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【ONE】ペトロシアンが因縁のペットモラコットに勝って決着、アンジェラ連敗、秋元が再起の勝利! 江藤がTKO負け、阿部、藤沢は一本負け、森本判定負け

2019/07/12 19:07
7月12日、マレーシア・クアラルンプールのアクシアタ・アリーナにて、「ONE: MASTERS OF DESTINY」が開催された。 メインでは、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)とペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)が対戦。ヒザを突くペットモラコットに対し、左のパンチを当てたペトロシアンが判定で勝利。因縁の再戦に決着をつけ、ジョー・ナタウット(タイ)が待つ準決勝へと駒を進めた。 セミでは、3月31日の両国国技館大会でONE世界女子ミニマム級王者ション・ジンナン(中国)に敗れたアンジェラ・リー(米国)が再起戦。56.7kg契約でミシェル・ニコリニ(ブラジル)と対戦した。柔術強豪のニコリニも2018年11月にティファニー・テオ(シンガポール)に判定負けしており、ともに復活勝利を目指したEVOLVEジムの元同門対決は、ニコリニがグラウンドを制し判定3-0で勝利。アンジェラはキャリア初の黒星に続く連敗となった。 また、日本の5選手が参戦し、秋元皓貴が唯一判定勝利を収めたほかは、阿部大治、藤沢彰博が一本負け。江藤公洋がTKO負け。初出場の森本“狂犬”義久はオープンフィンガーグローブへの対応を見せたものの、サウスポーにスイッチしたジョシュ・トナーの前に3R判定で敗れており、日本人4選手が敗れる厳しい結果となった。 ▼ONE SUPER SERIES キックボクシング・フェザー級ワールドGP準々決勝 3分3R×ペットモラコット・ペッティンディー・アカデミー(タイ)[判定0-3]〇ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)※ペトロシアンが準決勝へ進出。  両者は5月17日のシンガポール大会で「ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング・ワールドGP準々決勝」として対戦。  1Rにパンチで圧倒されたムエタイの古豪ペットモラコットが、2Rから首相撲&ヒザ蹴りを多用。これでペトロシアンのペースが乱れ、前へ出て組み付いてヒザを蹴るペットモラコットにペトロシアンは消耗し、判定2-1でペットモラコットが優勝候補本命のペトロシアンを破る大波乱を起こしていた。  しかし、試合後、ONEの競技委員会は「反則のクリンチが適切に裁かれていなかった」として試合のノーコンテストを発表。今回改めて準決勝進出を懸けて両者の再戦が行われた。  1R、サウスポー同士の両者。ペトロシアンはいきなり鋭い左アッパーを放つ。ペットモラコットの左ミドルにペトロシアンは左ローを返す。ペトロシアンの左フックをかわしてワンツーを入れるペットモラコット。ペトロシアンがミドルをキャッチしてパンチを放っていくと、「つかんで攻撃した」とペットモラコットは猛抗議。再開後、ペトロシアンは左ローを徹底して蹴っていく。お互いにパンチやハイキックを寸前のところでかわす。  2R、ペットモラコットが前へ出て左ミドル、ワンツー、そしてヒザ蹴り。ペトロシアンはパンチを返していくが、ペットモラコットはどんどん前へ詰めてテンカオを突き刺す。ペトロシアンの左ストレートがヒット。それでも前に出てヒザを蹴りまくるペットモラコット。ペトロシアンは掴まれる前にアッパーを入れる。前へ出てヒザを蹴りまくったペットモラコットだが、終盤はやや疲れたか、ロープに持たれて左ミドルを蹴る。  3Rもペトロシアンのフックをかわしてヒザを蹴るペットモラコット。左ミドルも蹴る。ここでペトロシアンはペットモラコットがヒザを蹴ってくるタイミングに合わせて左フックを打つ。