五味さんから『電気流れたら止めるから言え』って言われて──
──KOでも、全ラウンドを通じて泥試合で競り勝ってもベルトはついてきます。出稽古では、本誌でも特集させてもらったパラエストラ八王子練習に加え、五味隆典選手のラスカルジムにも行っていますね。あの五味選手に受け継がれている「木口式」の練習をどう感じていますか。
「あれ、ヤバいっスよ……(苦笑)。木口式トレーニング」
──五味選手いわく「木口先生は桜の木を抜こうとしていた男」ですからね。試合前に身体をいじめてますが、大丈夫ですか。
「首に負荷をかける補強トレーニングがあるじゃないですか。あの……五味さんから『電気流れたら止めるから言え』って言われて(笑)。それって流れた時点でダメじゃね? 止めるの流れる前じゃね? って思って(笑)。すごく面白かったです」
──それを「面白い」と言える鈴木選手もなかなかのフィジカルです。
「そう五味さんから言われたということは“凌ぐしかねェんだな”って覚悟を決めましたね」
──そういう身体と心のスタミナもつける練習になっているわけですね。
「試合のピンチを救ってくれる練習です。ガッツをもらえます。五味さんのところに行くのはエンジン入れに行くというか、スイッチが入るから」
──五味選手は木口先生に言われた「三角絞めが来たら砕けばいいんだよ」と言っていましたね。「そっからクレイジーダイヤモンドだよ」と。
「はい。普通に黙って見届けてくれ、と。“行って組まれたらどうする?”って、しょうがないじゃないですか。こっちだってそこで勝負かけるんだから。何のリスクも負わずに勝てる試合なんてない。その刺激が格闘技だし、五味さんからも『もう行くしかないよね』って。もうほんとうに(クレベルは)寝技が上手いから『今さら技術をやってどうすんの?』っていうのはその通りで。バカ力と気合と根性で乗り越えます」
──でもこの話を聞くと、それは玉砕ではないようですね。
「はい。勝算があってそれが合っているか・合っていないかを勝負する。その戦いを見てください!」