今は『殺るか殺られるか』の心に戻ったよ
──AJ選手、「今度日本に行く」と仰っていましたが、その時は前回大いに気に入られていたポイフル(グミ)を思う存分食べられますね。
「ハハハ! まったくだ!」
──さて、ライト級GP一回戦ではパトリッキー・ピットブル選手との対戦が決定しています。あなたは彼の弟のパトリシオ選手と2度戦っていますが、1戦目は鮮烈なKO勝利でしたが、2戦目は僅差の判定負け。あの結果から学んだことは?
「一つ目の教訓は、判定をジャッジに委ねてはならないということだ」
──あなたが勝利したという声も多いほどの僅差でしたからね。
「もう一つは、力の限り戦うってことだ。できる限りハードに、できるだけ長く。ひとときも1日も休まずに練習するんだ」
──第2戦ではそれができなかった?
「そう、あの試合の僕は『ま、やらなきゃいけないことをやるか』って気持ちだったんだ。勝つ力があることは分かっていたからね。だから勝つために最小限だけやればいいか、って感じだった」
──なるほど。
「それが今は1周巡って『殺るか殺られるか(to kill or to be killed)』の心に戻ったよ。Hurt,hurt, hurt!だ。僕の前に立ちはだかる相手は全て破壊する」
──パトリシオ選手との2戦目には後悔があったのですね。
「後悔とは言わないよ。全ての物事は必然的に起こるものだから。大きな学びの機会であり、目覚めの時だった。あれは僕のやる気をかき立てるのに必要な炎をもたらし、戦いの場で自分の存在を強く主張するきっかけになった。
おかげで次のカーライル戦はすごく激しいものとなったし、その次のサトシ戦も同様に戦えたよ。思い切り攻撃を仕掛けていった。あとはもう少し微調整が必要なだけだ。今後の僕はまた、相手をフィニッシュし始めるはずだ」
──兄のパトリッキー選手と弟のパトリシオ選手、違いはどこにあると思いますか?
「個人的にはパトリシオの方が優れた選手だと思う」
──具体的にどのへんが上でしょう?
「まず対戦してきた相手の質が違う。パトリシオはすごくタフな相手と戦ってきた」
──AJ・マッキーと2戦しています(笑)。
「まあパトリッキーも強い相手と戦っているけどね。彼は弟より大きいけど、スピードに劣る。パトリシオのほうがより危険だし、ウェルラウンデッドだよ」
──パトリッキー選手は前戦でウスマン・ヌルマゴメドフに敗れましたが、あの試合は参考になりますか? それとも自分は自分だから関係ない?
「僕は僕だ。でも、あの試合から見えた彼の弱点は認識する必要がある。その一つは間違いなくレスリングで、僕の得意分野だ。パトリッキーの柔術レベルについても高いかどうか分からない。今まで彼がその種の攻防を余儀なくされた場面をあまり見たことがないからね……。でも、試合を寝技に持ち込んでしまえば、僕には楽な展開になると思う。それでも僕はKOを狙いたいけどね。倒すところをファンに見せたいから」