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【ONE】秋山が青木の絞めを凌ぎ、TKO勝ち。快挙! 秋元皓貴がカピタン破り、新王者に。アンジェラがスタンプに一本勝ち、DJがロッタンを極める。モラエスが若松に一本勝ち、ハム・ソヒが再戦で完勝、平田樹が初黒星。アラゾフがGP優勝!

2022/03/26 12:03
 2022年3月26日(土)、ONE Championshipの10周年記念大会『ONE X』がシンガポール・インドアスタジアムで開催された(※14時から1部、18時から2部、21時からメインカード開始)。  階級を越えた戦いとなる青木真也(EVOLVE MMA)は165ポンド(74.84kg)とアンダー、秋山成勲(チームクラウド)は169ポンド(76.65kg)で水抜き禁止のリミット77.1kgに近い体重で計量およびハイドレーションテスト(尿中の水分値)をパス。  前日のフェイスオフでは、スケールの上で互いにガッツポーズ。秋山は防護メガネをかけて、バッキバキに隆起した筋肉を披露。互いに足踏みしながら身体を近づけ、闘志を燃やしながらも、最後は礼もかわしている。  26日の大会当日には、青木が「青木真也の日。ここまでのすべてに感謝しています。ありがとう」とツイート。秋山も同時間に「青木選手は俺の日だと言ってたが、ごめんね。俺の日だわ!!」と勝利を予告した。 ◆秋山成勲、試合後コメント「正直2回落ちそうになりました」「青木くんの目が退いて“ここだ”と思った」 [nextpage] ONE X 全試合速報 【ONE X: Grand Finale】※日本時間21時~ ▼ONE女子アトム級(※52.2kg)世界選手権試合 5分5R〇アンジェラ・リー(シンガポール)王者 114LBS, 1.0049[2R 4分50秒 リアネイキドチョーク]×スタンプ・フェアテックス(タイ)挑戦者/1位/同級世界GP優勝 114 LBS, 1.0074※アンジェラが王座防衛 メインイベントに決定したのは、ONE女子アトム級世界選手権試合。現ONE世界女子アトム級王者のアンジェラに、女子アトム級ワールドGPで優勝したスタンプが挑戦する。  元ONEアトム級キックボクシング&ムエタイ世界王者で、MMAでも同級1位のスタンプは、8選手参加のアトム級GPに参戦。 9月の1回戦で、アリヨナ・ラソヒナにスプリット判定勝ちすると、2回戦で元RIZINスーパーアトム級王者ハム・ソヒと対戦が決まるも、ハムの負傷欠場によりジュリー・メザバルバと対戦。MMAムエタイを駆使し判定勝ちで決勝進出。  12月の決勝ではインドのリトゥ・フォガットに2R、三角絞めからの腕十字を極めて一本勝ち。優勝を果たしている。MMA8勝1敗。 女王アンジェラは、レスリングとBJJをバックボーンとする強いグラップリングを武器に、2016年5月にV.V Meiに判定勝利を収め19歳で女子アトム級王座を獲得。4度目の王座防衛に成功している。  2019年3月に1階級上のストロー級王者ション・ジンナンに挑戦もTKO負けで二階級制覇はならずも、2019年10月のアトム級タイトルマッチでは、王者としてジンナンの挑戦を受け、リアネイキドチョークで一本勝ち。4度目の王座防衛に成功すると共にリベンジにも成功している。  同じMMAファイターであるブルーノ・プッチと結婚し、出産・育児休暇を経て、2年5カ月ぶりにMMA復帰。GP王者のスタンプの挑戦を受ける。 MMA10勝2敗のアンジェラは、KO・TKOは1勝のみだが、サブミッションで7勝(70%)をマーク。黒帯の実力でポジションを制してのリアネイキドチョーク、アナコンダチョーク、ネッククランクと首系のみならず、腕十字、ツイスターでの一本勝ちも見せている。 ともにオーソドックス構え。スタンドはスタンプ、寝技はアンジェラの構図ながら、スタンプはレスラーのフォガットの組みを切るなど、テイクダウンディフェンスに長けている。アンジェラはフォガットと異なり上半身で組んでのテイクダウンも得意とするが、スタンプは首相撲をMMAに応用したムエタイの打撃を混ぜた組みも持つ。  MMAキャリアと引き出しの多さで勝るアンジェラだが、2年5カ月のブランクあけでの実戦で試合勘やスタミナはどこまで戻っているか。コロナ禍もコンスタントに試合を積んできたスタンプにとっては、アンストッパブルな王者の組み技を凌げば、三冠獲得のチャンスも出てくる。  花道でピンクのジャケット姿でダンスし、大きなハートマークを両手で作ってからケージインしたスタンプ。続けて王者アンジェラがベルトを肩にゆっくり花道を歩き、ケージイン。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央に出るアンジェラが左右を振って組みに。引手を掴んでの首投げ狙いを手を取らせないスタンプ。ヒジにスタンプは出血。  右を振り、左で差して押し込むアンジェラに左でヒザを突き離れるスタンプ! 右ローを打つスタンプに左ボディを効かせるスタンプ!   アンジェラはシングルレッグに潰してパウンドを狙うスタンプに上に上がり左で差して後ろから左手を掴んで右のパウンドはアンジェラ! さらにボディロックから前方に崩して手を着かせるとバックに乗り、両足をかけて引き込み。  座るスタンプはリアネイキドチョークの組み手を作らせない。背後からパンチを打つアンジェラ。凌いだスタンプは両手を広げて笑顔を見せる。  2R、中央に出るアンジェラ。すぐに組むと左で差すスタンプにボディロックから後方にテイクダウン! サイドを奪うとヒザを突き、足を手繰ってきたスタンプに三角絞めへ! さらに腕も伸ばすが、座りながら防御し、腕十字にもまたいで抜いたスタンプ。  なおもバックコントロールするアンジェラ。亀のスタンプにヒザを突き、右足をかけてシングルバックから左脇に頭を入れてツイスター! ここも耐えるスタンプは下から腕十字。これを潰したアンジェラは、バックを奪い、スタンプの身体を伸ばすと、リアネイキドチョーク! 残り18秒、右でパウンドしてからパームトゥパームで引き寄せて絞めて、タップを奪った。  マットでスタンプとハグをかわしたアンジョラは、スタンプに「あなたが次のチャンピオンよ」と肩を抱いて伝えると、笑顔で握手。  さらに、右肩に黄金のベルトをかけ、左腕に長女のエィヴァ・マリーを抱いたアンジェラは、マット上のインタビューで「私はONE始まって以来のママチャンプになったわ。素晴らしい対戦相手で一生懸命練習してきたのが分かった。あのボディショットは効いたけど陣痛のときの方がずっと痛かった。チームのおかけでここまでやってこれました。この子が私のモチベーション。あなたのために私は頑張ったのよ。みんなの応援から愛が伝わってきました。みんな愛している」と笑顔でコメント。5万ドルボーナス獲得を告げられると、笑顔で夫ブルーノ・プッチと熱いハグをかわした。 [nextpage] ▼ONEフライ級(※61.2kg)ミックスルール 3分4R(1R&3RはONEムエタイルール、2R&4R MMAルール)×ロッタン・ジットムアンノン(タイ)134LBS, 1.0229[2R 2分13秒 リアネイキドチョーク]〇デメトリアス・ジョンソン(米国)134LBS, 1.0207 ONEフライ級ムエタイ世界王者のロッタン・ジットムアンノン(タイ)と、元UFC世界王者デメトリアス・ジョンソン(米国)のスーパーファイトが実現。  特別ルールとして、3分4R制のムエタイ&MMAのハイブリットマッチ=MIXルールが採用される。これは第1Rと第3RはONEスーパーシリーズのムエタイルール、第2Rと第4RはMMAルールで行われるもの。  MMAの練習風景を公開していたロッタンだが、MMAキャアリアではDJことデメトリアスとは大きな差がある。いかに1Rのオープンフィンガーグローブでのムエタイルールでダメージを与えられるか。