(C)ONE Championship/GONG KAKUTOGI
「今年は格闘家としての集大成の1年と位置づけ、迷うことなく自分を信じ、貫き通す」と元旦にツイートし2019年をスタートした岡見は、2月にONE Championshipとの契約を発表。第1戦は5月のジャカルタ大会でキャムラン・アバソフ(キルギス)と行い、右ジャブの戻しにリターンされた右フックを浴びて倒れ、そこからパウンドを集められ2R TKO負け。巻き返しを期す8月2日マニラ大会でのONE第2戦、ジェームス・ナカシマ戦が迫ってきた。
ナカシマはプロ11戦11勝(2KO)でLFAウェルター級王座を獲得、ONEでも2勝を上げている。ナカシマについて岡見は「MMAとしてすごく完成されている選手で、気持ちも強いしスタミナもあるし、あんまり欠点がない選手」と分析し警戒。その上でUFC最終戦(昨年12月)・5月のジャカルタ大会と敗戦となった試合を「すごく考えて戦っていた」と振り返り、無心の境地で臨むべく準備を行っている。
“サンダー”、ONEでの復活はなるか。敗戦、そして自身と冷静に向き合う岡見に、試合への意気込みを聞いた。
自分を信用できなくなっていた。考えながら戦っていると一歩遅れてしまう
――ONE第2戦が近づいてきました。第1戦の結果を受け心境を教えてください。
「前回が負けているのでもちろん負けられないですし、勝たなきゃいけない。そういった中で何が自分の動きで正解なのかというのを前回の試合が終わってからすごく考えました。ここ2戦敗戦していて、自分でチャレンジしてみた新しいことがあったんですけど、上手くいかなかったというのが結果として出ているので、自分をすごく見つめ直しました。前回、前々回のUFCも“これがベストだ”と自分が思っていたことなんですけど、なかなか上手くいかない。じゃあ“勝ってる時はどんな動きをしていたのかな”とか、そうやって自分を見つめ直しました」
――新たな取り組みを試したものの、それに結果が伴わない2試合であったと。
「練習ではよかったんですけど、でも全てが試合じゃないですか。そういった意味では一時期“どうしたらいいんだ”っていうのはすごく考えたし、自分を信用できなくなったっていうのはありました」
――差し障りがなければ、試合の中で試していたことを教えてください。
「UFCの最後はオーソドックスにスイッチしてみたり、この前の試合は相手と近づくために前手同士を触りに行くとか、いろいろやりました。でも練習ではよかったけど、なかなか自分の動きに合わない。練習でよいから、手応えがあるからこそ試合で持っていこうと思えたんですけど、そういった意味でどうしたらいいんだろうと。もちろん試合で全て手応えがあるなんていうことはないんですけど、歯車が合ってない、何か違うなっていうのはすごくあります。自分の中で手応えがあればそのスタイルを続けようと思うんでしょうけど、自分の中では“これはもう違う”っていう結論にあっさり達しました」
――費やした時間・努力もありますし、それをさらに追うのか、それとも見切りをつけて新たな試みに移るのか、判断の難しいところだと思います。
「チャレンジしたことは結果は出なかったけど、その過程において自分の中で納得はしているんです。自分もそれがベストだと思ってやったことですし。でも結果が全てなので、結果が出ない・手応えがないのであればまた何かを変えなきゃいけない。
それで振り返るとここ2戦はすごく考えて戦っていて、考えながら戦っていると一歩遅れてしまうし、やっぱり無心でいかに戦えるか。無心で戦える状態っていうのは自分の動きがスムーズっていうことですよね。体が反応するままに動けている。そこへ持っていくにはどういう戦略、どういう気持ちで臨めば無心で戦えるのか。そこはすごく考えました。どういった動き、どういった考えでやれば自分の武器や長所を発揮できるのかというのは考えに考えて、昔の映像を振り返ったりしました」