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【RISE】原口健飛が再び“世界最強”に挑む、那須川天心&海人からアドバイスを受け「ギリギリでもボロボロでも勝てたらいい」

2022/08/10 12:08
 2022年8月21日(日)エディオンアリーナ大阪『RISE WORLD SERIES 2022 OSAKA』にて、GLORY世界フェザー級(-65kg)王者ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ)とRISE世界スーパーライト級(-65kg)王座決定戦3分5R無制限延長Rを争う原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)が、9日(火)大阪の所属ジムにて公開練習を行った。  原口はいつも通り、シャドーとサンドバッグ打ちで一人での公開練習を実施。「シャドーとかでは基本的にペット選手を意識していますね」と、相手を想定して動いたとする。  今回は9カ月ぶりの再戦となり、「ファイターとしての成長度合いとかは、ペット選手は行ききっていると思うんですよね。あれがもう最高やと思うんですよ。あれから成長していくことはあまりないと思うので。でも僕はこの9カ月でかなり気持ち的にもファイターとしても強くなりましたし、存在は凄い絶対王者ですけれど、僕の気持ちは前回よりも大きく見すぎていない感じはしますね。凄い王者なのでしっかり胸を借りて戦おうと思っています」と、自分の方が成長している実感があるとした。  その自信は6月19日の『THE MATCH 2022』でK-1の山崎秀晃をKOしたところからくるものなのかと聞かれると、「それが一番大きいかな。(4月の)ロンペットの時は自分との勝負やったので勝って当たり前というか。あの時はファイトスタイルも粗いような感じで気持ちを全面的に出すようなスタイルだったけれど、6月は初めてパンチで吹っ飛ばされるかもしれへんというか、いろいろな恐怖と戦いながら、その中で自分のことをしっかりしたら勝てるやろうって自信の中で勝てたので、4月・6月でだいぶいろいろなことに対して成長しましたね」と答える。 「ここまで正直(020年10月の)DoAトーナメントからあまり成長できひんと思っとったけれど、まだ成長できんねんなって自分でも実感してるくらいかなり成長していますね」と、ペットパノムルン戦で18連勝(1引き分けを挟む)がストップしたことで、逆に成長することが出来たとした。  その山崎からは「普通に『心から応援しています、頑張って』というのはもらいましたね」と激励のメッセージを受け取ったそうだ。「自信にはなりましたね。僕がデビューする何年も前からK-1で日本トップでやっていたし、そういう人に真っ向勝負で勝てた日本人ってあまりいてないのでそこは自信になりました」  前回の敗戦は「勝ちたい思いがあまりなかった…もちろんあったけれど、出てこなかったですね。やられたくないとか怪我したくないとかKOだけはされたくないとか、そういう想いの方が強かったので。勝ちたいよりも、そういう心配ばかりしていたので。そことの違いですね」と勝ちたい気持ちが弱かったとし、「今は180度違います。だからペット選手もビックリすると思う」と、今回は全くの別人のようだという。  その気持ちの弱さを克服するために、どんなことをしたのかとの質問には「それはロンペットの時にだいぶ練習量も変わったし、練習量でだいぶ気持ちも変わります。昔、天心君に質問したことがあって『試合前は怖くない?』って聞いたんですけれど、『怖いけれど練習量でカバーしていく』と教えてくれたんですよね。その言葉を信じて練習をしっかりすれば、自然と気持ちがついてきたって感じですね。しんどい時は自分がベルトを獲っている姿とか、スポンサーに自分が勝ったぞと報告しているシーンとかいろいろなことを想像してやっていますね」と、那須川天心からのアドバイスで変わった練習量だと答えた。  今回の再戦には那須川天心以来となるRISEの世界タイトルが懸かった試合となるが、「ベルトのことはいつも考えていないし、もちろんファイターとしてベルトは欲しいけれど、そこじゃなくてリベンジマッチで再戦を向こうも受けてくれたし、そこは深く考えずに感謝も込めてしっかりとぶちのめしたいと思っていますね」と、タイトルが欲しいというよりもリベンジしたいとの気持ちの方が大きいとする。 [nextpage] 僕らしくずる賢く戦おうかなと思っています  試合時間は3分5Rの無制限延長R(前回は3分3R延長1R)。これがどう試合に影響してくるか。原口は「そこは意識しますね。