そして偶数RのMMAルールでDJの組みを凌ぐか。首相撲ヒザなど際の打撃にも定評のあるDJが、ONEムエタイルールのなかでどこまで立ち技に挑むのかも注目だ。  先に入場のDJに対し、音楽に乗ってワイクー風に踊りながら花道を進むロッタン。  1Rはムエタイルール。ともにオーソドックス構え。先に詰めるロッタンにクリンチするDJ。DJも左ハイを突き、組んで右ヒザも打つ。  右を振り、右ハイはロッタン。詰めて左右のロッタン。首相撲からヒザも。しかし組んでのヒザはDJも。右ロー、左ボディはロッタン。しかしDJも右ストレートを返すと、首相撲ヒザをDJが突く。左ボディを効かせるロッタン! さらに右を対角に突くロッタンに組むDJはヒジ・ヒザ。左ボディから入るロッタンに右オーバーハンドを返すDJ! 圧力をかけるロッタンは右ローを突く。2Rへ。  2R、今度は先に詰めるDJ。下がるロッタンはサウスポー構え。左ミドルを突いてから組んですぐさまバックに飛び乗るDJ! 首を狙いながらシングルバックからリアネイキドチョークへ。アゴ上から絞めるDJにロッタンはヒジを押し上げ後ろ手を一回剥がすが、再度、DJは組み直してロッタンの身体を弓なりに伸ばして極めた。  試合後、DJは「彼を絞め落としていくつもりだった。絞って絞って絞って彼がタップするか、落ちてくれたらよかった。もしそうでなければ3Rで取り返すつもりだった。この狂った試合のために準備をしてくれた、地獄になると分かっていたけど、リスクを冒さなければ誰もその名を覚えてはくれない。ロッタンはこの階級でハードヒッターだから」と語った。 [nextpage] ▼ONEフライ級(※61.2kg)世界選手権試合 5分5R〇アドリアーノ・モラエス(ブラジル)王者 114LBS, 1.0049[3R 3分58秒 ギロチンチョーク]×若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A)挑戦者/2位 135LBS, 1.0237※アドリアーノが2度目の王座防衛  ONEフライ級では、現王者のアドリアーノ・モラエス(ブラジル)と、同級2位の若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A)のONE世界フライ級選手権試合(5分5R)が行われる。  ついに日本の若松佑弥が、王者アドリアーノ・モラエスに挑戦する。  2018年9月にONE Championshipに初参戦した若松は、MMA15勝4敗。2018年2月のPANCRASEでフライ級王座にも挑戦した若松は、2018年9月にONE初参戦。ダニー・キンガド、元UFC王者のデメトリアス・ジョンソン相手に2連敗も、その後、ジェヘ・ユースタキオ、キム・デファン、キム・キュサン、リース・マクラーレンに勝利すると、2021年12月3日の前戦でも中国のフー・ヨンに判定勝利、5連勝を飾り、王座挑戦に名乗りを挙げていた。15勝のうち11KO・TKOを誇るハードパンチャーだ。  王者モラエスは、2016年8月のONE世界フライ級暫定王座決定戦でタイレック・バティロフをリアネイキドチョークで極め、2R一本勝ち。暫定王座獲得に成功した。  2017年8月のONE世界フライ王座統一戦で正規王者カイラット・アクメトフと再戦し、判定勝ち。王座統一に成功。同年11月には、ダニー・キンガッドの挑戦を受け、リアネイキドチョークで1R 一本勝ち。初防衛に成功した。2018年6月にゲヘ・エウスタキーオにスプリット判定負けで王座陥落も、2019年1月にエウスタキーオとのラバーマッチで判定勝ちで3度目の王座獲得に成功。  前戦は、2021年4月「ONE on TNT 1」のONE世界フライ級タイトルマッチで、デメトリアス・ジョンソンと対戦。2Rに右アッパーでダウンを奪い、追撃のグラウンドの左ヒザ蹴りとパウンドでKO勝ち。王座の初防衛に成功している。 “ミキーニョ”ことモラエスは、ATTで堀口恭司とも練習するオールラウンダーで、強いグラウンドを軸にスクランブル、際の打撃も強力で、これまで漆谷康宏、ランボー宏輔、渋谷莉孔の3人の日本人選手に勝利している。  対する若松は、前戦であえてグラウンドゲームを展開し勝利するなど、王座戦に向けてMMAを磨いてきた。前戦で負傷した右拳も回復し、リブートボクシングジムでの出稽古も再開している。  堀口譲りか細かいステップ、フェイントのなかで左右の蹴りも巧みなモラエスの打撃からの組みを若松はいかに凌ぎ、あるいは組みでもバックを譲らず、逆に組みでも削れるか。我慢の展開もあるなかで、勝機を掴めるか。  1R、ともにオーソドックス構え。じっくり中央に立つ若松。左右にサークリングするモラエス。じりじりと詰める若松は右カーフキック。モラエスは左ハイ2発で牽制。左ジャブを突く若松。モラエスは右ローを返す。  詰めてきたモラエス。レフェリーから両者に「モア・アクション」の指示。若松の左に組むモラエスは首相撲ヒザ。右カーフを返すモラエス。しかし両者に2度目の「アクション」の声。  詰めた若松にシングルレッグから差し上げてテイクダウンのモラエス。ハーフから右ヒジを突くモラエスに、左で差し上げ立とうとする若松にバッックテイクを狙うモラエスだが、落とす若松。  2R、先に左ローを当てる若松。左に回り右ローを返すモラエス。モラエスの組みを剥がした若松。モラエスは首を抱えるが首を抜く若松。  スタンド。右ストレートを突く若松。ブロックするモラエスは左ロー。若松は右ストレート。モラエスの右に組む若松。  左で差して押し込む若松。右で小手に巻くモラエスは投げて差し替すと、若松は崩してモラエスに手を着かせるもすぐに立つ。  スイッチして左ハイを突くモラエス。ブロックする若松。モラエスは右を大きく振り。右ロー。ダブルレッグの放し際に右を振り右跳びヒザを着くモラエス。一瞬腹を効かされたか。しかし若松も伸びる左を振るがモラエスはかわす。  3R、またも慎重な両者にイエローカードが出される。若松の左に組んでバックテイクから足をかけようとするモラエス。正対した若松は金網際で体を入れ替え正対。  脇を差せない若松は離れる。左のミドル、ローの若松に右の蹴りを突くモラエス。そこを詰めてダブルレッグからテイクダウンを奪う若松! 金網上体を立てるモラエスに、さらにダブルレッグテイクダウンは若松! しかしモラエスもスイッチから正対。  スタンドに。モラエスに右で腰を抱き、左を差し上げテイクダウンに入る若松。そこにモラエスは左腕をのどもとにアームインギロチンチョーク! さらに右足でフタをして逃げ道を塞ぐと、最後はクローズドガードの中に若松を入れてギロチンチョーク! 若松が右手でタップした。  組みのスクランブルで相対した若松。最後はテイクダウンを狙った際でギロチンチョークを極められた。 [nextpage] ▼ONEライト級(※77.1kg)5分3R×青木真也(EVOLVE MMA)165LBS, 1.0009[2R 1分50秒 TKO] ※パウンド〇秋山成勲(チームクラウド)169LBS, 1.0074  MMA47勝9敗1NCの青木真也は、 2015年に78kg契約で桜庭和志に一本勝ち。ONEでも2021年1月に元LFAウェルター級(※水抜きあり前日計量の77.1kg)王者のジェームズ・ナカシマとONEライト級で戦い、1R、ネッククランクで一本勝ちするなど、階級上の選手から勝利を挙げている。2021年4月の前戦では、エドゥアルド・フォラヤンとの3度目対戦で1R 腕十字による一本勝ち。38歳にして4連勝をマークしている。  一方の秋山は46歳でMMA15勝7敗2NC。2015年11月のUFCでアルベルト・ミナにスプリット判定で敗れた後、2019年6月に3年7カ月ぶりにMMA復帰。ONEデビュー戦でアギラン・ターニに判定負けしたものの、2020年2月の前戦でシェリフ・モハメドに1R、右フックでKO勝ちしている。  