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【ONE】8.2 松嶋が王者ウェンに2RKO負け。ロッタンが新王者に! 和田が大善戦もDJが決勝進出、若松と竹中がKO競演、岡見またも勝利ならず、三浦が連続一本勝ち、アルバレスは大逆転勝利

2019/08/02 17:08
【ONE】8.2 松嶋が王者ウェンに2RKO負け。ロッタンが新王者に! 和田が大善戦もDJが決勝進出、若松と竹中がKO競演、岡見またも勝利ならず、三浦が連続一本勝ち、アルバレスは大逆転勝利

(C)ONE Championship

8月2日(金) フィリピン・マニラのモール・オブ・アジア・アリーナで「ONE: DAWN OF HEROES」が開催された。

メインでは日本の松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)が王者マーチン・ウェン(豪州)が持つONE世界フェザー級のベルトに挑戦。1Rからスイッチを繰り返す松嶋はニューイェン得意のカーフキックを蹴らせず。得意のレスリングを活かしてダブルレッグで再三アタックするが、立ち上がるニューイェンは時にロープを掴んでテイクダウンを阻止。スタミナを使う松嶋のボディを攻めて効かせると、2Rもボディ打ちでコーナーにつめてテイクダウンを切ってのパウンドでTKO勝利。王座防衛に成功した。

セミファイナルでは、ONE世界ムエタイフライ級王者のジョナサン・ハガティー(英国)にロッタン・ジットムアンノン(タイ)が挑戦。序盤はリーチを活かしたハガティが前蹴りでペースを掴むも、中盤からギアを上げたロッタンは、ボディ打ちから顔面、さらにローキックと上下散らして4Rにダウンを奪っての判定勝利。タイでは59kg前後で試合するロッタンが、61.2kg契約のオープンフィンガーグローブ使用のONEムエタイフライ級で新王者に輝いた。

また、フライ級ワールドGP準決勝として、デメトリアス・ジョンソン(米国)vs和田竜光(フリー)ダニー・キンガド(フィリピン)vsリース・マクラーレン(豪州)の2試合も行われ、ジョンソンとキンガドがそれぞれ決勝に進出。和田は、1Rからスタンドでは首相撲からのヒザ蹴り、さらにDJのバックを奪い対角の足をコントロールする形でペースを握りかけるが、徐々に正対するDJが首相撲を外してバック奪うなど攻勢に転じ判定勝ち。次々と秘策を繰り出してきた和田を上回り、野望を打ち砕いた。

第8試合では若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A.)がフライ級GPリザーブバウトとしてジェヘ・ユスタキオ(フィリピン)と対戦。1R1分59秒、右ストレートで若松がKO勝利。前戦で敗れている竹中大地(パラエストラ和泉)も強豪レアンドロ・イッサに3R、がぶりからヒザ蹴りの連打でTKO勝利をあげている

一方、再起にかけた岡見勇信(EXFIGHT)は強豪ジェームズ・ナカシマに2R、ダウンを奪われ判定負け。岡見は連敗、ナカシマは12連勝をマークした。

第2試合では、女子ストロー級で2月にONE一本勝ちデビューを果たした三浦彩佳(TRIBE TOKYO M.M.A.)がブラジルのサマラ・サントスと対戦。2Rにダブルレッグでテイクダウンを奪うと、得意の袈裟固めからの両足で極めるアメリカーナでタップを奪い、2試合連続の一本勝ちを決めた。

◆「ONE: DAWN OF HEROES」
8月2日フィリピン・マニラ モール・オブ・アジア・アリーナ

▼第14試合 メインイベント ONE世界フェザー級(※70.3kg)選手権 5分5R
○マーチン・ニューイェン(王者/豪州)
[2R 4分40秒 TKO]
×松嶋こよみ(挑戦者/日本/パンクラスイズム横浜)
※ニューイェンが王座防衛

王者ウェンは、2017年8月にフェザー級でマラット・ガフロフをKOに下し、同年11月にライト級でもエドゥアルド・フォラヤンもKOするなどその強打で同時2階級を制覇。続く2018年3月の世界バンタム級王座戦ではビビアーノ・フェルナンデスにスプリット判定で敗れ、3階級制覇はならなかったものの、同年5月にはフェザー級でクリスチャン・リーとの再戦をスプリット判定で勝利するなどトータルファイターとしての進化も見せている。