疲れが見えるペットモラコットにパンチと左ローを当てに行くペトロシアン。残り時間が少なくなるとペットモラコットは両手を広げてリングを回り込み流した。  判定は3-0でペトロシアンが勝利。仕切り直しの一戦で決着をつけ、生き残った優勝候補本命はジョー・ナタウット(タイ)が待つ準決勝へと駒を進めた。ペトロシアンは「非常に長い道のりになったが、この試合に集中していた。私はトーナメントが終わるまで次の試合のことだけを考える」と表情を変えずクールに勝利者インタビューに答えたが、それが終わるとセコンド陣と抱き合って大喜びした。 ▼女子ストロー級(※56.7kg)5分3R×アンジェラ・リー(米国)[判定0-3]○ミシェル・ニコリニ(ブラジル) 3月31日の両国国技館大会でONE世界女子ミニマム級王者ション・ジンナン(中国)に敗れたアンジェラ・リー(米国)が再起戦。56.7kg契約でミシェル・ニコリニ(ブラジル)と対戦する。 柔術強豪のニコリニは元EVOLVE所属。MMA初心者だった頃のアンジェラとの打撃スパーで、アンジェラとは因縁があるという。ニコリニは2018年11月にティファニー・テオ(シンガポール)に判定負けしており、ともに復活勝利を目指す。 1R、ともにオーソドックス構え。いきなりニコリニはシングルレッグからドライブしてボディロックからテイクダウン。ハーフからブリッジで返そうとするアンジェラにマウントを奪うが、アンジェラは高いブリッジでリバーサル! ニコリニは下から腕十字、三角絞め狙い。頭を獲らせないアンジェラ。下から煽るニコリニに、アンジェラは首を巻いてバランスを保つ。クローズドから作るニコリニはバック狙い、腕十字狙い。正対で保つアンジェラは右で脇差し、ニコリニも仕掛けることでパウンドを打たせず。 2R、頭を下げるニコリニに右を当てるアンジェラ。動きが止まるニコリニは引き込み! 下から足関節でバック狙い、さらにスイープしたニコリニが上に! ハーフで左で脇差しパスガードを狙うニコリニ。すぐに鉄槌! 打撃を嫌うアンジェラのブリッジにマウントを合わせるニコリニ。アンジェラはシザーズを狙うが、返させないニコリニ。しかし、アンジェラは再びブリッジでリバーサル! 頭をつけて外側からパウンドを狙うアンジェラの頭を押さえニコリニもダメージを負わない。 3R、右ローから入るアンジェラ。ダブルレッグを切られたニコリニは、シングルレッグもヒジをもらう。ニコリニは引き込みディープハーフからスイープ! アンジェラの腕十字狙いをすぐに抜き足を担ぎパス! しかし、またも左で差してブリッジでスイープするアンジェラが上に。下からオーバーフックするニコリニ。足を解きシングルレッグから立とうとするアンジェラに、がぶりからバックを奪うアンジェラはチョーク狙い。 亀のまま凌ぐニコリニ。ゴングに最後はアンジェラから握手を求め、少し間を置いてからニコリニは手を伸ばして応じた。判定は3-0でポジションを奪ったニコリニがマウントからの攻撃を評価されたか、ユナニマスで勝利した。 [nextpage] ▼ライト級(※77.1kg)5分3R○エブ・ティン(ニュージーランド)[2R 4分44秒 リアネイキドチョーク]×阿部大治(日本) 阿部大治はマレーシアのエブ・ティンと対戦。ティンは2018年10月に青木真也に1R肩固めで一本負け後、2019年2月にザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)にも1R KO負けを喫しており、2連敗中。対する阿部も2018年10月にONEに初参戦し、ブラジルのルイス・サントスの左ミドルを浴び、33秒KO負けとなっており、UFCから数えて3連敗中のため、何としても白星を掴みたいところ。 1R、ともにオーソドックス構え。すぐにダブルレッグテイクダウンはティン。しかし小手に巻いてすぐに立つ阿部。ティンは左フック! 阿部は立て直すと、右クロス! ダウンしたティンの足を払い上四方からパウンド連打するが、ティンは立つと阿部は払い腰で再三、テイクダウン! 