2008年7月に「DREAMライト級(70kg)GP」で準優勝となった青木は、同年9月にトッド・ムーアをわずか70秒、フェイスロックでのリアネイキドチョークでタップを奪い一本勝ち。リング上で「秋山“マイケル・ジャクソン”成勲先輩、この大黒柱と試合をしませんか?」と対戦を呼びかけ、翌日の一夜明け会見でも「やらせてもらえるんであれば、僕は正々堂々と戦います」と対戦をアピール。  その時は実現しなかったが、2021年10月の「Road to ONE: 5th Sexyama Edition」でグラップリングマッチを戦った青木は、試合後、マット上で、「9月6日に俺にオファーが届きました。オイ、お前(放送席の秋山に)何で(試合を)断ったんだよ。笑いごとじゃないんだよ、何とか言えよ! 嘘を付くんじゃねぇよ」と秋山に「虚構野郎」と対戦を迫り、秋山は「もちろんやらないという選択肢はない。当たり前のようにやるつもりでいるし」と答え、今回実現となった。  先に入場の秋山の身体は前日計量から一回り大きい。セコンドにはGSPトライスタージムの赤沢幸則とバンゲリングベイの白川裕規。青木のセコンドには盟友・北岡悟がつく。 コールに笑顔でフィストバンプをかわした秋山。青木は険しい表情で右手を振り下ろした。試合前に先に手を伸ばした青木、握手をかわす秋山。  1R、サウスポー構えの青木に、詰める秋山。組みに行った青木はシングルレッグからバックテイク。右足をかけて右手をかけて4の字ロック。  右手を掴む秋山。立ったまま背負う秋山は、フェイスロックから後ろ手を掴み、右手を剥がす。背後からパンチ・鉄槌を打つ青木。場内からブーイング。  パームトゥパームでフェイスロックに、右手でヒジを上に押し上げる秋山。残り1分30秒。背後から叩く青木はなおもフェイスロックに組むが、ヒジを押し上げて極めさせない秋山。右手を掴んで残り30秒を凌ぐ。  2R、詰める秋山にシングルレッグの青木。切る秋山に首相撲を望む青木。さらにシングルレッグも片足立ちで下がりながら右を連打する秋山!  差し上げた秋山。青木に疲労が見える、青木は右を振るが、秋山が前に。青木は左ミドルも秋山は右ストレート! 青木はシングルレッグも頭を押し下げて切る秋山は、体を入れ替え、右を連打! さらにヒザ! 右の連打を浴びる青木に、レフェリーが間に入った。  試合後、秋山はケージ内のインタビューで「途中でくじけそうになりましたが、“セクシヤマ”の声に力が沸きました。2Rはじめに青木選手の目を見たときに、一瞬退いたんですよね。そこで行かなきゃと思い、攻めました。(セクシヤマとしてどんな試合をしたい?)もっとセクシーな試合をします!」と語り、隆起した背中を見せて鬼を浮かべさせた。 ◆秋山成勲、試合後コメント「正直2回落ちそうになりました」「青木くんの目が退いて“ここだ”と思った」 [nextpage] ▼ONEムエタイ ライト級 3分3R〇エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)169LBS, 1.0053[判定3-0]×ジョン・ウェイン・パー (豪州)169LBS, 1.0057  元ONE世界ライト級王者のエドゥアルド・フォラヤンがムエタイルールに挑む。フォラヤンは、フィリピン北部ルソン島のバギオ生まれ。5人の兄弟姉妹を病気で失うなど、極限の貧困の中で育ったが、バギオのコルディレラ大学に奨学金を使って進学し、フィリピンのウーシュー代表チーム入り。数々の金メダルを獲得し、MMA(総合格闘技)に転向した。  フィリピンの名門ジム「チーム・ラカイ」で練習しながら、2008年に学位を取得し、国家試験に合格して教員免許を取得。高校で体育を教えながら、MMAの試合を戦っていた。  2007年のプロデビューから14年でMMA22勝11敗。2016年に青木真也をTKOに下し、ONE世界ライト級王者に2度輝くも2020年からは4連敗中で、2021年4月に青木真也に腕十字で一本負け、前戦では元UFCのジャン・リーポンに判定負け。初のムエタイルールでどのような戦いを見せるのか。  ジョン・ウェイン・パーはキャリア100勝に王手をかける45歳のレジェンドファイター。2019年8月にはRIZINで初代RISEウェルター級王者のダニロ・ザノリニにスプリット判定で敗れ、2021年4月のONE初参戦ではニキー・ホルツケンにKO負けなど現在3連敗中。この試合に勝てば記念すべき100勝目となる。  1R、JWPの引退試合。ともにオーソドックス構えから右ロー。フォラヤンは左のサイドキック、右ハイも。オープンフィンガーグローブで左右を強振するフォラヤン。さらにインローも。  ウェインパーは右ロー。右ストレートで飛び込みもスピードはフォラヤン。後ろ蹴り、後ろ回し蹴りは空振りも、サイドキックで前進。こつこつと右ローを突くウェインパー。フォラヤンはサイドキックからワンツーをボディに突き、右の後ろ回し蹴り。ウェインパーはかわして詰め直す。  2R、右ローの打ち合い、遠間からサイドキック、後ろ回し蹴りのフォラヤンにウェインパーは右ローを当て返す。しかしフォラヤンも右ボディストレート! さらに上段の後ろ回し蹴り。ブロッキングするウェインパーだが、右ストレートを受けてダウン。  立ち上がるウェインパー。フォラヤンの左の蹴りをブロッキングも、右ストレートをガードの中央に突かれる。フォラヤンの動きが止まったところで右ストレートを返したウェインパー!  3R、場内から歓声を受ける両者。詰めるウェインパーは右を振り右ローも、そこに右のバックフィストを振るフォラヤン! ブロッキングしたウェインパーは前進。下がるフォラヤンに左ミドルも。詰めるのはウェインパー。左跳びヒザにフォラヤンの腰が落ちると、一気にラッシュ! しかしフォラヤンも右を返すなか、ウェインパーは左ハイ、さらにマットに手を着いてのセンチャイキック、右を突いて前に出たところでゴング。  両者ともにケージの上に乗り、握手をかわした。判定は3-0でフォラヤンが勝利。そのコールをウェインパーも祝福。フォラヤンは握手を求めた。 [nextpage] ▼ONEキックボクシング フェザー級世界選手権試合 3分5R〇スーパーボン(タイ)王者 153LBS, 1.0156[判定3-0]×マラット・グレゴリアン(アルメニア)挑戦者 153LBS, 1.0018  王者スーパーボンは、2021年10月に6年間無敗を誇った王者ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)に挑戦。2R 20秒、右ハイキックでKOに降し、新王者となった。  もともとバンチャメークジムでブアカーオの弟子にあたり、2009年10月にムエタイでゲーオ・フェアテックスに勝利。Kunlun Fightで2016年世界トーナメントを制して世界にその名を轟かせた。あらゆる体勢から繰り出すミドル&ハイキックを得意とし、首相撲でも強さを発揮するテクニシャン。2020年7月のONEではシッティチャイ・シッソンピーノンからも勝利を収めている。  対するグレゴリアンは、1月28日のフェザー級キックボクシング ワールドGP準決勝でチンギス・アラゾフ(ベラルーシ)と対戦予定だったが新型コロナウイルスの影響により欠場。今回が復帰戦となる。  2015年のK-1 WORLD GP -70kg王者であるグレゴリアンは、当時1回戦で山崎陽一、準決勝で牧平圭太、決勝でジョーダン・ピケオーにKO勝ちと、3試合連続KO勝ちで優勝。2018年2月には、「Kunlun Fight 69 World MAX 2017」の準決勝でジニアス・ズエフに判定勝ち、決勝でスーパーボーン・バンチャメークにKO勝ちして優勝した。そして、2019年5月「Glory 65」において、シッティチャイ・シッソンピーノンと5度目の対戦。グレゴリアンが判定勝ちでライト級王座を獲得している。2020年12月のONE初参戦ではイヴァン・コンドラチェフ(ロシア)に先制のダウンを奪われるも2RでKO勝ちした。  