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【修斗】SASUKEが田中をパウンドアウトで2度目の王座防衛、修斗初参戦の岡見がジェヨンに辛勝、マモル引退エキシ3人目はルミナ! リオンが内藤を、猿丸が安芸をTKO。フライ級・石井が内藤を三角絞め一本勝ち「新井丈をギブアップさせてやる!」

2023/12/02 17:12
 2023年12月2日(土)、修斗初進出となる豊洲PITにて『プロ修斗公式戦 MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH』(ABEMA配信)が開催された(※昼の部・女子修斗『COLORS Produce by SHOOTO』はこちら)。 プロ修斗公式戦 MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH 速報 ▼メインイベント・第7試合 修斗世界フェザー級チャンピオンシップ 5分5R〇SASUKE(王者/マスタージャパン東京)65.6kg[3R 1分07秒 TKO] ※パウンド×田中半蔵(挑戦者・同級5位/FUN'S)65.7kg  修斗世界フェザー級王者のSASUKEは、『ROAD TO UFC 2』でのTKO負けからの再起戦。2022年の『RTU1』でイー・ジャーに投げられた際に手を着き負傷したSASUKEは、そのままチョークで一本負け。10月の『RTU』のワンマッチで判定勝ちで再起を遂げると、2023年3月の修斗では飯田健夫をバックエルボーで沈め、2R TKO勝利を収めた。2023年5月に『ROAD TO UFC 2』に再挑戦し、キム・サンウォンと対戦。2Rに右ストレートを被弾し、パウンドアウトでTKO負け。今回は約半年ぶりの再起戦にして、修斗世界王座2度目の防衛戦となる。  会見でSASUKEは、田中を「経験豊富なファイターで勝負どころを分かっている選手。かなり切れ味のあるストライカーというイメージだったんですが、チームメイトの結城大樹選手もロイベ・ネト選手も要所要所で組まれてやられているので、スキルも高い、決して侮れない相手。僕のチームにも強い40代がたくさんいるので、ほんとうに40歳、侮れないないなと思っています」と警戒。 「でも、しっかりチャンピオンらしくアグレッシブに戦って、5Rありますが、みんなが退屈しないように、最後はみんなが立ち上がって手を叩くような試合をしたいと思っています。プレッシャーはまったく無いです。僕の気合いと心意気を見てもらえたら嬉しい」と、王者らしくアグレッシブに戦うとした。  対する田中は、2019年11月のPANCRASEで新居すぐるにスプリット判定勝ちも、2020年10月に透暉鷹に判定負け。その後、主戦場を修斗に移し、2022年5月の福岡大会で約5年振りの修斗参戦。結城大樹に判定勝利し、ランカーに返り咲きとなった。倒れずに相手を制圧する王道スタイルで41歳となった今でもその強さを示す。2023年5月にはロイベ・デ・オリベイラ・ネイトをテイクダウンで削って勝利。修斗復帰2連勝で王座挑戦権を得た。  会見で田中は、「SASUKE選手は柔道出身で足技が上手くて、一発があるので、そこを警戒したいと思います。初めての5Rなのでしっかり5Rをかけて戦いたいと思います。年齢的に衰えている部分もあると思いますが、技術的にいまが一番ノッっているのでそこを見てもらいたです。これが最後のチャンスだと思って、SASUKE選手にしっかり勝って、修斗のチャンピオンになります」と、力強く戴冠を宣言している。 SASUKE「ぬるい試合にはしないです。チャンピオンの力を見せつけて、しっかり叩き潰します。以上です」 田中「15年前に修斗でデビューして、他団体も渡り歩きながら、ようやくここにたどり着きました。