ONE FRIDAY FIGHTS 342023年9月22日(金)タイ・ルンピニースタジアム※ABEMA「格闘チャンネル」でLIVE配信▼第11試合 キャッチウェイト(140 LBS)ムエタイ 3分3R×ロッタン・ジットムアンノン(タイ)[判定0-3]〇スーパーレック・ギャットムー9(タイ)※体重超過
ロッタンは2018年3月にスアキムを破り日本でも名が知られるようになり、同年6月にRISEに初来日。那須川天心とRISE世界フェザー級王座を争い、延長戦の末に敗れるも那須川を追い詰めて一躍人気選手となった。同年9月からONEに参戦し、2019年10月にボルター・ゴンサルベスを破りONEムエタイ世界フライ級王座に就いた。同王座は4度の防衛に成功。
2023年1月にはジドゥオ・イブに判定勝ちし、ONEの立ち技では12戦全勝だが、2022年3月にデメトリアス・ジョンソンとMIXルールで対戦し、2RのMMAルールでリアネイキドチョークにより敗れた。戦績は270勝42敗10分。
スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得した名選手。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と2度来日経験があり、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。
ONEでは2020年7月大会でONEムエタイ世界フライ級1位にいたパンパヤックを判定3-0に破り、変わらぬ実力を発揮。2021年2月にイリアス・エナッシが保持するONEフライ級キックボクシング世界タイトルに挑んだが、判定3-0で敗れている。2022年の「ムエタイ・フライ級ワールドGP」では決勝へ進出するも、パンパヤックと両者が体重オーバーとなり、判定2-1で勝利するも優勝者は無しという珍事となった。2023年1月にダニエル・プエルタスに勝利してONEフライ級キックボクシング世界王者となり、3月にはダニエル・ウィリアムスをKOして初防衛に成功するなど現在9連勝中。戦績は135勝29敗4分。
当初この試合はロッタンが保持するONEフライ級ムエタイ世界王座を懸けたタイトルマッチで行われる予定だったが、スーパーレックが前日計量で5ポンド(約2.27kg)の体重オーバー。これによりタイトルマッチは成立せず、試合は140ポンド(-63.50kg)のキャッチウェイト、3分3Rのスーパーファイトとして行われることになった。 1R、前蹴りはスーパーレック。前に出ようとするロッタンにスーパーレックは右ロー。ロッタンのパンチをかわしたスーパーレックは右ヒジを繰り出すがこれは空を切る。強い右ローを蹴るスーパーレックだが、ロッタンはその蹴り足をキャッチしての右フック。スーパーレックはパンチやヒジを繰り出し、最後は必ず左ローを蹴る。接近して左右フックを繰り出すロッタンをヒジで迎え撃つスーパーレックだが、ロッタンの左縦ヒジでスーパーレックが流血。ドクターチェックとなる。
スーパーレックの金髪が赤く染まっていき、両者はヒジの打ち合い。スーパーレックは右ハイを繰り出すが、ロッタンはかわす。スーパーレックは大流血で顔面が赤く染まる。
2Rも強い右ローを蹴るスーパーレックにロッタンは右フックを当てながら前へ出る。スーパーレックはパンチを打ってすぐに右ロー。ロッタンは右ローを蹴らせてすぐに左縦ヒジをリターン。ならばとスーパーレックはテンカオに行く。スーパーレックの左フックにロッタンは左ヒジ。ヒジからヒザ、さらに右ヒザの連打から右の縦ヒジを叩きつける。これでロッタンがダウン!