2021年10月のONEでの前戦では、S-cup4度王者、K-1 WORLD MAX2度王者のアンディ・サワー(オランダ)を2R 左ジャブでTKOに降し、GP準決勝進出を決めていたものの、コロナで欠場。今回のスーパーボンとの世界タイトルマッチのチャンスを得た。  今回のスーパーボンvs.グレゴリアン戦は、2018年2月以来の再戦。Kunlun Fight 70kg世界トーナメントの準決勝&決勝で1日2試合目だった両者。決勝ではともにオーソドックス構えから、序盤に左の蹴りで距離を取るスーパーボンに対し、前手の左フックで飛び込み、距離を潰すグレゴリアンが、ロープに詰めて右フックをヒット。スーパーボンは左ヒザを返すが、その打ち終わりの身体が伸びたところに、グレゴリアンはさらに右フックを打ち抜き、スーパーボンを失神KOに仕留めている。  1R、ともにオーソドックス構え。互いに左前蹴りから、詰めるグレゴリアンにジャブはスーパーボン。グレゴリアンも左ジャブを当てて詰める。左ジャブから右ロー、ワンツーも。右ローを返すスーパーボン。  組んで1発の右ヒザを入れて押し返すスーパーボンは右ロー、左ミドル! しかしグレゴリアンも右ヒザを返す。前手の左フックを狙うグレゴリアン。ワンツーをかわしてクリンチのスーパーボン。グレゴリアンの入りに右テンカオを突く。  2R、スイッチしての左ミドルはスーパーボン。グレゴリアンのパンチの距離を前蹴りで潰し、高い左前蹴りでグレゴリアンに尻餅を着かせる。グレゴリアンのワンツーにクリンチするスーパーボン。左の前蹴りを上下につき、グレゴリアンの右フックも単発に、左右のボディを当てるグレゴリアンがパンチの距離に戻す。  3R、詰めるグレゴリアン。スーパーボンの左ハイをかわして前に。ワンツーを当てるが、スーパーボンも左ミドルをダブルに。右ヒジが赤く腫れるグレゴリアン。さらにカウンターの右で崩したグレゴリアンの背中を蹴る。プッシングで押し戻すスーパーボンは前蹴りで迎撃。左ミドルを蹴るスーパーボンの組みを剥がして左右を振るグレゴリアン。  4R、詰めて前蹴りで削るスーパーボン。さらに左ミドルも。スーパーボンは右を振るが、その入り際にスーパーボンは右テンカオを突く!  5R、詰めるグレゴリアンに、右のテンカオ、右ハイも突くスーパーボン。グレゴリアンは左アッパーを突くが空を切る。逃げ切りのアウトボクシングのスーパーボン。ワンツーの右を当てるスーパーボンだが、ここはクリンチ、前蹴りでストッピング。  グレゴリアンは右のロングもブロッキングのスーパーボンは下がりながらもジャブでいなして左右の前蹴り。それでも詰めるグレゴリアンがアッパーを突き上げるもスーパーボンもすぐに打ち返し。  判定は詰めるグレゴリアンを巧みな前蹴りで削ってコントロールしたスーパーボンが3-0で勝利。「パワーだけでは僕を制することはできない。(アラゾフについて)友達だけどリングでもケージでも中に入れば関係ない」と笑顔で語った。 [nextpage] 【ONE X: Part.2】※日本時間18時~ ▼ONEバンタム級ムエタイ世界選手権試合 3分5R〇ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)王者 144LBS, 1.0000[2R KO] ※右アッパー×フェリペ・ロボ(ブラジル)挑戦者 144LBS, 1.0107  バンタム級ムエタイ世界王者のノンオーが、元ONEバンタム級キックボクシング世界チャンピオンのラマザノフを挑戦者に迎え、5度目の世界王座防衛戦に臨む。  262勝54敗1分の戦績を誇るノンオーは、ムエタイ界のレジェンド。2018年4月に引退を撤回し、ONEスーパーシリーズに参戦して以来、無敗を保っている。ルンピニースタジアムでスーパーバンタム級からライト級まで四階級制覇、ラジャダムナンスタジアムのベルトも獲得。シンガポールのメガジム「Evolve MMA」に所属し、2019年2月にONEムエタイ・バンタム級王者となり、ONEでは7戦全勝だ。  2019年5月のバンコク大会では元SB世界スーパーライト級王者の鈴木博昭を2Rに腓骨を骨折させるなど、強豪ぞろいのONEで活躍。2019年11月にセーマペッチ・フェアテックスを4Rに右ストレートでKO、2020年12月には、ロートレック・PK・センチャイムエタイジムを3R KOに降し、4度の防衛に成功している。  対するラマザノフは、180cmの長身のダゲスタンのストライカーだ。ムエタイとキックボクシングで62勝6敗という戦績を築き上げ、数々のハイライト級のノックアウトを記録している。  2019年12月に初代ONEバンタム級キックボクシング世界王座を獲得したが、2021年1月にカピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)に敗れ王座陥落。ここでムエタイに回帰しらラマザノフは、2021年11月の「ONE: NEXTGEN III」のコ・メインイベントでポンシリ・PK・センチャイムエタイジム(タイ)を1R KO。この勝利により、バンタム級ムエタイの4位コンテンダーとなり、ノンオーへの挑戦権を獲得した。  1R、ともにオーソドックス構え。ロボが右ローを軽く当てて入り、左ハイで牽制。ノンオーも2ステップで踏み込み左ミドルを当てる。リーチあるロボに、パンチを当てるのはノンオー。ロボの右ストレートをブロッキング。右を突いて右ハイに繋ぐ。緩急をつけて速い左ハイを当てるノンオー。ブロッキングのロボの右腕のダメージはどうか。  右ローを当てるノンオー。さらに左ロー右ハイと散らしていく。ワンツーで踏み込むノンオー。ロボも打ち返しも打ち終わりに右ハイをもらう。ブロッキングのロボにワンツーからローまで当てるノンオー。左ローからワンツー、右ミドルと対角に突く。右ヒジで飛び込むロボだが単発。ノンオーが左右で押し戻してゴング。  2R、右ロー、右ミドルを突くノンオー。さらにアッパーも。ノンオーの入りにガードを固めるロボ。ノンオーはワンツーからヒジ、右ローを当てて、前に出てきたロボにノンオーは近距離で右アッパー! ロボがヒザから崩れ、KO勝利! [nextpage] ▼ONEバンタム級キックボクシング世界選手権試合 3分5R×カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)王者 144LBS, 1.0144[判定0-3]〇秋元皓貴(EVOLVE)挑戦者 143LBS, 1.0027※秋元が新王者に  秋元皓貴(日本)のONEバンタム級キックボクシング世界王座への挑戦が決まった。  秋元は、小学2年時に空手を始め、2007年10月に15歳でプロデビュー。2008年8月の「K-1 甲子園 KING OF UNDER 18~FINAL16~」で江幡睦に判定勝ち。2011年7月に、19歳にして元ルンピニースタジアム認定二階級王者で現役ランカーのピンサヤーム・ソー.アムヌアイシリチョークに2RにKO勝ちを収めた。2012年10月の森井洋介戦では、5R判定勝ちでデビュー以来無敗のままWBCムエタイ日本フェザー級タイトルを獲得。  2014年からフルコンタクト空手に復帰し、2017年のJFKO第4回全日本フルコンタクト空手選手権軽量級で優勝。2018年8月にシンガポールのメガジム「Evolve MMA」のトライアウトを受けて合格。10月には日本から拠点を移し、2019年1月に約6年ぶりのキックボクシングの試合をONEで行って勝利するも3月のヨゼフ・ラシリ戦でプロ21戦目にして初黒星。しかし、前戦で“中国最強”の呼び声高いチュー・ジェンリャンに判定3-0で勝利するなど4連勝をマークした。  迎え撃つ王者カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)は2019年にルンピニースタジアム認定スーパーウェルター級王座になった他、2016年にWPMF世界同級王座、2020年にTrue4Uスーパーライト級王座などを獲得。