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【K-1】優勝は怪物・朝久裕貴をストップしたレオナ・ペタス、大和哲也がダウン奪って初防衛、秒殺KOの金子晃大が鈴木真彦との再戦を希望、玖村将史がコンペットに敗れる、和島大海が初回KO圧勝、ジョムトーン圧巻KO勝ち

2022/09/11 14:09
K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~2022年9月11日(日)神奈川・横浜アリーナ ▼第19試合 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・決勝戦 3分3R延長1R〇レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)判定3-0 ※30-29×3×朝久裕貴(朝久道場)※レオナが優勝、第5代王座に就く。  レオナは1回戦でアヤブ・セギリにダウンを奪われながら3Rで逆転KOに成功、準決勝では大岩龍矢を飛びヒザ蹴りで2RにKOした。朝久は1回戦でナックロップをわずか44秒でKO、準決勝でも横山をわずか37秒でKOと怪物的な強さを見せつけて81秒で決勝まで駆け上がってきた。両者によってトーナメント決勝戦が争われる。  1R、朝久は前蹴りやハイキックから入り込んで大きな左右フックを振る。レオナは前後にステップを踏みながら前蹴り、ジャブ。レオナは朝久が入り込んでくるところで下がり、右ストレートで迎え撃つ。朝久の左右フックをレオナはかわしながら、右ボディストレート。  2R開始直後、レオナの右がヒット。思い切り振る朝久の左右フックがヒットするが、レオナはジャブを打ち返す。両者組みが多く、注意を受ける。朝久の前進を右フックで迎え撃つレオナ、朝久は構わず振り回す。さらに朝久は強い左ロー。レオナは朝久が組んでくるところへヒザ。  3R、左ローから入り込もうとした朝久にレオナの右がクリーンヒットし、朝久のアゴが跳ね上がる。それでも怯まない朝久は前蹴り。朝久が入り込んでくるところへ細かくパンチを当て、ヒザを突き上げるレオナ。朝久は荒々しく前へ出ていくがレオナのワンツーをもらう。左インロー、左ハイ、左フックと前へ出た朝久にレオナが接近戦で右フック。一瞬ヒザが落ちたかのように見えた朝久へレオナが左右フックを連打。  判定は各ジャッジ1ポイント差でレオナ。トーナメントで圧倒的な強さを見せていた朝久をストップして新王座に就いた。  レオナはマイクを持つと「第5代王者になりました。3つだけ言わせてください。今日、弟の結婚式ということで僕は試合で行けなかったので虎於奈おめでとう。そして僕のずっと始めた時から見てくれた半澤トレーナー、池田先生、それと力道場の先生、ありがとうございました。最後に、(亡くなった)かあちゃんとベルトを獲ると約束して去年ベルト獲れなくて今日やっと約束守れて獲ることが出来ました。このベルトをかあちゃんに見せたいと思います。武尊選手、頑張れと言われたから頑張りました、K-1最高っ!」と、時折涙を浮かべながら様々な人たちへメッセージを送った。 [nextpage] ▼第18試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇大和哲也(大和ジム/王者)判定3-0 ※30-28×2、29-28×佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Krush同級王者/挑戦者)※大和が初防衛に成功。  大和は2005年7月プロデビューの33歳。キックボクシングでNJKFライト級王座、WMCインターコンチネンタル同級王座、WBCムエタイ日本同級王座、WBCムエタイ日本スーパーライト級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座を次々と獲得。2014年11月にはサゲッダーオをTKOに破り、同日にタイトルマッチを行った梅野源治と共に日本人初のWBCムエタイ世界王者(スーパーライト級)となった。2010年にK-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメントで全試合KO優勝を果たし、その後はムエタイルールでの試合に専念していたが、2017年4月から新生K-1に参戦。トップクラスには苦戦が続いたが、2022年4月に山崎秀晃を初回KOして第6代王座に就いた。戦績は43勝(32KO)20敗1分。  佐々木は2008年にK-1甲子園でベスト8入り、同年5月にプロデビューし、2016年にKrushライト級王者となった。2018年4月の2度目の防衛戦で同王座を失い、スーパー・ライト級に転向すると同年11月のK-1スーパー・ライト級王座決定トーナメントでは準優勝。2020年2月のKrushで鈴木勇人を破り、ライト級に続いての2階級制覇に成功。7月に近藤拳成を相手に初防衛し、12月のK-1では大和哲也を判定3-0に降している。2021年5月には平山迅を破り2度目の防衛に成功。9月のK-1では元同門の林健太にも勝利、今年2月にはヴィトー・トファネリを破り、6月には寺島輝にTKO勝ちで3度目の防衛に成功し、破竹の10連勝を飾った。戦績は32勝(7KO)17敗1分。  1R、お互いにステップを踏みながら、佐々木はジャブを繰り出していく。大和は頭を振ってパンチをかわし、左インローを蹴る。互いに右ロー。大和が蹴ると佐々木はジャブを合わせに行く。残り30秒を切ると佐々木は左ミドルを2発命中させ、さらに左ローを蹴る。大和は右ストレートを返した。  2R、佐々木の前蹴りで吹っ飛ばされた大和は、右ロングフックを多用し始めるが佐々木の距離のためヒットはない。佐々木はジャブ、右ストレートと自分の距離を保つ。しかし、大和の左ハイがヒット。佐々木はすぐに右ミドル、前蹴り、飛び込んでのワンツーで立て直す。大和も負けじと飛び込んでの右を繰り出す。  3R、互いの距離が一気に詰まり、左右フックが交錯する。大和の思い切り放つ左フックが空を切り、佐々木のワンツーがヒット。大和も右フックからの左フック。佐々木はジャブを打ち、右へつなぐ。大和の左フックで佐々木がグラつき、大和の連打からの右フックで佐々木がついにダウン。足を止めての打ち合いとなり、大和も佐々木のパンチにグラつくが、仁王立ちになってフックを打ち続ける。足を止めての打ち合いは続き、両者ともいつ倒れてもおかしくない状態に。大和は左前蹴り2発から左フック。佐々木は逆転を狙って左右ストレートを打つが、大和も左右フックを打ち返す。  両者の意地の打ち合いで場内が大いに盛り上がる中、試合は終了。