ダウンじゃないと抗議するロッタンだがカウントが数えられる。一気にヒートアップする両者。スーパーレックはヒザ蹴りからヒジ打ち、さらに右ロー。ロッタンは左フックから打ち合いに行く。スーパーレックの左右フックをもらってもカモンゼスチャーをするロッタン。
3R、前に出るロッタンがヒジを叩きつけ、組むとスーパーレックを投げ飛ばす。スーパーレックは構えているロッタンの両腕をつかんでのヒザ。これを多用する。ロッタンは左右フックとヒジで前へ出るが、スーパーレックは組み付く。さらに両腕つかみでロッタンの動きを封じる。突き放しての右ミドル。
ロッタンは左右ボディ、スーパーレックはヒザ。スーパーレックは右ローの連打からロッタンが近付くと首相撲に持ち込んでのヒザ。ロッタンはパンチを打たせてもらえない。両腕つかみからロッタンを突き飛ばし、ヒザを入れるスーパーレック。残り10秒になるとスーパーレックが逃げ切り体勢に入り、ロッタンは最後まで前へ出て攻めるが試合終了。
両者は抱き合い、サムズアップをして互いの健闘を称え合う。判定は3-0でダウンを奪ったスーパーレックの勝利に。勝者のスーパーレックは「チームと話し合って階級を変えるのか、このままにするのかを決めたい」と話した。
試合を現地で観戦し、ABEMAの中継にゲスト出演した武尊は「複雑な気持ちです。スーパーレックが凄い強かったので。2人の試合見るのも初めてだったし、ONEの会場来るのも初めてだったので。どんな感じなのかなって観ていたんですけれど、お互い気持ちが凄い強いと感じました。全体を通してですけれど、みんな生きるか死ぬかの戦いをやっている選手たちばかりだったので元気をもらったと言うか、ここで戦いたいと思いましたね。
今日の大会を見てちょっと感動しました。日本の大会も盛り上がっているし、いい試合たくさんあるんですけれど、なんかそことはちょっと違う本当に命を懸けた戦いだったので、僕がやりたい戦いってこういう戦いだなって思いました。早くここで戦いたいですね。(OFGは)ダウン率が高いし、みんな顏がボロボロになる。スポーツとしてと言うか動物と動物の命の奪い合いくらいの気迫を感じたので凄い僕は魅力的に感じました」と、早くONEで戦いたいと語った。
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▼第10試合 キャッチウェイト (140 LBS) ムエタイ 3分3R〇セクサン・オー・クワンムアン(タイ)判定3-0×アミール・ナセリ(イラン/マレーシア)
セクサンはタイのビッグマッチには欠かせないムエブー(アグレッシブに前へ出てムエタイの全ての技を使って戦うタイプ)のスター選手の一人。2015年9月のラジャダムナンスタジアムにて梅野源治を迎え撃ち、勝利を奪って梅野の進撃をストップした。同年にはラジャダムナンスタジアムの年間MVPにも選ばれている。『RISE WORLD SERIES 2019』に初来日し、-61kgトーナメント1回戦では大雅を破ったが、準決勝では白鳥大珠に敗れた。その後はロッタンやヨードレックペットを相手に連敗が続いたが、2022年は8戦して5勝1敗2分と盛り返してきている。
1月の『ONE FRIDAY FIGHTS 1』で初参戦すると、タイソン・ハリソンに判定2-1で勝利。その後、『9』でシルビュー・ヴィテズに判定勝ち、『14』でショーン・クランシーにTKO勝ち、『22』でネイサン・ベンドンに判定勝ち、『29』でイサック・アラヤにKO勝ちと5連勝。アラヤ戦を除く4試合全てでパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得し、ボーナスを得ている激闘王だ。戦績は198勝74敗8分(KO数は不明)。
ナセリはイランで生まれ、8歳でマレーシアに移住。14歳でキックボクシングを始めるとその後タイに渡り、ムエタイを学ぶと2019年にキングスカップトーナメントで優勝、非タイ人として2人目(3人目とも言われる)のオムノーイスタジアム王者となった。2018年7月には近代ムエタイの帝王セーンチャイとも対戦している。「ONEフライ級(61.2kg)ムエタイワールドGP」準々決勝ではサバス・マイケルに判定負け、2022年10月には内藤大樹に判定負けとONEではまだ勝ち星がない。
1R、両者ともジャブを伸ばし、ナセリは右ロー、セクサンは右ミドルを蹴る。ナセリが打ち合いを仕掛けるとセクサンは左ヒジ。ガードを固めて前へ出ると左右のヒジ。ナセリもバックスピンエルボーを繰り出す。組み合うとヒジの打ち合い。ヒジとヒザの打ち合い、ナセリは左目上から出血が見られる。前へ出るセクサンがワンツー、接近すると右ヒジを叩きつけた。