同年7月のONE暫定世界バンタム級王座決定戦でケビン・ベリンゴンに判定負け。前戦2019年4月のマニラ大会ではジャダンバ・ナラントンガラグと対戦し、2Rに右ローキックを効かせての右の二段跳びヒザ蹴りでKO勝利を挙げ、フェザー級王座の2度目の防衛に成功した。

豪州でラガーマンだったウェンはブラジリアン柔術を経て、21歳からMMAを始め、MMA戦績12勝3敗の30歳。日本では、2017年1月に実力者・横田一則を初回KOに下したことでその名を轟かせた。現在はONE世界ミドル級王者のアウンラ・ンサンとともに名将ハリー・フーフト率いる米国フロリダのハードノックスで打撃を磨き、右のオーバーハンドを武器に、ナラントンガラグを下した跳びヒザなど、進境著しい組み技のみならず、ストライカーとしての進化も証明している。

対する松嶋は、PANCRASEを経て、2018年9月にONEに初参戦。元フェザー級王者のマラット・ガフロフにローキック、さらに右フックを効かせてのラッシュで1R TKO勝ち。拳の怪我から2019年6月15日の上海大会で復帰し、長身のクォン・ウォンイルのヒザ蹴りに苦しみながらもテイクダウン&コントロールで判定3-0勝利。ONE3戦目にして王座挑戦のチャンスを得た。

ONE第2戦での勝利から1カ月半と短いスパンでの挑戦となるが、幼少から空手、柔道、レスリング、キックボクシングと戦いの中に身を置いてきた松嶋にとっては不利には働かない。苦しんだウォンイル戦を経たことで、心身ともに王者に挑む調整が可能となったという。「5分5R=25分、シンドい試合をするしかない」と覚悟を決めて、大一番に臨んだ。

1R、ともにオーソドックス構えから松嶋は左にスイッチしてハイキックで牽制。踏み込みのフェイントからサウスポー構えになる松嶋。ニューイェンの蹴りは届かない。右ローは松嶋。出入りのフェイントからダブルレッグテイクダウンは松嶋! 背中をつかせた松嶋。右の手首を持つが、下からニューイェンがヒジ打ち! 松嶋が上体を上げるとすぐに立つニューイェン! そこに間を置かず詰める松嶋はダブルレッグへ! ニューイェンは上体をロープ外に出す。

右ローを当てる松嶋。しかし低いダブルレッグはニューイェンが切る。サウスポー構えから左ハイは松嶋。低めのダブルレッグを回ってテイクダウンは松嶋。背中見せて切ろうとするニューイェンは松嶋のダブルレッグにロープを掴んで耐える。口頭注意はニューイェンに。

スタンド再開。松嶋の低めのダブルレッグにヒザ蹴りを合わせるニューイェン! 松嶋はそのまま蹴り足を持ち上げる。

松嶋は細かいステップからテイクダウンを再三仕掛けたがスタミナも使った1R。続く2R、ダブルレッグに入る松嶋をがぶり首をとらえるニューイェン。離れる松嶋の入りには右跳びヒザも。松嶋の入りを見切り始めたか。左のローキック、右ボディストレートはニューイェン! 松嶋はダブルレッグを跳ね返されると、自らガードを取るように。そこに鉄槌を打つニューイェン! 松嶋はシングルレッグから立つ。

松嶋の右に右を合わせるニューイェン。それでも松嶋は左ローのダブル、左ミドルを打ち返す。しかし遠間からのダブルレッグは切るニューイェンは亀になった松嶋にアッパーを連打! さらに立つ松嶋に左ボディ! 動きが止まる松嶋。ニューイェンは二段の跳びヒザ! 松嶋をしっかり見るニューイェンはボディ打ちから右ストレート! 松嶋の頭が下がり気味になり、ガードが下がる。肩で息する松嶋はダブルレッグもすぐに切られる。

