4月に山崎秀晃から王座を奪取した大和(左)が初防衛戦、Krush王者の佐々木が挑戦する 撮影/安村発
2022年9月11日(日)横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』の対戦カード第1弾発表記者会見が、7月15日(金)都内にて行われた。
K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ3分3R延長1Rとして、王者・大和哲也(大和ジム)が佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)の挑戦を受け初防衛戦に臨む。
大和は2005年7月プロデビューの33歳。キックボクシングでNJKFライト級王座、WMCインターコンチネンタル同級王座、WBCムエタイ日本同級王座、WBCムエタイ日本スーパーライト級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座を次々と獲得。2014年11月にはサゲッダーオをTKOに破り、同日にタイトルマッチを行った梅野源治と共に日本人初のWBCムエタイ世界王者(スーパーライト級)となった。2010年にK-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメントで全試合KO優勝を果たし、その後はムエタイルールでの試合に専念していたが、2017年4月から新生K-1に参戦。トップクラスには苦戦が続いたが、2022年4月に山崎秀晃を初回KOして第6代王座に就いた。戦績は43勝(32KO)20敗1分。
佐々木は2008年にK-1甲子園でベスト8入り、同年5月にプロデビューし、2016年にKrushライト級王者となった。2018年4月の2度目の防衛戦で同王座を失い、スーパー・ライト級に転向すると同年11月のK-1スーパー・ライト級王座決定トーナメントでは準優勝。2020年2月のKrushで鈴木勇人を破り、ライト級に続いての2階級制覇に成功。7月に近藤拳成を相手に初防衛し、12月のK-1では大和哲也を判定3-0に降している。2021年5月には平山迅を破り2度目の防衛に成功。9月のK-1では元同門の林健太にも勝利、今年2月にはヴィトー・トファネリを破り、6月には寺島輝にTKO勝ちで3度目の防衛に成功し、破竹の10連勝を飾った。戦績は32勝(7KO)17敗1分。
両者は2020年12月のK-1で対戦し、この時は佐々木が判定勝ちを収めている。大和は初防衛戦にしてリベンジマッチとなる。
これまで同門の山崎が王者だったため、K-1王座への挑戦が実現しなかった佐々木だが、王座が大和に移ったことで悲願であった挑戦を果たす。「K-1よこはまつり、3年連続出場することができて、そして格闘技人生、いや人生の中で大和哲也選手と最高の舞台K-1で2度も向き合えるのは、僕の今後の人生においても特別な時間になると思います。その日を迎えられるのが楽しみです」と挨拶。
迎え撃つ大和は「こういった最高のシチュエーションで佐々木大蔵選手とまた戦えることを嬉しく思います。一度僕は大蔵選手に負けているので、今回は僕がチャンピオンで迎え撃つ形になりますが、最高の準備をして最高の戦いができるようにしっかり仕上げたいと思いますし、最近は本当に悲惨な事件もありましたが、9.11という日は過去に同時多発テロがあった日なので、自分はその同日の最高の戦いをして、最高の勝利を収めて、自分は「Fight for Peace」「We are all one」を掲げていますので、リングで世界平和を宣言したいと思います」との想いを口にした。
初対決以降、互いにどんな印象を持っているかと聞かれると、大和は「自分は2020年に大蔵選手に負けてから、それがK-1での最後の負けの試合だったんですけど、その試合で自分は本当にいろいろなものを学ばさせてもらった。そこから2年弱の時間を含めて成長できたので、恩返しも含めて最高の準備をして最高の戦いをして、大蔵選手に恩返しをしたいと思います」と、佐々木との敗戦で学ぶものが多かったとした。
一方、佐々木は「僕自身もボクシングを取り入れてから格闘技に対する見方、感じ方、いろいろなものを得て今の状態がありますし、大和選手もボクシングに取り組むなどいろいろなところで見させていただくんですけれど、本当に格闘技に対する思いだったりを体で表現しているというかにじみ出ているものがあるので、格闘技人生が充実しているなという印象があります」と大和の充実ぶりを評した。
K-1のベルトに対する想いを聞かれた佐々木は「K-1のベルトに対して……正直なところ、それ以上にどんどん学びたいというか、格闘技で一番強い男になりたいという想いがあるので、その結果としてK-1のベルトという証のひとつなので、僕にとってK-1のベルトは獲るべくして獲るものだと思っています」と、意外にもベルトよりも“強さ”を追求したいとの答え。
それに対して大和は「中学校3年生の頃にK-1に憧れK-1チャンピオンになると目指してやってきたので、このベルトは自分にとっては大きなものですし、ベルトを獲ったのは9本目なんですけど、初めてK-1の世界のベルトを獲った時に『自分は強いんだな』と思えたきっかけのベルトです。このベルトを持つ男として、K-1王者らしい試合というよりも、王者・大和哲也という試合を見せたいので、このベルトは思い入れのあるいろいろな意味で重たいベルトですね」と、その想いを語った。
同大会では「K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」が開催され、K-1ではトーナメントの決勝戦がメインイベントとなることが多い。タイトルマッチをメインでやりたいかと聞かれると大和は「もちろんそれはありますが、メインかと思いましたがトーナメントがあるので、ダブルメインのセミメインになると思うので、前回同様にメインを呑むような最高の試合を見せたいと思います」と答える。
しかし、佐々木は「こういう場で発言するのは大事だと思いますので、メインのメインを張らせていただきたいと思います」と、最終試合でやりたいとアピールした。