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【UFC】「ナダル、ここへ来いよ」と戦うことを求めた“最強のラファエル”フィジエフが感じる恐怖と誇り

2022/07/11 20:07

アゼルバイジャンの人がUFCのメインで勝利するのは初

 カザフスタンのコルダイでアゼルバイジャン人の父親とロシア人の母親との間に生まれ、キルギスで育った。転校先の学校でいじめを受けたのがきっかけで11歳からムエタイを始め、その後はムエタイと並行してコンバットサンボ、ボクシング、柔術、レスリング、そしてMMAと、様々な格闘技を経験してきた。

 2021年8月のボビー・グリーン戦までキルギス国籍で試合に出場していたが、キルギス国内のシーア派ムスリムに対する宗教的迫害で自身の家族が嫌がらせなどの被害を受けたため、現在はアゼルバイジャン国籍で試合を行っている。

「UFCでアゼルバイジャン(がルーツ)の人がメインを飾って勝利するのは初。誇りに思うよ。カザフタンの村育ちの俺が、村からその後、小っちゃな町に移った。それが今、その小っちゃな町から、このラスヴェガスという大都市でUFCに出てるなんて、その時から考えると“ファンタジー”だ。それで(7位のドス・アンジョスに勝利し)ランクインするなんて、ファンタスティックなことさ。

 この(被ってる)アゼルバイジャン伝統の帽子は僕のルーツ。この帽子にはいろんな意味があるんだ。もしこれを誰かに取られたりすると、それは戦いの始まりを意味する。この帽子を被っていることに誇りを感じる。アゼルバイジャンは故郷、これは僕のルーツ」と、父の母国の旗を初めてオクタゴンで掲げたファイターとして、その意味を語っている。

 元ライト級王者を倒し、いよいよ上位陣との対戦が視野に入るが、ライト級3位のジャスティン・ゲイジーとの試合について問われたフィジエフは、「ゲイジーのストライキングは危険。もっと顔をボコボコにされるかも、しれないし、KOだってあるかも。でもそれは互いに同じだ。恐れず試合を受けてほしい。レスリング? 週に4、5日、つまり、いつだってしっかり練習してる」と、自信を見せている。

 現在UFCライト級王者は計量に失敗したシャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)が王座剥奪のため、空位となっている。

 2位にダスティン・ポイエー、3位にゲイジー、4位にイスラム・マカチェフ、5位にマイケル・チャンドラー、6位にベニール・ダリウシュと強豪が並ぶ同級でフィジエフはどこまで登りつめるか。

“最強のラファエル”の名を手にしたフィジエフが、グランドスラム優勝回数歴代単独1位(22回)のナダルのように、世界に名を知られるためには、UFCのベルトを巻くことがもっとも適切なやり方になるだろう。

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