MMA
インタビュー

【Bellator】ゴイチ・ヤマウチ「僕にもグレイシーの精神が宿っている」

2022/08/13 00:08

グレイシー一族と戦うことの意味を、この5Rの試合で見つける事ができると思う

──そして、2022年4月の前戦では、170ポンドのウェルター級に上げました。ゴイチ選手はまだ少し太めの印象でしたが、これまた10勝1敗という綺麗な戦績を持つレヴァン・チョクヒリを相手に1R、見事な腕十字を極めました。

「僕はこの階級に適していると思っている。あの頃より今はもっと大きくなっている。それは体重という意味ではなく、筋肉量が違うんだ。前回の試合は確かに体重は今よりもあったかもしれない。今回はウェルター級で2回目の戦いなので、体重管理も慣れてきたし、どのようにケアをするかも分かってきた。今はこれまでよりパワフルでスピードもついて、精密にもなってきている。階級を上げたことでよりヘルシーで、頭もすごく働いている。食事に気を付けているのもあるけれど、気分がすごくいいんだ。この階級が自分には適しているんだと思うよ」

──ゴンザレス戦後には、「彼がタフがグラップラーだと分かっていたし、キャンプではレスラーを相手に準備をしてきた。グラップラー同士だと距離を取りたがることになるから、ゴイチ・ヤマウチの打撃が生きてくる」と話しました。では、今回のネイマン・グレイシー戦も、スタンドの展開が多くなりそうでしょうか。

「今回、これまでにない程グラップリングの練習をしている。ネイマンとの戦いはかなり準備ができている。ストライキングもディフェンスも、グラウンドでも準備はできているよ。確かに、グラップラー同士の戦いはキックボクシングになりがちって言われているけれど、僕はそうは思っていない。

 ただ、僕はあまり戦略を練って試合に挑むタイプでもない。『ゲームプラン』というものを信じていなくて、試合に挑んだらやらなければいけない事をやらなければいけなくて、それに対応していかなくてはいけない。ゲームプランを決めてしまうと違う展開に対応しづらくなる。どんなことにでも対応できるようにしなければいけないんだ。今回もそうしている。グランドでフィニッシュできるように準備している。ただ、ネイマンは打撃でくるかもしれないし、そうなれば打撃で受けて立つ準備もできているよ」

──ネイマンは2月の前戦でローガン・ストーリーと戦った時に、スタンドで戦いました。あの試合、レスリングと柔術は、ほぼゼロになりました。

「たしかにあの試合は95%から97%が打撃戦だったね。グラウンドはほとんどなかった。それは、ネイマンがテイクダウンしようとしていたけれどできなかったし、ローガンはグラウンドになるのを避けたから。だからMMAなのに、打撃戦になった。ローガンはよくやっていたと思うよ。もし自分がローガンだったら、多分同じ事をしたんじゃないかな。彼の能力があったらね。だけど、自分はゴイチ・ヤマウチだから。ローガンはレスラーでストライカーではない。スタンドでこつこつ当ててグラウンドのパウンドが得意だ。僕は違う。グラップラーで柔術選手だ。サブミッションで試合に勝つし、打撃もかなり得意だ。今回これまでにないくらい良い打撃が見せられると思うし、僕はナチュラル・ボーン・グラップラーだから、グラップリングで極める準備もできているよ。本当に上達したんだ。ローガンと自分は違うからね」

──あなたは、青帯時代に2度、ブラジレイロのチャンピオンになって南米選手権でも優勝している柔術家です。黒帯を授けた師匠はフェルナンオ・ヴィエイラ。その師匠を辿ればクリスチアーノ・カリオカ、グトー・モンテイロ、そしてホイラー・グレイシイーと「グレイシー」姓に行き当たります。MMAを柔術でも戦うあなたにとって、グレイシーの名を超える事はどのような意味を持ちますか。

「その問いは今でも毎日考えているよ。今回の試合は自分にとってすごく意味のある試合になる。Bellatorでグレイシーを相手に5Rを戦う──グレイシー一族の事はとてもリスペクトしている。実際、家族のように思っているんだ。自分の家族と同様に大事に思っている。柔術家としてのロールモデルでもあるし、自分の人生にとって本当に重要な存在なんだ。いかに一人前の男になるのか、どう一人前のファイターになるのか。グレイシーとトレーニングをしたわけではないけれど、自分もグレイシーのファイターだと思っている。グレイシーの血が流れているわけではないけれど、自分にはグレイシーの精神が宿っているんだ。

 自分を作り上げた一族の選手と戦うこと。ネイマンと戦うことが決まった時、自分のこのキャリアのスタート地点を振り返ったよ。グレイシー一族と戦うことの意味を、今回の試合で見つける事ができると思う。5Rをグレイシーと戦う──素晴らしいことだと思っている。それにコーチからもずっと僕は5R向きだと言われてきたんだ。3Rだと僕には少し足りなくて、スタミナについてはこれまで一度も課題を感じた事がない。特に僕は柔術ファイターだから時間があった方がいい。僕は『5R戦う為の選手』さ。とても楽しみにしているよ」

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