判定3-0でダウンを奪った大和が初防衛&リベンジに成功した。  大和はマイクを持つと「ありがとうございました。凄いKOが続いた日でしたがドロドロな判定で申し訳ないです(笑)。前回、秒殺で王者になって防衛戦でしっかり倒して勝ちたかったんですが、やっぱり人生上手くいくものじゃないですね。目標を決めて諦めないことで調和の心を持っているのが大和魂だと思っています。いろいろなことがありますが、大和哲也・34歳まだまだ強くなっています」と語った。 [nextpage] ▼第17試合 スーパーファイト -56kg契約 3分3R延長1R〇金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GPスーパーバンタム級王者)KO 1R 0分40秒 ※右ボディストレート×ジョーダン・スウィントン(イギリス/Look Boral)  金子は第2回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス-55kgで優勝し、2006年9月にKrushでプロデビュー。無敗のまま6戦目で軍司泰斗を破りKrushバンタム級王座を奪取、第3代王座に就いた。卓越したテクニックと攻撃力で9連勝を飾っていたが、2020年3月に玖村将史に判定で敗れ初黒星。  2021年3月に1年ぶりの復帰を果たすと鬼山桃太朗にTKO勝ち、9月は晃貴に初回KO勝ちと連続KO勝利。今年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では黒田勇斗にKO勝ち、璃明武にKO勝ち、玖村将史に判定勝ちしてK-1王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』ではRISE王者・鈴木真彦に判定負けを喫しており、今回が再起戦。戦績は14勝(8KO)2敗。  21歳のスウィントンはムエタイルールを中心に戦い、戦績は10勝(4KO)3敗の新鋭。荒々しいパンチとローキックで突進するファイトスタイルを信条としているという。中村拓己K-1プロデューサーは「スタイル的に金子選手と噛み合うタイプ」と評した。  1R開始10秒、左フックでいきなりダウンを奪う金子。ローを蹴るスウィントンへ強烈な左右フックを繰り出しながら前に出る金子が右ボディストレートを突き刺すとスウィントンは悶絶ダウン。金子が秒殺KOで復帰戦を勝利で飾った。  金子はマイクを持つと「まずはK-1ファンの皆さん、6月に不甲斐ない結果を出して本当に申し訳ありませんでした。今K-1 NEXTと言われていますが僕は他団体の選手に負けていてNEXTとはそのままならないと思っています、6月にやった鈴木(真彦=RISEバンタム級王者)選手と出来るチャンスを欲しいなって思っています。それまでに強くなってまた出来る機会があればと思っています」と、鈴木真彦にリベンジしなければK-1 NEXTにはなれないとし、鈴木との再戦を希望した。 [nextpage] ▼第16試合 -56kg契約 3分3R延長1R×玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/第6代Krushスーパー・バンタム級王者)判定1-2 ※30-29、29-30×2〇コンペット・シットサラワットスア(タイ)  玖村は2018年1月にKrushデビューを飾り、同年に行われた第6代Krushスーパー・バンタム級王座トーナメントで優勝して王座に就いた。2019年6月にはK-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメントに参戦するも決勝で武居由樹に敗れる。同年11月には林勇汰を破りKrush王座の初防衛に成功。2020年3月には無敗の金子晃大と注目の大一番を戦い、勝利を収めた。9月の2度目の防衛戦でも軍司泰斗を退け、2021年3月にはダウサコンを2RでKO撃破。今年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では決勝で金子に敗れて王座戴冠ならず。6月の『THE MATCH 2022』では那須川天心のライバル・志朗から右フックでダウンを奪い勝利を収めた。戦績は20勝(10KO)4敗。  コンペットはルンピニースタジアム認定フライ級&バンタム級の2階級制覇、元タイ国プロムエタイ協会ライトフライ級王者、BBTV(7チャンネル)フライ級・ライトフライ級・フェザー級の3階級を制覇したムエタイ6冠王。ここ数年はフェザー級トップ選手として君臨し、上の階級の選手とばかり試合を組まれたことも。“フィームー”と呼ばれる離れて戦うテクニシャンタイプであるが、激闘の多さで有名な7チャンネルで戦ってきた、打ち合いも出来る万能型である。  かつて『ゴング格闘技』の企画で「武居由樹と戦わせたいムエタイ戦士5人」という企画で、当時K-1スーパーバンタム級王者だった武居の対戦相手に推薦していた選手でもある。まだ22歳の若さで戦績は79勝(12KO)16敗3分。  1R、圧をかけていく玖村は左ボディを叩き、左ミドルも蹴る。コンペットはジャブを出し、時折右のストレート&フックも見せる。カウンター狙いで両者のパンチが交錯する場面も。玖村の左フックへすぐに右フックを返すコンペット。何度も右ストレートが交錯する。魔裟斗も「非常に緊張感のある1Rでしたね」と評した1Rが終わった。  2R、コンペットの強い右ローは玖村がスネでカット。再び圧をかけていく玖村にコンペットはワンツー。玖村が右カーフを蹴れば、コンペットもすぐ右ローを蹴り返す。玖村の右ローに連打を返すコンペットだが玖村のガードは固く、すぐに右カーフを玖村が蹴り返す。お互いに右ストレート、左フックを繰り出すがなかなかクリーンヒットには至らない。  3Rも前に出る玖村へコンペットは右ローを返す。さらにワンツー。右ストレートには互いにカウンターを狙い合って交錯する。玖村は右カーフ。コンペットは左フック、ワンツー。玖村は左ボディ、左フック。コンペットはジャブ、右ストレートを当て始める。玖村のパンチは回り込んでかわす。玖村の右ストレートでコンペットは大きく仰け反る。ジャブを当てに行くコンペットは攻撃を当てるとすぐに移動して玖村のリターンをかわす。伸びる右ストレートをもらってしまう玖村。前へ出るがコンペットは自分の距離を保つ。コンペットが3連打、玖村の右ストレートからの左フックは空を切る。  判定は2-1でコンペットが勝利。魔裟斗も「強い。継続参戦を見たい。K-1向きのムエタイ選手ですね」と太鼓判を押したコンペットが玖村の勢いをストップした。 [nextpage] ▼第15試合 スーパーファイト K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇和島大海(月心会チーム侍/K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者)TKO 1R 1分34秒 ※レフェリーストップ×メレティス・カコウバヴァス(ジョージア/ICO Infusion-70kg欧州王者、FFC-70kg王者、KGP-70kg王者、IFP-72kg世界王者)  和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りで2020年3月の第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントではアワターン、城戸康裕を破って決勝へ進出するも、木村“フィリップ”ミノルに敗れて準優勝。9月のK-1ではラーシーシンをローキックでKO撃破、12月は藤岡裕平を左ハイキックで初回KO、そして2021年7月には木村からダウンを奪って苦しめたアビラル・ヒマラヤン・チーターを3Rにローキックで仕留めて3連続KO勝ちを飾ると、12月に木村に挑戦して左ミドルでKO勝ち、K-1王座に就いた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では“ブラックパンサー”ベイノアから3度のダウンを奪う圧勝を遂げている。戦績は17勝(14KO)4敗。  メレティスは筋骨隆々の身体から繰り出される強烈な右ロングフックを武器に衝撃的なKO勝利を連発。過去にジョーダン・ピケオーにも勝利するなど、ヨーロッパの70kgでナンバーワンのハードパンチャーという呼び声も高い。ファンの間ではそのファイトスタイルと風貌から“欧州の木村“フィリップ”ミノル”と呼ばれ、かねてからK-1参戦が熱望されていたファイターだ。身長179cm。ICO Infusion-70kg欧州王者、FFC-70kg王者、KGP-70kg王者、IFP-72kg世界王者。戦績は42勝(35KO)7敗。  1R始まってすぐ、サウスポーの和島が放った左ローがローブローに。かなり強烈に入ったがメレティスは立ち上がって試合続行の意思を見せる。インターバルが与えられ、試合再開。右インローを蹴るメレティスにすぐ左インローを返す和島。  カウンターの左前蹴りをボディへ槍のように突き刺した和島は左ハイも浅くだがヒットさせる。メレティスの突進をバックステップでかわしての左ストレート、もう一発左を打ち込み最後は右フック。  ダウンから立ち上がったメレティスだが、レフェリーは様子を見てストップ。和島がメレティスの良さを出させずに圧勝を飾った。  和島はマイクを持つと「メレティス選手、日本へようこそ。今日はこんな感じやったんですけれど、何回やっても僕が勝つのでまた日本へ来てください。今日はヘラヘラしようと思ったんですが、テンションがアレなので今日はこの辺で終わっておきます」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼第14試合 K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R×アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場)KO 1R 3分02秒 ※左ハイキック〇ジョムトーン・ストライカージム(タイ/ストライカージム)  アビラルは2016年1月に来日。2020年1月にHEATキックルールミドル級王座を獲得し、9月には初防衛にも成功している。12月のK-1両国大会で初参戦を果たすと、1Rに木村“フィリップ”ミノルから打ち下ろしの右でダウンを奪い、2Rに逆転TKO負けを喫したものの大きなインパクトを残した。その後は連続初回KO勝ちで波に乗っていたが、2021年7月のK-1では和島大海のローキックで3RにKO負け。10月にホームリングであるHEATでの再起戦で、藤村大輔を1Rわずか57秒でTKOに追い込み2度目の防衛に成功すると2022年2月にはK-1で松下大紀に初回KO勝ち。5月にはHEATでムエタイのラーシーシンに初回KO勝ちしている。  ジョムトーンはラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王座を14歳で獲得すると、フェザー級、スーパー・フェザー級、ウェルター級の4階級制覇を達成。WBCムエタイでも世界フェザー級、世界スーパー・フェザー級、世界スーパー・ライト級と3階級を制覇。WMCでも世界フェザー級王座を獲得している。  日本では2004年11月に新日本キックの2階級制覇王者・菊地剛介にK-1ルールで判定勝ち、2011年10月に大和哲也にムエタイルールで判定勝ち、2019年8月には日菜太からダウンを奪っての判定勝ちを収めている。また、増田博正やT-98、アトム山田にも勝利。他にもアヌワット、ゲーオ、ノンオー、サゲッダーオ、シントンノーイ、イ・ソンヒョン、ダビット・キリアら強豪からも勝利した。ムエタイの戦績は206勝(46KO)42敗4分。  さらにボクシングでは初代WBC全アジア・スーパー・フェザー級王座、わずか4戦目で第41代OPBF東洋太平洋スーパー・フェザー級王者となり、2015年5月にはWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志にも同級世界7位として日本で挑戦した(2RでKO負け、内山10度目の防衛)。プロボクシングの戦績は9勝(4KO)1敗。  1989年7月生まれの33歳だが、ラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王座を獲得して4階級制覇を達成したのは2020年1月のこと。まさに“生ける伝説”と呼ぶにふさわしい選手だ。  1R、サウスポーのジョムトーンはハイキックから入ってワンツーを打ち込む。ジャブでコントロールし、ワンツーから左ロー、左ストレート。アビラルは思い切って打ち合いに行き左フックを当てるが、ジョムトーンはその場にとどまって打ち合う。互いにジャブを出し合ったその次の瞬間、ジョムトーンのいきなりの左ハイキックが炸裂。アビラルは片腕でガードしていたが、その上からもらってもダウン。続いて、バックハンドブローを空振りして回転したアビラルへ的確な左フック。大きくグラついてアビラルがロープにもたれかかったところで左ハイの一撃が強烈に決まり、ジョムトーンのKO勝ちとなった。  ジョムトーンはマイクを持つと「僕はリングに帰ってきました。これから70.0kg、67.5kg、65kgの王者になりたいと思います」と、K-1でも3階級制覇を達成すると宣言した。 [nextpage]  第2代K-1 WORLD GP スーパー・フェザー級王者の卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)の引退セレモニーが行われた。  卜部は2007年7月29日、18歳で全日本キックでプロデビュー。2011年4月、トーナメントを制して初代Krushスーパー・フェザー級王者になると3度の防衛に成功、同王座は4度目の防衛戦で失うが、2014年11月に第4代王者として返り咲く。2014年5月にはフランスでISKAオリエンタル世界スーパーライト級(-63.5kg)王座も獲得した。  2015年11月には弟・卜部功也との兄弟対決に勝利して、第2代K-1スーパー・フェザー級王座に君臨。2017年2月の初防衛戦に敗れるとフェザー級に転向。2019年3月、2階級制覇を目指して村越に挑戦したが判定負けを喫した。11月の「K-1 WORLD GP第3代フェザー級王座決定トーナメント」では準決勝で敗退。約1年ぶりの試合となった2020年12月の才賀紀左衛門戦では反則負け。2021年9月の再起戦では芦澤竜誠に敗れ、2022年2月には島野浩太朗にKO負け。これが最後の試合となった。生涯戦績は37勝(18KO)20敗3分。妻はモデルの高橋ユウ。  関係者、弟の卜部功也、弟分の武尊、そして妻からの花束を受け取った卜部は「このリングで新生K-1旗揚げ当初じゃなくもっと前からたくさん戦ってきました。この景色もたくさん見てきたんですが、今日で最後になると思うといろいろ想うことはあります。K-1ファンの皆さん、そして僕のことを応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました」と最後のメッセージ。  スッキリした表情で10カウントゴングを聞き、現役に別れを告げた卜部。リングから出ると一度リングを振り返り、花道を歩いてファンからの歓声に応えた。 [nextpage] ▼第13試合 スーパーファイト K-1スーパーヘビー級 3分3R延長1R〇シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM)KO 1R 1分21秒 ※左ストレート×実方宏介(真樹ジムAICHI)  1R開始と同時に前へ出て左フック、前蹴りと威圧感を与えていくカリミアン。左右の連打ラッシュからヒザ蹴り、そしてまた連打の左でダウンを奪うと左ロー連発からの左ストレートであっさりと決着をつけた。  カリミアンはマイクを持つと「キツい練習の成果が出た。練習環境を変えるためにオランダでキャンプを積んできた、その成果が試合に出たと思います。THE MATCHではガッカリさせるような試合内容だったので、今回はガッカリさせないような試合をしようと思いました。もし誰かが希望するなら、このままもう1試合することも可能です」と勝ち誇った。 [nextpage] ▼第12試合 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R延長1R〇朝久裕貴(朝久道場)KO 1R 0分37秒 ※2ノックダウン×横山朋哉(リーブルロア)※朝久が決勝へ進出。  1回戦でナックロップをわずか45秒でKOした朝久と、スタウロスをハイキックでKOした横山が準決勝を争う。  1R、サウスポーの朝久は突き刺すような左前蹴り、左ロー、そして横山の左フックをかわしながらの左フックでさっそくダウンを奪う。横山が立ち上がると左前蹴り、その飛び込んだ勢いで左ストレートを打ち込み、ダウンを追加してまたも秒殺KO。朝久が全くのノーダメージでレオナが待つ決勝へコマを進めた。 試合後、横山は1回戦で左足を痛めていたことを告白した。 [nextpage] ▼第11試合 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R延長1R×大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangライト級王者)KO 3R 0分12秒 ※右飛びヒザ蹴り〇レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)※レオナが決勝へ進出。  1回戦でアダム・ブアフフに判定勝ちした大岩と、アヤブ・セギリにダウンを奪われながらも逆転KOに成功したレオナで準決勝が争われる。両者は2020年7月にKrushタイトルマッチで対戦し、王者レオナが判定勝ちで大岩からタイトルを守って武尊との対決を実現させた。  1R、ジャブを突くレオナに大岩はじりじりと前へ出て右ロー、右フック。レオナは止まった状態で前手の左手を下げて“打ってこい”と誘う。レオナは左インロー、飛び込んでの左ボディ。ジャブを多用するレオナに大岩はガードしたままでなかなか手を出すことが出来ない。リーチの差が出た試合展開に。  2R、レオナはジャブを突きながら前へ出ていく。右カーフ、左フックも。下がる大岩は両腕ブロックを固めてヒットは奪われないもののなかなか手が出ない。それに対してレオナはジャブをガードの上から当て、右ボディ、右カーフ。ガードを固めたまま前に出る大岩へレオナがテンカオのカウンター。大岩は思い切って右フックを振るが空を切る。左右フック&左ボディで追い詰めようとした大岩だが、レオナは冷静にジャブを突く。笑みを浮かべるのは大岩。  3Rが始まった直後、レオナは飛び込んで左フックを打ったかと思ったが、そのままふわっと舞い上がるようにジャンプして飛びヒザ蹴り。これが見事に決まり、大岩はバッタリと倒れてそのままレオナのKO勝ちとなった。  鮮やかなKO勝ちでレオナが決勝進出一番乗りを果たした、 [nextpage] ▼第10試合 tvk開局50周年記念試合 -58kg契約 3分3R延長1R×西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)延長R 判定1-2 ※10-9、9-10×2〇森坂 陸(エスジム)※本戦の判定は30-29、29-30、29-29。  西京はアマチュア時代から活躍し、2014年に16歳でプロデビュー。2015年にK-1甲子園で優勝。2017年6月のK-1で小澤海斗に勝利すると、続く10月のKrushでは小澤の持つベルトに挑み、再度勝利して第3代Krush-58kg王座に就いた。2018年3月のKrushで村越優汰に判定勝ちして王座防衛し、6月の「第2代K-1代フェザー級王座決定トーナメント」では朝久裕貴、芦澤竜誠を下して決勝に進出するも、足を負傷して村越優汰に無念のTKO負け。