目の防衛に成功した。戦績は19勝(11KO)2敗。
シャンテンはまだ19歳ながら21勝(5KO)7敗と30戦近いキャリアを持ち、2020年GLORY OF HEROES -57kg級トーナメント優勝、2021年WLF武林風-57.5kg級トーナメント準優勝、2023年中国キックボクシング選手権-57kg級第3位の実績を持つ。右の強打と左ボディブロー、そして前蹴りで距離を作り右ハイキックをノーモーションでつなげる器用な面も持っており、飛びヒザ蹴りも見せるなど、攻撃なスタイルが持ち味だという。
1R、重いジャブを打つ金子はシャンテンのジャブに右クロス。飛び込んでの左ボディ。シャンテンは前に出て飛びヒザ、そして左ミドル。またもシャンテンのジャブに右クロスを合わせる金子は右カーフも強烈。シャンテンの右カーフはバックステップでかわす。シャンテンの攻撃はバックステップでかわし、ジャブ、右ストレート、左ボディをしっかり当てる金子。左ボディ、さらに右ストレートをヒットさせる金子にシャンテンも右フックを返すが空を切る。
2R、シャンテンの攻撃はかわし、左ボディ、左ミドルを当てる金子。シャンテンの右カーフには思い切り右を繰り出す。シャンテンはテンカオ、飛びヒザ蹴りとヒザに活路を見出すが、金子もボディへの飛びヒザを返す。金子の左ボディ、右フックが何度も入るがシャンテンはひるまず前へ向かってくる。
3R、速い蹴りを放つシャンテンはバックハンドブローも、金子が飛び込んでの左をヒットさせる。金子の強烈な左ボディにはシャンテンが右フックを返す。金子の右フックが強烈ヒットもシャンテンは打ち返す。金子が接近戦で右アッパー。シャンテンが後ろ蹴りを繰り出すと、すぐに金子も後ろ蹴り。最後まで倒しに行った金子だが、タフなシャンテンにKOは逃した。
金子が内容で完勝。マイクを持つと「しっかりKOして流れを呼びたかったんですけれど日々精進ということで。もっと見つめ直します。もっと大阪に響かせたかったんですけれど響かせられなかったです。もっと努力して鈴木選手を倒しにRISEへ行こうと思っているので、大阪の皆さん、今日以上に僕に期待してください」と、今回もRISEの鈴木真彦との対戦をアピールした。
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▼第14試合 スーパーファイト クルーザー級 3分3R延長1R〇リュウ・ツァー(唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP/K-1 30周年記念無差別級トーナメント優勝)KO 1R 2分38秒 ※右ストレート×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST) リュウは散打の強豪にして中国キックボクシング界のニュースター。中国・武林風の推薦選手として2023年9月の「K-130周年記念無差別級トーナメント」に参戦すると、全試合KO決着で優勝を果たした。戦績は8勝(6KO)1敗。今回は本来の階級であるクルーザー級での試合となった。 谷川は空手で第1回&第3回真正会全日本選手権大会重量級優勝など数多くの実績を残し、2017年5月にキックボクシングでプロデビュー。2020年3月よりK-1 JAPAN GROUPに参戦すると2021年7月の「第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント」では決勝へ進出するもサッタリにKO負けで王座戴冠ならず。2022年4月の「K-1無差別級トーナメント」でも決勝進出を果たしたがサッタリにKOで敗れた。8月にはK-Jeeとのクルーザー級日本最強決定戦で勝利し、2023年3月のステファン・ラテスク戦ではローキックでKO寸前まで追い込むも逆転KO負けを喫した。7月にAKIRA Jrを破り再起を果たしている。戦績は11勝(4KO)7敗1分。
1R、谷川は右へ回り込みながらツァーのミドルに軸足蹴りを返し、ジャブで入り込む。ツァーは前蹴りから右ストレート、右カーフから右ミドル、前蹴りから左インロー。ツァーがローを蹴って来ると右ローを蹴り返す谷川。
谷川が右ローを蹴ったところでツァーがワンツーを返し、右ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。立ち上がろうとした谷川だがカウント9でも真っ直ぐ立てず、ツァーのKO勝ちとなった。
圧倒的な勝利を収めたツァーは「またK-1のリングに上がることが出来て嬉しいです。この勝利を全世界の皆さん、中国の皆さんに届けたいです。90kgの王者であるシナ・カリミアン選手、よければ試合してください。中国に来てくれてもいいです。待ってます。戦いましょう」とカリミアンに対戦を呼びかけた。
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▼第13試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R×斗麗(WIZARDキックボクシングジム)判定0-3 ※28-30×3〇川上 叶(龍生塾/第6代SB日本フェザー級&初代日本バンタム級王者) 斗麗はオランダの名門Mike's Gymでも練習を重ね、2018年12月に16歳の若さでプロデビュー。2021年2月に6戦無敗でKrushフェザー級王者・新美貴士に挑んだが、判定で初黒星を喫した。2022年8月の「K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦で第4代K-1フェザー級王者・椿原龍矢を判定で破り、準決勝ではワン・ジュングァンにも判定勝利して決勝へ進出したが、軍司泰斗にKOで敗れ準優勝。12月に玖村修平に勝利も、2023年3月にRISEとの対抗戦で安本晴翔に敗れた。7月にムエタイ強豪ヴューをKOして再起。戦績は13勝(5KO)4敗。 川上は2019年11月にSB日本バンタム級王座決定戦で佐藤執斗を2RKOで下して新王者に輝き、2022年4月には魁斗を判定に破り、SB日本フェザー級王者となって2階級制覇を達成している。12月のSB×RISE対抗戦では安本晴翔から番狂わせの勝利を奪い、安本の連勝記録を15でストップしてみせた。しかし、2023年4月の初防衛戦で山田彪太朗に敗れて王座を失い、7月のRISEでは門口佳佑に判定2-0で敗れた。戦績は12勝(5KO)7敗。