2R、セクサンコールを受けてセクサンが前へ出る。ナセリはミドルの蹴り合い、ジャブの刺し合いをするが、セクサンがどんどん前へ出てきてヒジを叩きつける。セクサンの頭部には大きなたんこぶ。激しいヒジの打ち合い、ナセリはバックスピンエルボーを繰り出す。前へ出るセクサンが左フック、右ストレート、さらにヒジと畳みかける。
3R、ナセリはセクサンのたんこぶを狙って左ヒジ、左ストレート。セクサンは構わず前へ出てパンチからヒジを叩きつける。ヒジの打ち合いが続き、セクサンが右フック連打で前へ出てのヒジ。ナセリが右ヒジを打つとセクサンは左右フックで前へ。攻めまくるセクサンにナセリも反撃するが、大歓声がセクサンを後押し。
激闘は判定3-0でセクサンが勝利した。
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▼第9試合 キャッチウェイト (138 LBS) ムエタイ 3分3R〇ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)判定3-0×ヨードレックペット・オー・アトチャリア(タイ)
“エルボーゾンビ”ことムアンタイは2010年頃からルンピニーのトップ選手としているベテランで、2015年5月に初来日して梅野源治にTKO負け、2019年10月のONEでは健太に判定勝ちしている。2020年1月にONEでブライス・デルヴァルに判定勝ち後、タイでフェラーリ・フェアテックスに判定負け。その後2年のブランクを経て、2022年4月にリアム・ハリソンと5度ダウンの奪い合いの大激闘を演じたが最後はTKO負けを喫している。
今年1月の『ONE FRIDAY FIGHTS 1』ではマブルド・ツピエフに判定勝ち、『9』ではクラップダムからKO負けを奪ってみせたが、『22』ではニコ・カリロ(スコットランド)にまさかのTKO負けを喫した。戦績は203勝44敗2分(KO数は不明)。
“ザ・デストロイヤー”ことヨードレックペットはラジャダムナンスタジアムでライト級(2015年と2017年)とスーパーライト級(2021年)の2階級制覇、ルンピニースタジアムでも2017年にライト級王者となり、2大スタジアム王座を同時に保持した。2015年12月にラジャで梅野源治と対戦してTKO勝ちしたが、2016年10月の日本での再戦では判定で敗れラジャ王座を奪われた。2018年4月のKNOCK OUTでは初代王者・森井洋介にTKO勝ちしてKNOCK OUTライト級王座を奪取。同年にはタイのスポーツ界で権威のあるサイアムスポーツ社認定のタイ・スポーツ大賞のムエタイ部門でMVPを獲得している。
ONEには2023年7月の『ONE Friday Fights 2』から参戦し、シルビュー・ヴィテズにTKO勝ち、『9』でサマン・アシュリをKO、『17』でもデニス・ピューリックにTKO勝ち。『25』のジョーダン・ゴッドフレッドセン(オーストラリア)戦では判定2-1で苦戦を強いられた。88勝33敗3分(KO数は不明)。
1R、両者サウスポー。右ミドルハイを蹴っていくムアンタイにヨードレックペットは左ロー。ヨードレックペットがヒジから組み付くと、ムアンタイは組んだ状態から離れ際に右ハイ。ムアンタイが、右縦ヒジを繰り出すとヨードレックペットも右ヒジを返す。ムアンタイはさらに右縦ヒジを連発する。
2R、フックの打ち合いからヨードレックペットが左ヒジ。ムアンタイはジャブで突き放し、右ハイを繰り出す。パンチを繰り出しながら前へ出るヨードレックペットにムアンタイが右ヒジを振り下ろす。ヨードレックペットが左右フックから左ボディでムアンタイをコーナーへ詰める。左右フックからヨードレックペットが左ヒジを強烈にヒットさせ、ムアンタイにはドクターチェックが入る。
左フックに大きくグラつくムアンタイ。右ボディからの左フックにムアンタイはクリンチで耐える。前へ出るヨードレックペットにムアンタイはヒザで対抗。ヨードレックペットは前へ出て左右フック、ヒジ、ボディで畳み込む。ムアンタイも負けじとヒジを打ち返してこのラウンドを耐えた。
3R、ヨードレックペットのパンチにムアンタイはヒザで対抗。左右のテンカオを突き刺していくムアンタイにヨードレックペットは接近しての左右ボディ、そして左ヒザ。ムアンタイのテンカオが決まるたびに場内は大歓声だ。ヨードレックペットの左ヒジがクリーンヒット、すかさず左右フックをまとめるヨードレックペットだが、ムアンタイはテンカオを蹴り続ける。さらに右ハイも。パンチで前に出るヨードレックペットにムアンタイも打ち返して一歩も譲らない。
