▼第9試合 トリプルメインイベント1 PFC MMA バンタム級(61.2kg)選手権試合 5分3R
×小倉卓也(スカーフィスト)第3代PFCバンタム級王者
[判定0-2] ※28-29×2, 28-28
〇渡部修斗(FIGHT LYNX)挑戦者
※渡部がPFCバンタム級王者に
渡部は「修斗」というその名が表す通り、父に修斗初代ウェルター級チャンピオンの渡部優一氏を持つ。小学5年生より柔道を学び、中学からは並行してレスリング部に所属。2012年にPANCRASEでプロデビューし、以降はZSTで経験を積み、18年にはFighting NEXUS初代バンタム級王座決定トーナメントを制し、王座を戴冠した。
RIZINでは井上直樹、朝倉海に敗れるも、修斗の“天才児”田丸匠に得意技マジカルチョークで一本勝ち。LANDMARK vol.1では内藤頌貴にダースチョークも極めている。2022年4月のRIZIN TRIGGER 3rdでは足関節を得意とする須藤拓真とフルラウンドのスプリット判定の接戦の末に敗れている。
MMAは「残り1試合」としている初代NEXUSバンタム級王者の渡部修斗は、5月の前戦でアオキング一輝に1R RNCで一本勝ち。PFCバンタム級王者の小倉卓也との引退試合での対戦をアピールしていた。この間に、コンバットレスリング、7月川越大会でもグラップリングを戦っている。小倉は5月大会で小林博幸に一本勝ち。
1R、開始早々、シングルレッグで金網に詰めると脇潜りスタンドバック。小倉はキムラ狙いも渡部はバックからボディロックで崩してバックテイク。4の字ロックからおたつロックで小倉に正対を許さずも、小倉も後ろ手を剥がして極めさせず。渡部は背後からこつこつパンチする。
2R、先に打撃で前に出た小倉に、金網まで詰まった渡部はダブルレッグテイクダウンも、そこにギロチンスイープする小倉が逆にバック狙い。それを立ち上がり落として、小倉の投げにバックマウントに。4の字ロックからチョークを狙うが、ここも小倉は凌ぐ。
3R、2Rで腕を使ったか、渡部は腕を気にする。ハグをかわしてから雑にダブルレッグに入った渡部だが、スプロールする小倉がバックを奪うと、リアネイキドチョークを狙う。立ち上がって凌ぐ渡部は息が荒く、ガス欠状態に。両ヒザを着いて耐え、極めは許さず。
判定は2-0(29-28×2, 28-28)で、渡部が勝利。マットに倒れ込むと、小倉が腕を掴み、引き起こした。
引退試合でPFCのベルトを巻いた渡部は、記念撮影でも立っていることができず。マイクを渡され、「すみません、酸欠で……初代NEXUSバンタム級王者・渡部修斗です。今日は、ほんとうはかっこよくマジカルチョークで終わりたかったんですけど、最後、このザマです。
自分は2歳のときに、この後楽園の真ん中で父親に抱っこされてチャンピオンベルトを巻くときにいました。ここで最後チャンピオンベルトを巻いて、パパ……最高の息子だよね、俺。俺じゃなきゃできなかったよね!!」と号泣。
続けて「今日、引退試合で、11年格闘技だけをやってきて、すごい大変なときもあったけど、ひとつのことをやり続けて頑張れば素敵なことが待っていると思います。充実な人生、ほんとうにありがとうございました。山田(峻平・代表)さん、コンビ組んでどのくらいか。いままでありがとうございました。これからは運営に入って裏から盛り上げていきます。最後に、NEXUSにはRIZINで活躍してる選手がいっぱいいます。NEXUS、最高! これでNEXUSの第一章は終わりです」と咆哮した。
Fighting NEXUS vol.32
— 渡部 修斗 Shooto Watanabe (@shooto_wa) August 20, 2023
MMA引退試合・PFCタイトルマッチ
勝利して王者になることができました
本当に最高の格闘技人生でした
関わってくださった皆様に本当に感謝です
明日からまた新しいことに挑戦です
これからも渡部修斗を宜しくお願い致します
そして今まで本当にありがとうございました! pic.twitter.com/BvtnucIr49
その後、父・渡部優一氏がリングインし、修斗をハグ。肩にかつぎあげて尻をぽんぽんと叩き、ケージを1周して肩を抱いた。
最後に渡部は10カウントゴングを聞き、結婚した青野ひかるらと記念撮影に収まった。