後ろ見せるティンはヒザ十字狙い立つ。 しかしスタンドで右の強打はティン! 阿部も効かされるが右を返してティンがバランスを崩す。互いに右を効かせるなか左ハイの阿部。右ローはともに蹴り合い。ティンは右のオーバーハンドを返す。 2R、阿部の背中を見せる払い腰をすかしたティンはバック狙い。それをリバーサルする阿部だがティンはバック狙い。コーナー際で阿部は立つ。肩で息をするようになる阿部。ティンは大きな右を振ると、阿部は左ロー。そこにカウンターでティンは右フック! バランスを崩した阿部は下に。そこにティンはヒジを打ち下ろし、阿部が出血。クローズドに入れる阿部はオーバーフックに対し、ティンはパウンドからパスガード。強引に立とうとした阿部のバックをすぐに奪い、リアネイキドチョークを極めた。 阿部は4連敗。連敗を2で止めた地元ティンは、鈴木信達、安藤晃司、阿部大治と3人目の日本人選手を仕留め、「3回目のタイトルマッチを戦いたい」と王座挑戦をアピールした。 ▼フライ級(※61.2kg)5分3R×アブロ・フェルナンデス(インドネシア)[判定0-3]○グルダージャン・マンガット(インド) 1R、サウスポー構えから左を突くマンガット。オーソドックス構えのフェルナンデスは蹴り足を掴んでテイクダウンするが、マンガットは後方にフェルナンデスを投げて立ち上がる。強い右を当てるフェルナンデス。マンガットは手数多くジャブ・ストレート。 2R、ジャブを突き左ミドル、左ハイも打つマンガット。待ちのフェルナンデスはカウンター狙い。しかし右ローを当てるマンガットは左のインローも! さらに左ローを奥足に効かせる。 3R、同様にサウスポー構えから左ローを奥足に当てるマンガット。フェルナンデスはそこに右ストレートを当てるが単発。フェルナンデスも逆に右ローを当てる。下がりながらの左フックも単発。左のバックブローで飛び込むマンガットに、右のカウンターを狙うフェルナンデス。腰を落とすマンガットだが、ダウンには至らず。 リズムよく左を当てたマンガットが判定勝利した。 ▼女子アトム級(※52.2kg)5分3R○ジヒン・ラズワン(マレーシア)[1R 3分07秒 三角絞め]×ジョマリー・トーレス(フィリピン) フィリピンでフリースタイルレスリング、サンボに取り組み、MMAではレネ・カタランに師事するジョマリー・トーレス(23歳)は、デビューから4連勝も、2018年9月にプリシラ・ガオール、12月にV.V Mei、2019年3月にリン・ホーチン(中国)に敗れ3連敗中。1年6カ月ぶりの白星を掴めるか。 対するジヒン・ラズワン(20歳)は地元マレーシア出身。武術(ウーシュー)散打の世界王者でキックボクシングも経験。アマチュアMMAで6勝2敗としっかり実績を積み、2017年7月にプロデビュー後4連勝も、2019年2月にジナ・イニオンにスプリット判定で敗れ、初黒星。今回が再起戦となる。 また、現役の獣医師でプロフィール写真はネコと一緒という異色のファイターで、X-メンの“SHADOWCAT”のニックネームを持っている。 入場時、ラズワンはネコ耳のイヤホンをつけて花道に登場。地元でのコールに大声援が送られる。 ともにオーソドックス構えからスイッチしながら前に出るのはジヒン。右フックを放つが、下がりながらトーレスも右を合わせていく。 しかし追うジヒンは右のスーパーマンパンチ。さらに左で差して小外で回してテイクダウン! ニアマウントになりかかけるが、トーレスもすぐに亀になって立つと、なおも左を差し続けるジヒンは再び小外がけから今度は前方に押してテイクダウン! そのままマウントを奪うが、トーレスはブリッジからリバーサルで上に。 しかし追うジヒンは右のスーパーマンパンチ。さらに左で差して小外で回してテイクダウン! ニアマウントになりかかけるが、トーレスもすぐに亀になって立つと、なおも左を差し続けるジヒンは再び小外がけから今度は前方に押してテイクダウン! そのままマウントを奪うが、トーレスはブリッジからリバーサルで上に。 