明日は自分の集大成になると思うので、しっかり勝って福岡にベルトを持って帰りたいと思います。よろしくお願いします」  1R、サウスポー構えの田中は右前手を出しロー。喧嘩四つのSASUKEも前手を突き、右後ろ廻し蹴りを当ててで、田中の左の蹴りを掴んで前に。右で差し返す田中は下組みに変えてシングルレッグも潰すSASUKEはヒジ。ブレーク。右を当てるSASUKEは首相撲ヒザを連打し倒してパウンド! ホーン。  2R、左前蹴りを関節に当てるSASUKE! 田中もその入りに得意の右前手を合わせて、左ミドル。田中の右の蹴りを掴んでテイクダウンはSASUKE。ヒジを打つと、腰に足をかける田中も鉄槌を返す。しかし足を外して背中を着かせたSASUKEは金網まで田中を運び、中腰でパウンドをまとめる。  3R、右の三日月蹴りを効かせたSASUKEはさらに右ヒザで田中をダウンさせると、亀の田中に強いパウンドを連打! レフェリーが間に入った。3R1分07秒 TKO勝ちで、2度目の王座防衛に成功!  ケージの中でSASUKEは、「前回、5月、ROADTOUFCで負けて不甲斐ない結果に終わって、そこからすべてを変えて戦いだけのために尽くしてきました。ほんとうに苦しいことだけしかない毎日で、どうしたら報われるだろうかと考えてきました。でもここに立っていられるのは、みんなのおかげで、マスタージャパンのみんなが言葉をかけてくれて、チームじゃなくて家族のようで…ありがとう。パトスタジオのみんなもありがとうと思っています。明日TORAOで福岡からマスタージャパンの3人が出ます。繋げました。これからもSASUKEならびに修斗をお願いします。ありがとうございました」と語った。  試合後、SASUKEは、距離感を大事に田中の右前手と左の蹴りを警戒していたことを明かし、「1Rと2Rに三日月を効かされてイラっとしちゃって、三日月で腹を効かせちゃおうと思いました」とフィニッシュを語った。  また『ROAD TO UFC』以降、会社を辞めて、「無職になりました」と貯金を切り崩して格闘技一本に絞ったことを告白。「特に変わったのはフィジカル面。減量方法も変えて、フレームを残しながら体重落としたので、減量幅が大きくキツいけど、戻してもパフォーマンスがついてきた」とその成果を語り、今後について「修斗のフェザー級の最多防衛記録を作りたい」こと、さらに「海外再挑戦」を掲げた。 【写真】試合後、SASUKEはMOBSTYLES田原代表からプレゼントされたというスタジャンを羽織ってのチャンピオンベルト姿を披露。 [nextpage] 岡見がガス欠しても前進、ジェヨンにスプリット判定勝ち ▼セミファイナル 第6試合 ミドル級 5分3R〇岡見勇信(日本/EXFIGHT)38勝15敗 83.7kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×キム・ジェヨン(韓国・NOVA MMA)26勝16敗2分 AFC、TFCミドル級王者 173cm 83.6kg  2002年のプロデビューから21年目を迎えた岡見は42歳。柔道から「DEMOLITION」旗揚げ大会に出場。83kg契約試合で判定勝ちでMMAのキャリアをスタートさせた。日本人選手にとって絶対的に不利とされるミドル級で2011年には世界の頂点、アンデウソン・シウバが保持するUFC世界ミドル級王座にも挑戦している。  ONEには2019年から上がり、水抜き禁止の83.9kg=ONEウェルター級でキャムラン・アバソフにTKO負け。同年8月にジェームズ・ナカシマに判定負けと苦しい日々を送ってきたが、2019年10月の両国大会でアギラン・ターニに判定勝ち。新天地で初白星を掴んだ。  2022年11月に3年ぶりの試合で、ONEミドル級(※93.0kg)で復帰。アウンラ・ンサンと対戦し、ンサンの右ストレートをかわした岡見がシングルレッグも、そこに右ヒザを合わされ後方に倒れた岡見は立ち上がれず、1R TKO 負けとなっている。  