大歓声の中、試合終了。両者とも自分の勝利をアピールする。判定は3-0でムアンタイが勝利。3Rのヒザ蹴り連打が逆転勝利を呼び込んだ。そして、激闘を演じた両者に35万バーツのボーナスが贈られた。
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▼第8試合 バンタム級 ムエタイ 3分3R〇クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)TKO 1R終了時 ※レフェリーストップ×タイソン・ハリソン(オーストラリア)
クラップダムはサウスポーのファイタータイプで、左ストレートを決め技とする元ルンピニー2階級制覇王者。2018年にはプロムエタイ協会ライト級王者の肩書を引っ提げて初来日。REBELSのリングで梅野源治とルンピニースタジアム認定ライト級王座決定戦を争い、4Rに強打で梅野を2度ダウンさせてのTKO勝利を収め、日本のムエタイファンにも強烈なインパクトを残した。
ONEには2019年9月から参戦し、2020年のONEバンタム級ムエタイトーナメントでは決勝へ進出したが、ロードレックに敗れた。2021年は1勝2敗、2022年は2勝3敗、2023年は1月にセンマニーに判定勝ち、3月はムアンタイにKO負け、6月はイリヤス・ムサエフに判定勝ちと近年は黒星が増えているが、KO狙いのアグレッシブなスタイルはタイで人気を博している。7月には史上3人目の外国人ルンピニー王座に就いたラフィと注目の一戦を行ったが、1Rに偶発的なアイポークでクラップダムが戦闘不可能となり、無効試合となった。戦績は74勝25敗2分1無効試合。
ハリソンはセーンティアンノーイジムを拠点とし、タイで試合を積んでいるオーストラリアの新鋭選手。左右ミドルを主体として前へ出て、左手を伸ばして首を捕まえに行く典型的ムエタイスタイルでありながら、右ストレートからヒジ&ヒザで畳み込むアグレッシブさを兼ね備えているタイプ。一部ではジョン・ウェイン・パー二世との呼び声もある期待の若手だという。
ONEには2023年1月の『ONE FRIDAY FIGHTS 1』から参戦。セクサンと判定2-1の激闘を繰り広げると、『11』では来日経験もあるランボー・モー・ラッタナバンディットをKO。『18』のポンシリ・PK・センチャイ戦では判定で敗れるも、『27』のタパオガオ・シンハ・マウイン戦では初回KO勝ち。
1R、両者の間にはかなりの身長差。上背で優るハリソンがワンツーを放つと、クラップダムは一気に左右フックと左ボディ、さらに右ヒジとラッシュをかける。左右フックを打ちながら前へ出て、左ボディ、右ボディストレートも忘れない。右ミドルを蹴るハリソンにクラップダムは左ボディ連打から左フックの連打。ハリソンは身長差を全く活かせずブロックしたままクラップダムのパンチをもらい続ける。ハリソンは組んでのヒザで対抗。
2Rが始まる前のインターバル中にレフェリーが試合終了のゴングを要請。ハリソンに何かしらの試合続行不可能となるダメージが見られたようだ。クラップダムのTKO勝ちとなった。
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▼第7試合 キックボクシング 3分3R〇プラジャンチャイ・PK・センチャイジム(タイ)判定3-0×アクラム・ハミディ(アルジェリア)
プラジャンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者。ボクシングでもWBAサウスアジア・バンタム級&フェザー級王座に就いている。スピードがあり、ハイレベルなテクニシャンタイプの現代ムエタイトップファイターの一人。
2021年7月のONE初参戦で、いきなりサムエーに挑戦して判定勝ちでストロー級ムエタイ世界王座に就いたが、2022年5月の初防衛戦でジョセフ・ラシリにTKO負けで陥落。2023年1月の『ONE Friday Fights 1』で再起戦を行い、コンペットに勝利すると、6月の『22』ではサムエーをヒジ打ちでKOして暫定ストロー級ムエタイ世界王座に就いた。戦績は340勝52敗3分。ボクシングは3戦全勝。
