CARPE DIEM三田で竹浦正起と練習する皇治(C)@1_kouzi
2023年4月1日の『RIZIN.41』でK-1時代から因縁があった芦澤竜誠と対戦し、スプリット判定で敗れ、試合後に引退を示唆していた皇治(TEAM ONE)が6月2日、引退撤回を表明。34歳にしてMMAに挑戦することを明らかにした。
MMAファイター皇治の可能性はいかなるものか。
4歳から始めた空手では魚本流の大会で全国1位。父親の影響で組みもある日本拳法を中学までやっていた。運動神経も良く、サッカーではセレッソ大阪ジュニアチームで活躍した。
俺はビビらず怖がらず前に突き進もうとずっと決めている
しかし、プロのキャリアは立ち技のみ。30代半ばにしてのMMA挑戦について、皇治は、「大概の奴はやらないスよね。無理やと思って諦めると思うんですけど、自分はずっと大した結果を残せていないかもしれないけど、無理やと言われ続けて、ここで一丁前に喋っているわけですから不可能はないと思っているし、一つの目の前に出た結果にビビって辞めてしまうのか、将来の自分のしたいことを目指してやり続けるのかでだいぶ変わると思う。俺はビビらず怖がらず前に突き進もうとずっと決めているので」と、その思いを語った。
RIZINの榊原信行CEOは、皇治が引退を翻意したのはいつか、と問われ、「僕は前回、終わったはなから“そんなふざけたことを言ってないで、とにかくやれ”という話をこんこんとしていた。本人も“悔しかった”と言っていたし、練習も1週間くらいですぐに再開したと言っているのだから、割と早い段階で翻意していたのではないですかね。引退宣言はそのときに(芦澤に負けた)かっこ悪さも含めて、もうここまでかなと本人は思ったかもしれないけど、その後、僕も試合後、すぐに何度か会って、そのときは僕の前では(引退撤回を)明言しなかったですけど、割と早いタイミングでもう一回やってやろうという、それもMMAでやってやろうという腹を決めたんだと思いますね」と語る。
MMAでの最終目標について皇治は、「UFCのチャンピオン。人の夢、笑ったらあかんよ(笑)。まあそれは冗談として、でも本気でやってます」という。
「久しぶりに燃えているんで。金や名誉のためではなく、自分の生き方。“34歳でMMAなんてアホちゃう?”とみんな笑っていると思うんですけど、笑われるのも大きければ大きいほど価値があると思っているんで。人生に正解なんてないと思うんで、自分の生き方を貫こうと思っています」と、MMA挑戦も生き方、だと語った。
それが、一度はやると言ったことへのけじめなのか、敗れた相手へのリベンジのためか、MMAにおける強さの追求なのかは、さまざまな気持ちが入り混じっているようだ。