サトシがトフィックに何をやったかは知っているだろ? そのトフィックは以前パトリッキーと戦って、どんな結果だったか
──なるほど。編集部では先にパトリッキー選手にインタビューしたのですが、そこで彼は『AJの最近の2試合を見る限り、ライト級にフィットしていないのではないか』と話していたそうです。
「ハ! だったらヤツがサトシと戦ってみるがいいぜ!」
──おおっ。
「まったく分かってねえな。サトシと戦って、それがどんなに大変か思い知るがいい!」
──もしパトリッキー対サトシが実現したら、サトシ選手が有利だと。
「(甲高い声で)Yeah! あっという間にチョークで落としちまうだろうよ!」
──そうですか !?
「彼は僕が今まで手を合わせた中でも、もっとも巧妙な柔術の使い手だ。僕のコーチ達を除けばね。サトシが僕との試合で見せた寝技のコンビネーション、腕十字から三角、バック取りやら潜ってのヒザ十字への移行ときたら……あの感覚は本当に言葉で表現できないほどだよ。ものすごく巧妙なんだ。僕は攻撃が来ることは分かるんだけど、それでも彼はものすごく頑固に狙ってくる。絶対に極めてやる、極めねばならぬ、って感じでね」
──極めに全てを賭けてくる。
「サトシがトフィック(ムサエフ)に何をやったかは知っているよね。そしてそのトフィックは以前パトリッキーと戦って、どんな結果だったか」
──パトリッキー選手を激戦の末制したムサエフ選手を、サトシ選手は極めていると。
「もちろん、勝敗は選手のスタイルの相性次第だ(Styles make fights)。でも一つのスタイルをあれだけ高度にマスターした選手と戦い、しかも向こうの専門分野で相手を凌駕するってのはものすごく大変なことなんだよ」
──サトシ戦前に2人の強豪柔術家も招聘して練習し、あの試合を競り勝ったことで、ライト級の戦いに完全に順応したと思いますか?
「そうだ。一番重要なのは練習だよ。数限りない時間をこなすんだ。僕はそれを人生を通してやってきた。どの階級で戦うかではなく、僕の精神のあり方こそ大切だ。やるべきことをやれば、試合は必然的に容易なものとなる」