1R、蹴りからスタートするサウスポーの川上の左ローがローブローとなってしまい一時中断。ダメージのある斗麗にインターバルが与えられて再開。ローを蹴り合い、川上は右ハイも狙う。斗麗の右ローに川上はジャブ。斗麗が左ボディを交えてのコンビネーション。川上のジャブに斗麗は左ストレートのカウンター。川上の左右フックをかわした斗麗はヒザを突き刺す。
2R、斗麗の左カーフに足が流れる川上はオーソドックスにスイッチ。斗麗も左右に構えを変えつつ、パンチと右ミドルを放つ。川上の左ストレートを2発もらい、バランスを崩す斗麗。川上は左のフェイントに反応して左フックを出そうとした斗麗に、右ロングフックでダウンを奪う。前に出る川上がパンチで詰めるが、斗麗は頭を振りながら川上の左右フックにカウンターを合わせようとするが空振り。前に来る川上に斗麗が左ミドル。川上は左ストレートを打ち込んでいく。
3R、前に出る斗麗にジャブを突くサウスポーの川上。斗麗の全身をかわしながら回り込み、右アッパー、左ストレートを打つ川上。ジャブを突きまくる川上は、斗麗の左右ボディに左ストレートを返して斗麗を仰け反らせる。パンチをまとめた川上はノーガードになって斗麗を挑発。斗麗はワンツーを出して前に出るが、川上はジャブ、左ストレートで打ち返しながら、斗麗のパンチをかわしていく。鼻血で顔を真っ赤にしながら逆転を狙って前へ出る斗麗だが、川上を捕まえきれず試合終了。
判定3-0でダウンを奪った川上がシュートボクシングに勝利をもたらした。
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▼第12試合 K-1ウェルター級 3分3R延長1R×海斗(LEGEND GYM)KO 2R 1分05秒 ※左ストレート〇宇佐美秀メイソン(Battle Box/ISKAインターコンチネンタル・ウェルター級暫定王者)
宇佐美は新極真空手全日本ドリームカップ優勝、新空手全日本大会K4グランプリ優勝、新空手ガオラカップ優勝、内田塾全日本大会(ジャパンゲーム)3連覇、白蓮会館全関東選手権優勝、覇王キックボクシング大会優勝、月心会グローブ空手道選手権優勝などアマチュアで多数の優勝経験を持ち、2022年4月の『POUND STORM』にてMMAでプロデビュー。
12月の『INOKI BOM-BA-YE×巌流島 in 両国』でキックボクシングデビュー戦を行い、いきなりK-1 WORLD MAX初代世界王者アルバート・クラウスに勝利すると、2023年3月の『KNOCK OUT 2023 SUPER BOUT “BLAZE”』に初参戦して杉原新也に判定勝ち。9月にはジャマル・ワヒィムを1R2分25秒でKOし、キックボクシング3戦目にしてISKAインターコンチネンタル暫定王座を獲得した。 海斗は『THE OUTSIDER』を経て2017年10月にKrushデビュー。強靭なフィジカルの強さを活かした攻撃力を誇り、戦績は9勝(7KO)5敗。9月のKrushでBigbangウェルター級王者・大輝を1RでKOし、門番の役割を果たしたばかり。
1R、両者サウスポー。メイソンはジャブを見せながら右カーフ、海斗も左カーフを返す。メイソンは素早い入り込みを見せての右ボディ、そして左ハイ。左カーフから右フック、左ストレートで前に出るメイソン。海斗もワンツーを繰り出すが、メイソンは左カーフを強く蹴り、ジャブから左ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。
メイソンが左カーフ、右ボディ、左フックから左右フックの連打で2度目のダウンを追加。海斗が立ち上がったところでラウンド終了
2Rが始まってすぐ、海斗の右ストレートでメイソンがダウン。立ち上がったメイソンは左カーフから打ち合いに行くが、またも海斗の右をもらってグラつく。しかし、メイソンは左フックのフェイントから右ボディを叩き込むと、左フック、右フック、左の2連打で海斗をダウンさせる。レフェリーは即座にストップをかけ、メイソンのKO勝ちとなった。
魔裟斗も「センスがある。将来が楽しみだ」と絶賛したメイソンは、マイクを持つと「海斗選手の一発いいのをもらってダウンしちゃったけれど、練習しているものを全部出しているかと言ったら20%しか出せていないのでこれからもっと頑張ります。一応ISKAの暫定王座を持ってるんですけれど、ウェルター級のKrushのタイトルマッチやらせてもらえるならやりたいです」と、Krushタイトルへの挑戦をアピールした。
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▼第11試合 -66kg契約 3分3R延長1R〇鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/第7代Krushスーパー・ライト級王者)KO 3R 0分44秒 ※左ミドルキック×豊樹(NARIAGARI/GLADIATOR武士道キック・ウェルター級王者) 鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。佐々木大蔵にタイトルを奪われたが、7月大会でFUMIYAを初回KOに破って再起。その後は泥沼の3連敗を味わったが、崖っぷちで臨んだ2022年4月の林健太戦で元K-1ライト級王者の林をKOする金星を得ると、8月には近藤魁成に先制のダウンを奪われるも延長戦で大逆転KOに成功した。11月にはヴィトー・トファネリも破って3連勝を飾ったが、2023年3月のK-1でパコーンに敗れる。7月にはデンサヤームを左で一撃KO。9月はモハメド・イスラムを延長戦の末に判定2-1で振り切った。戦績は15勝(9KO)8敗1分。 豊樹は皇治の推薦選手で、皇治がプロデュースする『NARIAGARI』の第1回大会、7月の大会で2連勝。2023年9月の第2回大会では元NKBウェルター級王者でRIZINやRISEにも出場している蛇鬼将矢を判定(3分1R)で下して3連勝を飾った。GLADIATOR武士道キック・ウェルター級王座、ABWウェルター級王座と2つのプロタイトルも持っている。戦績は13勝(8KO)8敗1分。