しかしジヒンはすぐに下から腕十字狙いへ。持ち上げて、2度スラムするトーレスに背中で受け身を取るジヒンは三角絞めへ! トーレスはサイドからヒザを突こうとするが、下からヒジを打つジヒンはトーレスの頭を引き付けてタップを奪った。 満員のアクシアタ・アリーナの観客はジヒンの勝利に大歓声! 勝者コールに、ネコ耳イヤホンをつけ直した地元のジヒンに観客は大きな拍手を送った。 [nextpage] ▼バンタム級(※65.8kg)5分3R○トロイ・ウォーゼン(米国)[2R 3分29秒 TKO]×チェン・ルイ(中国) 1R、左ハイを当てるEVOLVEのウォーゼン。さらに左ミドルもそこに体幹の強いルイが右をカウンターでヒット! ボディロックからテイクダウンしたウォーゼンがマウント&パウンド、ヒジ! 長い時間をルイは凌ぐ。 2R、詰めて差してボディロックからテイクダウンしたウォーゼン。ハーフからパス、強いパウンド、ヒジを連打し、レフェリーが間に入った。 ▼ONE SUPER SERIES キックボクシング・フライ級 3分3R〇秋元皓貴(日本/EVOLVE MMA)[判定3-0]×ケニー・ズィー(豪州) 秋元皓貴は3月の両国大会以来の試合。ケージでのオープンフィンガーグローブ戦でヨセフ・ラシリと対戦した秋元は、1Rにラシリの左フックでダウンを奪われ、判定0-2でプロ21戦目にして初黒星を喫している。対する豪州のケニー・ズィーは2018年10月のONEタイ大会のリングでペッダム・カイヤンハダオにTKO負け。2019年3月にはMOMOTAROにも判定負けしており、背水の陣で臨む。  秋元の過去2戦はオーブンフィンガーグローブ着用キックボクシングだったが、今回はボクシンググローブ。試合場もリングで行う。20連勝のあと初黒星  1R、ズィーが右ロー2発で先制。秋元が左ミドルを蹴るとキャッチしたズィーは背中を見せるように不自然な倒れ方をする。その理由はすぐ直後に分かった。秋元が再び左ミドルを蹴るとズィーはバックハンドブローを合わせに来たのだ。秋元はズィーのパンチを両腕ブロックしてボディへヒザを突き刺し、左ミドルを蹴っていく。  2Rも左ミドルを的確にヒットさせていく秋元。両者が組んだ瞬間に「ノーホールディング」とレフェリーから厳しく注意が与えられる。パンチを叩きつけるズィーに、秋元は前蹴り、左ミドル、ヒザ蹴りと蹴り技で応戦。秋元の左ミドルが明らかにダメージを与えていく。秋元の右ハイはブロックされたが、場内は大きく沸く。  3Rも秋元は左ミドルと左ヒザ蹴りでボディを攻めていく。これを嫌がり、組み付きを多用するズィー。秋元は顔面へのヒザ蹴りも狙っていく。ズィーは後ろ廻し蹴りやバックハンドブローなどの回転技を多用して逆転を狙うが、終始冷静に攻め・守った秋元が判定勝ちした。秋元はホッとしたような表情で笑顔を見せた。 ▼ONE SUPER SERIES ムエタイ・女子アトム級 3分3R×カイティン・チュアン(台湾)[判定0-2]〇ジェネット・トッド(米国)  チュワンは「キル・ビー」のリングネームで日本でも多くの試合経験を持ち、日本でおなじみの選手。アマチュアボクシング出身で、2018年7月に初代ONEキックボクシング世界女子アトム級王者となった。同タイトルは2018年10月にスタンプ・フェアテックスに奪われている。トッドはアメリカと日本のハーフでムエタイベース。今年2月にはスタンプとONEムエタイ世界アトム級王座決定戦を争っているが、やはりスタンプに敗れている。  1R、ムエタイスタイルのアップライトに構えるトッドは同じ階級とは思えないほど身体が大きく、アグレッシブに前へ出て攻めていく。パンチから蹴りにしっかりつなぐトッドにチュワンは出入り速く連打を入れる。両者が組みあうとレフェリーはすぐにブレイクを要求し「ノーホールディング」と注意。  2Rが始まると同時にパンチを回転させていくチュワンだが、トッドは下がらず強いフックを打ち返す。さらに右ローでチュワンを転倒させる。パンチ一辺倒のチュワンに対し、トッドはパンチと蹴りをバランスよく使う。