ハミディは2018年9月のK-1に来日し、武居由樹と対戦したが初回TKO負け。しかし、その後は9連勝を飾り、その中にはRISEに参戦したフレッド“The Joker”コルデイロ、K-1に参戦したサンベル・ババヤンから奪った白星もある。2022年4月に一度連勝がストップするも、その後は5連勝中。6月の『ONE Friday Fights 22』ではジョムホートから右ハイキックで2度のダウンを奪い、最後は左ボディでとどめを刺した。戦績は29勝(18KO)4敗1分。
1Rから左右フックで前に出るプラジャンチャイ。右ミドルを蹴るハミディにプラジャンチャイは右ローを返す。プラジャンチャイが右ローからワンツーを顔面とボディに打ち分け、右ローを徹底的に蹴っていく。ハミディも右ローを返し、右ローの蹴り合いとなる。プラジャンチャイは右カーフも。
2R、ワンツーをヒットさせていくプラジャンチャイにハミディは右ロー。そしてハミディもワンツーを打つ。ハミディの左ボディにはプラジャンチャイが右を返す。プラジャンチャイの左右ミドルハイにハミディは右ローを蹴り返していく。右ストレートを同時に放ち、プラジャンチャイが返しの左フックでダウンを奪う。
3R、プラジャンチャイのワンツーにハミディも足を止めて打ち合う。プラジャンチャイは離れて左右ミドル。ハミディは前へ出るがプラジャンチャイは流しモード。左ミドルと前蹴りで距離をとり、ハミディが近付くと首相撲に持ち込んでのヒザ。残り1分を前にプラジャンチャイが右を打ち込んでダメ押しの印象を与える。ハミディはローを蹴っていくが、プラジャンチャイは右のパンチを打って一方的には攻撃を受けないようにする。
判定は3-0でダウンを奪ったプラジャンチャイの勝利となった。
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▼第6試合 ストロー級 ムエタイ 3分3R×シップムーン・シットシェフブンタム(タイ)KO 1R〇ミゲル・トリンダージ(ポルトガル)
トリンダージと対戦するサウスポーのシップムーンは2017年5月に当時ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者だったT-98に挑戦、判定勝ちで王座を奪った。また、緑川創とは2度対戦して1勝1分(ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王座決定戦で勝利し、2度目の王座に就いている)、日菜太にはKO負けを喫した。
一時は引退してYouTuberとなり150万人の登録者がいたが、2022年に現役復帰。『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ』のスーパーウェルター級リーグ戦で準優勝を飾った。戦績は78勝(26KO)23敗2分。ONEには今回が初参戦。対するトリンダージも今回が初参戦。
1R,始まってすぐにトリンダージが首相撲からアゴにヒザを突き上げダウンを奪う。すかさず畳みかけようとするトリンダージにシップムーンは左フックと左ヒジで対抗。ダメージを感じさせない動きだ。シップムーンの左ミドルをスウェーでかわそうとしたトリンダージはかわしきれず顔面にもらう。
その後も左ミドルを蹴っていくシップムーンだが、トリンダージはコーナーへ詰めるとヒジ、ヒザ、パンチのラッシュ。最後は左ボディでシップムーンはマットに沈んだ。トリンダージにも35万バーツのボーナスが支給された。
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▼第5試合 キャッチウェイト (140 LBS) ムエタイ 3分3R〇スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ)KO 1R 2分15秒 ※左ストレート×サマン・アシュリ(イラン)
スアキムはルンピニースタジアムのバンタム級、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級の三階級制覇王者で、2018年2月の『KNOCK OUT』に初来日。那須川天心への最強の刺客として大きな話題を呼んだが、那須川に5R判定負け。2019年7月には『RISE』で那須川と再戦したが、胴廻し回転蹴りで目尻を切り裂かれて流血、3R1分25秒、TKOで敗れている。