1R、サウスポーの鈴木は左ミドルで先制。左ミドルを腕、脇腹へ蹴っていく。圧をかける鈴木にコーナーに詰まる豊樹は左右の前蹴りを放つ。強烈なミドルが何発も豊樹の右腕に決まり、快音を発する。豊樹の右ローにも鈴木は左ミドルを合わせる。豊樹はローキック、前蹴りを出しながら回り込むが、鈴木の圧と左ミドルに手詰まり状態。最後に右ハイを放ったが鈴木にかわされる。
2R、解説席に座ったNARIAGARIの皇治は「挑戦者なんだからもっとガンガン行かないとダメ」と言うが、豊樹は鈴木の左ミドルを蹴られて下がる。鈴木はジャブのけん制しかパンチを出さず、左ミドル一本で勝負。鈴木が左ミドルから左ストレートを繰り出すとクリーンヒット。豊樹も右ミドルを返して前蹴り。豊樹が右ボディアッパーを打ってラウンド終了。ここまで鈴木の左ミドルに豊樹が入れない展開が続く。
3R、「ここは根性見せなあかん。前へ出てガンガン打ち合わないと」と皇治が言う中、豊樹は鈴木に左ミドルを蹴られまくり、右腕がだらりと下がってダウン。鈴木の圧巻のKO勝ちとなった。皇治は「これはあやまらないとあかん。こんな試合してごめんなさい。出直してきます」とダメだし。
皇治NARIAGARIからの刺客を見事撃破した鈴木はマイクを持つと「こういうことです。このリングは甘くはないので。もちろん豊樹選手も真剣に練習をしてきたと思いますが真剣のレベルが違うと思いますし、僕らは本当に最強を目指しているのでこの結果は当たり前だと思います。戦ったのでもう何もないので、豊樹選手は必死こいて努力してまたこのリングに上がって欲しいと思います。来年の3月20日にビッグマッチがあると思うんですけれど気合いを入れていきます」と、相手を称えると共に3月大会出場をアピールした。
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▼第10試合 K-1 WORLD GPバンタム級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード/王者)判定3-0 ※30-29×3×石井一成(ウォーワンチャイプロモーション/挑戦者)※黒田が初防衛に成功。 黒田は小学3年生で少林寺拳法を学び、その後キックボクシングを始める。しかし次第にドロップアウトし、格闘技から離れていた時期もあったが、兄・勇斗からの『お前と一緒に格闘技をやりたい』という手紙をきっかけに再び格闘技の道へ。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では圧倒的な強さで優勝を果たした。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではRISEの風音に延長戦の末に判定負けしたが、12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」で優勝し、初代王座に就いた。2023年6月には前評判の高かったラマダン・オンダッシュに判定勝ち。戦績は12勝(4KO)3敗1分。 石井はジュニアキック出身で、アマチュアでは14冠王を達成。2017年2月にはTrue4Uフライ級タイトルを高校生で獲得。2018年12月、トーナメントを制してKING OF KNOCK OUT初代フライ級王座に就いた。WPMF世界フライ級王座、IBFムエタイ世界フライ級王座、BOMスーパーフライ級王座、WBCムエタイ世界スーパーフライ級王座も保持。K-1には2022年8月に初参戦を果たし、12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」に臨んだが決勝で黒田に判定負け。2023年はK-1でヨーシラーとテクニカルドロー、7月と9月には『RWS』で連続KO勝利を収めた。戦績は43勝(24KO)13敗3分。
1R、前に出る石井にサウスポーの黒田はバックステップしながら距離をとる。石井の右ローに黒田は必殺の左ストレート。石井は飛びヒザ蹴りで距離を詰めると左フックを放つが、黒田は離れる。ジャブを出しながら左回りで黒田を左回りにさせる石井が左フックをヒット。黒田は左インロー。
2Rも前に出る石井に黒田は右回りしようとするが、すぐに石井が圧をかけて左回りにさせる。石井は飛びヒザを混ぜながら距離を詰めるが、黒田もジャブで突き放して左を打つ。黒田がジャブからの左ストレートをヒット。左フックを空振りして入り込んだ石井と黒田がバッティングとなり、試合は中断。黒田の右ジャブに石井は右ミドルを返す。前に詰めて左ボディを打ち、顔面へつなげていく石井のパンチを黒田は鮮やかにかわす。ラウンド終盤、黒田がラッシュを仕掛けて石井にロープを背負わせたが、石井も最後に右ストレートのカウンターを当てた。ニヤリと笑う石井。
3R、左右フックで強引に前へ詰める石井を黒田がワンツーで迎え撃つ。右フックをもらう石井だが下がらず前へ出る。石井の右ストレートがヒットすると、黒田がすかさず連打を返す。さらに右ショートをヒットさせる石井。右ローを蹴った石井に黒田が左アッパー。長いジャブから左ストレートを繰り出す黒田。それでも石井は下がらず前へ出るが、黒田は組んで石井を組み倒す。左ストレート、右フックを当てる黒田に対し、石井は空振りが目立ち始める。残り10秒、石井が左フックからラッシュを仕掛け、首相撲でコカす。