MMA51戦37勝15敗。今回が1年ぶりの試合で、プロ修斗は初参戦となる。また、水抜きあり減量のミドル級での戦いになる。  会見で岡見は、「修斗は、僕が格闘技を始めた頃からもちろんあって、大先輩の宇野薫さんらがチャンピオンで、和術慧舟會の先輩方が修斗にたくさん出ていて、セコンドや応援で修斗の会場には足を運ばせてもらいました。そのなかで自分は海外中心の舞台で戦ってきて、なかなか縁が無かったのですが、いずれ日本で戦うときに、この修斗という舞台で戦ってみたいという気持ちは常々持っていました。この修斗という舞台で戦う意義があるのかなと思い、坂本さんに戦うことはできますでしょうか、と連絡をさせてもらいました」と初参戦の経緯を説明。 「久々の日本の舞台なので、緊張もすごくあり、ワクワク感もあり、ここ1年試合もしていなくて、コロナのこともあって、日本の舞台にいま帰って来るのは、何だろう、また新しい冒険をするような──いま42歳なんですけど、こんなことやっていていいのかなという(笑)──すごく冒険という、ほんとうそういった気持ちにさせていただけているという、感謝ですかね。(48歳の宇野薫が11月19日の後楽園大会出場もあり)先輩がほんとうにすごいので、僕もすごく勇気をもらっています」と、今回の日本復帰戦を「冒険」と称した。  対戦相手のキム・ジェヨン(韓国・NOVA MMA)は、40歳で26勝15敗2分。AFC、TFCミドル級王者の経歴を持つ。坂本一弘サステイン代表は、「ハートの強い選手で非常に面白い試合になる。“日韓レジェンド対決”」と期待を寄せた。  同年代のベテラン対決に臨む岡見は、「キム・ジェヨン選手の映像を見て、歴戦の猛者というか、韓国人選手らしく気持ちが強く頑丈でどんどん前に出て来る選手。こういう選手と修斗の舞台で戦えるのは光栄だし、やりがいがあります。気持ちの勝負が大きな部分を占める。気持ちで退くと、どんどん前に出て来るので、自分も気持ちを持って潰し合いというか、ぶつかってどちらが前に出られるのか、押せるのか、そこの勝負が一番大きいのかなと思います」と、現在の岡見が最も欲する「前に出る気持ち」の勝負になると語った。  また、今後については、「もちろん“冒険”ですから、いまは20代中盤くらいの気持ちを持って戦っていこうと思っているので、この年齢だから終わりを考えているとか、そういうのはもう止めたんです。いまできる精一杯をやって、またその先が見えて来ると。自分にすごく期待しています。引退するために試合をするとか、自分が弱いからもうここで終わりにしよう、とか、みんなに最後に見てもらおうとか、そういう感傷的でネガティブな気持ちは一切、無いです。自分を信じて、自分に期待して、自分の背中を見せる──そういった思いだけなので、もちろんこの先を見据えて戦いますけど、いまは全力でキム・ジェヨン選手と戦い、潰し合いをしていきたいと思います」と、現役としての強さを見せていく試合になるとした。 (計量後コメント) 岡見「自分が格闘技を始めた頃から、先輩方や自分が尊敬するファイターたちが戦っている、この修斗という舞台で戦えること、そして明日試合をすること、光栄に思い、誇りに思います。ここまで日本の舞台で戦うためにしっかり準備をしてきました。この若い選手たちと一緒に、自分もこの修斗という舞台で戦えることを、ほんとうに嬉しく思い、“とうとうきたな”と。そしてこの隣りにいるキム・ジェヨン選手とも戦えることが光栄で嬉しく思います。明日は全力で戦います。その姿を見てほしいです。どうぞ応援のほど、よろしくお願いします」 ジェヨン「自分は韓国で“風のファイター”と呼ばれてていますが、それは自分のベースが極真空手だからこそです。