2019年1月の防衛戦で江川優生に敗れてベルトを失い、6月のK-1でホルヘ・バレラをKO。11月の「第3代フェザー級王座決定トーナメント」に参戦。1回戦のアーサー・メイヤー戦で先制のダウンを奪い、試合を有利に進めるも左足骨折のアクシデントで無念のTKO負けを喫した。今回はそれ以来となる約2年10カ月ぶりの復帰戦。戦績は15勝(5KO)5敗。  森坂は2017年5月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2019年3月にはK-1出場も果たしている。2017年7月には現K-1フェザー級王者・江川優生から勝利を収めた戦績が光る。2020年には「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」に出場して決勝まで勝ち上がったが、決勝で新美貴士に敗れて王座を逃した。3月のK-1では軍司泰斗に判定負け、12月のK-1でも斗麗に判定負けと3連敗を喫したが、2022年4月のKrushで竹内将生に判定勝ちして連敗を脱出した。7月30日のKrushで亀本勇翔から判定勝ちしたばかり。戦績は14勝(3KO)12敗2分。  1R、サウスポーの西京はステップから入ってくる森坂を左ストレート、左ミドル、左インローで迎え撃つ。前へ出ていくのは森坂だが入ってくるところをワンツーで迎え撃つ西京。変則的な動きを見せる森坂に、西京は慎重な出足だ。  2R、西京が右ローで先手をとるが、森坂が前へ出て間合いを詰めていく。森坂のローブローで中断後、再開しても前へ出るのは森坂。左右フックに西京は左フックを返す。躍動感のある動きから蹴りや左右フックを打つ森坂に、西京は被弾はしないが手数が少ないか。ジャブを突きまくり、森坂の前進をかわす西京。森坂は右ミドルを当てると右ストレート。  3Rも右を当てに行く森坂はバックハンドブローも見せる。西京はジャブ、左ストレート。森坂もフックをガードの上から叩きつける。右ミドルを当てる森坂に西京がワンツーでヒットを奪う。前に出る森坂に西京は左ストレートを狙い撃ちにする。打ち合いになったところで森坂の左フックが命中。森坂は前に出て打ち合いに行き、西京はノーガードになって挑発するが右フックをもらってしまう。“効いてないよ”と笑みを浮かべた西京も打ち返しに行った。。  本戦の判定は三者三様のドロー。延長戦へ突入する。森坂の右ローにワンツーを合わせる西京。森坂は変わらず前へ出て西京のガードの上からパンチを叩きつける。下がる西京は左ミドルを蹴り、ジャブで距離を開けると左ストレート。森坂はそれでも前へ出て左右フックを繰り出す。手数を出して前へ出て行く森坂は有効打はなくても攻めの印象。西京は手数が減り、判定2-1で森坂がK-1での初勝利を奪った。 [nextpage] ▼第9試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R〇林 健太(FLYSKY GYM/第3代K-1 WORLD GPライト級王者)KO 1R 1分42秒 ※×小嶋瑠久(PURGE TOKYO)  1R、前に出る林がジャブを突き、小嶋は圧を受けながらもジャブを返す。ジャブの打ち合いから右が交錯し、林は右ローと右ヒザも蹴る。距離がかなり近い両者。小嶋が右ストレートを当てるが、林は前へ出てジャブを突いていき、小嶋をコーナーへ追い詰めると踏み込んでの左フック一閃。小嶋は座り込むようにダウンし、そのまま林のKO勝ちとなった。  快勝を収めた林は「世界王者になって周りの世界王者と比べて林はへたくそや、大したことないと言われるのが悔しくて上手な王者になろうとしたんですが、それが失敗して。これからガンガンイケイケのスタイルを取り戻して頑張ります」と、原点回帰で再スタートをきると語った。 [nextpage] ▼第8試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R〇不可思(クロスポイント吉祥寺/KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者)TKO 3R 2分47秒 ※レフェリーストップ×大野祐志郎(ALL-WIN team 華王州)  1R、右ローの蹴り合いから大野が右ストレートを打つと不可思は左をかぶせて右へつなぐ。そして右カーフの蹴り合い、不可思は右ローを蹴りながら前へ出て右ストレート、大野は下がりながらもワンツーで迎え撃つ。右カーフを狙い撃ちにする大野だが、不可思は構わず前へ出て右ストレートを打っていく。  ゴリエがスペシャルラウンドガールを務め、場内を盛り上げて2Rへ突入。同じく不可思は右ローを蹴って右ストレート、近付くと飛びヒザ蹴り。大野はスイッチしての左ストレートをヒットさせる。下がりながらもジャブ、ボディを当てる大野に不可思は前へ出続けてワンツー・ロー、右ミドル。不可思がコーナーへ詰めてパンチの連打も。手数とアグレッシブで不可思が上回る。ボディも打ち、ラウンド終了間際にハイキックからワンツーの右ストレートでダウンを奪う。  3Rも前へ出るのは不可思。右ミドルで削り、ワンツー・スリーにつなぐ不可思。大野のフックを被弾しながらも不可思は手を止めず、右ストレート、左ボディ、右ローを次々と当てていく。コーナーで不可思の連打を浴びた大野は押されて倒れるが、なかなか立ち上がれずダウンを宣告される。フラフラの大野へさらに右ハイが決まったところでレフェリーがストップ。不可思のTKO勝ちとなった。  不可思はマイクを持つと「K-1 NEXTつって武尊が休んでいる間に誰が目立つかみたいな感じだけど、俺のこと忘れんじゃねえよ」とアピール。最後はゴリエとのツーショットに収まった。 [nextpage] ▼第7試合 -75kg契約 3分3R延長1R×松倉信太郎(team VASILEUS/KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王者)KO 延長R 2分10秒 ※右フック〇神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)※本戦の判定は28-28×2、29-28。  松倉はK-1甲子園70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場を『RISE』に移し、『RIZIN』にも参戦。2019年7月にイ・ソンヒョンとRISEミドル級王座を争うも、5R判定負けで王座戴冠を逃した。2020年9月の『スックワンキントーン』ではWPMF世界スーパーミドル級王座を獲得。