判定は3-0で黒田が勝利。石井を返り討ちにした。黒田はマイクを持つと「今回のタイトルマッチをやるにあたって関係者からいっぱいオファーを受けて2回断ったんですけれど、結果こうなので日本人にはもう相手がいないでしょう。カルロスプロデューサー、来年海外のベルトに挑戦させてください。あと来年の1月に僕の地元八尾市でジムをオープンするんですけれど、フィットネスからプロを目指す方まで募集しているのでぜひ皆さんお願いします」と、世界への挑戦とジムのオープンをアピールした。
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▼第9試合 K-1 WORLD GP女子フライ級タイトルマッチ 3分3R延長1R×KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)判定0-3 ※29-30×3〇アントニア・プリフティ(ギリシャ/Fight Club Galatsi/Theofanous Elite Team)※プリフティが新王座に就く。KANAは4度目の防衛に失敗。
KANAは小学生で空手を始め、高校・大学時代には陸上でも活躍。大学卒業後にK-1ジム三軒茶屋シルバーウルフの門を叩き、2015年9月にプロデビュー。第2代・第4代Krush女子フライ級王座に就き、2018年3月にK-1デビュー戦を果たす。2019年12月に「初代女子フライ級王座決定トーナメント」で優勝して初代王座に就いた。2020年11月、壽美にvs.日本人初黒星を喫し、その後は怪我の治療で長期欠場を余儀なくされたが、2022年2月に復帰。6月のスーリ・マンフレディ戦から外国人を相手に4連続KOをマークし、3度の防衛に成功している。戦績は22勝(11KO)3敗。
プリフティはキックボクシングで21勝(5KO)2敗1分の高い勝率を飾り、並行してMMAでは4戦(2勝1敗1分)のキャリアを持つ二刀流ファイター。これまでにWKUとVendettaの2団体で-57kgの世界王座を獲得。WKU -55kgギリシャ王者にもなっている。そこからK-1フライ級(-52kg)に落としてどこまで動けるかがカギとなるが、KANAより6cm高い166cmの長身とパワーは脅威となるだろう。ファイトスタイルは、とても攻撃的で左右のフック連打は“ハリケーン”の異名が付く通り回転が止まらないほど強力。前蹴りで自分の距離を作り、パンチの連打に持ち込むのが必勝パターンだ。相手を恐れずに前へ出ていくスタイルは、なかなか止められないのではないか。22歳。
1R、KANAはステップを踏みながら出入りをして左フック、右ロー。プリフティも右ローを返し、右フックを狙ってくる。KANAが飛び込むと同時にジャブを突き刺し、左フックも繰り出す。体格で上回るプリフティはヒザを突き上げ、KANAが打って来ると右フックで迎え撃つ。プリフティの左フックがヒット、KANAが左ローを蹴るとプリフティは左フック。ワンツーから右ミドルを繰り出すプリフティにKANAが終盤に左右フックのラッシュを仕掛ける。KANAの事前の予想通り、プリフティの体格的有利とフィジカルの強さが目立った。
2R、上から打ち下ろすような左右フックを繰り出すプリフティだが、KANAは下がらず左右フックから右ミドルにつなげる。KANAの矢のようなジャブに仰け反るプリフティだが、左フックでKANAの頭が揺れる。プリフティの左フックを被弾する場面が目立つKANA。それでも前へ出て左フックを打っていくKANAだが、プリフティの長いリーチから繰り出されるワンツー、左右フックをもらってしまう。右ストレートからの連打にKANAの手数が止まる。プリフティの長い距離に苦しむKANAだが、KANAの右カーフに動きが鈍りKANAの左右フックがヒット。
3R、前に出るKANAが距離を詰めて右カーフから左右フックの連打。プリフティもねじ込むような右ストレートを放つ。前に出るKANAを前蹴りとヒザで止めようとするプリフティだがKANAは止まらず前へ出るそこへプリフティが右を打つ。左フック、右フック、左ボディを被弾するKANA。負けじと左ミドル、右カーフを蹴って前に出るKANAだがプリフティは離れる。思い切り右フックを叩きつけるKANAに長いリーチからワンツーを返すプリフティ。KANAの右カーフ、左ミドルにダメージを感じさせるプリフティだが、攻撃を出し続ける。得意のスイングフックで勝負をかけるKANAが前へ出るが、プリフティも負けじと打ち返す。
判定は3-0でプリフティが勝利。KANAは4度目の防衛ならず、連勝も「5」でストップした。
番狂わせを起こし、新王者となったプリフティは「K-1王者になることは長い年月夢見ていたことなので嬉しいです。チームのみんな、ありがとう。一緒にいるコーチは父であり、人生を共に歩んできた仲間です。この時間を分かち合えて嬉しく思っています。ありがとう、またお会いしましょう」とマイクで語った。
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▼第8試合 K-1女子フライ級 3分3R延長1R〇SAHO(闘神塾/S1レディース世界バンタム級王者)判定3-0 ※30-28×2、30-27×リー・リーシャン(深セン盛力人和/CFP/2022年中国キックボクシング選手権女子-52kg級優勝)※センは土に川
リーシャンは、“ガトリングガン”のニックネームを持ち、中国の武林風で活躍する強豪選手。基本は前蹴りを使いつつ、接近して左右のフックで攻撃するのがファイトスタイル。右のパンチも強いが返しの左フックが強烈で、まもとにもらえばKOに至る破壊力を持っている。2023年9月にはリー・タンヤンから左フックでKO勝ちを収めた。