2020年9月からONEに参戦すると、ペッタノンを右クロスで僅か6秒でKO。2021年1月に アラヴァディ・ラマザノフもローキック&右クロスで2RにTKOし、ONE王座を奪取した。9月にはメディ・ザトゥーを退けての初防衛にも成功している。  日本でもその強さが知られているチャムアックトーン・ファイタームエタイジムにも勝利しているカピタンは、一撃必殺の右クロスを始め高い攻撃力を誇るが、ムエタイらしい競り合いでもしっかり勝てるテクニックを併せ持つ。センマニーやヨードクンポンといった錚々たる一流ムエタイ戦士としのぎを削ってきた実力は日本人ファイターにとって間違いなく高い壁となるだろう。  秋元も空手をベースに持つ攻撃力の高い選手で、肉を切らせて骨を断つ頑丈さもある。24勝1敗という驚異的な戦績の中には、ムエタイの強豪であるピンサヤームを左ボディでマットに沈めた実績もあり、タイトル奪取に期待がかかる。  1R、ともにオーソドックス構え。先に左インローはカピタン。さらに左ミドル、ボディストレートのカピタン。秋元も左から右ローを打ち返す。秋元の蹴りの軸足を払うカピタン。さらに右ボディ。秋元もワンツー&ローと返す。  近距離で戦う両者。上下から右ローまで繋ぐ秋元が今度は軸足払いでカピタンをこかす。左ミドルを当てるカピタン。しかし秋元も左右から右ストレート! さらに前進して左ヒザに繋ぐ。ラスト打ち負けずゴング。ローは後半にどう影響するか。  2R、互いに蹴り合いのなかで秋元の右ローに下がるカピタン。右ローに足を流すようになる。カピタンの左ミドルをかわして左ボディ! 右ストレートで前に出る秋元! 金網に詰まるカピタン。右ストレート&左ヒザの秋元。さらに右ローに、体勢が崩れるカピタン。首相撲ヒザに切り替える。跳びヒザのカピタン。切りたい秋元だが、こかされる。離れ際に右を当てる秋元。  3R、組みに来るカピタンだが、クリンチに注意。左右からローに繋ぐ秋元。しかしカピタンは首相撲からヒザ。キックルールでの連続の掴みにカピタンにイエローカードが出される。  再開、左右からロー、左フックに繋ぐ秋元が前に。左右ラッシュで金網に釘づけに。しかし押し戻すカピタン。そこにショートのボディを突く秋元。またもクリンチにカピタンに2枚目のイエローカードが出された。  左右を振るカピタンに下がらない秋元は右ロー! さらに右ストレート! ブレークから右ローを突き、フラつくカピタン。下がるカピタンに秋元は前進! 右ローを突きゴング。下段蹴りを効かせる秋元。  4R、押し込んで左ミドルの秋元。カピタンの左右はブロックを固め、右の下段蹴りを打ち下ろし、ラッシュで金網まで電車道で押し込む。右ローから右ハイを繰り出す秋元は高い右ヒザも! 右を返すカピタンも押し返し。しかし足が効かず手打ちに。  金網に詰めて左右から左アッパーも突き上げる秋元。今度は左ローでついにカピタンが両手をマットに着く! 押し込み左ミドルを当てる秋元は左で奥足ローも! 金網に詰まっても倒れないカピタン。ゴング。  最終5R、先に左ミドルを当てる秋元。カピタンは右のガードが上がらない。またもホールディングでカピタンに1P減点。詰めるカピタンに左インローでこかす秋元。左右ラッシュをかける秋元。カピタンは金網に釘付けになるが、レフェリーは止めず。  ブレークから前に詰める秋元は顔面にヒザ! カピタンも右を返してくるが、なおも押し込む秋元が左ハイ。左右で前に。カピタンの足払いで一瞬ヒザを着いた秋元。再開で右を当てるカピタンは右ハイも、最後に右で押し込んだのは秋元。ゴングに両手を挙げると、イヴォルブのMMAチームのシアーコーチが秋元を祝福した。  判定は、近距離での蹴り、パンチも上下に突いて、5Rを驚異の前進力で攻め続けた秋元が3-0で勝利。チャトリ代表から肩にベルトをかけられた秋元は、シアー・バハドゥルザダコーチと長い長い抱擁をかわした。  試合後、秋元は「ほんとうに相手が強くてしんどくて、3R目くらいからパンチも強かったです。世界で一番最初にこのベルトを獲りました。シアーコーチと毎日パーソナルトレーニングをして、週3回、5Rずっと前に出続ける練習の成果が出ました。毎日、しつこいくらいに『お前はチャンピオンになるんだ、その日だ』と言われ、それを信じて戦いました」と歓喜のコメント。  5万ドルのボーナスの獲得も告げられると、「頭の片隅に、今日もKOじゃなくて、インタビューとかで『派手じゃないですけど』と言われたりして、今日もほんとうにKOしたかったですし、賞をもらえて評価されて嬉しかったです」と喜びを語った。 [nextpage] ▼ONE女子アトム級(※52.2kg) 5分3R〇ハム・ソヒ(韓国)114LBS, 1.0144[判定3-0]×デニス・ザンボアンガ(フィリピン)114LBS, 1.0005  ONE女子アトム級で、第2代RIZIN女子スーパーアトム級王者のハム・ソヒ(韓国)とデニス・ザンボアンガ(フィリピン)が対戦。2021年9月の「ONE女子アトム級ワールドGP1回戦」以来、約半年ぶりの再戦に臨む。  GP1回戦では、序盤の2Rは互角の戦いも、3Rからハム・ソヒが打撃で優位に。だが両者の頭が衝突し、ザンボアンガは額にダメージを受けた。リカバリータイムで中断から再開後、ザンボアンガはハム・ソヒをテイクダウンしてトップポジションを奪い、残り時間をパウンド。最終的には、ハム・ソヒがスプリット判定で勝利し、ザンボアンガに初黒星を付けていた。  ハム・ソヒは右手を負傷しながらも左の打撃を当て、ザンボアンガはテイクダウン&コントロール。後者を支持する声もあるなか、ザンボアンガは判定に不満を表明し、ハム・ソヒも判定は正しかったとしている。  3月26日のリマッチで勝利するのは、ハム・ソヒかザンボアンガか。  準決勝進出を決めたハムは1回戦後、怪我のためにトーナメントを辞退。その後GPは、決勝でスタンプ・フェアテックスがリトゥ・フォガットに一本勝ちし、同級王者アンジェラ・リーへの挑戦権を獲得している。  ハム・ソヒvs.デニス・ザンボアンガが組まれた同日には、アンジェラvs.スタンプの女子アトム級タイトルマッチも組まれており、再戦の勝者は、次期コンテンダーとなる可能性もありうるリマッチだ。  1R、ゴング前に視線を逸らさない両者。サウスポー構えのハム・ソヒが左右で前に。ザンボアンガも右を振るが、かわしたハム・ソヒと頭が当たり中断。両目を押さえるハム・ソヒ。再開。  右を伸ばし、右ミドルも織り交ぜるザンボアンガ。右手前のハム・ソヒは左ストレートで圧力をかける。左を当てて詰めるハム・ソヒだが、右で迎撃するザンボアンガはダブルレッグテイクダウン! 背中を着かされたハム・ソヒは左足でフックガード。  右で脇を差してザンボアンガは押し込み。右で脇腹にパウンド。上体を放してパウンドのザンボアンガは右で足を押さえ、鉄槌! 金網使い立ち上がるハム・ソヒはボディロック&小外がけテイクダウン! インサイドからパウンド。下からザンボアンガもパンチを返すが左目を腫らす。  2R、中央を取り、右足を外に置き、左を当てるハム・ソヒ。喧嘩四つで前手争いから抜群のタイミングでダブルレッグはザンボアンガ。しかし、ここで倒されず上を取ったのはハム・ソヒ! 左で脇差し、ハーフからヒジを打ちこむ。ザンボアンガは左足を二重がらみでパスを防ぐが、ボディにもパウンド・ヒジを落とすハム・ソヒに、左ヒザを戻してフルガードに入れるザンボアンガ。  下からパンチを出すザンボアンガだが、ハム・ソヒはインサイドからパウンド! ヒジ! 背中を着いたままのザンボアンガは下のままゴングを聞いた。  3R、先に詰めるザンボアンガに四つに組むハム・ソヒ。押し込むザンボアンガ。互いに細かいヒザを突き、再び小外がけを狙うハム・ソヒ。左ストレートからバックフィストはハム・ソヒも、そこでスタンドバックに回るザンボアンガ。