12月にT-98を判定3-0で降し、2021年3月にトーナメントを制してKNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王座に就いた。10月にはK-1クルーザー級トーナメントに出場した武来安をKOしている。2022年4月にK-1に復帰するとジュリオ・セザール・モリに判定勝利。戦績は33勝(17KO)16敗。  神保はK-1アマチュアを経て2015年6月にKrushでプロデビュー。2019年6月にはKrushスーパー・ウェルター級王者ジョーダン・ピケオーに挑戦したことも。2020年3月には「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」に抜擢されたが、1回戦敗退。2021年3月より-75kgの階級設立をアピールして体重を上げると、ジュリオ・セザール・モリに判定勝ち、ブハリ亜輝留にKO勝ち、EITOにKO勝ち、そして今年2月にはダニロ・ザノリニに判定勝ち、5月に植村真弥にKO勝ちして5連勝。戦績は14勝(7KO)6敗1分。  1R、鋭い目つきで松倉を睨み付ける神保。松倉のセコンドには親友である武尊が就く。試合が始まると鋭いワンツー、コンパクトな左フックを打つ。松倉は狭いスタンスでじりじりと前へ出るが、前後にステップする神保がパンチを当てていく。松倉が左ミドルを蹴ると右ボディストレートを打つ。神保の伸びるワンツーに下がる松倉。右ストレートをもらって仰け反ってしまう。松倉は右カーフから、打ち合いに来た神保に左右フックで対抗。  2R、神保は左ボディから左フックのダブル、左フックから右ストレートとコンパクトなパンチを当てていく。松倉の右カーフには右ハイだ。松倉の左フックには強烈な左ボディのカウンター。さらにまたも右ストレートで松倉を仰け反らせる。松倉は左フックからの右ストレートで打ち合い。松倉もカウンターを打つが神保のスピードが上回る。松倉はジャブでも仰け反る。  3Rも松倉の左フックに左ボディを合わせ、右ストレートで仰け反らせる神保。シャープでコンパクトなスピードのあるパンチに松倉は対応できていない。思い切り左フックを打つ松倉だがすぐに神保が右ストレートを返す。神保のジャブで左目が腫れて右目上から出血する松倉。強打を返す松倉だが、明らかに回転力とスピードで神保が上回り、松倉を仰け反らせる。そして残り30秒、両者が足を止めての打ち合い。ここで松倉が右ストレートをヒットさせ、さらに打ち合いへ持ち込んで左フックでダウンを奪う。  執念でダウンを奪った松倉だが、判定はドロー。延長戦へ突入する。松倉はワンツーで前へ出て右カーフ、神保はジャブを突く。ガードのインから打つ神保のワンツー、左ボディがヒット。松倉もジャブから左右ボディ。お互いにジャブを当て合う中、松倉にドクターチェックが入る。左フックと右ストレートを狙う松倉に、神保は打ち合いの中でよく見ながら左右アッパーをヒットさせていき、左アッパーからの右フックでダウンを奪う。さらに神保のかわしながらの右ストレートからの左フック、頭を下げながらの右フックで松倉は2度目のダウン。神保の見事なKO勝ちとなった。  神保はマイクを持つと「押忍、神保です。75kgいいでしょう、俺マジ頑張ったよ。新階級これでいいでしょう」と、今度こそ75kgの階級をK-1に新設して欲しいとアピールした。 [nextpage] ▼第6試合 -75kg契約 3分3R延長1R〇ダニロ・ザノリ二(ブラジル/ブラジリアンタイ)判定2-0 ※29-29、30-29×2×パク・ヨハン(韓国/ZEEK GYM)  ザノリニはブラジルから日本に移住し、スーパー・ウェルター級戦線で活躍。K-1 MAXで佐藤嘉洋とも対戦し、ISKA世界スーパー・ウェルター級王座、第2代HEATキックミドル級王座、第2代HOOST CUP日本ミドル級王座、初代RISEウェルター級王座と4本のベルトを巻いた。ブラジル人ファイターが多く籍を置くブラジリアンタイの代表も務め、今では国内に11支部、ブラジルにも11の道場を持つ。2019年8月にはRIZINでジョン・ウェイン・パーに勝利。しばらく試合から離れていたが2022年2月27日のK-1東京体育館大会に現役ファイターとして参戦。神保克哉に判定負けを喫した。戦績は43勝(24KO)13敗。  対するヨハンは初代KROSS×OVERクルーザー級王者で、現在は-75kg戦線で活躍。6月のKrush後楽園大会では鈴木健太郎から勝利を収めている。戦績は8勝(1KO)5敗2分。  1R、手足が長いヨハンは左ミドルを連発、ザノリニはパワフルな右ローから前へ出て圧をかけ、右フックを思い切り繰り出す。  2Rも同じ展開だが、ザノリニがさらに距離を詰めて右フックを強振。ヨハンはザノリニが入ってくるとヒザを突き上げる。フックを振り回すザノリニにヨハンの右ハイが軽くヒットするが、ザノリニの勢いは衰えず右カーフを蹴って左右フックを強振する。パンチの回転力を上げて顔面、ボディを攻めるザノリニ。  3Rも前に出るザノリニは右フックを叩きつけ、左右ローを蹴る。ヨハンもローとヒザ蹴りを蹴り返すが、ザノリニの右カーフに足が流れる。右カーフを蹴られるヨハンはその左足でヒザ。前へ出るザノリニだが最後はヨハンが右ストレートをヒットさせて左右ストレートのラッシュを仕掛ける。  最後は危ない場面があったザノリニだが、判定2-0で勝利。ベテラン健在を示した。 [nextpage] ▼第5試合 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・一回戦(4) 3分3R延長1R〇横山朋哉(リーブルロア)KO 3R 1分41秒 ※左ハイキック×スタウロス・エグザコスティディス (ギリシャ/Nasos/Mejiro Gym)※横山が準決勝へ進出。  横山はK-1甲子園2017 -60kg準優勝の実績があり、プロ戦績は7勝(3KO)2敗。2018年6月からK-1 JAPAN GROUPの大会に出場、抜群の破壊力で4連勝(3KO)と快進撃を続けていたが、2019年8月の試合で朝久泰央に敗れた。2020年2月には中島千博と好試合の末に判定勝ちして再起を飾ると、9月には第8代Krushスーパー・フェザー級王者の西京佑馬に判定勝ちするなど5連勝。「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」では優勝候補と目されるも、2022年1月の決勝で中島千博にリベンジを許した。6月に石田勝希から合計3度のダウンを奪う判定勝ちで再起を飾っている。戦績は12勝(6KO)3敗。  スタウロスはこれまでWKBC・WAKO・ISKAの世界タイトルを獲得し、2017年9月のK-1初参戦では元スーパー・フェザー級王者の大雅ををKOする波乱を起こした。