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2023年8月26日(土)、シンガポール・カランのシンガポール・インドアスタジアムにて『UFC Fight Night: Holloway vs. Korean Zombie』(U-NEXT・UFC Fight Pass配信)が開催された。
日本人3選手が本戦に出場するなか、木下憂朔がビリー・ゴフのボディ打ちに沈み、風間敏臣がギャレット・アームフィールドの連打にTKO負け、中村倫也がUFCデビュー戦でメインカード入りし、日本人最後の砦としてオクタゴンに登場した。
▼バンタム級 5分3R
〇中村倫也(日本)8勝0敗
[判定3-0] ※30-26, 30-27×2
×ファーニー・ガルシア(米国)10勝4敗
レスリングでU-23世界選手権61kg優勝などの実績を持つ中村は、プロMMAデビューから7戦全勝、6試合でフィニッシュ(5KO・1一本)をマークしている。2022年の『ROAD TO UFC シーズン1』バンタム級決勝戦では、風間敏臣に勝利し、UFC契約を獲得した。
対するファーニー・ガルシア(メキシコ・31歳)は、ボクシングベースの柔術紫帯。MMA10勝3敗(1KO・3一本)でLFAなどで活躍し、2021年の「Contender Series」で1R KO勝ちでUFCと契約。しかし、本線では2試合判定負けでまだ白星が無い状況だ。
大歓声のなか中村は、ケージのなかで蹲踞の姿勢を見せ、コールに刀から鞘を抜く仕草を見せる。
1R、オーソのガルシアの外を取るサウスポー構えの中村は、左ローに右を被弾するが詰めて追って、シングルレッグからアンクルピックでテイクダウン。両足を束ねようとするが、金網使い立つガルシア。そこで中村は四つ組みでのボディロックから大腰でマット中央に投げてテイクダウン! ハーフから左で脇差しパスガードから上四方に回りヒザ、ノースサウスチョークへ!
ここを凌がれると右脇を抱えて相手の頭を挟んで、キムラを狙う。ガルシアが亀になったところでホーン。中村が圧倒するも1Rは極め切れず。
2R、右の蹴りから左インローは中村。左インローを効かせてガルシアのバランスを崩すと、下の攻撃のフェイントからの左ハイも狙う。
前手の右を当てる中村! 右ミドルを返すガルシア。サウスポー構えになったところで中村がダブルレッグテイクダウン! そこにギロチンチョークを合わせたガルシアにすぐに片足を抜き、対角側に飛んで首を外した中村は1R同様に上四方。ガルシアをクルスフィックスに固めてヒジ! さらにストレートアームバー狙いも極まらず。
3R、左インローを効かせる中村。左回りのガルシアの外を取る。ガルシアの打ち終わりに足が揃ったところを見逃さなかった中村がダブルレッグテイクダウン! すぐにサイドを奪い、半身のガルシアに肩固め、チョーク狙い。正対したガルシアはハーフに。
パスした中村はバックから後方に引いて寝かせてサイドから腕十字に行くも、極め切れず。相手に上体を起こされたところで上は譲らず。しかしがぶりに立ち上がったガルシアが首を抜いてスタンドに。
前に出るガルシアに下がりながら中村は左ハイ! ブロックするガルシアとの打ち合いに応じながらも決定打はなく、ホーンに中村は首を振った。
判定は3-0(30-26, 30-27×2)で中村が勝利。
ケージの中でのマイケル・ビスピンのインタビューに「会場の皆さんがいい空気を出してくれたので、とても気持ち良かったです。ガルシアを初めてフィニュシュした選手になりたかったですが、とても良い選手でできませんでした。あの腕十字には驚きました。防御が上手かった。次はビッグインパクトを残してフィニッシュしたいです。(今後は?)トップ15ファイターとなら誰とでも戦いたいです。数年後には皆さんが驚くようなパフォーマンスを見せます。まだ若手で成長中だから待っていてほしい」と、すべて英語で語った。
試合後の会見には、検査のため参加しなかった中村だが、U-NEXTのSNS動画に登場。
勝利者ITV🎙
— U-NEXT 格闘技 公式 (@UNEXT_fight) August 27, 2023
デビュー戦完封勝利の中村倫也選手
💬|一勝目をもぎとれましたが本当にフィニッシュしたかった!このクソでかい山の一歩め登ったので頂上に登るまで負けずに行きたい
⏺#UFCSingapore 見逃し配信中▶️https://t.co/TSXOWD1hfF pic.twitter.com/jK5zPrnRI7
開口一番、「ほんとうに、ほんとうにフィニッシュしたかった。まだまだ足りないですね」と反省しきりでコメントした。
テイクダウンからパスガード、何度も上四方を奪ったが、極め切れなかったことについて、「上四方からの展開で派生してフィニッシュする技をいろいろ考えていたんですけど、相手がディフェンスに徹していたので作りにくかったというのもあるし……やっぱり極める力ですよね。レスリングは自信を持ってやれるんで、しっかり極める力を」と、得意のテイクダウンからフィニュシュするスキルを磨きたいとした。
試合後ドクターチェックに時間がかかったが、「蹴ったときに相手のヒザを蹴って痛めたんですけど、まあ大丈夫です」という中村は、初の本格的な有観客のオクタゴンでの試合について、「UFC」を大きく見過ぎていたという。
「UFCというものをちょっと大きく見過ぎている自分がいたかなと。UFCと戦ういうより、ガルシアという一人の人間と戦う、と言い聞かせていたんですけど、やっぱり“UFCファイター”というのが大きくさせる。試合でも相手のパンチを警戒しすぎていて……外で観るのとケージに上がるって実際に対峙するのとでは、スピード感が違うということを何回も経験しているので……今度こそもっといろんなことをいろんな角度から怖がらずに試していきたいと思います」
それでもシンガポールまで訪れた日本の観客も多く、とりわけ無敗の中村への歓声は、現地ファンからも期待を感じさせるものだった。
「思ったよりアガっちゃう。テイクダウン1個、“楽しんでいてくれてるな、嬉しいな”と感じました」と、観客の声も聞こえていたという。
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UFCでも白星を積み重ね、MMA8勝0敗とした中村は「普段応援してくださっていファン、両親、みんないっぱい仲間がいるのでとにかく早く勝利報告したいと思います」と感謝し、ファンに向けて、「何とか1勝目もぎとることが出来ました。クソでかい山の一歩目をしっかり登ったんで、このまま1歩、1歩、頂上に上るるまで負けずに行きたいと思います。よろしくお願いします」と、メッセージを送っている。