しかし正対したハム・ソヒは、四つから組んだまま高い右ヒザ! さらに押し込んで小外がけでマット中央でテイクダウン! ハーフから左で差して左足を抜こうとする。フルガードに戻すザンボアンガはハイガードも防いでパウンドのハム・ソヒ。右でパウンドして、最後はヒジを落としてゴング。ハム・ソヒは咆哮した。  判定は3-0でハム・ソヒが勝利。因縁の再戦に決着をつけた。 [nextpage] ▼ONE女子アトム級(※52.2kg) 5分3R×平田 樹(フリー)115LBS, 1.0210[判定1-2]〇ジヒン・ラズワン(マレーシア)115LBS, 1.0237  平田は22歳の超新星。2021年9月の女子アトム級ワールドGP初戦で、米国のアリース・アンダーソンに判定勝ちで1回戦を突破したものの、12月に予定されていたリトゥ・フォーガットとの準決勝を体調不良で辞退。半年ぶりの試合となる。  その相手はジヒン・ラズワン(マレーシア)に決定。動物病院で働きながらMMAファイターとして活躍、勝利コールに猫耳イヤーカバーを着けることでも知られている。試合では、2019年2月にジナ・イニオンにスプリット判定負け。7月にジョマリー・トーレスに三角絞めで一本勝ち、12月にデニス・ザンボアンガに判定負けと上位戦線では白星と黒星を繰り返しているが、2020年12月には、ストライカーのビー・ニューイェン(米国)を相手に打ち負けず判定勝ちでザンボアンガ戦の敗北を払拭している。そして2022年2月の前戦では緊急参戦となった山口芽生(日本)と大接戦となり判定勝ちをもぎ取った。  入場時に笑顔を見せる平田。コーナーに兄の平田直樹。一礼し、声を挙げてケージイン。  1R、ともにオーソドックス構え。先にインローを軽く打つラズワン。右を振って右で差して押し込む平田だが、切るラズワン。  平田の右の蹴りを掴んで押し込むラズワン。左で差して押し込むが。両脇をオーバーフックする平田。体を入れ替え、右手を引き手に掴んで投げも残したラズワンがスタンドバックに。  崩さず払い腰を狙う平田。左で差して押し込むラズワン。左ヒジを入れて離れる。ワンツーで前進のラズワンに組む平田だが、左で差すラズワン。首を抱え狙う平田は押し込まれ、いい組み手を作れない。  左で差して押し込むラズワン。ブレーク。右オーバーハンドで掴みに行く平田。ラズワンの引き手を掴むと強引に投げに行くが、ラズワンはスタンドバックに。  2Rも前蹴りを掴まれる平田。金網際もいい組み手を作らせないラズワンが左右で前に。平田はダブルレッグも切るラズワンが両脇を差すも右を小手に巻いて払い腰! パウンドもうつ伏せになってヒザを立てて立ち上がるラズワンが左で差して押し込む。  ここも右手を引いて込み払い腰テイクダウンは平田。ここも腰をずらし金網で立つラズワン。左腕を巻き込んでボディロックし、前方に崩す平田。すぐに立つラズワン。しかし平田はボディロックテイクダウン。ここはラズワンが足を手繰り足関節・アンクル狙いも平田も足を伸ばさせず。  3R、詰めるラズワンに頭を下げた平田にラズワンはニンジャチョーク。頭を抜いた平田をダブルレッグテイクダウンで尻を着かせる。金網使い立ち上がる平田は右前蹴りも、すぐにつかむラズワンがテイクダウン。上体は金網で立てる平田だが、両足を束ねられる。立ちあがる平田に左を差すラズワンはシングルレッグテイクダウン! マット中央で背中を着く平田。  フルガードの中で腰を抱くラズワンにラバーガードを一瞬狙った平田。ラズワンの足のさばきに立ち上がる平田。首を掴み払い腰テイクダウンも巻き込まれないラズワンはガードに。立ち上がる平田は最後にパウンドに行けず。ゴング。  判定は割れ、2-1でラズワンが勝利。平田は納得したように拍手で勝者を称えたが、5連勝から初黒星を喫し、退場時にしゃがみ込んで涙した。 [nextpage] ▼ONEフェザー級(※70.3kg) 5分3R×キム・ジェウン(韓国)155LBS, 1.0229[1R 2分26秒 KO]〇タン・カイ(中国)154LBS, 1.0078  1R、ともにオーソドックス構え。先にキムが詰めると右ロー、チェックしないタンカイも右を狙う。右から左フックを打つキム。右の打ち下ろしも。タンカイも左を返しにいくが、そこに左フックはキム。さらに右を伸ばしたキムに、タンカイは狙いすました右から左! キムをダウンさせ、KO勝利。タン・リーへの挑戦権をアピールする勝利を決めた。 [nextpage] 【ONE X: Part.1】※日本時間14時~ ▼ONEフェザー級キックボクシング ワールドGP決勝 3分3R〇チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン/ベラルーシ)154LBS, 1.0222[判定3-0]×シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)154LBS, 1.0107※アラゾフがGP優勝  シッティチャイはプロ160戦以上と鉄人的な戦歴を持つ現役のムエタイレジェンド。キックボクシングとムエタイを合わせ、世界王者に11回輝く。過去10年間に渡り、キックボクシングとムエタイで、最も圧倒的な強さを誇る選手の1人として評価を築き上げてきた。  ジャバル・アスケロフ、アンディ・サワー、ソーグロー・ ペッティンディーアカデミー、エンリコ・ケールなど、数々の世界トップクラスのストライカーを倒したシッティチャイだが、2020年7月のONE初陣ではスーパーボンに判定で敗れている。  2021年8月には7年ぶりのムエタイルールでタイの現役トップ選手タワンチャイから判定2-1で勝利をもぎ取った。10月の準々決勝ではトルコのタイフン・オズカンをスプリット判定で降し、準決勝ではダビット・キリアに判定勝ちで決勝へコマを進めた。  アラゾフは、アマチュア時代に197勝(117KO)3敗という驚異的な成績を残し、13歳でタイにてプロデビュー。2014年と2015年の『A1ワールドグランプリトーナメント』(-70kg級)で優勝、2015年にWAKOプロK-1ルール世界ミドル級王座、2016年には同スーパーウェルター級王座を獲得。  同年にNDC K-1ルール同級王座も獲得している。2017年6月に『K-1 WORLD GP』に初来日すると『第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント』で中島弘貴とジョーダン・ピケオーにKO勝ち、決勝で城戸康裕に判定勝ちして優勝し、第2代王座に就いた。2018年3月には日菜太をKOして初防衛にも成功している。  -70kg級の世界トップグループに位置するが、マラット・グレゴリアンとは1敗1無効試合、シッティチャイ・シッソンピーノンには1敗、ジョルジオ・ペトロシアンにも1敗と現在『ONE』で活躍する世界3強にはいずれも敗れており、2021年4月のONE初参戦ではケールに判定2-1で敗れたものの、10月の準々決勝では、フランスのサミー・サナを左ボディで1R 39秒でTKO、準決勝ではグレゴリアンの代打出場となったジョー・ナタウットを1R1分55秒でKOした。  1R、サウスポー構えのシッティチャイ、オーソドックス構えのアラゾフは左右の借りから左ボディと積極的に攻める。ガードを固め左の蹴りで迎撃するシッティチャイ。  アラゾフは右インロー。シッティチャイの左ミドルをかわすと、シッティチャイも左ミドルをヒット。その打ち終わりに右を返すアラゾフ。蹴り返しを入れる。ボディから上に繋ぐ。ブロッキングが硬いシッティチャイ。ゴングに両者ともに手を挙げる。  2R、ワンツーからヒザまで繋ぐアラゾフ。詰めるシッティチャイにアッパーを突き上げるアラゾフ! シッティチャイは左ミドルもそこに右ボディストレートはアラゾフ! しかしシッティチャイもインロー。アラゾフは右ハイを打つが、シッティチャイはグローブでブロックする。  