2017年11月に小宮山工介に判定負け、2018年3月『K'FESTA.1』の「第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」では一回戦で武尊に惜敗。同年9月にはスプリット判定で皇治に敗れた。しばらくK-1参戦が途絶えていたが、2019年6月にK-1でも活躍していた闘士の引退試合の相手を務めて復活の勝利。12月のK-1名古屋大会では大岩龍矢に判定で敗れた。今回は約3年ぶりの来日となる。戦績は33勝(12KO)11敗。  1R、サウスポーの横山は左ロー、左ミドル、左前蹴りと左の蹴りを多用。スタウロスが左フックで入ってくると右フック、ワンツーを合わせる横山。距離を詰めて横山にロープを背負わせるスタウロスは右フックを連続ヒット、横山も左フック、左ミドル、飛びヒザ蹴りで反撃する。  2R、左の長い蹴りを多用する横山は、左右フックから奥足への左ロー。この左ローが何度も決まる。スタウロスの振りの大きなフックはしっかりブロックし、右フックから左ストレート、そして左の蹴りをロー、ハイと蹴り分ける。横山の左右フックからの左ロー。スタウロスは入り込むたびにヒザやワンツーをもらい、ほぼ一方的な展開に。  3Rも距離を支配するのは横山。逆ワンツー、左ロー、左フックで攻め、スタウロスが入り込もうとするとステップで離れる。さらに近付いてくるとヒザを突き上げる横山。スタウロスは何も出来ず、ほぼ一方的な展開に。最後は左ハイをクリーンヒットさせ、スタウロスは失神。横山が鮮やかなKO勝ちで準決勝へ進出した。 [nextpage] ▼第4試合 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・一回戦(3) 3分3R延長1R〇朝久裕貴(朝久道場)KO 1R 0分44秒 ※左ボディブロー×ナックロップ・フェアテックス(タイ)※朝久が準決勝へ進出。  朝久は父であり、朝久道場の朝久篤館長のもとで5歳から空手を学び、10歳の時にキックボクシングの練習を始めた。2015年からKrushに参戦し、無尽蔵のスタミナから繰り出すパンチ&蹴りのラッシュで小澤海斗や佐野天馬から勝利を収めている2016年からは中国の格闘技イベント『武林風』に定期参戦し、中国でも活躍。2018年3月には武林風WLF -60kg級王座決定トーナメントで優勝を果たした。2020年11月にはK-1で大岩龍矢に判定3-0の完勝を収め、2021年9月にはMOMOTARO、2022年4月には村越優汰を共に1Rでマットに沈めている。戦績は23勝(8KO)7敗。  ナックロップはウィラサクレック会長の推薦を受けて出場が決まったムエタイ選手。「いい意味でムエタイらしくないアグレッシブで攻撃的。テレビマッチが主戦場でBBTVのライト級2位。倒し倒されの試合で会場を沸かせるのでK-1ルール向き。ウィラサクレック会長の元で練習を積んで挑むことになり、ゴンナパー選手が弟の朝久泰央選手に敗れているのでウィラサクレック会長も燃えている」と中村プロデューサー。戦績は65勝(12KO)10敗1分。  1R、朝久がいきなり強い攻撃でラッシュを仕掛け、左三日月を突き刺す。下がるナックロップに左右フック、さらに三日月を突き刺して左ボディの2連発でナックロップに何もさせず秒殺KOで準決勝へコマを進めた。 [nextpage] ▼第3試合 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R延長1R〇レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)KO 2R 1分01秒 ※2ノックダウン×アヤブ・セギリ(モロッコ/スペイン)※レオナが準決勝へ進出。  レオナは“石の拳”と称される強打を武器に、大雅、山本真弘、朝久泰央、小宮山工介らを撃破。2019年9月には西京佑馬を下して第9代Krushスーパー・フェザー級王座に就き、12月には山本直樹をKOして初防衛に成功。さらに2020年3月、村越優汰をも3Rにマットに沈めてKO勝ち。7月には武尊の盟友である大岩龍矢を判定に下して2度目の防衛に成功したが、2021年3月に武尊と大激闘の末にKO負けして連勝は「9」でストップ。武尊に敗れた後タイトルは返上し、12月に-61.5kg契約でマキ・チャーチャイにダウンを奪って判定勝ちしたが、2022年6月の『THE MATCH 2022』では中村寛と62kg契約で対戦して判定負け。戦績は29勝(12KO)7敗1分。  セギリは過去にK-1 WORLD MAXで魔裟斗とも激闘を繰り広げたアルトゥール・キシェンコの元で練習を積んでいる。固いガードと前に出る圧力を活かした手数の多いファイトスタイルで、スピーディーなパンチとタイミングよく繰り出す回転技が武器。スペインの国内タイトル、ISKAのインターナショナルタイトルを獲得。オーソドックスで戦績は10勝(8KO)3敗。  1R、長い距離でジャブを繰り出すレオナはいきなり左フックをヒットさせる。左手を下げたデトロイトスタイルで構えるレオナへセギリは飛び込んでの右フックをヒットさせる。前後へステップを踏んで飛び込みのジャブを出すレオナへ、セギリは体勢を沈ませて潜り込んでの左から右フック。レオナはヒザを突き刺す。ジャブを次々と命中させるレオナだったが、ラウンド終了間際、セギリが左フックを空振りしたと見せかけての右バックハンドブローでダウンを奪った。  2R、ローの蹴り合いからレオナが右ストレートを繰り出すがセギリは頭を振ってかわす。ならばとレオナは距離を詰めて連打を見舞うと右フックでダウンを奪い返す。思い切り左フックを振り回すセギリをレオナはステップでかわし、連打からクリンチ状態になるとセギリを押し倒し、ロープで後頭部を強打したセギリはダウンしたまま立ち上がれず、レオナが2ノックダウン(トーナメントルール)で大岩の待つ準決勝へコマを進めた。 [nextpage] ▼第2試合 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・一回戦(1) 3分3R延長1R〇大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangライト級王者)判定3-0 ※30-29、30-28×2×アダム・ブアフフ(モロッコ/ISKA世界ライト級王者)※大岩が準決勝へ進出。  大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にスタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠に勝利。