さらに右ミドルをボディに受ける松嶋。ニューイェンがコーナーに詰めると左ジャブも! 打撃を嫌った松嶋はダブルレッグに入るが力無く、切ったニューイェンに仰向けにガードを取る。ニューイェンは下になった松嶋にパウンドラッシュ! 防戦一方の松嶋をしばらく見たレフェリーだが間に入った。開始早々のテイクダウンを抑え込めず立たれてもテイクダウントライし続けた松嶋だったが、ニューイェンのロープ掴みもあり消耗。

王座防衛コールにベルトを肩にかけたニューイェンは、松嶋の健闘を讃えて敗者の肩にベルトをかけると松嶋は首を振った。

▼第13試合 ONE世界ムエタイ フライ級(61.2kg)選手権試合 3分5R
×ジョナサン・ハガティー(王者/英国)
[判定0-3]

○ロッタン・ジットムアンノン(挑戦者/タイ)
※ロッタンが新王者に

2019年5月に元ルンピニー王者で400戦以上のキャリアを持つ“左ミドルの達人”サムエー・ガイヤーンハーダオを判定で破り、ONEムエタイ世界フライ級新王者に輝いたハガティー。

そんなムエタイ界のレジェンドを相手にジョナサン・ハガティーは体格差も活かし、オープンフィンガーグローブ着用のムエタイルールで右ストレートで2度のダウンを奪い、サムエーに5R判定勝利し、戴冠を果たした。

鋭いヒジを持ち、左の長い蹴りに加え、右の強打も武器とするジョナサン・ハガディー。ギャンブルの対象ではないONEのムエタイ戦では、あらゆるムエタイの武器を使って、相手を倒しにいくことが求められる。そしてオープンフィンガーグローブの着用は、高い殺傷力を持つファイターに有利だ。同時に高い防御力を持つことでダメージを減らすこともできる。

ONEムエタイ時代の申し子ともいえる“英国の天才ストライカー”は、“怪物”ロッタンをものみこんでしまうのか。それとも殺傷力にかけては随一のロッタンがリーチ差・体格差をものともせず、あの小さなグローブをハガディーのボディからアゴに届かせるか。

ロッタンは2018年6月のRISEに初来日し、那須川天心と延長戦に及ぶ大激闘を繰り広げて日本でも一躍その名を轟かせた。同年11月にはRISE三階級制覇を成し遂げた裕樹にも勝利を収めている。近年は『ONE Championship』を主戦場にし、オープンフィンガーグローブ着用のムエタイルールで連戦連勝。今回のONE世界ムエタイ フライ級王座挑戦を決めた。また、8月16日にはタイ南部のソンクラーにてラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者セクサン・オー・クワンムアンとの対戦も決定しており、怒涛の連戦に挑む。

1R、リングでのオープンフィンガーグローブ戦。ともにオーソドックス構え。左前蹴りから入り、右ローはハガティー。さらに右ローの前蹴りから右ストレートを突く。左ハイ、左前蹴りに、スウェイも腰をロープにもたれさせバランスを崩す。圧力をかけられないロッタン。ハガティーは右のヒジも!

ブロックするロッタンだが前に出られず。ハガティーの左に左を合わせに行くロッタン。左前蹴りをついに掴んで左右はロッタンもゴング。

2R、アップライトのハガティは互いにローの蹴り返し。左前足を上げるフェイントはハガティー。ロッタンも右ローをダブルで当てる。右ローはハガティー。ロッタンも右ロー返す。中間距離になると左ミドルはロッタン。首相撲からのヒジはロッタンもブレーク後で注意。ハガティーは左前蹴りは打点高く、ロッタンの上体を上げる。

3R、ロッタンの前進にベルトラインの前蹴りでストッピングはハガティー。ハガティーの左ハイ! しかしそこに前に出るのがロッタン。打ち合いに持ち込み、左ボディを突いてから顔面を狙うロッタン! 左右のボディ&右ストレート、さらに右ヒジはロッタン。顔面はブロックするハガティーに左ミドルはロッタン。ハガティーも打ち下ろしのヒジで反撃。しかし詰めるロッタンは左から右フックをヒット! さらに右ロー。

4R、左前蹴り、左ミドルはハガティーも右ローを当てると顔面と上下に散らす。左ボディを効かせるロッタンが前に詰めて、左からの右フックでハガティーがダウン! 立つハガティーは後退。詰めるロッタンに下がりながら左ミドルはハガティもロッタンの前進を止められず。左で追うロッタンは「来い」と挑発する。

