石司晃一「3R打撃だけで圧倒してやろうと思っていたけど──」
━━試合後の率直な感想をお聞かせください。
「何とか勝てたのは嬉しいんですけど、ちょっと1、2R、様子見すぎてしまって、ちょっと手数が少ない展開になってしまって。結局ジャッジも分かれちゃったので。かなり反省点は多いですが、ギリギリ勝ったというのは何とか、最低限やるべきことはクリアしたかなっていうくらいですね」
━━慎重な試合の進め方だったと思います。もともとのプランは?
「結構『組みに行った方がいいんじゃないか』って言われていたんですけど、僕は今回打撃だけで圧倒してやろうと正直思っていたところがあったので、打撃戦だけで3Rまで行って最後圧倒したいと思ったのですけど──1、2R、まあ向こうはもともとカウンター狙いだと思うのですけど、予想以上に打ってこなかったので、もっと消耗戦になったほうが、差をつけられたと思うのですけど──そういう展開にあんまりできなかったので、自分も相手のペースに合わせてちょっと見すぎてしまったので、最後きっちり差をつけないとジャッジがちょっと危ないかな、分からないかなと思ったので、最後プランに無かったのですけど組みに行きました」
━━対戦を終えて、金太郎選手はイメージと違う部分もありましたか。
「パンチも蹴りも1発が重いし、実力ある選手だなと思いました。バックから逃げるとかチョークのディフェンスも、自分が組みも得意なのは分かっているので、しっかり対策してきたのかなって感じがあったので。うーん、そうですね。で、最後、ちょっとあのチョーク浅かったので、ちょっと取りきれなかったところで、ラスト10秒くらいで、向こうちょっと動かしながら下から仕掛けようかなというのがあったんですけど、ちょっといい形を取れなくて終わっちゃったんで、そのあたりも反省ですね」
━━初参戦のRIZINの舞台はどのような印象でしたか。
「ああ、もう最高に気持ちいいです。今まで自分がやっていた舞台とは演出とか会場の雰囲気とか全然違うので、いやもうすごい素晴らしいイベントだと思いました。あとはやっぱり、入場式の時から自分への声援は無かったのですけど、金太郎選手が入ってきた時の大歓声ですごいアウェーだなとは感じました。試合中も、ガードの上からでも向こうのパンチとか当たると大歓声だったので、これはちょっとジャッジの印象にまで出るかなというくらい、ちょっとあの……そういうのを感じました」
━━今回勝利しました。今後の展望・目標を教えてください。
「そうですね……一個ずつ勝って……、もともと大舞台に行って名を上げるとかのために来たんじゃないので。競技としてトップを目指すというのがあるので、RIZINでも当然一個ずつ勝ち上がってチャンピオンに、と目指して入ってきたので、今回の内容だと全然まだまだ甘いですけど、でも、今自分も病気とか克服して調子取り戻してまた伸びてきてるので、これから強くなっていけると思います。次、徐々に、まだ実力ある選手何人もいるので、そういう選手たちと戦って、勝ち上がっていって、一番トップ目指したいなと思います」
━━最後のグラウンドの展開がポイントになったと思いますが、あれがなかった場合、判定は……。
「“危なかったな”と思っていました。なので3Rはプランを変更して組みに行きました。あのまま打撃をやっていたら“これちょっと、今までの向こうのお客さんの沸き方も考えると危ないかな”と。で、もっとお互いに手数を出して消耗戦に持ち込んだほうが自分は良かったのですけど、1、2Rそういう展開に出来なかったので“相手は予想以上に疲れてないな”と。なので、もともと組みに行く気はなかったんですけど、“これはちょっと行くしかないな”という感じで、明確に組んでポジショニングという形になりました」
━━そういうプランも用意していた?
「あんまり考えてはなかったです。ただ、万が一の時というか……は、そういう武器も出そうかなと。本当は、今回は、3R打撃だけで最後圧倒してやろうと思っていました。向こうが得意なところですけど、そこでやっぱ差を見せるっていうか、インパクトをより残して勝つことができたと思うので、RIZINファンの人とかみんな自分のこと知らないと思うので、最初に勝つのはもちろんですけど、しっかりアピールできる形で勝ちたいなと考えていたので。そうですね、当初はもう打撃だけでやってやろうと思っていました」
━━そういう、大会場で地元の選手に大歓声というのもRIZINならでは?
「そうですね、DEEP等だとアウェーでもそこまで、1000人とかなのでそこまでないのですけど、これだけ大観衆だとやっぱり海外で試合しているみたいなすごい感じがしました、やっぱり。戦いには関係ないんですけど、やっぱりもっとしっかりKO・一本取れれば問題ないので、自分が実力もっとつけないといけないなというところですね」
━━DEEPの選手がRIZINで活躍し、牛久(絢太郎)選手もチャンピオンになりましたし、7月にバンタム級のタイトルマッチも行われます。
「当然意識しています。上の選手、RIZINトップ選手は全員意識しているので、今度王座決定戦に出る4人の選手たち(5月6日の『RIZIN.42』で朝倉海vs.元谷友貴、井上直樹vs.フアン・アーチュレッタ)は当然意識しています。他にも何人か実力ある選手いると思うので、そのあたりの選手たちとこれから戦って、勝ち上がっていきたいと思います」
━━3R終わった後に笑顔で手を振っていたのは、勝利を確信していたからですか。
「1Rそこまで差が無いと思ったので、トータルマストだったらさすがに3Rきっちり取ったらこれは取っただろうと思ったのですけど。でもそれでもちょっと甘かったですね、ジャッジが割れたのを見ると」
━━判定が割れた時はどう思いましたか。
「いやあ、ちょっとスプリットで嫌な経験を結構しているので。タイトルマッチを落としたりもしているので、“やばいな”と思いました、正直。スプリットはゲンが悪いというか、スプリットになると負ける、という感じがしたので。何とかギリギリです」
━━試合に臨むにあたりDEEPのベルトを保持していることは意識しましたか。
「そうですね、自分で意識していてもしていなくても、みんなRIZINファンは自分のことを知らなくてもDEEPのことは知っているので、自分が負けたら何をしても『DEEPのチャンピオンが負けた』と言われるので、それは責任あると思っていたので、自分が意識していてもいなくても責任を果たさなくてはいけないという自覚はあったので、だから(勝利は)最低限です。佐伯(繁・DEEP代表)さんもちょっと首捻ってるかと思うので、今日は本当に最低限勝ったっていうだけですね」
━━試合前のインタビューで、減量で「自炊をする」ということで、ホテルに炊飯器とお米を持ってきたとのことでしたが、さすがに勝ったら何か大阪で美味しいものを?
「食べに行きます。まだ決まっていないんですよ、それが。前になんばに行った時に大阪王将がいっぱいあったので、僕はそういうので良かったのですけど、泊まっているホテルの周りにそういうのがないので、何食べるか分からないのですが、誰かに連れて行ってもらいます」
━━たこ焼き、串カツも美味しいかと。
「ああ、はい。じゃあ串カツに行きます」