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2022年7月9日(日本時間10日)、米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて「UFC Fight Night Vegas 58:Dos Anjos vs. Fiziev」が開催され、メインイベントのライト級(5分5R)で、同級10位のラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)が、7位のハファエル・ドス・アンジョス(ブラジル)と対戦。
得意のムエタイの打撃で序盤を制したフィジエフは、4Rにドス・アンジョスのビッグテイクダウンを受けてポイントを落としたが、最終回の5Rに、右跳びヒザのフェイントから近づき、そのまま歩いて右フックから回転の速い左フックでダウンを奪うとパウンド2発。衝撃のKO劇を決めた。
ドス・アンジョスとの「Rafael」対決を制したフィジエフは、試合後、ケージの中で「今日、誰が一番強い“ラファエル”か分かっただろ? 今度は誰がスポーツで最高の“ラファエル”かを決めてやる。ラファエル・ナダル、ここへ来いよ!」と、スポーツ界で最も著名な“ラファエル”に戦うよう求めた。
奇しくも、テニスのウィンブルドンでは、世界ランク4位のハファエル・ナダル(スペイン)が腹部を負傷し、準決勝のニック・キリオス(豪州)戦を棄権すると発表しており、その男子決勝(ノバク・ジョコビッチvs.ニック・キリオスでジョコビッチが優勝・大会4連覇)直前に、フィジエフは棄権したナダルに呼びかけていた。
Your move, @RafaelNadal 😂 🎾
— UFC (@ufc) July 10, 2022
[ @RafaelFiziev | #UFCVegas58 ] pic.twitter.com/29rxGQWD3J
試合後の会見で、フィジエフは、「ナダルをコールしたのは名前が“ラファエル”だから。誰でも知ってる人だっていう程度での知っているって感じで、リアルに彼を知ってるわけじゃないよ」と説明しながらも、上位ランカーとの難しい試合をKOでフィニッシュした激闘を振り返った。
「いまは鼻が折れてて息ができない。映画の『アバター』みたいだろ(笑)。今日起きたことは全てキャンプでやってきた成果さ。すごく大きな挑戦だった。相手のドス・アンジョスは素晴らしい経験を積んできた。
すべてのラウンドでフィニッシュを狙っていた。5Rまで行って滅茶苦茶疲れたけど、俺に『カーディオが無い』と言ったやつはどいつだ? 俺が『テイクダウンされてサブミットされる』と言ったのは誰だ? 1回だけだろ、彼がテイクダウンしたのは。俺は問題無かったし立ち上がれたよ。彼のゴールはテイクダウン、だから立ち上がってスタンドで戦った」と、メインならではの4R目でテイクダウンを受けて削られたと思われたフィジエフが、最終回に底力を見せた場面を語った。
これでUFC6連勝。そのほとんどの試合で「ファイト・オブ・ザ・ナイト」あるいは「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」を受賞してきたフィジエフは、怖いもの知らずのようにも見えるが、試合直前には恐怖を感じるとも吐露している。
「試合の15分前くらいになると自分のなかの小さな自分みたいな、恐怖心を持った奴が現れるんだけど、ケージは俺のホームだから、(ケージの中に入ると)そいつはどっかに行っちまう。“おい、どこにいるんだ?”ってなるんだけど、そいつは次の試合の前まではいなくなっているんだ」