自分が主軸でないマッチになるからみんな辞める。僕は僕の主軸に変えられる
──現在のコンディションは?
「特に試合に向けた練習も無理していないので、変わらず元気です」
──無差別級サブミッション・グラップリングマッチに臨む心境は?
「単純に干されていたというか、使われてなかっただけですから。心境と言うか。なんかみんな辞めさせたがるんすよね。最近」
──ONEフライ級サブミッション・グラップリング世界チャンピオンのマイキー・ムスメシと対戦が決まったことについては?
「(ONEが)売りたいんだなと感じますし、それに対して寂しい気持はあったりするけど、別に惨めだとは思わない。来た球をちゃんと打ち返すだけですね」
──バックパネルの「40歳、窓際の意地」のキャッチについて、どう感じていますか。
「そうですね、そういうことだと思うんですよね。辞めるというか、最後が見えてきているというか、最後にさせたいというようなことだと思いますけど。うーん……試合をしなくなることがあったとしても辞めることはないですから。いま自分が置かれている状況を悲観することはないですね」
──最近、同年代の金原正徳選手がクレベル・コイケ選手に勝利するなど、格闘技界隈のことをどう見ていますか。
「“格闘技界隈”の人じゃないから、よく分からないね。感想は……なんだろうな、『金原が“青木が強い”って言ったから強いんですね』とか言われると、“あー”って思いますけどね。格が違う。格が違うことに関して、世間もマスコミも分かんないじゃないですか。だから、客もマスコミも全員揃って、格が落ちたな、と思いますね」
【写真】今成正和の右腕を対角の手でコントロールしてから右足で縛ってワンハンドにさせてリアネイキドチョークを極めたマイキー。足関節を解除してトップを奪ってからのバックテイクだった。(C)ONE Championship
──マイキー・ムスメシのグラップリングスタイルをどう感じていますか。
「20年グラップリング、格闘技やってますけど、ほんとうに世界観が変わってきて、いまのスタイルに対してどう向き合うかということですけどね。いまのあのルールにおいて、ひとつの完成形というか、つけ入る隙がない相手だと思います」
──攻略方法を聞いても仕方がないとは思いますが、どう……。
「『攻略方法を聞いても仕方がない』じゃなくて、グラップリングというもの自体が、攻略方法を言っても伝わらないから。でも言っても体格差が出るかも分からない、ほんとうやってみて、ですね」
──普段は大きな相手とも組むなかで、10cm小さく、10kg軽い相手との試合はやりやすいのか、やりにくいのでしょうか。
「やりにくいですね。相手があってのことなので。型にはめる方なので、いつもと感覚が違うというか、はまり辛い。出方も、MMAもそうですけど、お互いに組み合ってみないと分からないですから」
──「窓際」への自覚も?
「窓際と言うか……たぶんもう僕らの世代ってね、もうあんまり必要とされていないというか、代謝されていることは確かで。ただ、僕の場合はまた違った土俵を作ってるからこそ生き残れているというのはある。でも、歳を取ってくるとこういうマッチアップは増えてくるし、だからみんな辞めるんだと思いますよ。自分が主軸でないマッチになるから辞めるんだと思います。僕は僕の主軸に変えられる、と思っています。あくまで俺の世界の中では、変えられると思っています」