5R、中盤から試合を支配するロッタン。ハガティーの前蹴りをずらすロッタン。ハガティーの前進しての左右ハイもスウェイでかわす。右ローから左ミドル当てるハガティー。蹴り足掴むロッタンが崩す。詰めて上からボディはロッタン。左ジャブ、左ミドルのハガティーだが下がりながら。左ローからワンツーはハガティー! しかしロッタンも頭をずらす。蹴り足をつかんで前に出てこかすロッタン。逃げ切り体勢のロッタンは手数を減らす。ゴングにロッタンがハガティーを抱え上げ、健闘を讃えた。

判定は4Rにダウンを奪ったロッタンが勝利。「NEW」の声にマットにひざまずいて歓喜した。1階級上ともいえるONE世界ムエタイフライ級=61.2kgで新王者に輝いたロッタン。ハガティーは初防衛に失敗。

▼第12試合 ONEライト級(※77.1kg)5分3R
×エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
[1R 2分16秒 リアネイキドチョーク]
○エディ・アルバレス(米国)

ライト級で、エドゥアルド・フォラヤンとエディ・アルバレスによる、ONEとUFC&Bellator元王者対決が行われる。フォラヤンは3月に青木真也に一本負けからの再起戦。アルバレスも両国大会でティモフィー・ナシューヒンの右ストレートでTKO負けを喫しており、ともに再起を目指す。

1R、ともにオーソドックス構え。アルバレスの跳び蹴りに後ろ蹴りを合わせるフォラヤン。さらに左フック! フォラヤンの蹴り足を掴んでがぶるアルバレス。外すフォラヤンは右の後ろ蹴り! アルバレスは右ローをカーフキック気味に打つ。右ハイからそのまま回って廻し蹴りはフォラヤン。さらにバックフィストと流れるような打撃。アルバレスはローのダメージか前足を変えてスイッチする。

さらにフォラヤンの右のカーフキックで、アルバレスがダウン! フォラヤンはパウンドを連打! 下から腕十字を狙うアルバレスだが、外したフォラヤンはさらに鉄槌! ヒザをフォラヤンとの間に入れて凌ぐアルバレスはサイドからヒザをマットに着いて鉄槌を打つフォラヤンの右足をすくい上げて手繰ると、アルバレスの右手をしっかり掴んで支えを無くしてからフォラヤンをヒザの上に乗せて跳ね上げ左足を持ち上げてスイープ!

さらに右のカーフキックで、アルバレスがダウン! フォラヤンはヒザをマットに着いてサイドから鉄槌連打! ヒザを間に入れて凌ぐアルバレスは近くで鉄槌を打つフォラヤンの右足を手繰ると、跳ね上げ片足を持ち上げてスイープ!

上下を入れ替えることに成功したアルバレスはハーフガードを取るフォラヤンを左肩でアゴを潰して抑え込むと、右足も抜いてパスガード! そのままマウントへ。

亀になるファラヤンを、直前までローで効かされた足を使って両足を伸ばさせて這いつくばらせると、バックマウントから1発パウンドを入れ、さらにフォラヤンのアゴを左手で掴んで上げさせてから、右腕を喉下に差し込んでリアネイキドチョーク! フォラヤンがアルバレスの右腕を2度タップした。アルバレスが大逆転勝利!

左足にカーフキックを効かされ、立てなくなりダウンを喫したアルバレスだが、隠れた寝技技術を発揮、見事な柔術スイープと、最後はワイルドにフォラヤンのアゴを上げさせてのリアネイキドチョーク。これぞMMAの醍醐味を見せて勝利したアルバレスが、ザイード・フセイン・アサラナリエフが待つ決勝に駒を進めた。

試合後、AbemaTVの現地解説で生観戦した青木真也は、「フォラヤンが勝ちをもうここまで手中に入れたけどまさかの逆転劇で僕自身も意外、ちょっと気持ちの整理ができていないです。ただ、またどこかでフォラヤンともアルバレスとも巡り合うんじゃないかと、マニラで感じた試合でした」と両者との再戦を示唆した。

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