全然違うし、経験は2回あるけれど、いつも1Rとか3Rで終わったりして、4R以降は内藤大樹戦(プロ3戦目)以降はしたことがないので。でも5R以上は戦えるようにしてきているので、自分がしっかりしていれば大丈夫かなと思いますね」と違いはあれど問題ないとして「それをあえて逆手にとってもいいのかなという感じがありますね」と、そこに付け入る隙があるとした。 「基本ペット選手とかタイ人とかって、印象なんですけれど1Rから5Rまでずっと同じ動きで終える、ましてや3R勝てば4R、5Rは流すような。ペット選手もGLORYを見ているとそういう傾向が多いので、そこが隙でもあるじゃないですか。でもRISEルールはムエタイと違って流したら勝てるかって言ったらそうじゃないし、4・5Rで巻き返せばドローになるかもしれないし。そういうところですよ。もちろん真っ向勝負で行くところは行くし、日本人らしく僕らしくずる賢く戦おうかなと思っています」  練習環境については「いつも通り」だというが、「父親もいつもより気合いが入っているので、どんな時でも付き合ってくれるし。前回までは夜だけやったんですけれど、今は練習したい時に朝でも昼でも夜中でも呼んだら来てくれるし、前回よりも良くなっていますね」と、コーチでもある父親が全面協力。 「スパーリングはあまりしてないですね。(ペットパノムルンに)成り切ってもらったり、自分より重たい人と圧力を感じながらやったりとかはしています。今回は(ペットパノムルンは)左ミドルが多いと思うので、左ミドルに合わせる練習とか。あくまでもスパーの相手はペット選手じゃないので、スパーリングしたから勝てると言ったらそうでもない。そこはいつも通り成り切ってもらって、気を付けなあかん攻撃にだけ対策をしている感じですね」  では、特に強化している部分は何かと聞くと「首相撲は明らかに大きい人に思い切り組んできてもらってやっています」と、首相撲対策をしていると明かす。前回の試合ではペットパノムルンのワンキャッチワンアタック=首相撲からのヒザ蹴りに苦しめられたが、「それもだいぶ大丈夫になりましたね。逆に首相撲で来てもらいたいくらいなところがあります。前回は自分に負けただけなので、首相撲をされて何か効かされたわけではなかった。首相撲中に相手に隙はいっぱいあったんですけれど、自分が出せへんかったって試合だったので。今回は首相撲中に出来る攻撃も用意しているのでそこは大丈夫かなと思いますね」と、首相撲をされるがままのようなことにはならないとした。  また、「自分と父親で対策をたてていますが、少しだけ海人君からアドバイスをもらいましたね。実行できれば。海人君だから実行できるのかもしれないし、実行できればかなり勝率は上がってくると思っています」と、同じ大阪のシュートボクシングのエース・海人から重要なアドバイスをもらった、とも明かす。  前回はコロナ禍だったこともあり、両者ともバブル方式(選手や運営関係者を隔離し、外部と接触させない方式)で試合に臨んだ。それが今回はないことは「かなり影響しますね。いつも父親と喋りながら最終対策みたいなのをするんですけれど、それがなかったからきつかったのかもしれないですね、分からないですけれど。向こうも同じやけれど、やっぱりいつも通りではないっていうのは大きかったかもしれないです」と、試合に影響してくるだろうとする。  3分5Rの中で倒しきるイメージなのか、それとも3分5Rフルに使って勝つイメージなのか。原口は「その両方ですね」と答える。 「僕はいつも1Rを終えてから倒しに行くか倒しに行かへんかを決めるので、こればっかりは分からないですね。ただ今回は何としても勝たないとアカンから、判定2-1とかでもギリギリでもボロボロでも勝てたらいいなと思っています」  それはここで勝たなければ3度目はないからか、と聞くと「3度目があってもなくても今回は勝たないといけないなっていうのがあります。正直再戦だからって想いもないし。前回の自分とは全く違うので、自分の中では初めてやるような感覚で。向こうも前回とは全然違うなって間違いなく思ってくれると思うので、そこはあまり考えてないですね。ただ勝ちたいだけです」と、何が何でも勝ちたいとした。  相手はGLORY世界王者。勝てば世界に原口とRISEの名を轟かせることが出来る。「そうしたい気持ちはもちろんあります。キックボクシングルールでペット選手に勝った選手は何人もいてないと思うので。ムエタイでは負けましたけれど、それはムエタイなので放っておいて。キックルールで勝てる人は世界にもいないくらいだと思うので、僕がまぐれでも勝てばかなりキックボクシング界で名前を轟かせられるんじゃないですかね」  再戦まであと12日。原口は再び“世界最強”の壁に挑む。
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