元UFC世界フェザー級王者で現同級2位のマックス・ホロウェイ(米国)が5月13日、兵庫県神戸市の灘高校にて、講演。生徒たちに「強い心と身体をいかに獲得するか」などを説いた。
今回の来日は、プロサーファーでマックスのパートナーであるアレッサ・ホロウェイとのプライヴェート旅行によるもので、灘高での講演は、かつて京大高専柔道部コーチを務め、ホノルルの「イタニ・アスレチック・クラブ」でホロウェイのトレーナーを務める井谷武氏との縁で実現したもの。
灘高は、講道館柔道の創始者・嘉納治五郎が顧問として参画しており、治五郎が柔道の精神として唱えた「精力善用」「自他共栄」が校是となっている。
その嘉納の書を見学し、柔道場で講演したホロウェイは、黒の羽織を着用して正装。
「恵まれた環境でも恵まれない環境でも、人生は1回しかない。どんな環境からでも夢を諦めず、自分の好きなことを形にして、社会に貢献できる人を育てたい」という思いを、学生たちに語った。
『諦める? それってどういう意味だよ? トライし続けるなら、少なくとも自分の中では勝者だろ?』
ハワイ州オアフ島西部のワイアナエという、「決して治安がいいとは言えない」環境で生まれ育ったホロウェイは、麻薬常用者だった父親が11歳で蒸発。格闘技の練習環境がまだ整っていなかった小さな島で、周囲から「UFC世界王者になることなど不可能だ」と言われ続けた中で戴冠。夢を実現させている。
「どんな環境でも夢を諦めず、目標実現に向けていかに努力するか」を語ったホロウェイに、灘高の学生たちからは英語での質問も飛び出すなど、白熱の講演となった。
同日には、『ゴング格闘技』(NO.326)本誌用のインタビューにも応じており、ホロウェイが高校1年生の頃の映像を紹介。
カメラに向かって、「『諦める? それってどういう意味だよ? トライし続けるなら、少なくとも自分の中では勝者だろ?』」と不屈の精神を誓ったエピソードも明かしている。
ほかにもアレクサンダー・ヴォルカノフスキーとの3度の戦い、『東京リベンジャーズ』『鬼滅の刃』等の日本のサブカル文化についてなども、大いに語ったマックス・ホロウェイのロングインタビューは『ゴング格闘技』5月23日号にて掲載されている。