その後、RISEでニキータ・セブンを一蹴、ルンキットとの再戦でリベンジし、スーパーレックには判定負け。2019年12月に日本の『BOM』でチャンヒョン・リーにTKO勝ちし、BOMスーパーライト級王者になった。しかし、2020年4月に突然の引退宣言。詳細は分からないが「長年、大物ギャンブラーとのいざこざからの不信感が強く、引退の決め手となったらしい」という。まだ24歳だった。2023年7月、ONEのチャトリ代表に誘われて現役復帰を果たすも、キリル・ホムトフ(ロシア)にKO負けを喫している。戦績は103勝24敗3分。 アシュリは2023年3月の『ONE Friday Fights 9』に初参戦、ヨードレックペットにKO負けを喫している。
1R、ジャブで前に出るスアキムだが、右ミドルをキャッチされてアシュリの右フックで転倒。アシュリは左右フックを鋭く振り、右ローも蹴る。その後もミドルのキャッチからのフックを狙うアシュリ。スアキムは首相撲に持ち込みヒザを蹴ると場内からは“ディー!”の大合唱。
左右フックで前に出てきたアシュリにスアキムがブロッキングから右ヒジのカウンター。この一撃が決まり、身体が泳いだアシュリに左ストレートを叩き込み、スアキムが復活のKO勝利を飾った。スアキムには通常のボーナス35万バーツの倍の70万バーツがボーナスとして支給された。
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▼第4試合 キャッチウェイト (116 LBS) ムエタイ 3分3R×ジョムホート・オート・ムエタイ(タイ)KO 2R 0分54秒 ※3ノックダウン〇ソンチャイノーイ・ゲッソンリット(タイ)
サウスポーのジョムホートは2008年に7チャンネルのライトフライ級王者になると、2014年にはスーパーフライ級も制して2階級制覇。このスーパーフライ級王座は2度防衛後に手放したが、2018年に返り咲いて3度防衛、さらに2022年にも返り咲いた。また、2013年にはWBCムエタイ世界スーパーバンタム級王座、2015年にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王座にも就いている。2023年3月の『ONE FRIDAY FIGHTS 8』で初参戦しTKO勝ちを収めたが、6月の『22』ではアクラム・ハミディにTKO負け。戦績は107勝38敗1分(KO数は不明)。
ソンチャイノーイはS1ジュニアバンタム級王者の肩書きを引っ提げて2022年9月のNJKFに初来日すると、塚本望夢を1RでKO。2023年4月には『BOM OUROBOROS 2023』で名高・エイワスポーツジム(吉成名高)に3RでKO負けを喫したが、強烈な攻撃の数々で「攻撃の威力が物凄くて試合中に痛いなって思ったのは久しぶりでしたね。それくらい強烈でした」と名高に言わしめた。2023年7月の『BOM』にも来日し、重い左右ローキックで場内をどよめかせ、5Rには首相撲からのヒザ蹴りでジュライ・ウォーワンチャイ(=石井寿来)に判定2-0で勝利している。所属するゲッソンリットジムは、K-1など日本で大活躍したチャンプアを輩出したジムだ。
1R、左ハイを空振りしたジョムホートにソンチャイノーイが右スイングフック。ジョムホートがヒザを着くがこれはダウンにならない。その後も強烈な右を狙っていくソンチャイノーイにジョムホートは左ミドル。そのミドルをキャッチしたソンチャイノーイの左フックがヒットし、ジョムホートが崩れたように見えたが首相撲に持ち込む。ジョムホートの左ミドルに右ヒジを返すソンチャイノーイ。
2R、左右フックを振り回していくソンチャイノーイの左フックがヒットし、ジョムホートはダウン。一気にまとめるソンチャイノーイが左フックでダウンを追加し、最後は前蹴りで飛び込んだソンチャイノーイが着地と同時に右ストレートを叩き込み、3ノックダウンで圧勝を遂げた。ソンチャイノーイにはボーナスが支給された。
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▼第3試合 キャッチウェイト (127 LBS) ムエタイ 3分3R×ペッチャーチャイ・ファイト・ギーク・ムエタイ(タイ)判定0-3〇ウェイ・ジーチン(中国)
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▼第2試合 バンタム級 MMA 5分3R×チェン・ルイ(中国)判定1-2〇シネチャツガ・ゼルトセトセグ(モンゴル)
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▼第1試合 ストロー級 MMA 5分3R〇リト・アディワン(フィリピン)TKO 1R 0分23秒×エイドリアン・マティス(インドネシア)