撮影/安村発
SHOOT BOXING 2022 act.3
2022年6月26日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第9試合)63.5kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R
〇笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級王者)
TKO 3R 0分41秒 ※ドクターストップ
×バズーカ巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-BLACKライト級王者、WMAF世界スーパーライト級王者)
笠原はSB次期エース候補として期待され、2018年9月、SB日本フェザー級王座決定戦で元貴を下して王座を獲得。2019年6月大会では前SB日本スーパーバンタム級王者・内藤大樹との接戦を制し、9月のSB日本スーパーフェザー級タイトルマッチでは王者・深田一樹を2RKOで下して二階級制覇を達成した。2020年2月には前口太尊にTKO勝ち。2021年2月にはKNOCK OUTーREDスーパーライト級王者スアレックに2RでTKO勝ちし、周囲をあっと驚かせた。
12月大会ではKNOCK OUT-REDライト級王者・重森陽太にジャーマンスープレックスを決めて“これぞシュートボクサー!”といえる勝ちっぷりを見せると、今年初戦の2月大会では「無法島GP 初代KNOCK OUT 64kgトーナメント」優勝者でもある西岡蓮太が保持するSB日本ライト級タイトルに挑戦し、必殺の左ボディブローで見事に2RKO勝ちでタイトル奪取。SB史上初の三階級制覇を達成した。戦績は26勝(11KO)4敗。
バズーカはMA日本キックボクシング連盟をホームリングに様々な団体で活躍。特にKrushやK-1では6勝(4KO)1敗という好成績を残した。2020年2月の無法島GPでは決勝戦で西岡蓮太に判定負けを喫するも大きなインパクトを残して“覚醒”。8月大会では丹羽圭介に判定勝ちしてKNOCK OUT-BLACKライト級王座を奪取。12月にノンタイトル戦で大谷翔司に判定負けを喫するも2021年5月の再戦ではリベンジを果たすと共に初防衛に成功した。7月のKNOCK OUTでは康弘に3RでKO勝ち。10月にはWMAF世界スーパーライト級王座決定戦で勝利し、二冠王となった。今年4月には『藤原祭』でマサ佐藤にTKO勝ちしている。
試合前、2021年東京オリンピック柔道男子100kg級金メダリストのウルフ・アロンから笠原に花束が贈呈された。その後、向かい合った両者だがバズーカが額を押し当てて笠原を押していくと笠原も押し返して一触即発の危険な雰囲気に。レフェリーと両陣営のセコンドが止めに入る。
1R、バズーカは笠原を挑発するように客席を指差して“あっちに誰かいるぞ”というようなポーズ。笠原は全く乗らず、強い右ローを蹴る。バズーカは左フックを2度ヒットさせると、凶器のヒジを振り下ろすが笠原はかわす。バズーカはタックルのように組み付いて笠原を2度組み倒す。バズーカはいきなり背中を向けて挑発、笠原もポーズをとって挑発には乗らないとする。かなり荒れ模様のスタートとなった。
2R、ジャブの打ち合いからバズーカがハイキック、顔面前蹴り。笠原が組み付くと押し倒す。笠原が右フックを叩き込み、一瞬効いたような素振りを見せたバズーカだがそこから回転してバックハンドブロー。笠原の左フックをもらっても“効いてないよ”と頭を振る。笠原の左ハイをかすめられたバズーカは、その蹴り足をキャッチしたまま前へ出て笠原を転倒させるとスライディングキックで頭を蹴ろうとするラフファイト。両者足を止めてのフックの打ち合いを見せるが、笠原は必殺の左ボディ。バズーカはヒザで対抗するが笠原の左ボディが再び強烈に極まる。ステップで下がるバズーカに笠原は右フック。バズーカは左ハイで応戦。
3Rが始まってすぐ、笠原が左の縦ヒジで突っ込む。これでバズーカが左目上から流血。ドクターチェックでストップがかかり、笠原のTKO勝ちとなった。
またもKNOCK OUT王者を降した笠原は満面の笑みで「よっしゃー! 久しぶりのヒジありでしたが難しくてリキんでしまいました。バズーカ選手はオラオラで盛り上げてくれて、スポーツですけれど僕もリング上で喧嘩が出来ると思って興奮していました。この前のTHE MATCHでは弟の友希と海人が盛り上げてくれてありがとうございます。僕も大舞台に出たくて…誰にも負ける気はしません。誰でもかかってこいやです。1週間遅かったですけれど、この勝利が父の日のプレゼントってことでありがとうございます。これからも僕がSBをメインで盛り上げていきます」と高らかに宣言した。