対するSAHOは、超攻撃的なファイトスタイルでデビュー当初から注目を集め、キック・ムエタイルールでは4本のベルトを巻く。2021年12月にK-1初参戦し真優とのスーパーファイトで勝利。2022年6月、K-1女子大会でジェシンタ・オースティンと対戦し激しい打ち合いを展開するもダウンを奪われて敗北。2023年4月、Krush女子大会で韓国のイ・ドギョンから勝利を収め、7月は鈴木万李弥から判定勝利している。
1R、ワンツーで前に出るリーシャンへSAHOはしっかり受けて左フックと右ストレートを返す。SAHOはジリジリと前に出てワンツーを打ち、リーシャンも強気に打ち返す。SAHOの右ヒザが突き刺さり、SAHOは一気にパンチをまとめてヒザも突き刺す。SAHOのワンツーにリーシャンがワンツーを打ち返してくると、SAHOはすかさず左フックをヒットさせる。
2R、前に出てくるリーシャンをカウンターの左ジャブで止めるSAHO。右ロー、左ミドルと蹴りから入って行くSAHOは機を見て飛び込んでの左ボディ。これが強烈に決まる。リーシャンが打ち返してくるとSAHOはすかさずヒザで応戦。このヒザが有効的に決まり、ラウンド終盤にもヒザを連打で叩き込んでいったSAHO。
3R、SAHOのヒザにボディの連打で対抗するリーシャン。何度もパンチでアタックを仕掛けるリーシャンだが、SAHOは下がらずパンチで迎え撃つ、最後はヒザ。左ボディを叩いてさらにヒザ。SAHOは前蹴り、リーシャンが打ち返してくると右ストレートを狙い撃ち。パンチからヒザと流れるような攻撃を見せるSAHO。リーシャンのパンチに左ミドル、カウンターの右ストレート。リーシャンが組んでくるとヒザを何発も突き刺し、残り10秒でパンチとヒザのラッシュを仕掛けた。
攻撃力と手数で圧倒したSAHOが判定3-0で勝利。勝ち名乗りを受けると笑顔を見せた。
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▼第7試合 スーパーファイト K-1女子アトム級3分3R延長1R〇菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GP女子アトム級王者)判定3-0 ※30-28×3×ルシール・デッドマン(オーストラリア/Taylormade Muay Thai/WBCムエタイ豪州ミニフライ級王者)
菅原は2019年1月にプロデビュー。2020年11月の「女子アトム級王座決定トーナメント」決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就き3度の防衛に成功。2022年6月の「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」決勝でパヤーフォンに敗れたが、2023年3月のタイトルマッチでの再戦でリベンジし、K-1王座に就いた。7月にディミトラ・アガサゲリドゥ、9月にマリア・ネラに勝利して今年4戦目となる。戦績は13勝(1KO)3敗。
初来日のデッドマンはムエタイベースで、オーソドックス構えからの右ローキック、左ミドルキックを得意とする。対戦相手のパンチ連打も堅いディフェンスを駆使して守り、強烈なミドルキックで腕にダメージを与え、ボディへ突き刺すヒザ蹴りは脅威だという。パワー、スピード、テクニックと3拍子揃ったWBCムエタイ豪州ミニフライ級王者。戦績は9勝(1KO)無敗。
1R、菅原はステップを使い左右に動き、ワンツーで前へ出る。デッドマンのパンチに菅原は右ローと左ミドル。デッドマンもジャブから右ミドル、右カーフを蹴る。デッドマンの右ローに菅原が右アッパーを合わせた。菅原は左のフェイントからジャブ、前蹴り。デッドマンが前に出てくると前蹴りで距離を作り、連打につなげる。菅原が距離を制した。
2R、菅原の左右前蹴りにデッドマンは左ミドルで応戦。デッドマンが前に出ると菅良は前蹴りで距離を作り、ワンツーを打つ。デッドマンの蹴りにも右ストレートを合わせる。菅原が右ストレートから顔面前蹴り、さらに左ボディ、右カーフ。多彩な技を繰り出し、出入りを繰り返す菅原。デッドマンはヒザで応戦も、菅原がテクニシャンぶりを見せつけた。
3R、ジャブと右カーフの菅原にデッドマンは右ロー。パンチを出した後に前蹴りを入れて距離を作る菅原は、左右ボディ連打でデッドマンを下がらせる。右ストレート、前蹴り、ワンツーと攻撃を当てる菅原にデッドマンは下がる。デッドマンの右ローには右ストレートのカウンターだ。手数でもヒット数でも上回る菅原は、デッドマンが前に出てくるとステップでかわし、顔面前蹴り、右アッパー。デッドマンの左ローに連打を見舞う。前蹴りでデッドマンを下がらせてパンチをまとめる菅原にデッドマンも返すが手数は菅原の方が圧倒的に多い。
判定3-0で菅原が完封勝利。勝ち名乗りを受けた時は不服そうな菅原だが、デッドマンが菅原の手を上げて称えると笑顔を見せた。
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▼第6試合 K-1クルーザー級 3分3R延長1R×星龍之介(POWER OF DREAM/極真会館2019年第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会 第6位)TKO 3R 1分00秒 ※レフェリーストップ〇山口翔大(TEAM3K/JFKO全日本大会2連覇)
元・極真会館の星と元・正道会館の山口の空手対決。
1R、距離を詰めてローキックで最初から仕掛けてきた山口を星が左フックでダウンさせる。立ち上がった山口は再びローから左右の連打、星もワンツーと右アッパーで応戦する。パンチの回転力と正確さは星が上回る。山口は至近距離での胴廻し回転蹴り。星は左右ストレート、左右フックと畳みかけるが山口はガードを固めて耐える。山口の右ストレートで星がグラつき、打ち合いに持ち込んだ山口が右フックでダウンを奪い返す。さらにラッシュをかける山口に星はガードを固めて亀になり、残り時間をひたすら耐えた。レフェリーが止めるか止めないかの微妙なところでゴング。
