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2022年12月31日の『RIZIN.40』(さいたまスーパーアリーナ)にて「RIZIN vs. Bellator 5対5 全面対抗戦」のカードが10月26日、発表された。その会見で、RIZIN陣営が対抗戦で勝負をかけている、と話題になったのが、RIZIN2戦のキム・スーチョル(韓国)の抜擢だ。
RIZINルールでリングを使用して行われる対抗戦で、バンタム級(5分3R)では、現ROAD FCフェザー級王者のスーチョルが、元Bellator世界バンタム級王者のフアン・アーチュレッタ(米国)と対戦することが発表された。
会見では、大一番に向かうスーチョルのリラックスぶりとユーモアが評判となっている。
2022年9月の『RIZIN.38』で「RIZINバンタム級JAPAN GP 2021」優勝の扇久保博正を判定で破っているスーチョルは、「RIZINの代表として参加できることを光栄に思います。今回、代表になれたこと本当に嬉しいです。実は前回、日本で試合をした時、妻が『試合に勝ったらNintendoのSwitchを買ってあげる』と言っていたんですが、買ってくれませんでした。だから今回の試合に勝って、必ず買ってもらいたいと思います」と語り、会見場を和ませた。
本誌『ゴング格闘技』11月22日号(NO.323)のインタビュー後の撮影では、アーチュレッタ戦で勝利した暁に獲得する予定のNintendo Switchで、「ゲームしたいソフト」を問われ、「やりたいものはいっぱいありますけど……『ゼルダの伝説』『スーパーマリオ』『あつまれ どうぶつの森』の3つは必ずやりたいです」と真顔で語ってくれた。
厳しい緊縮財政が敷かれるスーチョル一家だが、扇久保戦前の復帰まで1年9カ月の空白の期間があり、その不遇の時代を「糟糠の妻」が支えていた。
2019年12月の試合後、一度引退したスーチョルは、「当時、病気をしていて治療しながら、試合(※2021年9月にフェザー級で復帰しパク・ヘジンに一本負け)をしたら負けてしまったので、8カ月かけて療養し、復帰しました(※2022年5月の再戦でTKO勝ちでリベンジ)。復帰したのは奥さんがいたから。口座に50万ウォン(約5万円)しかないときから付き合っていて、引退しても支えてくれていたから、復帰する道に辿り着けたと思っています」と、現在の自身があるのは、妻のおかげだと明かす。
そして、スーチョルには負けられない理由がNintendo Switch以外にもあった。妊娠3カ月になる第一子の存在だ。
試合後に扇久保のタフさを問われたスーチョルは、「ひとつの家庭の家長、そして父親というものがどれほど大きな責任感を持っているか、どれほど強いのかということは自分もよく分かるつもりです。自分も妻が子を宿していますから、扇久保選手にせよ自分にせよ、どちらが勝っても、どちらがパンチをもらっても、どちらもできるところまで耐えていたと思います」と、待望の第一子を授かったことが力になっていると語る。
また、Road FCフェザー級王者となり、扇久保戦からバンタム級に戻して戦う減量では、「死ぬかもしれないと、目の前におばあちゃんが見えるくらい追い込まれました。“もう諦めて、やらなければいいんじゃないか”と言われましたが、それを聞かずに頑張りました」と苦笑いした。