飛び込んでの右ストレートをヒットさせるチュワンだが、トッドはワンツーから右ロー。しかし終盤、チュワンはパンチをまとめて前へ出る。  3R、連打して前へ出てくるチュワンを左ミドルで迎え撃つトッド。チュワンもパンチだけでなくミドル、ローを蹴る。トッドはワンツー、左右フック、そしてローへつなぐ。前へ出て右を繰り出すチュワンだが、パワーのあるパンチをトッドも打ち返す。  判定は2-0でトッドが元王者を破った。 ▼ライト級(※77.1kg)5分3R○パク・デソン(韓国)[2R 1分59秒 KO]×江藤公洋(日本) 江藤公洋は、ONEのトライアウト「ONE Warrior Series」で3連勝し本戦昇格を決めた。本戦初出場となる今回は、韓国のパク・デソンとの再戦に臨む。2017年7月のRoad FC 40では下石康太にリアネイキドチョークで一本負けしているパクだが、その後は2連勝。2018年3月の「ONE Warrior Series 1」で江藤と対戦し、サウスポーから左ハイを効かせ、左右の強打で江藤を1R TKOに下している。 1R、オーソドックス構えの江藤に、サウスポー構えのデソン。江藤は右ミドルをヒット。デソンも右から左の二段蹴りを返す! 低いダブルレッグは江藤。切るデソン。江藤は右ミドル、ハイキックで前に。さらに左ロー。しかしデソンは左右フックからダブルレッグへ。切る江藤にパクは離れる。デソンの蹴りに右ストレートを合わせる江藤! デソンは左ハイ。脇でブロックする江藤はバックヒジ。ブロックするデソンは前蹴りもゴングと同時。2R、江藤の右ローに右を狙うデソン。江藤はテイクダウン狙いか、一瞬わずかにヒザを曲げるとそこにデソンは左ハイ! もらった江藤はダウン。片足をつかむ江藤は立ち上がるがデソンは左フックも当て、江藤はテイクダウン狙いも切られる。下がり江藤はロープを背にクリンチ。しかし離れたデソンはさらに左右連打。江藤はシングルレッグもテイクダウンはならず。鉄槌をもらい続けた江藤に、見続けた梅木レフェリーだが間に入った。江藤は本戦での再戦もリヴェンジならず。 ▼フライ級(※61.2kg)5分3R○アレクセイ・トイヴォネン(フィンランド)[1R 3分22秒 リアネイキドチョーク]×藤沢彰博(日本) タイ在住の藤沢彰博は「ONE Warrior Series 1」で勝利し、本戦のONEで2連勝も、2019年4月に地元マニラのラモン・ゴンザレスに1R ギロチンチョークで一本負けしており、今回が再起戦。対するはフィンランドの「CAGE」で活躍し、ONEデビュー戦となる柔術ベースのアレクシ・トイヴォネン。EVOLVE所属で打撃も磨いている。 1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブの刺し合い。ステップを使って下段蹴りまで繋ぐ藤沢。トイヴォネンは右ストレート。藤沢は左ジャブ、右ストレート、右ローを突く。トイヴォネンはしっかり構えて右ロー! 効かされて足を流された藤沢はそのままシングルレッグへ入るが、がぶるトイヴォネンがバックへ、すぐに足を巻き、リアネイキドチョークを極めると藤沢がタップした。 [nextpage] ▼ONE SUPER SERIES ムエタイ・バンタム級 3分3R×サイフル・メリカン(マレーシア)[判定0-3]○モハメド・ビン・マムード(マレーシア) ロープに詰まるメリカンはサイドキック。左ミドルから飛び込み、鋭いヒザ、ヒジはマムード。さらに左ハイも当てる。マムードの左ミドルに左フックを合わせるメリカン。マムードの入りに前蹴りを合わせる。 2R、詰めるマムードは右フックでダウン奪取。立つメリカンも左を振り、左ハイを当てて前へ出て反撃。しかし首相撲ヒザはマムード。何度もメリカンをこかすと右ハイ当て、蹴り足つかまれるとそのまま右フックも!。 3R、首相撲ヒザはマムード。メリカンも組みからマムードを振り回す。しかし長身をいかいこかしはマムード。さらに右ロー。