しかし、2020年7月にKrushスーパー・フェザー級王者レオナ・ペタス、11月のK-1福岡大会で朝久裕貴にも敗れて連敗。2021年3月のKrushで山本直樹にKO勝ちして再起を果たすと、11月の『Super Bigbang』で琢磨に勝利し、第4代Bigbangライト級(-61.23kg)王座に就いた。2022年4月には江川優生にも判定勝ち。戦績は21勝(7KO)8敗。  ブアフフはISKAヨーロッパ代表からの推薦選手で、身長171cm、19勝(10KO)無敗の戦績を持つ31歳。オーソドックス。ISKA世界ライト級王座、WKU世界スーパー・フェザー級王座、TAKEDOWN FCスーパー・フェザー級王座の三冠を保持する。テコンドーやアマチュアボクシングの大会でも活躍し、フルスイングのパンチと変則的な蹴り技を得意としているという。2020年3月に武尊とK-1&ISKAダブルタイトルマッチで対戦することが決まっていたが、新型コロナウイルスの影響で来日がかなわず幻と消えた。  大岩のセコンドには武尊が就く。1R、左右に構えをスイッチするブアフフは叩きつけるようなロー、大岩も右ローを返して右ボディブロー。左インローを蹴り、思い切り右フックを叩きつけて離れるブアフフ。かなり変則的な動きを見せ、左インローからの左カカト落としも繰り出す。ブアフフの左ハイに右カーフを返すブアフフ。大岩は右ストレートで前に出る。  2R、右から飛び込む大岩は近付くとヒザ蹴り。ブアフフは荒々しく左右のパンチを繰り出し左ハイ。大岩は右フックから右アッパーのコンビ、前へ出て右ミドルをフェイントに右フック。よく動くブアフフをなかなか捉えきれないが、右は当てていく。  3R、前蹴りを連発するブアフフに大岩の右フックがクリーンヒット。下がるブアフフに大岩が詰めるがブアフフはキャッチしての攻撃で注意を受ける。右から飛び込む大岩にブアフフはジャブを突き、前に出てくる大岩は下がりながらのワンツー。前に出る大岩へ左ハイを蹴るブアフフ。ヒヤッとした大岩だがすぐにプレスをかけて前へ出る。動き回りながら右アッパーをヒットさせたブアフフだが、大岩のプレスから逃れるだけの展開が続く。残り10秒で大岩がパンチをまとめにかかるが、ブアフフもハイキックを放ち試合終了。  判定3-0で大岩が準決勝へ進出、ブアフフに初黒星をつけた。 [nextpage] ▼第1試合 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R×山本直樹(K-1ジム五反田チームキングス)判定0-3 ※27-30×3〇西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)※西元がリザーバーに決定。  兄・山本優弥の優弥道場を離れ、K-1ジム五反田チームキングスに移籍した山本が移籍初戦。KO率92.3%を誇る“KOマシーン”の異名を持つ西元とリザーブファイトを争う。  1R、ジャブを突く西元に山本は右カーフ。山本はジャブ、蹴りを上に振って右カーフを狙い撃ち。西元はジャブを打ちながら前へ出て、左インカーフで山本がバランスを崩すと一気にラッシュを仕掛ける。西元が左三日月を突き刺し、強烈な左ボディ。さらに左ヒザと畳みかける。明らかにダメージを感じさせる山本。  2R、ジャブを突いて前へ出る山本は右カーフを蹴り、ジャンピングハイキック。さらに飛びヒザ蹴りをヒットさせる。西元は山本の右カーフに左足が流れ始めるが、距離を詰めて細かくパンチを打つ。しかし、山本のカーフが効き始めたか、西元の手数が減る。山本の細かいパンチ、左ボディが当たりだし、手数で上回る。プッシュしながら前へ出る西元だが手数が出ない。明らかに流れが変わった。  3R、両者ともパンチからの右カーフを蹴ると、西元の右カーフに山本は大きくバランスを崩す。近距離でパンチを出し合う両者はボディも打ち合う。プッシュを繰り返しながら前へ出る西元へ下がりながらも右を当てていく山本。西元は左右フックから左ハイ、一気にパンチをまとめて右ストレートを2発打ち抜いての左ハイでダウンを奪う。倒し切りたい西元はラッシュをかけて右をヒットさせるが、山本が耐えて判定に。判定3-0で西元がリザーバーの権利を獲得した。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R×宮川太陽(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定0-3 ※27-30、29-27、26-30〇下村泰平(TOP STAR GYM)  1R、宮川は両腕ブロックをガッチリと固めて右ロー&カーフを蹴り、下村はガードの上からでも構わずパンチを当てて右ロー、ヒザを蹴る。コーナーに追い詰められた宮川へ、下村はガードの上から連打。ガードはしているも打たれすぎの宮川だったが、終盤はヒザで反撃した。  2R、宮川はしつこく右カーフを蹴り、逆ワンツーを繰り出す。下村は左ボディをクリーンヒットさせ、ヒザにつなげる。宮川の右カーフ、左インカーフにダメージを負った様子だった下村だが、左フックからの右ストレート、その後のプッシュでダウンを奪う。  3R、宮川が前に出て左右カーフとカカト蹴りで足を攻める。下村も右ローを蹴って左ボディ、左右アッパーを宮川の両腕ブロックの隙間から打ち込む。下村のパンチに下がる宮川はローを蹴り続けるが、流れを変えることは出来ず大差の判定で下村が勝利を収めた。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 -54kg契約/3分3R]△中澤誠弥(PITBULL)ドロー 判定1-1 ※29-30、29-30、30-30△黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  1R、黒川はサウスポー。互いにローとミドルを蹴り合い、中澤は時折右ストレートを繰り出す。中澤の右ミドル的中が目立つ中、終盤に黒川も左ストレートを放つ。  2R、右ミドルを当てた中澤は続く右ストレートもヒットさせる。黒川は右カーフを蹴っていき、中澤のローにワンツーで入っていく。終盤、距離が詰まって左右フックの打ち合いとなるが両者空振り。中澤の右ストレートをかわしての左フックを繰り出す黒川だが、その左も空を切る。  3R、距離を詰めての打ち合いを見せる両者だが、両者とも被弾は少ない。手数が多いのは黒川だが、中澤が前へ出て左フックのヒットを奪う。黒川も打ち合いに応じて左右フックをフルスイング。黒川はヒザも突き刺したが、判定は三者三様のドローとなった。
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