右ボディストレートを当てるアラゾフ。シッティチャイのミドルの打ち終わりに上下に右を突くアラゾフが右フック! 強打を上下に打ち分ける。アラゾフのラウンドに。  3R、先に詰めるのは先行されたシッティチャイ。左ミドル。インロー、左フックと自ら間合いを詰めていく。左ボディストレートに下がるアラゾフ。さらに左ミドルのシッティチャイ。そこに右を返すアラゾフだが、動きが落ちたか。組んで押し倒すのはアラゾフ。詰めるシッティチャイに下がりながらの右バックフィストはアラゾフ。左右で詰めてヒザはシッティチャイもゴング。  判定は3-0でアラゾフが勝利。両手を挙げてからマットにひざまずいた。 [nextpage] ▼グラップリングマッチ ミドル級△ライニア・デ・リダー(オランダ)205 LBS, 1.0124[判定無し ドロー]△アンドレ・ガウヴァオン(ブラジル)203 LBS, 1.0210 1R、組んでシングルレッグから外掛け足関節を狙うガウヴァオン。切るデリダーにさらに後転しての足関節狙いも。  ニーシールドから脇を差し、右足をかけてデリダーの背中に跳び乗るガウヴァオン。極めさせないデリダー。着地落したガウヴァオンは外がけからヒールを狙うが、足を組ませずヒザは抜いているデリダー。ニーシールドのガウヴァオン、体を離すデリダーにシッティングガード。  デリダーは右で脇を差しパス狙いも、ハーフガードから立ち上がる。四つで足払いを狙うデリダー。右足を抱えるガウヴァオン。足を抜くデリダー。ガウヴァオンはスタンドからシングルレッグテイクダウン! 上から左ヒザを入れてパスを狙うが、足を効かせるデリダーは金網まで這う。  中に引き出すガウヴァオンはパス狙いでサイドからいったんハーフに入ってからマウントに。ニーオンに、シングルレッグのデリダーは足を戻そうとするが、ガウヴァオンは首を抱えてのギロチンチョーク狙いに。ここも極めさせないデリダーは立ち上がったところでゴング。  12分戦い、試合は判定無し、ドローとなった。 [nextpage] ▼ONEライト級キックボクシング 3分3R×ニキー・ホルツケン(オランダ)170LBS, 1.0078[2R KO]〇シンサムット・クリンミー(タイ)170LBS, 1.0040  2R、ワンツーで飛び込むシンサムット。右アッパーを隙間から突くホルツケン。入り際に左フックを狙う。シンサムットは右ボディ。すぐにホルツケンも同じボディを返す。近づきこかしを決めるのはシンサムット。右オーバーハンドをテンプルに当てると、ホルツケンの右にカウンターの右でダウンを奪い、ホルツケンは10カウントでファイティングポーズをとれず。そのままKO勝ちした。 [nextpage] ▼ONEストロー級(※56.7kg) 5分3R×リト・アディワン(フィリピン)125LBS, 1.0229[2R 2分56秒 TKO]〇ジェレミー・ミアド(フィリピン)122LBS, 1.0061  1R、ともにオーソドックス構え。アディワンは右ロー。さらにワンツー。そこにミアドも右ロー、左の返しを狙う。  右ミドルを打ち込むアディワンに、その蹴り足を掴んでテイクダウンはミアド。両腕をオーバーフックしてかんぬきから立ち上がるアディワンは右を強振。ミアドは左右でローを突く。ミアドの蹴りにシングルレッグからハイクロッチで片足を持ち上げテイクダウンはアディワンも、スクランブルですぐに立ち上がるミアド。右で入るミアド。そこにアディワンも右を狙う。  2R、ミアドの打ち終わりに右ローを打つアディワン。互いに右が交錯。アディワンの右にミアドが右跳びヒザを狙う。右を振ってシングルレッグからダブルレッグに入るアディワン。差し上げるミアドはアディワンのバッゥテイクを防ぐ。  アディワンは右足を着地した際に、右足を挙げて傷めたことをアピール。ミアドが右を振って、すぐにレフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼ONEバンタム級(※65.8kg) 5分3R〇マーク・ステファン・ロマン(フィリピン)143LBS, 1.0187[判定3-0]×佐藤将光(坂口道場一族/FIGHT BASE)144LBS, 1.0053  佐藤とサーデュラエフは、元トップ5ランカー対決。佐藤は、2018年7月からMMA6連勝・ONE3連勝で2021年2月にファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)と対戦。判定で敗れたものの、2021年11月の『VTJ 2021』で河村康博に1R TKO勝ちし、再起を遂げている。  サーデュラエフは、2015年6月から2018年1月の今成正和戦まで5連勝も、2019年5月に現ONEフェザー級王者のタン・リーに敗れ、約5年ぶりの敗北。しかし、キム・デファン、竹中大地、トロイ・ウォーセン相手に3連勝。しかし、2021年12月にBrave CFでの連勝からONE初参戦したチームラカイのマーク・ステファン・ロマンの左オーバーハンドに1R TKO負け。ロマンもランキング3位入りを果たしていることから、サーデュラエフにとっても上位戦線に残るサバイバルマッチとなる。  1R、サウスポー構えのロマンに、オーソドックス構えの佐藤。低く構えるロマンに右前蹴りを突く佐藤。そこに左オーバーハンドを突くロマン。さばく佐藤は上下にレベルチェンジを織り交ぜながらロマンの入りに右をダブルで当てる。  ロマンの左にカウンターを当てる佐藤。さらにニータップのフェイントから前に出る。ロマンの左ハイをブロックする佐藤。手数・足数を出すロマンは、佐藤の蹴りに左を当てて前に。  2R、右回りにステップするロマン。佐藤は跳びヒザフェイントも。右の前蹴りは佐藤。その打ち終わりに左を狙う。追う佐藤。大きな左はかわす佐藤。手を大きく広げて上下にフェイントし、頭を下げて右を当てるが、左ミドルを積極的に打つのはロマン。両者にイエローカード(20%減点)。  佐藤が前がかりになったところにダブルレッグテイクダウンはロマン! 腰に足を当て、下からヒジを当てる佐藤。足は越えさせずクローズドガードに組むと。また足を解いて、腰に足を当てて後ろに身体を逃しディフェンス。ブレークでスタンドに。  スタンド再開に。追う佐藤に右にステップして右を突くロマン。佐藤も詰めて左右を突くが、巧みにサイドに回るロマン。  3R、ロマンのハイにバックフィストを狙う佐藤。左ジャブを突いて前に出る佐藤は右をトリプルで突いて前に。さらにロマンの左ミドルを交わして右の連打で詰める。ロマンの右に右テンカオを合わせる佐藤!  しかしロマンがダブルレッグテイクダウン! 佐藤はガードからヒジを連打。ロマンもインサイドからパウンド。背中を着く佐藤は下からパンチ、ヒジ! 出血したロマン。顔を胸につけて声を出して左右を振るが、ブレーク。  詰めてテンカオで右ヒザを当てる佐藤。さらに跳びヒザを見せたところでゴング。判定は、上下に散らした手数・足数のなかでテイクダウンも織り交ぜたロマンが3-0で勝利した。 [nextpage] ▼ONEフェザー級(※70.3kg) 5分3R〇アミール・カーン(シンガポール)154LBS, 1.0116[判定2-1]×高橋遼伍(KRAZY BEE)154LBS, 1.0083  高橋は、2021年3月配信のタン・カイ戦で119秒、カウンターの右ストレートをもらいTKO負けを喫して以来、1年1カ月ぶりの再起戦。カーンも、2020年12月にパク・デソンにスプリット判定負けから、1年3カ月ぶりの復帰戦。今回はフェザー級に階級転向しての初戦となる。  1R、ともにオーソドックス構え。早々に右のカーフキックを効かせる高橋。カーンの左右ハイをかわすと、カーンの左に右フックを狙う。  カーンのダブルレッグを差し上げる高橋。カーンの左に右カーフを効かせる。スイッチし前足を変えるカーン。カーンは長い左前蹴りもかわす高橋。互いに右が交錯。左ミドルを当てるカーン。