第4代K-1 WORLD GPフェザー級王者の椿原(左)に兼田が挑む(C)K-1
2022年12月3日(土)エディオンアリーナ大阪『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』にて、フェザー級3分3R延長1Rで対戦する椿原龍矢(月心会チーム侍)と兼田将暉(RKS顕修塾)のインタビューが主催者を通じて届いた。
椿原はK-1甲子園2017 -55kg王者。2020年9月、K-1で江川から番狂わせの勝利を奪い、2021年3月のタイトルマッチでの再戦でも返り討ちにして第4代K-1 WORLD GPフェザー級王者となった。5月の王者としての第一戦はノンタイトル戦で玖村修平に判定で勝利したが、12月の初防衛戦で軍司に敗れて王座を失った。2022年8月の「K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦で斗麗に敗れている。戦績は14勝(3KO)5敗1分。
兼田は関西キック界のフェザー級でトップに君臨する22歳。『K-1甲子園2017』の-60kgで優勝した後、ACCELフェザー級王者、元HEATキックライト級王者、元RKSスーパーフェザー級王者と3つの団体で王座を獲得している。2017年11月にK-1で横山朋哉に判定勝ち。2021年4月には『KNOCK OUT』に参戦し、栗秋祥梧から判定2-0で勝利を収めたサウスポー。2022年1月のKrush初参戦では龍斗に判定勝ちし、6月には林勇汰にも判定勝ち。戦績は17勝(6KO)2敗。
椿原「プロデビューして5~6年目でやっと気づいた」
――4年連続となるK-1大阪大会への出場が決まりました。地元・大阪での試合はいつもの試合と違いますか?
「僕は地元が大阪で、大阪を拠点にやっているので、大阪で試合できることがうれしいです。ただこの1年はあまりいい内容・結果を残せなかったので、最後12月にはいい勝ち方で終わらせたいです」
――椿原選手は最近の試合でより倒すことを意識して戦っているように感じます。そのスタイルチェンジについてはいかがでしょうか?
「戦い方を変えるというよりはしっかり勝つためのスタイルチェンジに取り組んでいるんですけど、やればやるほど分からなくなっているところもあって…(苦笑)。そこは試合をしながら創っていくものなので、たくさん試合をして試していきたいですね」
――例えば練習で新しいファイトスタイルの手応えは感じていますか?
「ちょっとずつ強くなっているとは思います。でも周りから言ってもらえる“椿原流”が完成することは永遠にないと思うんですよ。僕は『あれもやりたい』『これもやりたい』と欲張りなタイプなんで(笑)。完成はしなくても、理想には限りなく近づけたいですよね」
――“椿原流”の理想は“触らせずに倒す”ですか?
「そうですね。僕もぴょんぴょん飛び跳ね続けたいわけじゃないし、どっしり構えてどっしり戦いたい部分もあって。やっぱり強い攻撃・倒す攻撃を出すにはどっしり構えないといけなくて、プロデビューして5~6年目でやっと気づいたんですけど(苦笑)、そういうところは変わってきたかなと思います」
――今やっていることをさらに進化させたいですか?
「もしかしたら足を使って自分の攻撃を当てることに特化した戦い方を続ければ、勝つ確率は高いかもしれないです。でも僕はもっと自分の可能性を追求した戦い方を確立したい。判定は第三者が勝ち負けを決めるもので、やっぱり自分の手で勝ち負けを決める=KOすることが格闘技における理想やと思うんです。だったら僕はそこを目指したいですね」
――8月のフェザー級世界最強決定トーナメントでは1回戦で斗麗選手に僅差の判定負けでした、あの試合を振り返っていただけますか?
「今までは試合になると最終的にどこか吹っ切れて戦ってたんですよ。でも前回は『練習でやってきたことをどう出そう?』とか色々考えすぎたまま戦って。見ている人もつまらんかやったやろうし、自分でも最悪な試合をしちゃったと思います」
――対戦相手の兼田選手にはどんな印象を持っていますか?
「もともと存在は知っていて、同じ年にK-1甲子園を優勝しているんですよ。その時から巧い選手やなと思っていました」
――記者会見でもテクニシャン対決という部分がクローズアップされています。
「相手が巧いはもちろん分かっているんですけど、K-1甲子園で優勝したあと僕はずっとK-1・Krushで育ててもらって、兼田選手は違う団体でやってきて。今回はK-1ファイターとしてしっかり倒したいですね。意地でも負けんように倒しに行きたいです」
――今回の大阪大会ではどんな試合を見せたいですか?
「チャンピオンになるまでは勝つことがすべてやと思ってたんですよ。でもチャンピオンになったら求められるものが変わるんです。勝つだけじゃなくて、倒して勝つ姿が見たいとか打ち合って勝つところがみたいとか。今ベルトこそ失いましたけど、僕は“K-1ファイター”になりたいし、もう一度ベルトを巻くためには試合内容でもファン・関係者のみなさんを納得させないといけないと思います」
――現在のフェザー級はチャンピオンの軍司泰斗選手が頭一つ抜けている状態です。軍司選手とアマチュア時代からライバルでもある椿原選手にとって、今の軍司選手のことをどう意識していますか?
「軍司選手とは年齢も一つしか変わらないし、プロ・アマ通して何回もやっていて、そんなに差はないと思っていたんですけど、トーナメントの戦いぶりを見たらすごいなと思いました。と同時に自分があの場にいなかったことも悔しいです。軍司選手が今のチャンピオンで世界最強決定トーナメントを優勝したという結果は変わらないので、だったら軍司選手にはずっと最強でいてもらって、ベルトの価値をあげていてもらいたいな、と。それで最後は僕が軍司選手からベルトを獲って、根こそぎ全部持っていったろうと思います」