(C)Theパラエストラ沖縄/パラエストラ八王子
2023年6月24日(日本時間25日)のUFCで、日本人選手8年半ぶりの4連勝を目指す平良達郎(Theパラエストラ沖縄)と、同日の24日の『RIZIN.43』でクレベル・コイケが持つRIZINフェザー級王座に挑む鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が17日から沖縄で合同合宿を行った。
両者が合同練習を行うのは、昨夏以来。
キックとの“二刀流”で戦う鈴木は、所属するクロスポイント吉祥寺から、MMAではパラエストラ八王子でも出稽古中で、同じパラエストラグループのTheパラエストラ沖縄にも、出稽古を行っていた。
鈴木は、「強い選手が輩出されるジムには、必ず強くなる理由があるので、その理由を学びに沖縄に来てます。格闘技のトップ戦線で戦ってる平良選手の良さを少しでも吸収して、一緒に切磋琢磨していきたいと思います」と、その意図を語る。
一方の平良も「鈴木くんみたいなトップ選手が出稽古に来るのは、とても貴重なことなので、スパーリングを中心にお互い高め合えたらと思います」とストライカーの鈴木との合同練習を歓迎している。
Theパラエストラ沖縄を主宰する松根良太代表は、2015年1月に堀口恭司がマークして以降、日本人選手が到達してない「UFC4連勝」に向かう平良の調子を、「3月半ばから4月末の遠征で米国デンバーのエベーレションファイトチームにて様々な技術を吸収し、様々な選手から刺激を受けてとても良いマインドで沖縄に帰ってきたと思います」と、現UFCフライ級4位のブランドン・ロイヴァルとも練習してきた成果を語る。
続けて「吸収の速い平良達郎は前戦からまたさらに強くなっています。この先のランカーとの一戦を見据えて、次戦でしっかり勝ちきるために、油断なく確実な勝利を目指して、堅実に挑ませたいと思います」と、当時水垣が5連勝後にドミニク・クルーズと対戦したように、平良がフライ級の上位と戦うことを見据えた体制にあることを語った。
また、沖縄に出稽古に来た鈴木千裕についても、「昨年の夏に初めて沖縄合宿に来てくれて、Theパラエストラ沖縄のMMAに対する捉え方、マインド、そして技術を伝え、少なからずヒントにしてくれたようです。RIZINで5連勝し、王者クレベル・コイケ選手に挑む前に再度合宿を組んでくれたので、彼の良さを傷つける事なく、リスクマネジメントを中心にベルトを獲得するためのパーセンテージを少しでも上げられるよう、最大限のサポートをしたいと思います」と、クレベル最大の武器である寝技に対する動きを、“松根柔術”の指導と、クレベル同様に手足の長い平良との練習により授けたいとした。
鈴木は、八王子ではPANCRASEフェザー級1位の亀井晨佑、5位の高木凌、そして元UFCの徳留一樹とも練習を行っており、このところのMMA技術の進化は著しい。
パラエストラ八王子を主宰する塩田GOZO歩代表も、「ゴールデンウイークに子供達を招いたイベントでも簡単にスパーを披露しましたが、千裕君の仕上がりは最高です。絶妙なタイミングでのバックスピンキックにはやられた自分も驚きました。また、MMAファイターとしてのトータルスキルの向上が目覚ましいので、タイトルマッチではハイレベルな戦いが見られると思います。クレベル戦では“これぞ鈴木千裕”という試合をご期待ください」と期待を寄せる。
また、沖縄の松根代表も「鈴木選手とクレベル選手──対照的な2人の対戦ですが、いま現在の鈴木選手を見て、勝つ可能性も多いにあると思っています」と、王座奪取の可能性を語った。
平良は、5月21日に修斗ニューピアホール大会の解説を務めるために上京。第6試合後にケージインし、修斗世界フライ級王座の返上を発表。UFCでのクレジソン・ホドリゲス(ブラジル)戦に向け、「6月24日、UFC 4戦目が決まって、相手も勢いのあるストライカーなので、こっちから攻め続けて、今まで以上にハイペースな試合で圧倒したいです」と、オクタゴン4連勝へ意気込みを語っている。
一方の鈴木も、「クレベル選手は寝技も打撃も強いけど、自分も強いので特に相手にビビることはありません。小さい頃からの夢をやっと叶えられる時が来たので、全てを出し切ってKOします」と、戴冠に自信を見せた。
『ゴング格闘技』2023年7月号(NO.326)では、平良達郎と『ROAD TO UFC』参戦の鶴屋怜の対談、鈴木千裕inパラエストラ八王子の特集が掲載されており、そこでも両者は次戦への意気込みを語っている。
「6・24 決戦」に臨む平良達郎と鈴木千裕の次戦に注目だ。