左ハイはかわす高橋。左オーバーハンドで飛び込むカーンに右をカウンターで狙う。  左ミドルをキャッチする高橋。押し込み離れ際に右ヒジを狙う。さらに左インローでも前足を蹴る高橋! カーンの左ミドルを掴んで後方に崩すと中腰でパウンド!  2R、サウスポー構えになるカーン。オーソになるとワンツー、ボディ打ち、さらに右カーフでついにダウンを奪うと、中腰からのパウンドは腹に! さらに左右パウンドも、立ち上がったカーンが圧力をかけてスタンドバックに。突き放す高橋だが、なおも詰めるカーンは右ヒジ狙いから右を当てて前に! 高橋はスタミナが厳しいか。右ヒジを当てるカーン。  しかし高橋もクリンチボクシング。ヘッドバットから右を当てるカーンに、高橋も渾身の右カーフ! 身体が流れるカーンだが、高橋も腰に手を当てる。ホームの歓声に後押しされたカーンは前に。それを押し戻す高橋が左ボディ!  3R、右で前に出るカーン。近づくとヒザも。しかし、高橋は右カーフ! スイッチするカーンは間合いを詰めて左ヒジを振る。右で差すカーン。金網背に右踵を左ヒザ裏に突く高橋。  押し込み右ヒジはカーン。高橋が押し込むと、すぐに押し返して金網に押し込む。両脇を差して前に出るカーン。こつこつとヒザを突き上げる。突き放す高橋に、すぐに右で差して押し込むカーン。高橋は金網を背にする時間が長くなる。  ブレークからすぐに押し込むのはカーン。手首をつかみヒザを細かく突いて右ヒジも。カーンを剥がせない高橋。最後は押し返し右ミドルを打ち、右フックも空振り。  判定は、後半に盛り返したホームのカーンがスプリットで勝利。1R、2Rとカーフを効かせてパウンドまで打ち込んだ高橋はニアフィニッシュに持ち込んだが、後半に受け身となり、惜しい星を落とした。 [nextpage] ▼ONEヘビー級 5分3R〇カン・ジウォン(韓国)244LBS, 1.0191[1R KO]×ポール・エリオット(英国)236LBS, 1.0023  1R、先に圧力をかけるエリオットが後ろ蹴り。さらに飛び込むがジウォンの右がヒットする。なおも詰めて右ハイ、左右連打で金網に詰めるエリオットだが、ケージを背にしたジウォンが右のカウンターでKO。 [nextpage] ▼ONE女子アトム級(※52.2kg) グラップリング(サブオンリー)1R12分△山口“V.V”芽生(Gods/HibridFighter/RikiGym)114LBS, 1.0087[判定無し ドロー]△ダニエル・ケリー(米国)113LBS, 1.0040  山口が、ONE女子アトム級(※52.2kg)でサブオンリー(絞めや関節技による一本決着)のグラップリングルール(1R12分)で対戦するケリーは、25歳のブラジリアン柔術黒帯。  ペンシルベニア州フィラデルフィア出身で、ヘンゾ系のカレル・プラヴェックの黒帯で、これまでグラップリングでMMAファイターとも対戦。2019年12月の「QUINTET Ultra」でシンシア・カルヴィロにアンクルロックで一本勝ち(※ヒールフック禁止)すると、2020年10月にロクサン・モダフェリにトー・ホールドで一本勝ち。2021年12月の「Fury Pro Grappling 3」ではローズ・ナマユナスの代役のカーラ・エスパルザのスラムに、エスパルザがカット。負傷勝利を得ている。  また、対ピュアグラップラーでは、グレース・ガンドラムと2度戦い、極めさせずもオーバータイムと判定で2敗。マイキー・ムスメシの姉タミー・ムスメシにはアームロックで敗れている。  今後、MMAに挑戦する可能性もあるというケリーと対戦する山口は、2022年2月11日の「ONE: BAD BLOOD」でジヒン・ラズワン(※『ONE X』で平田樹と対戦)と対戦。当初、ラズワンはジェネリン・オルシムと対戦予定だったが、オルシムが負傷欠場。試合から12日前という緊急オファーを受けた山口が出場に踏み切っていた。  ラズワン戦で山口は、全ラウンドでテイクダウンを奪い、相手のインローを被弾したものの、2Rには右ストレートを当ててラズワンを後退させるなど攻勢に立ったが、判定はまさかの0-3で敗北。試合後、「完全に勝ったと思いました。どこに相手の有効ポイントがあったのでしょうか」と疑問を呈していた。  山口は、2019年10月のONE日本大会でジェニー・ファン(台湾)に判定勝利し4連勝。王者アンジェラ・リーとの3度目の対戦での王座奪取を目指していたが、2020年2月にフィリピンのデニス・ザンボアンガに判定負け。当初は中国の強豪メン・ボーと対戦予定だった試合だが、欠場により6連勝中のザンボアンガと対戦していた。失意のGP落選後、2021年9月の女子アトム級ワールドGPリザーブマッチでジュリー・メザバルバと対戦も、判定負け。ラズワン戦は再起を賭けた試合だった。  大事な試合で判定に泣かされる──そんな試合が多い山口に、注目の大会でのグラップリングマッチのオファーは、前戦の不可解な判定からの挽回のチャンスとも取れる一方、今後MMAで売り出そうとする若手のお披露目に、相手の得意分野で挑むチャレンジマッチともいえる。  先にシングルレッグはケリー。切るMeiに引き込むケリー。クローズドガードから腕十字狙う。シングルレッグからベリンボロへ。亀になったMeiのバックを狙う。  ハーフガードのMeiから足を抜いたケリーはマウントから両脇を開けさせる。ガードが硬いMeiに後ろを向いてのアンクル狙いも、足をクラッチするMeiは足を抜く。腕十字を狙うケリーに凌ぐMei。判定は無くドローに。 [nextpage] ▼ONEストロー級(※56.7kg) 5分3R×澤田龍人(EVOLVE MMA)124LBS/56.24kg, 1.0014[2R 3分09秒 TKO]〇池田仙三(パラエストラ千葉ネットワーク)124LBS/56.24kg, 1.0237  日本人対決に臨む仙三と澤田は、千葉ベースとシンガポールベースの戦いとなる。  仙三は、2019年10月のリト・アディワン戦で右ヒジ負傷も、2020年12月のリャン・フイ戦の判定勝ちで再起。しかし、1Rに右拳を骨折し、2022年1月に1年1カ月ぶりの復帰戦でインドネシアのエリピツア・シレガーと対戦し左ボディを効かせて3R TKO勝利。たび重なる怪我を経てのONE2連勝で「パフォーマンスボーナス」5万ドル(約570万円)も獲得している。  対する澤田は、「EVOLVE MMA」のトライアウトに合格し、シンガポールに移住して3年目。コロナ禍で厳しいロックダウンのなか、得意のレスリングのみならず、柔術やムエタイのトップファイターたちとの練習や指導を受けて磨いてきた。  澤田は「ONE Warrior Series」での2連勝後、2019年8月にONE本戦デビューし一本勝ちスタートも、2019年12月に現ONEストロー級1位のボカン・マスンヤネに判定負け。その後、ミャオ・リータオ、ロビン・カタラン相手に連勝するも、2021年4月にミアオにリベンジを許すと、同年7月の前戦グスタボ・バラート戦では、グレコローマンレスリング元五輪戦士相手にドミネートされ判定負けで2連敗中だ。  1Rからワンツーを効かせてダウンを奪った仙三、跳びヒザも当て、澤田のテイクダウン狙いをスプロールしバック、リアネイキドチョーク狙い。しかし、澤田も正対しダブルレッグへ。それを潰す仙三。バックテイクもスクランブルの澤田がトップに。立ちあがる仙三に澤田はテイクダウントライも凌ぐ仙三。  2R、澤田はダブルレッグからケージまで押し込むも、仙三は右ヒジ! 差してテイクダウン狙いの澤田に小手を巻く仙三はその際で拳を入れる。左ボディを効かせた仙三は、くの字になる澤田にヒザ! 立つ澤田のボディに今度はヒザ! 足を手繰りに来た澤田の頭にヒザを突く。打たれ続ける澤田を見てレフェリーが間に入った。試合後、仙三は勝利のかめはめ波を見せた。
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