2R、互いに強打を叩きつけ、山口は右カーフと左の三日月蹴り。山口が二段蹴りを見せると、星もバックハンドブローを見せる。山口の右カーフに星は右ストレート。蹴りも多用する山口に対し、星はパンチ一辺倒だったが山口にロープを背負わせるとヒザを突き刺す。星は左アッパー、右フックからヒザの連打。しかし、これはローブローに。再開後、両者超接近戦でフックを打ち合う。山口の右フックで星の身体が泳ぐ。星はピンチをゴングに救われた。
3R、山口が胴廻し回転蹴りで場内を沸かせる。そして右フックでグラつかせると右ストレートでダウンを奪う。星はフラつきながらもハイキックを放つが、山口の左ストレートで星が大きくグラついたところでレフェリーストップ。山口が逆転勝利で歓喜の勝利の雄叫びをあげた。
重量級の試合の面白さを存分に見せつけた山口はマイクを持つと「フルコンタクト空手から来ました山口です。見てもらったら分かりますが、めちゃくどんくさいんですよね、実力だと星君の方が何倍も強いんですよ。でも僕はフルコンタクト空手で何回も土壇場を経験しているので、何とか踏ん張ることが出来ました。あとひとつ、僕SNSでめちゃ調子に乗っているんですけれど、そのおかげでここまで来ました。根性しかないけれど根性なあるので、もうSNSやめようかなと思っています。フルコンタクト空手、最高!」とアピールした。
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▼第5試合 K-1ウェルター級 3分3R延長1R×ジョムトーン・ストライカージム(タイ/ストライカージム/元ラジャダムナンスタジアム四階級制覇、元WBCムエタイ世界3階級制覇)判定0-3 ※28-29×2、27-29〇松岡 力(K-1ジム五反田チームキングス/第9代Krushウェルター級王者)
1R、左ミドルを蹴っていくサウスポーのジョムトーンは左ボディストレート。松岡はコーナーに詰められて左ストレートをもらう場面が目立つ。松岡が左フックでジョムトーンをグラつかせたが、すぐにジョムトーンが左フックで松岡をグラつかせる。
2R、松岡の右ストレートにすぐ打ち返すジョムトーン。松岡のパンチを被弾するジョムトーンだが、すぐに打ち返して譲らない。松岡が左目近くの眉間をカットして流血。ドクターチェック後、松岡がラッシュを仕掛けて右フック、右ストレートを連続ヒットさせ、ムキになって打ち合ってきたジョムトーンから右ストレートでダウンを奪う。ジョムトーンのヒザに右フックを合わせてまたもグラつかせる松岡。それでも前へ出て左右フックを顔面とボディへ叩きつけるジョムトーン。松岡は下がりながらカウンターを狙う。
3Rも前に出るジョムトーンが左ストレート、左ミドルをヒットさせるが、下がる松岡は左フックで迎え撃つ。疲労が見えるジョムトーンは左を当てるも松岡がしっかりと左右フックを打ち返していく。松岡は至近距離での右ハイもヒット。両者かなりの消耗が見えるも左右フックを放つ。残り10秒、松岡は両腕を広げて余裕を見せる。
判定は3-0で松岡が勝利。ジョムトーンから金星の勝利を奪った。
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▼第4試合 K-1ライト級 3分3R延長1R×篠原悠人(DURGA/第6代Krushスーパー・ライト級王者)KO 1R 2分38秒 ※右ストレート〇大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第4代Bigbangライト級王者)
篠原は幼少期から空手・キックボクシングを学び、2015年にK-1甲子園優勝。2016年4月にプロとしてK-1デビューを果たすと、2018年8月に第6代Krushスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはライト級世界最強決定トーナメントの1回戦でゴンナパーに勝利して名を挙げて準優勝。2022年12月に弘輝、2023年7月に龍華に勝利して連勝中。戦績は18勝(6KO)7敗。
大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にスタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠に勝利。2021年11月には第4代Bigbangライト級(-61.23kg)王座に就いた。前戦は6月に横山朋哉に判定負け。今回からライト級に階級を上げる。戦績は23勝(8KO)10敗。
1R、篠原は距離を保ち、パンチを軽く当てては離れる。大岩が近付いてくるとジャブ、右ボディ、ワンツー。大岩はガードを固めて前に出ると左右フックを繰り出し、篠原にロープを背負わせると打ち合いに来た篠原に左フックの相打ちから右ストレート。この一発で篠原は意識が飛び、そこへ大岩がワンツー。篠原が前に崩れ落ち、大岩の豪快KO勝ち。武尊がリングに飛び込み、笑顔で両者抱き合った。
大岩はマイクを持つと「大阪の皆さん、3年前にメインでここで試合をしたんですけれど覚えていますか。ライト級に階級を上げてライト級を盛り上げに来たので楽しみにしていてください。それと宮田さん、ABEMAの方々、違うところに注目集め過ぎなので、選手めちゃくちゃいい人いっぱいいるので、僕とかみんなにもっとスポットライトを浴びせてください。格闘技は強さですからね。勝って結果で示してみんなに伝えたかった」と訴えた。
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▼第3試合 K-1フェザー級 3分3R延長1R〇兼田将暉(RKS顕修塾/K-1甲子園2017 -60kg王者)KO 1R 2分17秒 ※3ノックダウン×ダウサヤーム・ウォーワンチャイ(タイ/ウォーワンチャイプロモーション/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位)
