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2023年11月17日(日本時間18日)の『Bellator 301: Amosov vs. Jackso』シカゴ・ウィントラスト・アリーナ大会(U-NEXT配信)に、第8代フェザー級キング・オブ・パンクラシストのISAO(NEVER QUIT)が出場。フランスのイブ・ランドゥーとの試合で、7年ぶりにBellator復帰を果たす。
ISAOは、MMA27勝5敗2分。2017年12月からPANCRASEで6連勝中。2017年12月に元UFCの粕谷優介に判定勝ちすると、2018年4月の松嶋こよみ戦で反則のヒザ蹴りを受けてフェザー級暫定王座を獲得。2019年5月に正規王者のナザレノ・マレガリエに判定勝ちで王座統一を果たすと、2019年10月にカイル・アグォンとの再戦にして2度目の王座防衛戦で判定勝ち。2020年7月にアキラに判定勝ち後、2021年5月の前戦で中島太一に判定勝ちで、3度目の王座防衛に成功していた。
ISAOのBellator参戦は2度目。1度目は2015年10月にゴイチ・ヤマウチを相手に3R 一本負け後、2016年6月のジャスティン・ローレンス戦で2R TKO負けでリリース。当時は北米の壁に跳ね返されたが、勝ち星を積み上げ、35歳での再挑戦となる。
一方、RIZINにも参戦したイブは、MMA19勝9敗(5KO・TKO/5SUB)で現在Bellator欧州で3連勝中。2004年にブレイクダンスのフランス大会で優勝し、世界大会で2位入賞。さらに05、06年には欧州チャンピオンシップで2連覇を達成後、09年にキックボクシングのフランス王者になると、10年4月にフランスの100% FightでプロMMAデビューし7連勝。13年には散打でフランス王者にも輝いている。
16年5月に100%Fightライト級王者に。17年3月にロシアProFC 62でRIZINアゼルバイジャン大会に参戦するアリ・アブドゥルカリコフに判定負けも、その後も4連勝。2019年8月にRIZIN初参戦で上迫博仁と対戦し、左ハイでグラつかせるもシングルレッグに右ヒザを合わされバックマウントからのパウンドでTKO負け。その後、Bellator欧州大会で4勝1敗と大きく勝ち越している。
2021年10月に、Bellator4勝1敗1分で唯一の黒星がブレント・プリムス戦というティム・ワイルドに判定負けしたランドゥーだが、その後、現在まで3連勝中で、なかでも2022年10月に現在UAE Warriors2連勝中のウォルター・コグリアンドロに判定勝ちした試合では、力強いダブルレッグテイクダウンから得意のキムラを狙うなど、組み技・グラウンドでも極めを狙う強さを見せている。
身体能力の高さが際立ち、2020年10月のテリー・ブレイザー戦では、スイッチを繰り返すなかで右スーパーマンパンチからの左ハイという大技でブレイザーを金網に詰まらせると、ブレイザーの組みに右から左の二段跳びヒザを合わせてKO。マット上の勝利のブレイクダンスを見せている。
RIZIN参戦時は捨て身となる跳び技が多かったが、現在ではスイッチヒッターで左右の二段蹴りや左ハイなど遠い間合い、近距離でも打撃を持ち、ケージレスリングも厭わないランドゥーは、初来日から4年が経った37歳にして円熟の進化を見せている手ごわい相手だ。
現在、Bellatorには堀口恭司(ATT)、渡辺華奈(FIGHTER'S FLOW)、菊入正行(NEVER QUIT)が参戦中で、ISAOは4人目の日本人選手となる。
世界へのリベンジをかけて、日本フェザー級の雄が、再びサークルケージへ乗り込む注目の試合は、日本時間の18日(土)早朝6時30分から、U-NEXTにて配信予定だ。本誌では、ISAOにBellator参戦の経緯、意気込みを聞いた。
網膜剥離の手術から作り直してきた
──いよいよ『Bellator 301』試合間近となりました。まずは、現在の心境をお聞かせください。
「久しぶりの試合なんですけど、いよいよ近づいてきて、ワクワクしている気持ちが大きいです。しっかり変わらず、冷静に試合ができればと思っています」
──久しぶりというお言葉通り、じつに2年半ぶりの試合というなかで、ワクワク感に気持ちを持って行けているのは、試合間隔が開いてしまった不安よりも、それだけの準備をしてきたことへの自信が大きいということでしょうか。
「はい、しっかりいい練習もして来れましたし、格闘技と向き合って“いい生活”を送ることができて充実していました」
──試合間隔が開くなかでも切らさずに練習を続け、現在はどういった部分に自信を持っていますか。
「打倒極、全体的にレベルアップを図って取り組んできたので、どれが一番いいかっていうのは試合してみないと分からないのですが、ずっと練習をしてきた成果を、試合のなかで出せればいいと思っています」
──Bellatorには7年越しに再デビューということで、今回どんな気持ちで新たに挑戦していきますか?
「自分の中では、すごく“縁がある”と感じていますし、ストーリー性も高いな、と勝手に思ってます。一度目の挑戦で負けて、それから日本のPANCRASEでやり直して勝ち続けて、そしてまた同じBellatorへ。借りを返しに行くというわけではないですけど、とにかく勝ちを取りにいく気持ちで思っています。
リベンジしたい気持ちが強いですね。最初に行った時と今の自分では違うっていうことは自分自身も感じているし、成長した姿を見せられればと思っています」
──ここまでどのような練習環境でしたか。
「所属するNEVER QUITと、KRAZY BEEさん、あとは寝技でCARPE DIEM 青山さん、あとは中村大介さんの夕月堂本舗などにも練習に行かせていただき、皆さんにお世話になりました」
──挙げていただいたジムのなかでもCARPE DIEMに行かれているというのは、組み技や寝技の課題などをご自身で感じていたのでしょうか。
「どこを強化しようとかっていうわけではなかったんですけども、CARPE DIEMさんはご縁があって行かせてもらってから、まあいろいろ組み技と寝技の強化にも繋がりました。今年の春ぐらいとかからちょっと行かせていただいているのですが、知人が通っていて、世羅(智茂)先生からも『こういう練習会をやってるから、もしよければ』と聞きまして、アマ・プロ、グラップラー、色んな方々が来られたりしているので、凄いハイレベルな練習ができました。組んで倒して極める──自分のレベルアップに繋がっています」
──以前のように海外のジムに行って、外国での試合のイメージを掴もうというようなことはなく?
「今回は、日本の環境でしっかり調整して、試合に挑もうと思いました……というのも、中島戦後に網膜剥離になって手術をしたこともあって、1年くらいの長い休養期間があって、そこからまた身体作りとかをしたので、ちょっとどうしても時間がかかってしまいました。それもあって、このまま怪我を治ししつつ待ってれば、多分契約が決まるだろうなって思っていました」