MMA
インタビュー

【UFC】UFC9戦負け無し! ATTのグラント・ドーソン「堀口恭司は小さいけれど、誰もが彼を見上げている」「この試合で世界王者クラスと証明する」

2023/10/07 17:10

15歳の頃からUFCファイターになりたいと思ってやってきた。マルクとの試合で「いま正しい仲間と正しいトレーニングができている」と確信した

──グレン戦の引き分け以降、3連勝中です。2022年4月にジャレッド・ゴードンを相手に消耗しながらも3Rに執念のチョークでタップを奪い、11月にリオ五輪グレコローマンレスリング銀メダリストのマルク・O・マドセンからシングルレッグでテイクダウンを奪い、カーフを効かせてリアネイキドチョークを極めました。

「マルクとの試合は、自分の自信に拍車をかけたでき事だったと思うよ。自分はさっきも話したように高校までしかレスリングをしていない中で、彼はオリンピックのメダリストだ。オリンピックはレスリングでは一番大きな舞台だ。だから、そんな凄い経歴の相手に、MMAを通してレスリングの技術で勝ったという事は、今自分がキャリアで積み重ねている事は正しい道のりだと証明する出来事だった。正しい仲間と正しいトレーニングができていると。そして、UFC王者になるというゴールに向けて、レスリングのバックグラウンドを持つ不敗の選手に一本勝ちできた事は大きな自信になったよ」

──ところで、あの引き手を掴んでの柔道スロー・払い腰は、ATTで習得したのでしょうか。

「たぶん、アブダビのナド・ナリマニとの試合の事だよね。彼の事を投げたからね。実はあれはレスリングから学んだ事なんだ。柔道はレスリングに比べて確かに投げ技がより多いけど、フォークスタイルレスリングには投げ技もあるんだよ。首投げとかは基本的な動きなんだけど、引手を掴んで足を使って投げる。柔道の技からもきているかもしれないけど、グラップリングはグラップリングだ。その中で自分がレスリングの基礎が一番いいなと思っている理由は、そういう風に色々な伝統的な技が、ギを着ないレスリングに少しずつ取り込まれているからなんだ」

──なるほど。たしかに世界最古の格闘技でしょうから四肢を使ったありとあらゆる動きが試されているでしょうね。そこに打撃も極めも加わるからMMAは大変です。7月の前戦ではMMA24勝3敗、UFCでも5勝1敗の強豪ダミル・イスマグロフにも判定勝ち。さまざまなテイクダウンを見せました。2Rにはダブルレッグから持ち上げながら、イスマグロフをスラムせずに寝かせて、とても冷静だと感じました。

「イスマグロフをスラムしなかったのは、彼を持ち上げた時に“クラッチロック”って言うんだけど彼の腕が自分をロックしていたからなんだ。あのままスラムしていたら、そのままスクランブルになって彼が上を取っていたかもしれない。だから自分は安全なポジションを常にキープできるように心がけていたよ」

──落ち着いてクラッチを解いて、ボディロックするイスマグロフの顔を剥がしてニアマウントからバックを奪いましたね。

「どうやって冷静さをコントロールしているかっていうことについては、自分の大きな強味の一つが状況判断だと思っている。何が試合中起こっているのかを理解する能力だ。その能力は自分がこの競技を長くやってきているから得られたものだと思っているんだ。15歳の頃からUFCファイターになりたいと思ってきた。だから常にトレーニングを重ねてきたし、その瞬間の為にずっと過ごしているんだ。今週末のボビー・グリーンとの試合も同じだ。この大きな舞台の為にどれだけ自分が準備してきたかという事なんだ」

──前戦で元暫定王者のトニー・ファーガソンに一本勝ちしたボビー・グリーンとの試合は、ドーソン戦選手にとってどんな意味を持つ試合になりますか。

「グリーンとの試合は──まず彼はハイペースで向かって来ると思っている。ボクシングスタイル中心の打撃戦だ。そして彼はショーマンだから、対戦相手へのトラッシュトークもするし、自分をカッコよく見せたい選手だ。しかし、僕は確実に準備はできている。そしてこの戦いで、世界に自分はワールドチャンピオンクラスのファイターなんだって事を見せたい。その1歩目がボビー・グリーン戦なんだ」

──UFC APEXでの試合がしばらく続いていますが、再び世界に飛び出す試合になりそうですね。最後に日本のファンにメッセージを。

「いつも恭司から日本のことを聞いているよ。日本のファンのみんなに伝えたいのは、もし僕を知らない人がいたら、とにかくSNSをフォローしてね。絶対好きになってもらえると思う。約束するよ!」

──そういえば、あなたのインスタでイスマグロフをリフトしている写真には、『NARUTO』の言葉が添えられていましたね(“Don't be afraid of death, be afraid of the unlived life.”死を恐れるな、生きられない人生を恐れろ)。いつか日本でも試合を見てみたいです。

「そうだね、実は、妻とのハネムーンに日本に行く予定を立てているんだよ!!」

──おおっ、それは。次の試合、そして来日も楽しみにしています!

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