得意の顔面前蹴りを放つ那須川。兄の記録を超えられるか(C)RISEクリエーション
2019年7月5日(日)東京・後楽園ホール『RISE 133』のメインイベントで、元J-GIRLSミニフライ級王者・紅絹(NEXT LEVEL渋谷)と「RISE QUEENアトム級王座決定トーナメント」の決勝戦(王座決定戦)を争う那須川梨々(TEAM TEPPEN)。
梨々は那須川天心の妹で、兄同様ジュニアキックを経て高校生になった2018年6月にプロデビュー。いきなり元TRIBELATEピン級王者でNJKFミネルヴァ・アトム級2位の佐藤レイナを下したが、11月の2戦目で百花に初黒星を付けられた。しかし、1回戦では優勝候補と目されていた平岡琴を延長戦で振り切り、決勝進出を果たしている。
わずか3戦のキャリアでタイトルマッチにたどり着いた。兄の天心は16歳・プロ6戦目でRISEバンタム級王者になっているが、その記録を超えることができるか。
母からは『ババアの底力をなめるなよ』と言われてます
――タイトルマッチが近づいてきました。調整はいかがですか。
「練習ではパンチからの蹴りなどのつなぎを強化していて、天心といい感じで追い込めていて作戦も万全です。天心からは“この作戦でいけば絶対勝てるから!”とも言われてます」
――前回3月のRISE QUEENアトム級(-46kg)決定戦準決勝での平岡琴戦を振り返ってもらいたいのですが、延長戦の末に判定勝ちでした。
「3Rまでバチバチの打ち合いになったじゃないですか。終わった時にかなり疲れていたのですが、天心から“延長あるぞ”と言われて延長戦になった時点でもう泣きそうでしたね(笑)。最後は気持ちの勝負になり、気持ちが途切れたら負けていた試合だったと思います。最後はここで下がったら負けだという気持ちでしたし、絶対に勝つという強い気持ちで臨みました」
――僅かプロ3戦目でキャリアのある平岡選手に勝ったことで自信になったのでは?
「そうですね。試合前、平岡選手は相当強いと聞いていてパンチで上回らないとやばいよと。自分でも怖いと感じる部分はありましたが、勝つことが出来たので気持ちの面で自信につながりました」
――その後に行われた紅絹選手の試合は見られたのでしょうか?
「自分の試合が終わってすぐに見ました。攻撃のタイミングがうまいですし、パンチにキレがあるのでそういうところが自分よりも上回っていると思いますね。カウンターを狙ってくるので、私もカウンターを合わせていこうと思います」
――紅絹選手は50戦以上のプロキャリアがあります。そこは脅威に感じますか?
「キャリアは関係ないと思います。向こうの方が実戦慣れもあるかもしれませんが、私もアマチュアでの試合経験もありますし、あまりそういうのを気にしないで全ての面で紅絹選手に上回っているという気持ちで試合に臨みます」
――紅絹選手にインタビューしたところ、「向こうは私のことを怖いと思ってない」と言われてました。自信からそう思うこともあります?
「紅絹選手のことは甘くは見ていません。母(那須川由美子)からは『ババアの底力をなめるなよ。ババアは負けたらその先がないんだからね』と言われてます……」
――紅絹選手はまだアラサーなのですが……。ベルト獲得のチャンスがもうすぐそこまで来て、改めて自分のためのベルトだと思いますか?
「そうですね。色んな人から期待されているので、ここは自分が獲らないとダメなベルトだと思います。ここは絶対に落としちゃいけません。でもメインイベントなので緊張しますね(笑)。RISEの後楽園大会で女子選手初のメインですよね? メインの内容がダメだったら、興行自体が締まらないものになりますし、真ん中ぐらいの試合順が良かったな~(笑)」
――天心選手はプロ6戦目でRISEのタイトルを獲得しましたが、梨々選手が勝てば兄を上回るプロ4戦目でベルトを巻くことになります。そこは意識してますか?
「兄に上回れるところがないので、今回勝ってそこだけは上回れればいいなと思っています。ぜひここで私が勝って、7月21日に天心の世界トーナメント準決勝につなげたいと思います」
――狙うは、二人揃ってチャンピオンになり毎年大晦日恒例のRIZINに参戦でしょうか。
「みんな忘れていると思いますが、私はまだONE契約ファイターなので出られないですよ(笑)」
――失礼しました。ベルトを獲ったらどういうチャンピオンになりたいですか?
「ずっと防衛し続けるチャンピオンになりたいですね。RENA選手、神村エリカさんと並ぶ選手になりたいですね。勝ってRENA選手と対戦ですか? まだ早いですね。決まったらしっかりと練習しないと難しいと思います……。とりあえず、今回友達とかたくさん来てくれるので、みんなの期待に応えて絶対にベルトを獲ります!」
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