1R、サウスポーの兼田はジャブと前蹴り、ダウサヤームは右ミドルを蹴り、右ストレートを伸ばして来る。前に出てきたダウサヤームに兼田はバックステップで下がりながら、追ってきたダウサヤームに左を合わせてダウンを奪う。 兼田がワンツー、右前蹴りと右ジャブ。左のショートをヒットさせると一気に連打をまとめ、背中を向けたダウサヤームにハイキックで2度目のダウンを奪う。左フックと左ボディでダウサヤームをコーナーへ詰め、一気に連打をまとめるとダウサヤームはコーナーを背にして防戦一方に。レフェリーがストップし、兼田のKO圧勝となった。
兼田はマイクを持つと「この選手、軍司選手は倒してないでしょう。僕は1Rで倒しましたよ。もうやるしかないでしょう!」と、K-1フェザー級王者・軍司泰斗との対戦をアピールした。
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▼第2試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R〇椿原龍矢(月心会チーム侍/第4代K-1 WORLD GPフェザー級王者)判定3-0 ※30-29×3×健介(Jay's Box)
1R、前に出るサウスポーの健介に対し、椿原はステップを踏みながら左へ回り込んでいく。左の蹴りを上下に散らす健介に、椿原は右インローをしっかり返していく。ラウンド終了間際、それまで見ていた椿原が連打を繰り出して山を作った。
2Rも左へ回り込んでいく椿原に右ローと左ミドルを蹴っていく健介。椿原がパンチを繰り出すと左を打ち返す健介。左ミドルの健介に椿原は右を当てに行く。右を狙い撃ちしていく椿原だが健介もかわす。ラウンド終了間際にまたもラッシュを仕掛けた椿原だが有効打は奪えなかった。
3Rも前に出る健介を右で迎え撃つ椿原だが、パンチは空を切る。健介は左ミドルを当て、ワンツーで前に出るも椿原は右を合わせに来る。健介の左ローに椿原が左フックを合わせ、これで健介が腰を落としてバランスを崩す。すぐに健介が前へ出ていくが椿原はステップで距離を作り、右を打つ。
判定3-0で3Rに見せ場を作った椿原が判定3-0で接戦を制した。
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▼第1試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R×アビラル・ヒマラヤン・チーター(志村道場/第4代HEATキックミドル級王者)判定0-3 ※26-30×2、26-29〇璃久(HIGHSPEED GYM) アビラルは2016年1月に来日。2020年1月にHEATキックルールミドル級王座を獲得し、9月には初防衛にも成功している。12月のK-1両国大会で初参戦を果たすと、1Rに木村“フィリップ”ミノルから打ち下ろしの右でダウンを奪い、2Rに逆転TKO負けを喫したものの大きなインパクトを残した。その後は小鉄、松下大紀にはKO勝ちも和島大海、ジョムトーン、ジョーダン・ピケオーにはKO負けと勝っても負けてもKOがK-1では全試合続いた。前戦は8月にホームリングの『HEAT』でヤン・チャンウォンに初回KO勝ち。 戦績は15勝(14KO)5敗。 璃久は2019年4月に『S-BATTLE』でプロデビュー。2戦目からはシュートボクシングを主戦場とし、4勝1敗の戦績を残す。『NO KICK NO LIFE』や『HOOST CUP』、『NJKF』などに出場し、2023年7月にKrush初参戦を果たすとスーパー・ウェルター級ホープの森田奈男樹に右ストレートでKO勝ちを奪った。戦績は8勝(5KO)2敗1分。
1R、ガードを固めて前に出るアビラルに璃久は左右フックを振り回す。右カーフを蹴り合い、思い切って前に行く璃久が右フックをヒットさせ、グラついたアビラルに左右フックを見舞ってダウンを奪う。さらに右ストレートからの左右フックでアビラルにロープを背負わせる璃久。どんどん左右フックを打ち込む璃久にアビラルもフックを返すが、璃久の右をもらう。璃久の攻撃が目立った。
2Rも左右フックで前へ出て攻める璃久が、右ストレートをヒットさせての右フックでアビラルをグラつかせて2度目のダウンを奪う。打ち合いとなるが、左右フックで押していくのは璃久。アビラルの右ストレートで璃久が尻餅をつく。右の強打を思い切り打つ璃久だが攻め疲れも見える。璃久の右を何度ももらうアビラルだが左ボディ、ヒザを打ち返す。さらに右カーフ。両者ともかなり疲労の色が濃い。
3Rはアビラルが右ストレート、左フックで前に出る。璃久も右の強打を繰り出すが、アビラルの左フックを連続被弾。アビラルは右フックからの左ボディも叩き込む。それでも璃久が強烈な右を繰り出して前へ。顔面前蹴りも繰り出す。アビラルのジャブ、右ストレートをもらって下がる璃久はバックハンドブロー。しかし、アビラルの攻撃に璃久は下がる。残り10秒で両者打ち合いを見せた。終了のゴングが鳴ると、アビラルはリングに突っ伏す。
判定3-0で璃久がK-1グループで2連勝を収めた。
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▼プレリミナリーファイト第5試合 -51kg契約 3分3R○山脇飛翼(K-1ジム心斎橋チームレパード)判定3-0 ※29-28×2、30-28×松葉斗哉(昇龍會)
1R、山脇はジャブを突きながら右カーフ、左インロー。松葉は前へ出ながら右ローを蹴っていく。パンチ主体の松葉がワンツー、右ボディストレート、左フック。山脇は右カーフを中心に右ストレート、左ミドル。ラウンド終了間際、前に出て山脇をコーナーへ追い込んだ松葉へ山脇が右ストレートのカウンターでダウンを奪う。
2R、松葉は左右ローを蹴っていき、左ボディを打つ。山脇が右ストレートを打って来ると、3連打をコンビネーションで返す松葉。さらに右カーフも蹴る。松葉が山脇を投げてしまい、山脇が後頭部を打って試合中断。再開後、ワンツーと右カーフで前に出る松葉に山脇はジャブからバックハンドブローを繰り出す。前に出る松葉に山脇はカウンターのヒザ。すぐに松葉が連打を返す。
