ボクシングっていうものを1回何も考えなかった
――観客の期待感がメイウェザー戦の時よりも上だったと思うが、それはリング上でも感じられた?
「不思議な感覚だったんですよね。パンチを当てます、歓声が“ウォー”じゃなくて、パンチを当てて何かの動きをしたら“ウォー”みたいな。だから反響しているというか、時差が凄くて。だから不思議な感覚でしたね。反響しているのか、俺がその次元に行っているのか分からないような。時間がゆっくりな感じでしたね。パンチも中で戦ったりしましたけれど見えたりしたし、ガードを高くしっかり上げてっていうのも出来たし、何か不思議な感覚でしたね」
――キックボクシング最後の試合で矢沢さんの曲がフルで流れたのはたまらなかったのでは?
「そうですね。本当に、こういうのはおこがましいかもしれないですけれど、今日は矢沢さんに近付けたんじゃないかなって思いました」
――菅田将暉さんから花束の贈呈があった。何か言葉は?
「連絡したら花束贈呈してくれると言ってくれて。上でも会って心強い言葉を言ってくれたのでパワーになりましたね」
――坊主姿を公に出すのは今日が初めて。
「そうなんですか。いいですよね、イケメンって。何でもに合うじゃないですか。爽やかでした(笑)」
――6年の時を経て実現に至って、今後の格闘技界がどうなって欲しいのか。
「今回こうやって格闘技で日本のエンタメの中で一番大きなことが出来たので、これを見て格闘技を目指そうと思ってくれた子供とか次の世代。俺もテレビでK-1を見て格闘技を、キックボクシングを始めたわけであって、そういった存在にやっとなれたかなって思うので、ここからすぐにまたこういう大きな大会が出来るかと言ったらそうではないと思いますが、出来るようになって欲しいなと。選手たちの想いはみんな一緒だし、みんな一番を目指しているし、最強を目指しているし、みんな純粋だと思うので、その気持ちを踏みにじって欲しくないなと。ただそれだけ思っています」
――記者会見で「人生最後の日」と言っていて、キックボクシング最後の日という意味で言っていたと思ったが、ボクシングという新たな道があるのになぜそう考えた?
「ボクシングっていうものを1回何も考えなかったですね。これに全部を懸けるしかないと思ったので。そうでないと勝てないし、そうでないと戦えない。次の日はないとずっと思っていたから、この日のために毎日生きて。それでやっと次の日生きられるかなって。今マジでハッピーですよ」
――それは対戦が決まった時から思っていた?
「思っていましたね」
――試合前に研究して武尊選手の弱点や癖は見抜けていた?
「そうですね、何個か。どんなものが来てもいいように対応していたし、そういう練習もしていたので。だから問題なかったですね」
――3Rに相手がノーガードで来た時はどんな気持ちだった?
「ここで乗ったらいけないなっていう風に思いました。全部研究して、笑ったらこのパンチが来るとか。そういう対策もしていたので。笑ったらこのパンチが来るとか、笑ったらこういう動きをするって癖とかも全部やってきたので、だから落ち着いて出来たと思います」