20年以上、格闘技人生を送ってきて、そろそろ引退とかも言われていますが、格闘技を始めたときに日本で試合をすることが(目標で)ほんとうに嬉しくて、武道家を敬う日本の文化が好きで、ここでチャンピオンベルトをまだ巻きたいという目標があります」  1R、サウスポー構えから右ジャブを突き、ダブルレッグテイクダウン。金網使い立つジェヨンをボディロックテイクダウンでバックに回る岡見だが、落とされ下に。パウンドを被弾しながら立つ岡見は左ストレートを伸ばす。  2R、左ミドルを当てる岡見。金網に詰めてシングルレッグで引き出してテイクダウンもすぐに立ち上がるジェヨン。ついていく岡見のダブルレッグを切るジェヨンが組みに、この投げは防いだ岡見。スタンドでジェヨンはローブロー。岡見、中断も再開する! ジェヨンの打ち終わりに詰めて倒した岡見。スタンドバックでコントロールするが、ジェヨンも正対して突き放す。  3R、左右の連打からテンカオ。右ミドルのジェヨンに岡見は右ストレートのダブルで金網に詰めてダブルレッグからバック狙いも外して突き放すジェヨン。なおも追う岡見に右ミドルのジェヨン。岡見はスタミナ切れを起こしているが、それでも死力を振り絞りワンツーで詰めて前に。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)で岡見が勝利。咆哮した岡見は、マットに倒れ込んだ。  岡見は最後は1人でケージに立ち、「ほんとうに42年間で一番キツい5分3Rでした。試合前に怖くて、それでもこれまで自分じゃだめだと恐怖心に打ち勝ちここに立ちました。まだまだ自分は弱い。ジェヨン選手、強かったです。今後の自分の先は分かりませんが、今日、ここで打ち勝てたことは今後の糧になったと思います。仲間、家族、妻、息子、みんなのおかげでここに立つことが出来ました。ありがとうございました」と語った。 [nextpage] マモル引退エキシ3人目は佐藤ルミナ「4冠を獲れて、幸せな格闘技人生でした」(マモル) ▼第5試合 マモル引退エキシビションマッチ─マモル[勝敗無し]─漆谷康宏&清水清隆& 佐藤ルミナ  修斗初の2階級制覇をはじめ国内外4つのタイトルホルダーとして一時代を築いた“レジェンド”、MOBSTYLESサポート選手第1号のマモルの引退セレモニーが決定した。  しかし、すんなりと最後を迎えられるはずもなく、引退エキシビションマッチを行うことに。選ばれた対戦相手は因縁浅からぬ漆谷康宏と清水清隆の2人。漆谷はマモル、BJと共にバンタム級BIG3と呼ばれたレジェンドの一人。両者は2度戦って1勝1敗。2007年に行われた一戦から16年の時を経て、今回最後の決着をつける事となった。  マモルのもう一人の対戦相手・清水清隆は2009年に行われた『修斗vs.パンクラス対抗戦』で対戦。清水が果敢にテイクダウンを仕掛けるも試合巧者のマモルに阻まれ惜敗。この一戦後、清水はキング・オブ・パンクラシストとなり更に飛躍する事となった。  修斗の引退エキシビションマッチは激しい事でも知られている。「引退前に一発殴らせろ」とでも言わんばかりのこのマッチアップ。さらにもう一人、マモルの引退に華を添えるべく対戦に名乗りをあげているとの情報も……。  これで見納めとなる“修斗のカンムリワシ”マモルの引退セレモニー&エキシビションマッチ。当日はどんな展開になるのか? 果たして「X」とは誰なのか? マモルの最後を見届ける機会だ。  清水と組み、漆谷と打撃で打ち合い、最後に登場したのは佐藤ルミナ。3人目を相手にしたマモルは佐藤のヒールフックにタップ。その後も時間いっぱいまで組み合った。エキシビションマッチ後、鼻から少し血を流したマモル。  清水は、「お疲れ様でした。区切りをつけて羨ましいです。長年ありがとうございました」と挨拶。  漆谷は「マモルとはずっとライバルで、格闘技としては尊敬してるんですけど、人としては全然、ブッ倒したくて、こいつの背中を追いかけてやってきて、ありがとう。