(C)RIZIN FF
「チャンスはピンチの形をして現れる」── AJ・マッキー(米国)の欠場を受け、『超RIZIN.2』(7月30日・さいたまスーパーアリーナ)に電撃参戦が決定したホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)について、榊原信行CEOが、Bellator陣営との交渉の過程を明かした。
「“一寸先はハプニング”とも“チャンスはピンチの形をして現れる”とも言うけど、今回、ショートノーティス(短期間)のオファーを選手に受けてもらうことは心苦しく思うけど、サトシはBellatorライト級ワールドGPには(大晦日に)AJに勝っていれば入っていた。でも判定負けで残念ながら出られなかった。(当時、サトシを)リザーバーでどうか、という話もスコット(コーカー)からもらっていたけど、“RIZIN王者をリザーバーに出すわけにはいかない”と固辞はして、サトシもOKはしなかった。
そういうなかで短い時間だけど、運命的にチャンスが回って来た。Bellatorパートで言えばメインカードとして米国で放送されるカードなので、ビッグチャンスでもある」(榊原CEO)
対戦相手は、パトリッキー・ピットブル(ブラジル)。元Bellatorライト級王者で現在2位。ライト級ワールドGP1回戦でAJ・マッキーと対戦するために、20日前に日本入りし、朝倉未来らとファイトキャンプを行ってきた。
試合は、サトシが試合4日前のスクランブル参戦のため、73kg契約。互いに対戦相手の想定練習をしての戦いではなく、特にサトシにとっては、ファイトキャンプを行うことなく、通常練習で大一番に臨むことになる。興味は引くが、戦う者にとってはリスクも大きなマッチアップだ。
「サトシも悩んだし、1日、チームで話し合っている。彼にとってのリスクは、自分自身より、自分のボンサイ柔術チームやRIZIN王者の名前と背負っているものが大きいから(緊急参戦で)出て行って負けたときに、周囲に迷惑をかけるんじゃないかということを一番心配していた。奥さんたちも“そんなことは気にせず、出たかったGPなんだから行きなさい”と決断した。サトシも覚悟を決めてここに挑む。我々としてもRIZIN王者をベルトを持ったままBellatorに出すというのは、ある意味決断で、日本のファンからも背中を押す熱い声援を期待して、ここはサトシに頑張ってほしい」と、榊原CEOは、期待を寄せる。
しかし、サトシにとって、5分5Rの試合時間は初。ケージでの試合は2018年11月以来となる。会見でサトシは、「やるなら、やります」と覚悟のコメントを残した。
「私はケージでもやったことがあるから、ケージもリングもあまり変わらない。心配なのは5Rで行われることだけ。そこだけは試合をするかどうか考えたけれど、トーナメントだからそこを変えるのは他の選手たちからすればフェアではないのでしょうがない。やるならやります」