左足を効かされたメリカンはさらにマムードの右ヒジを受け両手を着くがダウンにはならず。判定3-0でマムードが勝利。 ▼ストロー級(※56.7kg)5分3R○エイドリアン・マテイス(インドネシア)[2R 1分51秒 KO]×リー・ヂゥー(中国) スタンドでサイドにつきヒザを突くマテイス。リーの投げを潰してマウント、リアネイキドチョーク狙いからバックマウント&パウンドでTKO。 ▼女子アトム級(※52.2kg)5分3R○ボージェナ・アントニヤ(ミャンマー)[判定2-1]×ビー・ニューイェン(ベトナム) サウスポーのニューイェンは左ストレートでダウンを奪うがアントニヤは手数多く、スプリット判定で勝利。 ▼ONE SUPER SERIES ムエタイ・フェザー級 3分3R×ジョージ・マン(英国)[判定1-2]〇ソーグラー・ペッティンディーアカデミー(タイ) 長身のマンはサウスポー構えから左ミドル。オーソドックス構えのソーグラーはすぐに右ミドルで蹴り返し。さらに右で奥足へのローキックを効かせて削る。 ▼ONE SUPER SERIES キックボクシング・フライ級 3分3R〇ジョシュ・トナー(オーストラリア)[判定0-3]×森本“狂犬”義久(日本) RISEフェザー級(57.5kg)2位の森本“狂犬”義久(BRING IT ON パラエストラAKK)ONE初参戦。オープンフィンガーグローブで豪州のジョシュ・トナーとヒジ無しのキックルールで対戦する。パラエストラ所属の森本は、MMAの練習経験もあり、オープンフィンガーグローブの感触は確認済みだ。 森本は空手出身のアグレッシブファイターで、パンチ、ハイキック、ヒザ蹴りとどの技でも倒せる破壊力の持ち主。15勝のうち10勝がKOで、この数年間RISEを盛り上げてきた主力選手の一人だ。 対するジョシュ・トナーは元ISKA世界フェザー級王者。K-1でも活躍した豪州のベン・エドワーズらが所属していたブルドッグジムでキックボクシングを始め、現在はstockade training centreで練習に励む。 トナーは、2016年11月のK-1 WORLD GP初代フェザー級王座決定トーナメント一回戦で小澤海斗に1R KO負け後、ONEに参戦。2018年7月にペッダムに2R KO負けも10月にはジョセフ・ラシリに判定勝ち。2019年1月のONEでは秋元皓貴に判定負けも、秋元の左ミドルに右フックを合わせてダウンを奪っている。(※秋元は3月両国大会でラシリに判定負け)。 1R、前に出る森本は右のアッパー、右ストレートをヒットさせる。さらに後ろ蹴りとミドルキック。トナーの左をもらっても前に出る。右を連打して前へ出る森本。右ストレートとヒザでボディも攻め、バックハンドブローで場内を沸かせる。トナーのヒジが当たって一時中断。再開後、森本は右ローを蹴りながら右のパンチをしっかり当てていく。手数と有効打で森本か。 2R、トナーはサウスポーに構えを変えて左ミドルを多用。そこへ森本が強烈な右ストレートを連打する。さらにロー、後ろ蹴りを出しながら前へ。それでもトナーは左ミドルを蹴り続ける。このラウンドも森本のペースかと思われたところで、トナーが首相撲からのヒザ蹴り。この一発で森本の動きが鈍る。さらに残り30秒、右フックをもらって腰が落ちる森本。トナーは首相撲からのヒザで追い打ちをかける。 3Rが始まってすぐに左ストレートをもらった森本だが、一気に前へ出て右を叩きつけていく。トナーは左ミドルとヒザ蹴り、さらにボディブロー。ボディが気になる森本は左ストレートも喰らってしまう。ボディ攻めに苦しむ森本は不用意に左ハイを喰らうが、森本も右ハイを返す。左ミドルとテンカオに下がる森本だが、再び右ストレートで前へ。トナーが左ミドル、森本が右ローを蹴ったところで試合終了。 勝利を確信してガッツポーズのトナーと、口を大きく開けて呼吸も荒い森本。判定3-0でトナーの勝利となり、森本は初陣を勝利で飾ることはできなかった。
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