またどこかで「世界一」になる時に対戦したい(海人)
「野杁選手と戦わせてもらって、肌で感じて本当に強いなと感じました。“本当に楽しい時間”でした」
下馬評は、野杁優勢だったことに海人は、「見てもらっている人たちに自分が強いことを証明したいというのが、一番大きかったので、それを証明できたかなと。でも倒してそれを言いたかったので、次に繋げていきたい。もう日本に敵がいないと胸を張って言える。いま日本一のファイターで、世界に一番近いのは自分、と改めて確信に変わった」と語る。
目指すのは「世界」だ。
「ここは“通過点”だと思っているので、次は世界一になるための準備をしていきたい。世界一になって、リングの上で『シュートボクサーの海人が世界一になった』と言いたいです」
今回は68.5kg契約試合。世界には70kgでの挑戦も視野に入れる。70kgは、かつて日本の魔裟斗が世界と渡り合った階級で、現在、ONE Championshipでは、スーパーボン、チンギス・アラゾフ、マラット・グレゴリアン、ジョルジオ・ペトロシアン、シッティチャイ・シッソンピーノンら、強豪が名を連ねる。
S-cupで65kgの世界トーナメントを制した海人は、この3年で階級上の選手との対戦を増やしてきた。
「普段から71kg、72kgくらいしかないので、今回も減量は全然なかったです。今回も、70kgでやっているときも減量がほとんどないので、今の状態のままもっとレベルを上げないとダメだと思います。70kgで世界一になれるようもっと練習したい」
敗者も2019年から6人の海外勢と国際戦を戦ってきた。野杁もまた、目指すのは「世界」だ。
「本当にたくさんのファンの方を失望させてしまったと思いますし、いまは自分自身にも失望しています。でも僕自身、まだまだこんなもんじゃない、まだまだ進化できると思っている。敗者に口無しなので何も言えませんが、それでも信じてくれるファン、チームメイト、家族などを喜ばせるためには、さらに強くなって復活するしかないので、しっかり強くなって帰ってきたいなと思っています」
海人も試合後、野杁について「純粋に本当に強かったです。野杁選手から教わったことを自分の実にして世界で勝っていきたい。技の一つひとつの精度、新しい僕が、嫌だと思った技もあったので、それを自分にプラスして、それを使って世界と戦っていきたいと思いました。自分の次に世界に通用するのはやっぱり野杁さんだと改めて思ったので、またどこかで、世界一になる時でもいいので、どこかで対戦したいと思いました」と、名勝負を経て互いに進化し、ステージを上げての再戦を望んだ。
日本の立ち技の“至宝”と言える、海人と野杁の頂上決戦、そして世界の頂きへの挑戦に注目だ。