3R、二段飛び蹴りを繰り出す松葉。山脇は前に出る松葉をヒザで迎え撃つ。左右フックで攻める松葉は山脇のクリンチワークに投げを見舞ってしまう。山脇の右ストレートに松葉がバックハンドブロー。終盤はもつれて倒れるなど荒れた展開となり、試合終了。
ダウンを奪った山脇が乱戦を制した。
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▼プレリミナリーファイト第4試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R○村田健悟(ALONZA ABLAZE)判定3-0 ※30-27×2、30-28×堀井海飛(空手道柔拳)
1R、ファーストコンタクトで村田の左インローがローブローになってしまい中断。再開後、ジャブで前に出る村田は左フック、左ストレート。堀井も至近距離で右カーフを蹴り、右フックと左ボディを返す。お互いのガードがくっつくような距離で堀井は右カーフ、村田は飛びヒザ、互いにボディを打ち合う。まるでフルコンタクト空手のような距離でボディとローを攻め合う両者だが、村田はジャブで距離を作ってのワンツー、左フックも打つ。距離を潰して右カーフと左右インローを蹴る堀井に村田はパンチのコンビネーションで対抗。
2Rも同じ距離での戦い。村田は距離を作って左右フックを打つが、堀井はすぐに距離を詰めてガードを固めながらのインロー。村田は飛びヒザを起点に左右フックと左ボディでラッシュを見せる。村田は左アッパーを突き上げ、胴廻し回転蹴りを繰り出す。ガードの両腕を相手に押し付けながら左ボディ、ヒザ、右カーフで攻める堀井だが、村田はコンビネーションで多彩な技をしっかり当てていく。
3Rは堀井が両腕ガードを押し付けながら攻めていく。村田は飛びヒザと左ボディ、さらに左右フックで応戦。堀井はそれでも前に出て距離を潰す。交互に3連打を出し、右カーフを蹴り合う。攻撃のインパクトは村田の方が強く、技も多彩。堀井が連打を繰り出せば村田も連打、村田が蹴れば堀井も蹴り返す。
タフファイトは判定3-0で村田が制し、プロ戦績を3戦全勝とした。
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▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1フェザー級 3分3R○松本海翔(TAD)KO 1R 2分48秒 ※左ボディ×魁志(Vigor Kickboxing Gym)※魁志は本計量で1.7kg、再計量で800グラムオーバーのためファイトマネー20%没収、減点1、8オンスと10オンスのグローブハンデ。
魁志はRIZINで龍聖と対戦した経験を持つ。
1R、サウスポーの松本は左ストレートを狙いつつ左インロー、左フックからの右フック、左ストレートからのヒザと攻撃的に攻めていく。右フックからの左ロー連打で魁志がよろめき、松本がダウンを奪う。さらなる左ローの連打でダウンしかける魁志に松本は左右フックでラッシュを仕掛け魁志は防戦一方に。その時間が長く続き、最後は左ヒザ、左ボディで魁志をKOした。「見たかボケ、体重くらい落とせよ」と松本は吠えた。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R○天野颯大(キング・ムエ)KO 2R 0分47秒 ※左フック×原田翔貴(拳心會館)
2戦2勝の原田と3勝(2KO)2敗の天野。
1R、ハイガードで前へ出て左インロー、右フック。原田は左右に構えをスイッチしつつ前蹴りとジャブを多用。天野はじりじり距離を詰めて左右フックを打っていく。原田は天野が入ってくるところに至近距離からの左ハイ、左顔面前蹴り。両者ともロングのフックを思い切り放つ。天野のローがローブローとなって中断。
2Rもガードを固めて前に出る天野を原田はジャブで迎え撃つ。原田のワンツーに天野が右へヘッドスリップしてからの左フック。この一撃がモロに入り、原田はダウン。天野の見事なKO勝ちとなった。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 -51kg契約 3分3R×吉村 匠(TAD)判定0-3 ※28-29、28-30、27-30○元太郎(TEAM IDEAL/NARIAGARI/K-1カレッジ2018 -55kg準優勝)
皇治がK-1に送り込んだ刺客・元太郎はNARIAGARIで3戦3勝。
両者とも不敵な笑顔を浮かべての試合開始。1R、サウスポーの元太郎は左ミドル、吉村は軸足を右ローで蹴る。距離をとる元太郎に吉村がじりじりと近付き、元太郎が左ストレートを放ったところでバッティング。再開後、元太郎は左ローと左ミドルを放ち、吉村は右インローを狙い撃ち。吉村が左右フックで仕掛けるが、元太郎の左ローがローブローとなり吉村が倒れ込む。インターバルの後、吉村が打ち合いに行き元太郎も応えた。
2R、元太郎が左ミドルと右ローを放ち、吉村が左右フックで仕掛ける中、元太郎の左ミドルで吉村がダウン。ローブローかとも思われたが、VTR検証によりダウンと認められた。再開後、右インロー&パンチで前へ出る吉村だが、またもバッティングで中断。インターバル後、元太郎が左ミドル、吉村は左右フックを繰り出すが、元太郎も右フックを返す。ワンツー、ワンツースリーからの右インローと吉村が攻める。
3R、元太郎が吉村をコーナーに詰めてのワンツー、左ミドル。吉村は右インローを蹴りつつワンツーを放つ。元太郎は前蹴り。元太郎が左ミドルをヒットさせるが、すぐに吉村が右ストレートを返す。元太郎が左ミドル、左ハイを蹴り左ボディストレート。吉村も打ち合うが、元太郎の左ミドルがヒット。吉村も左フック、右アッパーの猛攻。バテ気味の元太郎を吉村がパンチ&右インローで詰めていくが、元太郎も左ミドルで応戦。
判定はダウンを奪った元太郎が判定3-0で勝利も、首を横に振って不満足そうな表情で勝ち名乗りを受けた。