こいつのおかげで俺は強くなりました」と肩を抱いた。  そして最後に、佐藤ルミナが「俺で良かったんですかね。モブスタイルの田原さんから言われて、ウチのジムが出来てからずっと指導してもらって、彼はほんとうにこんなだけど(笑)すごいんですよ。これを機に若い子たち、彼の技術を勉強してみてください。今後も、格闘技界で後進の指導をやっていってもらいたいと思います。お疲れ様でした」と労った。  最後にマモルは「すごい方々から言葉をいただきありがとうございました。引退セレモニー、エキシビションを設けていただき、田原さん、坂本さんに感謝しています。家族、両親のサポートに心より御礼を申し上げます。最大に目標であったUFCに行くことはかないませんでしたが、4冠を取れて、幸せな格闘技人生でした。涙を流すのもキャラじゃないんで、ここは笑顔で最後の挨拶をさせていただきます。ありがとうございました」と語った。48戦で31勝13敗5分をマークしたマモルは、10カウントゴングをケージのなかで聞いた。 [nextpage] リオン武が内藤太尊にTKO勝ち「また意味のある大会なら試合を」 ▼第4試合 68kg契約 5分3R〇リオン武(RISING SUN)67.9kg[2R 2分31秒 TKO] ※右ストレート→パウンド×内藤太尊(ROOTS)67.6kg  リオンは2019年7月の修斗以来、約3年5カ月ぶりの復帰戦。2018年大晦日のRIZINで朝倉未来に2R TKO負け後、修斗でデュアン・ヴァン・ヘルフォートに判定負けで2連敗から43歳での再起戦となる。  会見でリオンは「試合は久々ですけど、練習はずっとしていて刀を磨いていました」と語り、「自分の修斗のルーツは佐藤ルミナ。佐藤ルミナの血を受け継ぐ太尊とやらせてもらえませんか」と内藤を指名した。  内藤は約2年7カ月ぶり復帰。2019年7月に青井人に2R KO勝ち後、2021年1月にSASUKEに一本負け。同年5月に宇野薫を2R KOに下している。34歳。両者ともにMOBSTYLESサポートファイターで継承の一戦になるか。  会見では、「大先輩のラブコールを受けないわけにはいかないなという思い。背負うものがたくさんあるかもしれないけど、気負わず自分らしい試合をして、殴り合って会場を爆発させるような試合をしたい」と意気込みを語った。 (計量後コメント) リオン「久しぶりの試合なんですけど、しっかり仕上げてきましたんで、明日はKO目指して全力、尽くします」 内藤「明日はリオンさんもそうなんですけど、僕も復帰戦。だいぶ久しぶり試合なんで、すごいカードが集まっているなかで一番盛り上げたいと思っていますので、応援よろしくお願いします。押忍」  1R、オーソから左右で下段蹴りの内藤に、リオンも右カーフを当てる。内藤の詰めにボディロックテイクダウン。ハーフから立ち上がる内藤に、胸を張り上体を立てて詰めるリオンは左右の連打で金網に詰めて内藤のバランスを崩させる。  2R、詰めてオーソから得意の左ハイを出した内藤だが、ブロックしたリオンは、足払いで内藤を崩す。サウスポー構えのから右前手で詰める内藤に、リオンは右ストレート! ダウンした内藤にパウンド連打し、レフェリーが間に入った。  試合後、リオンは「もう試合をするのは無理かなと、何度も諦めたけど、田原さんの興行で何とか力になりたいと思って、皆さんの応援に背中を押されてここに立てました。ありがとうございました。また頻繁に試合をします、とは言えないですけど、こういう意味のある大会、相手ならまた試合をしたいと思います」と語った。 [nextpage] 猿丸が安芸をパウンドアウトして引退「修斗がずっと続きますように」 ▼第3試合 フライ級 5分3R〇猿丸ジュンジ(修斗ジム東京)56.6kg[1R 1分18秒 KO] ※パウンド×安芸柊斗(MMAZジム)56.5kg  ストロー級3位の安芸柊斗と、4位の猿丸ジュンジがフライ級で対戦。  