平本選手が俺に勝った時に評価されてほしいなという気持ちがすごくある
──サラリーマンをやりながらファイターもやっている。サラリーマンをやりながら戦う姿を見せたいというビジョンや思いは大きい?
「えっと、申し訳ないですけど全くないです」
──あくまで自分が好きなことを突き詰めてやっている?
「はい、自分が楽しんでいるだけですし、自分がやりたいからわがままを通してやらせてもらっている、ただの趣味なので。それを見て勇気をもらったとか元気をもらったと言ってくださる方がいるのはもちろん嬉しいですけど、ただその人たちのために何かする気も正直ないですし、自分は自分が楽しむために格闘技をできていたらそれで満足な人間です」
──知名度があがるとSNSで相談とかは増えない?
「DMとか正直見切れない部分があるのですけど、「働きながらですけどRIZINに出るにはどうすればいいですか?」みたいなDMも頂いたりするのですが、わかりません!(笑)。RIZIN出るために格闘技をするというのは、俺はおすすめしないです。なぜならそれは目標が先すぎるからです。楽しいからやってください、みなさん。楽しいと思ったことをやってほしいと思っています」
──仕事とつらいトレーニングの両立ができている秘訣やポイントは?
「こういう質問に対して一番に言わなくちゃいけないのは、奥さんの忍耐ということだと思いますね。奥さんや職場の皆さんの忍耐というのが一番に上がってきまして、その次に辛いトレーニングとおっしゃっていましたが、自分は先ほど申し上げたとおり、遊びなんで。遊びに出かけているだけなんですよ。だから続けられるんです」
──そのためには家庭や職場の寛大な理解が必要、と?
「寛大な理解、物理的な負担、その他諸々あるかと思います。そこからいかに目をそらさず向き合っていくかだと思います(笑)」
──平本選手はSNSで過激な挑発をすることで渦をつくり試合を盛り上げる選手。今回の怪我もあり弥益選手へのリスペクトもあったと思うが、弥益選手に言及したものはなかった。その辺は肩すかしも?
「彼がどういう考えで今回の方向性を変えてきたのかは、やっぱり彼に聞いてみないとわからないところではあるのですけど。とはいえ自分は、日中は一切SNSを見られないので(笑)。そこで時差が生まれちゃうので、いざ突っかかられても時期を逸してしまうという懸念はこの試合が決まったときからあったので、そこは変な空気にならなくてよかったと思います」
──圧倒的優位という声が多い中で、例えば負けてしまったらどうしようとかそういう不安や恐怖はない?
「昔の偉い人が言っていた『出る前に負けること考えるバカがいるかよ』っていうのがありましたけど、自分はそのバカなタイプで(笑)。試合が決まるたびに負けた後のこともいろいろ考えていますし、負けたらどうしようと思っていますし、それに怯えながら日々暮らしていますけど。ただ今回の試合って、みなさんのおっしゃるとおり格差マッチというか自分のほうが格上で、平本選手がMMAの世界では駆け出し、かつそんなに今のところ戦績もよくない状況。萩原選手もそういう立ち位置ではあったんですが、さらに平本選手のほうが駆け出しに近いような立ち位置だと思うのですよね。そこまでの選手とやってもし負けたときに、世間的には何やってるんだみたいなことを言われてしまうかもしれないけれど、そこは気にならないです。あとは、ちゃんと平本選手が俺に勝った時に評価されてほしいなという気持ちがすごくあります。そんなところですかね」