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2023年4月29日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館でケージで行われる『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』のバンタム級で太田忍(パラエストラ柏)と対戦する倉本一真(リバーサルジム新宿Me,We)が27日、個別インタビューに応じた。
2月中旬から2カ月、UFC元二階級王者で5月に現役復帰するヘンリー・セフードの米国アリゾナのジム「ファイトレディ」で海外武者修行を行って来た"CHOLO SAMURAI" 倉本は、「まだまだもっと上に行ける」と進化に手応え。
対戦相手の太田について、「レスリングからきてまだそんなMMAが出来ない感じ」とキャリアに差があるとし、「レスリングみたいに転がして2点とか点の取り合いじゃない。そこが違うってところが見せられるし、もちろんMMAの経験値でも僕の方が上。レスリングでポイントを取れなくても、MMAでのレスリングは違う。レスリングだけじゃないし、ケージでのグラップリング、打撃があってのMMAなので。全部において僕が上という自信があります」と語った。
セフードのファイトキャンプでは朝から晩まで「常に格闘技」
──ひげがすっきりしました。イメチェンでしょうか。
「そうですね、ちょっと変えてみました」
ーーさて、試合を2日前に控えた心境は?
「やることやってきたんで、あとは体重落として試合を迎えるだけ。いい感じです」
ーー対戦相手の太田忍選手の印象は?
「レスリングからきてまだそんなMMAが出来ない感じ……というのが印象ですね」
ーーどんな試合展開になるとイメージしていますか。
「自分がペース作って自分の形でフィニッシュするイメージですね」
ーー米国アリゾナのヘンリー・セフードのファイトレディーでの練習ではどんな収穫を?
「今回の試合に向けてアメリカへ行ったわけじゃないんですが、2年くらい前から行く話はしていて、ちょうどタイミング、試合決まるかくらいに行くことになりました。だから、別に相手の対策で米国へ行ったわけではなく、自分のMMAを進化させるために行ったんですけど、それによって、もう試合前のヘンリー・セフードのファイトキャンプにも混ぜてもらって、エリック・アルバラシンコーチもセフードも教えてくれました。どれがというわけではなく自分のすべてがレベルアップ出来たと思います」
ーー「自分がペース作って、自分の形でフィニッシュする」というのは?
「自分のペースのなかで打撃だったり一本だったりも狙える、それは相手よりも技術を持っているので。その時、その時で、どれでフィニッシュするかは変わると思うので、どこでも極められるという自信があります」
ーー日本を長く離れて精神的な支えは?
「言ってもピッタリ2二カ月なので、家族だったり子どももいるので、毎日FaceTimeで顔を見ながら電話していました。ジムのMe, Weの山崎剛さんとも連絡を取って習っていることを伝えたり、日本で、自分のためにいてくれる方々のためにも、いい修行ができました」
ーー離れた期間、幼いお子さんから忘れられたりは?
「戻ってちょっと最初はとまどってました(笑)。ちょうどその2カ月くらいで『ママ、ママ』っていうのがすごくなったので、余計、自分の居場所がいらないかなくらい。でも徐々に慣れています」
ーー今回、ダブルメインが注目されていますが、その前の試合ということをどう感じていますか。
「メインが注目されているので、その前に持ってきてもらって役割は分かっているつもりです。自分と対戦相手、レスリング時代からの因縁と言われていますけど、そういうのも含め、RIZINが求めていることで、その位置に持ってきてもらえたと思うのでその分の仕事は果たそうと思います。半端じゃない盛り上がりになると思うので、いい仕事します」
ーー5月6日の『RIZIN.42』有明アリーナでは、バンタム級で、朝倉海vs.元谷友貴、井上直樹vs.フアン・アーチュレッタが行われます。これらの試合も意識しますか。
「今回勝つのは当たり前なので、勝ってバンタムのベルトを獲るために倒さなきゃいけない人がそこに出ている。ちゃんとそこも見据えていますが、まず今回はこの試合。次から次と見ててはダメ。今回集中して当たり前に勝つ。その後のことは、その後で」
ーー海外修行で特にキツかったことは?
「練習がキツいのは当たり前なのでアレなんですけど、最初の方は、アリゾナのあっちの方が砂漠で乾燥しているので、咳が止まらなかったです。コロナじゃないけど乾燥でのどをやられてしまって。スパーリングでも息が上がり、1カ月くらいかかったですけど、おかげでスタミナも上がったのもあるでしょうし、乾燥にもだんだん慣れた。標高もあると思うので、高地トレーニングとしてもいいものがあったと思います」
ーー印象に残っていることは?
「住んでいたアパートがセフードのファイトキャンプのメンバーで集まっているアパートで、家に3部屋あって、ふたつずつベッド、セフードの打撃コーチと一緒の部屋だったんですけど、休みの日も練習終わって家に帰っても常に格闘技。試合のビデオを見たり、セフードの試合を見たり、僕の試合映像も見てくれて、休みの日でもミットを持ってくれたりしました。
ほんとうに格闘技だけに集中できました。2カ月だけと決まっていたし、余計にここで得てこないとあかんというのもありました。レスリング時代から寮生活でそんなの当たり前だったけど、この歳になってMMAでやるとは思っていなかったので、ヘッドコーチのエリック・アルバラシンも泊まっていいて毎日一緒にいたので、常に勉強することがあり、刺激を受けましたね」
ーー画像では、セフード&DJ、デイブソン・フィゲイレード、ジャン・ウェイリーがいたようですが、ほかにもどんなメンバーと練習してきましたか。
「セフードは僕の同級生なんですが、セフードのキャンプのメンバーに、メキシコの元レスリングフリースタイルのロンドン五輪の選手で今MMAでも活躍中の“メモ”(ギレルモ・トーレス=MMAバンタム級5勝1敗)や、アクセル・オスナ(5勝2敗)、ブラジルからきた、ノーチャンス(ジョゼ・マリア・トメ40勝10敗)、それにもともとファイトレディーのモンゴルの選手でUFCのバットゲレル・ダナー(12勝5敗)。カセイ・タナー(6勝0敗)とか、強いファイターがうじゃうじゃいて、UFCやBellatorの選手がいっぱい、大量でした」
──バットゲレルも試合前でしたでしょうし、5月6日(日本時間7日)にはセフードもアルジャメイン・スターリングとの試合を控えているなか、その取り組みに参加できたことはどんな影響がありましたか。
「ファイトキャンプのメンバーに入れてもらえると思ってなかったけど、ほぼ入れてくれる感じになっていて、練習以外でもセフードの家で、セフードの家にマットが敷かれていて、そこで練習したり、ビデオ研究したり、常にセフードの練習には帯同させてもらいました。勉強することばかりでしたね」