猿丸は、2008年9月に安芸柊斗の父である安芸佳孝と修斗新人王トーナメント2回戦で対戦。当時35歳でプロデビューした佳孝がパンチでグラつかせるシーンも作ったものの、22歳の猿丸が1R TKO勝ちを収めている。  現在、37歳の猿丸は、2021年11月のストロー級暫定王者決定戦で元王者の黒澤亮平に1R リアネイキドチョークで一本勝ちし戴冠。ONEの箕輪ひろばの王座返上により正規王者となったが、2022年9月の初防衛戦で新井丈に1R KO負けし王座陥落した。今回、自身が父・安芸佳孝を倒したときと同じ年齢の佳孝の息子・安芸柊斗を迎え撃つ、修斗版リアル『がんばれ元気』と評されるフライ級戦に。  会見で猿丸は、「ほんとうは前回の試合で自分の役目は終わったな、これで現役は終わりでいいかなと思ったんですけど、デビュー当時からMOBSTYLESにお世話になって、2015年のMOBSTYLESの後楽園大会を一番盛り上げたのは絶対に俺だし、今回、俺が出なきゃと。相手は誰でも良かったけど、安芸選手の親父と2008年に戦っている(※安芸佳孝に1R TKO勝ち)。次はその息子と──これはちょっと面白いですよね。この俺を倒してみろっていうね。安芸選手もこれから活躍していく選手だけど、まだ俺の方が強いだろうっていう思いもあります。KO決着のほうが会場も盛り上がるし、自分らも納得するんで、真っ向勝負でいきます」と語った。  22歳の安芸は、2021年2月の「ROAD TO ONE」で山北渓人にKO負けしたものの、同年7月に田上こゆるに判定勝ちすると、マッチョ ザ バタフライ、マル ザ ヘンペーソク、澤田龍人を相手に3戦連続KO・TKO勝ちで4連勝。2023年7月に王者・新井丈に挑戦も1R KO負けしている。  安芸は徳島からビデオメッセージで、「これから先、やることないなと思っていた選手とおそらく最初で最後の試合になると思うので、皆さんが楽しめるような面白い試合になれば、自分自身も楽しんで、なおかつ勝てればベストだと思っています。心躍らせる最高のパフォーマンス、いま自分が持っているものを出し切る」とのコメントを寄せた。 (計量後コメント) 猿丸「15年前に安芸選手の親父(安芸佳孝)を倒しました。明日はその息子の安芸柊斗選手──明日の大会で最後って決めているので、最後に最高の相手と出来て良かったです。明日は応援じゃなくていいので、見届けてください」 安芸「尊敬できる猿丸選手とのラストマッチを組んでいただきありがとうございます。最後だからといって花を持たす気はさらさらないです。明日は修斗伝承マッチだと思うんで、自分が勝ちたいと思います」  1R、互いの右が交錯するなか、安芸の右ローを猿丸が掴んで右ストレートでダウンを奪うと、クオーターネルソンでがぶり。正対し下から腕十字を狙う安芸を潰してパウンドアウトした。  猿丸は、「この大会、俺が盛り上げないと、俺がでなきゃと思って出ました。出て良かったです。これで俺の役目は終わったんで引退します。また5年後、10年後にここに弟子を連れてくるので、修斗がずっと続きますように」と語った。 [nextpage] 新井丈の修斗二階級同時制覇のなか、フライ級で石井逸人が内藤頌貴を絞め落として新井に宣戦布告 ▼第2試合 フライ級 5分3R×内藤頌貴(同級世界6位/パラエストラ松戸)56.5kg[2R 3分16秒 三角絞め]〇石井逸人(TRIBE TOKYO MMA)※前環太平洋バンタム級王者 56.6kg  前環太平洋バンタム級王者の石井逸人と、MOBSTYLESファイターの内藤頌貴がフライ級で対戦。  石井は、バンタム級の上位ランクをキープし、2022年に藤井伸樹との激闘で「ベストファイト賞」を受賞。前戦は、PANCRASEでの2023年4月の井村塁戦で、大熱闘の末に判定負け。8月には対戦相手の堀内佑馬が計量失格で直前で試合が流れてしまったが、2018年9月の清水清隆戦以来、約5年振りのフライ級カムバックに注目が集まる。  