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【UFC】14戦無敗のバシャラットと対戦するビクター・ヘンリー「金原の活躍は嬉しかった」「単なる門番じゃないことを証明できる」=10月21日(土)アブダビ

2023/10/19 20:10
【UFC】14戦無敗のバシャラットと対戦するビクター・ヘンリー「金原の活躍は嬉しかった」「単なる門番じゃないことを証明できる」=10月21日(土)アブダビ

試合3日前のビクター・ヘンリー、UFCでは「戦うケニーG」の愛称も。(C)U-NEXT/Zuffa LLC/UFC/RIZIN FF

 2023年10月21日(土)アラブ首長国連邦・アブダビのエティハド・アリーナにて『UFC 294: Makhachev vs. Volkanovski 2』(U-NEXT配信)が開催される。

 同大会では、12連勝中のイスラム・マカチェフとアレクサンダー・ヴォルカノフスキーによる「UFC世界ライト級選手権試合」のほか、12戦無敗のカムザット・チマエフとカマル・ウスマンによる「ミドル級」戦がメインとコメインに並んでいる。

 そのなかでプレリムながら、14戦無敗のジャビッド・バシャラット(アフガニスタン)と対戦するのが、元DEEPバンタム級王者にしてPANCRASE王座挑戦経験を持つビクター・ヘンリー(米国)だ。

 2020年2月の『RIZIN.21』で金原正徳を2R TKOに下したビクターは、UFC以降の金原に唯一黒星をつけている選手で、金原はビクター戦後、階級をフェザー級に上げている。

 ジョシュ・バーネットとともにアブダビ入りしたビクターに、強豪バシャラットとの戦い、金原vs.クレベル、そして日本での戦いについても聞いた。

14戦無敗の相手に大きなチャレンジになる。でもこれまでにもいくつものチャレンジを乗り越えてきた

──お久しぶりです。今回の試合に向けてはどこで、誰と練習していましたか?

「今回のキャンプはカリフォルニアのガーデナのCMMAで、ジョシュ・バーネットや、WECやBellatorに出ていたチャド・ジョージ、あとはブルーノ・ソウザという打撃系の選手をメインスパーリングパートナーにやってきたよ」

──ブルーノ・ソウザ、元UFCで9月の試合で石原夜叉坊選手に勝利した選手ですね。

「そうだ。彼は空手のバックグラウンドがあって、今回の対戦相手のジャビッド・バシャラートのファイティングスタイルを真似るのがうまい選手なので、彼と一緒にやっているよ」

──マチダ空手のソウザがバシャラットの動きをシミュレーションしてくれたと。そのバシャラットですが、ビクターが3月にスプリットで判定勝ちしたトニー・グレーブリーに、昨年9月にユナニマス判定で勝利しています。このマッチメイクを聞いたときにどう感じましたか。

「すごくいいチャレンジだと思っているよ。UFCはこの試合でどうこの階級を組み立てようとしているのかが分かるマッチメイクだと思った。知っていると思うけど、バシャラットは、14戦で無敗、28歳とまだ若くて将来性もとてもある選手だ。一方、自分は敗戦もいくつかしているし、年齢も彼より上だ。だから、きっとUFCは“もしバシャラットがビクターに勝てれば、今後重要な戦線に組み込んでいくし、もしビクターがバシャラットに勝てばビクターは単なるゲートキーパー(門番)ではない”って判断すると思っている。

 だから、今回バシャラットとの対戦が決まった時、UFCが自分をどういう風に考えているかというのが分ったんだ。なかなか大きいチャレンジだなとは思っているけど、俺はキャリアの中でこれまでにもいくつものチャレンジを乗り越えてきたし、だから、それがもう一度あるだけって感じさ」

──バシャラットは身長175cmで、ビクターよりも5cm長身で、身体が脱力しながらも、ムエタイのエルボーなどを活かして戦うところが似ている部分もあるなと感じました。一方で、ファイトするビクターに対し、バシャラットは相手を前に出させて打つ、カウンタータイプで強さを見せています。

「そうだな、まず彼がいま無敗であるのはそれなりの理由があると思う。バシャラットは安全な戦い方をすると思っている。彼は彼のレンジを有効に活用するし、君が言うようにカウンタースタイルを活かして自分が有利な状況にいられるようにするだろう。ポジションから外れるようなリスクを冒すタイプではない。

 それを自分はしっかりと理解しておかなければいけないし、彼の試合はそういう戦い方だからエキサイティングにならないかもしれないが、彼が無敗でいたいのであればそれは彼にとってベストな戦い方でもあるんだろう。ただ、もちろん確かなのは彼はこれまでタフな相手と戦ってきているから、常に後ろに下がっているような選手でもないと思うし、彼は自分の有利なところを活かして有利に試合を進める事ができる選手だと思うよ」

──その通りで、バシャラットはポイントで際を譲らない強さがあります。グレーブリーのテイクダウン狙いを左一本で差し上げて逆に投げ返すなど実は組みも強く、スタミナもある。下がっているようでいて、バシャラットに誘い出されてしまうかもしれないなかで戦い方が難しくなりそうですね。

「それは試合の課題(チャレンジ)のひとつだよね。なんていうのかな、試合では“もし彼がああしたら”“もし彼がこうしたら”っていう“もし”がずっと続くんだよ。だからもし、彼が俺をトラップに誘い出そうとするのであれば、俺はそれにハマらないように気を付けなければいけないし、俺がその誘いに乗らないのであれば、彼がそれに対応しなければいけないよね。13年戦ってきた俺の経験を活かすところだ」

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