四つになったらクレベル、2R目も怖い(佐々木)
一方、今年2月にクレベルと対戦したばかりの佐々木憂流迦(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)は、肌感覚を持って挑戦者の強さを語る。
「クレベルやっと、タイトルやん。“早く獲んなよ”と思っていた。負けた後に(笑)。萩原くんとやって、今回牛久選手と対戦する。『不動の王座』が来るんじゃないかな」と、本命がやってきたとする。
自身のYouTubeの冒頭で語ったのは、ストライカーとしての牛久の強さだ。
「サウスポーの牛久選手はトリッキーで、最近ヒザ蹴りも得意。それとハイキック、後ろ廻し蹴りもあるけど、後ろ廻しは組まれるから怖い。ヒザ蹴りは懸念しています。クレベルは特別タックルが上手なわけじゃない。強引に組むイメージが強いので、ヒザのチャンスがたぶん何回かある。萩原選手も(序盤の組みは)切っていたから」と、クレベルの組み際に、牛久の打撃が当たる可能性を示す。
【写真】ケージレスリングから脇を潜って投げて崩したクレベル。
同時に、牛久が強さを見せる四つ組みで、クレベルも対抗できるほどの力を持つという。
「僕はクレベル選手が勝つんじゃないかと思いますね。ふたを開けたら1Rで極めるんじゃないかと思っています。最初の2、3分くらいで四つの展開から極めてしまうか、もしくは1Rは相手の様子を見て、2Rに極めるか」と、中盤までのクレベルの一本勝ちを予想する。
「牛久選手は、斎藤(裕)選手との試合で四つになる展開が多かったんですけど、四つになったらクレベル、手が長くて滅茶苦茶強かったんで、四つの展開作られたら早めにバックを取られるか、ただ下からの三角(絞め)の仕掛けはもうバレている……牛久選手は寝技も結構強いのかどうか」と、四つ組みになれば、クレベルがバックを取ると予想した。
周囲が牛久の豊富な練習量に裏打ちされたスタミナ面での優位を語るなか、佐々木はクレベルの尻上がりのスタミナも評価する。
「1Rにクレベルを凌いでもスロースターターだから、あまり出して来ない可能性もある。2Rにギアを上げてくるから、だから1R目に2回くらい四つの展開を切ったとしても、2R目も怖いよな、とちょっと思ってしまいます。何にせよ、やたら極め力がすごいから。ほぼ、8、9割極めていて……エグいな」と、自身も先にダウンを奪いながら、2Rにリアネイキドチョークで逆転の一本負けを喫した展開を振り返った。
一方で牛久にも勝ち筋はある、という。
「牛久選手としては、判定まで持っていけたら、全然、勝ち筋はある。クレベルは打撃が意外と拳が硬くて威力がある。牛久選手としては、蹴りを多用して、スイッチをして(相手の立ち位置の)正面にいずにサイドを取っていって。クレベルは追い方が上手くはないので、回れると思う。その中で当たったらいいという判定勝ちを狙う考え方の方がしっくりくるような気がしますね」と、牛久が15分をスタンドで削って勝つ可能性も語った。
佐々木は、勝負は牛久の作戦遂行能力と、クレベルの極め力の戦いにあると語る。
「牛久は、斎藤戦でも試合巧者だったから結構、作戦を練り込んでくる。牛久選手の戦術勝ちか、クレベルが圧倒的な極め力で勝つか。クレベルとやっている俺としては、クレベルの極め力が優ると思います。メッチャいいヤツだけど、僕ももう一回やりたい」
プロファイターを持ってしても予想が異なる、牛久絢太郎vs.クレベル・コイケのフェザー級王座戦、果たして最後にベルトを巻くのは?