フライ級世界6位の内藤は、2020年3月に渡辺健太郎に1R KO勝ち後、RIZINで階級上のバンタムでスクランブル参戦し、渡部修斗に敗れた。2022年7月の修斗で山内渉に判定負けしたが、同年11月に高岡宏気に判定勝ち。2023年7月に当時フライ級世界2位の関口祐冬と対戦し、判定負けとなっている。MOBSTYLES興行で再起を遂げるか。  そこで更に話題となったのが新井丈の修斗初2階級同時制覇だ。先の後楽園ホール大会でストロー級と併せてフライ級王座も獲得。歴史を動かし、ルールを変えてまで成し遂げた偉業だが、この2人も黙って見ているわけにはいかないだろう。この両者が戦えば激しい試合になることは間違いない。生き残るのは内藤か、それとも石井か。 内藤「面白い試合いっぱいありますけど、この試合が一番、命燃やせると思うんで、よろしくお願いします」 石井「命削って減量してきたんで、明日は魂燃やして試合をしようと思います」  1R、サウスポー構えの内藤はジャブ&インロー。左前蹴りも。オーソの石井は、左回りで外足を取りに行く。左右振って詰めてダブルレッグテイクダウンは石井。腰を引き、片足をかけて引き込み、バックからオタツロック。4の字ロックでリアネイキドチョークへ。後ろ手を組ませない内藤が凌ぎホーン。  2R、詰めて跳びヒザの内藤。そこを詰めてテイクダウンは石井。内藤の立ち際にシングルバックから脇をすくい、立ち上がろうとする内藤に腕十字へ。ヒジを抜いた内藤だが、三角絞めにつかまり、石井がヒザ裏で組んで頭を引き寄せて絞めると失神した。  石井は「疲れた! 俺がフライ級に落としたらこんなもんだ。一人、やりたいやつがいて。新井丈、見てるんだろ? ネバーギブアップ、ネバーギブアップってうるせいから、俺がギブアップさせてやる」と二階級同時制覇王者に宣戦布告した。  [nextpage] 新人王フェザー級準決勝・バック奪取のデイネッシュがリベンジ決勝進出 ▼第1試合 2023年度新人王決定トーナメント準決勝 フェザー級 5分2R〇ネイン・デイネッシュ(MMA RANGERS GYM)65.8kg[判定3-0] ※20-18×3×青井太一(心技舘)65.6kg※デイネッシュが決勝進出  5分2Rの「新人王フェザー級準決勝」。  青井はNEXUSで3連敗後、修斗で太田慎太郎に判定勝ち。中村修平とドロー。國頭武に一本負けも、10月の前戦で椿馨に判定勝ちしている。  対するデイネッシュは、8月の修斗で健太エスペランサに2R TKO勝ち。青井を下して決勝進出なるか。 青井「(デイネッシュに)遠いところからありがとうございます。明日は第1試合から盛り上げていきたいと思います。倒します」 デイネッシュ「全日本で1回負けて、明日しっかりリベンジします。以上です」  1R、先に右カーフは青井。デイネッシュはスイッチから左ミドルをガード上に突く。青井は右ロー。デイネッシュはワンツーから左の蹴りに繋ぐ。青井の左ジャブをかわしてボディロックテイクダウンはデイネッシュ! 潜る青井に足関節のデイネッシュに、ヒザ抜き立ち上がる青井をデイネッシュはボディロックテイクダウン! 4の字ロックで背後からパウンドする。  2R、ジャブから左右の蹴りでそのままサウスポー構えになるデイネッシュ。オーソに戻すと右ロー。デイネッシュの入りに右を合わせる青井。押し込むデイネッシュに体を入れ替えるも右ヒジで剥がすデイネッシュは、青井の蹴り足を掴んでテイクダウン! バックに回ると、落とした青井が立ち上がりも再びバック奪うデイネッシュが腕十字へ。青井はヒジを抜くもホーン。  判定は3-0(20-18×3)でデイネッシュが勝利。トーナメント決勝進出を決めた。
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