▼バンタム級(61.0kg契約)5分3R
×扇久保博正(パラエストラ松戸)
[判定0-3]
〇キム・スーチョル(韓国)
スーチョルは、ROAD FCを主戦場にONE FC、RIZINでも活躍。一時、引退を表明していたが、2021年9月のROAD FCフェザー級王座決定戦で復帰。パク・ヘジンにギロチンチョークで一本負けしたものの、再起戦となった2022年5月のパク・ヘジンとの再戦では、2Rに左ハイキックを効かせて、左右連打でダウンを奪うとそのままパウンドアウト。リベンジを果たすとともにベルト獲得に成功している。
今回、約6年9カ月ぶりとなるRIZINマットでバンタム級GP覇者の扇久保博正を相手に、韓国最強と言われるその強さを証明するか。この2戦をフェザー級で戦っているスーチョルが、無敵を誇ったバンタム級に戻して戦う動きにも注目だ。
ともにMMAとしての完成度が高く、気持ちの強い両者。打撃のなかの粘り強いテイクダウン、左ハイを得意とするなど、武器も似ているMMAの実力者同士の戦いは、扇久保が怪我をする前に一度、決まりかけていたが、治療を経て、ついに実現することとなる。
扇久保は主催者を通じて、「昨年末2試合を終えて長らくお休みをもらっていましたが、また試合ができる様になるまで心と身体が回復してくれたのでとてもワクワクしています。いま日本の中で一番強いのは間違いなく僕です。この誇りを胸に今後は世界の選手を迎え打ち、家族の為にまだまだ戦っていきたいと思っています。そのスタートとなるのがROAD FCチャンピオンの【キム・スーチョル選手】。きっと、総合格闘技が好きなファンの方にとっては極上の試合になると思います。打、投、極、そして根性、全ての面で僕が勝ちます。日本の皆さん、その姿を見届けてください」との意気込みを発表。
対するスーチョルも、「ROAD FC元バンタム級、現フェザー級チャンピオン・キム・スーチョルです。素晴らしい舞台にふさわしい、いい相手との試合をオファーしてくださって心から感謝いたします。誰よりも激しい戦いをして、RIZINファンの皆様にMMAの面白さをお伝えいたします」と、ともにMMAの最高峰の戦いを見せるとしている。
小走りで入場のスーチョル。扇久保はリングインし、空手の十字を切る。
1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローを突く扇久保。スーチョルは前足を挙げてチェック。詰めるスーチョルに扇久保は右で差して組み。扇久保は右ヒザを突くが、それがローブローに。中断後、再開。
スーチョルの左ミドルを掴んで組む扇久保はヒザ蹴り。右で差して押し込むダブルレッグも、差し上げるスーチョル。互いに左ハイ。ワンツー右アッパーの扇久保に左を当てるスーチョル。しかし扇久保も右を当てて前に! 打撃でもアグレッシブな扇久保。
左右で押し返してきたスーチョルに左で差して押し込み。右は組ませないスーチョルにいったん離れて右! さらに右を突いて再び組みに。払い腰を狙うスーチョル。残す扇久保は左差し。しかしスーチョルは左レバー打ち!
さらに小外でテイクダウンを奪うスーチョルだが、すぐにスクランブルで立つ扇久保。スーチョルは長い左を伸ばして前に。コーナーを出て体を入れ替える扇久保。
スイッチの手をさし入れるスーチョルにバックを奪いに行く扇久保。落としたスーチョルに、すぐに立ち上がる扇久保。そこに左ハイはスーチョル。ブロッキングする扇久保。
2R、左フックを当てて前に出るスーチョル! さらにヒザ蹴りに腰が落ちる扇久保。四つん這いになる扇久保にさらにヒザ蹴り連打! 立ち上がる扇久保は大きく左目を腫らしている。ドクターチェック。
再開。左ローを突く扇久保。スーチョルの右に再び左ヒザを落とす扇久保はシングルレッグも切るスーチョル。オーソから左ミドルを当てる扇久保。しかしスーチョルも左ミドルから左レバー打ち! 当てられた扇久保も押し返すが、扇久保の組みに左も当てる。
右ボディを当てる扇久保! さらに右ローも。しかしスーチョルも左ミドル。スイッチするスーチョルの左サイドキックの打ち終わりに組むが、切るスーチョルはダブルレッグでクラッチ組み、テイクダウン! 下の扇久保はフルガード。そこにヒジを落とすスーチョル。蹴り上げから立ち上がる扇久保。
なおもダブルレッグ。スプロールする扇久保の立ち際にスーチョルはサッカーキックも打つ。右前蹴り、左ハイの扇久保い、スーチョルは左の小外でテイクダウンし、ゴング。スーチョルが大きく制したラウンド。
3R、スーチョルの左右からの詰めにコーナー背に扇久保は右腕でギロチンチョーク! しかし首を抜いたスーチョル! クローズドガードの扇久保は力を使い背中を着いたまま。腰に足を当てて蹴り上げから立ち上がる。
左目が塞がる扇久保は左ミドルを当てる。さらに右ロー。スイッチしたスーチョルは左ミドルをヒット! ワンツーの左を伸ばすスーチョル。扇久保はダブルレッグも切るスーチョルは回る。さらにダブルレッグも差し上げるスーチョルは切る。
右ボディを当て、左フック、右フックは扇久保! しかしスーチョルは左前手でジャブ連打。扇久保はダブルレッグでコーナーに詰めるが右手がロープに挟まる。
スタンドバックにつこうとする扇久保に、スクランブルで立ち上がるスーチョルは扇久保を左右を掻い潜り、ダブルレッグを尻下で組んでテイクダウン! ここでゴング。
判定は3-0でスーチョルがタフファイトを制して勝利。スタンド、グラウンド打撃ともに決定打を当てて、GP王者を下した。
試合後会見で、スーチョルは「今日、2Rでフィニッシュ出来ていたら、堀口恭司選手とやりたいとアピールするつもりでした。いつか堀口選手と対戦したいです」と語った。