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UFC王者となったプロハースカがRIZINで得た武士道「今、この瞬間に在ること、リアルな時間を生きること」

2022/06/13 20:06

ただ生き延びるのではなく「ハンター」じゃないといけないのに

 史上初のRIZIN&UFCの2団体制覇を達成したプロハースカは、試合後、「こんな試合はありません。だからこそいい気分です。何も考えずに試合をしました。もっともっと強くなって帰ってきます。1Rでも、5Rでも、どこでフィニッシュが来ても構わないと思いました。アメイジングです、ほんとうに嬉しいです。しかし試合ではしっかり終わらせるセットアップが出来ないところがあり悔しいです。死闘でした。テイシェイラは真のチャンピオンです」と戴冠の喜びと、追い込まれた悔しさを吐露。ケージ内でインタビューしたダニエル・コーミエーの「チャンピオン」のコールに、胸に手を当てた。

 一方、最終ラウンドで敗れたテイシェイラは、「彼はグラウンドでも強かった。刀と刀のような戦いだった。言い訳はない。正直、彼の打撃もあんなに強く当たっていたし、すごいと思った。自分も全力は尽くしたと思っている。42歳のような戦いだった?(コーミエーが「出来るよ」と回答)まだまだ戦うよ」と充実した表情で語った。

 試合後の会見でも、プロハースカは反省しきりだった。

「自分にとっては最悪の試合で、最悪のパフォーマンスだった。皆さんも見たと思う。正直に言って、自分は何度か追い込まれ、ギリギリ生き延びただけだった。ゲームプランは……クソッ、プランじゃない、私のやり方はただ生き延びるのではなく、試合で相手をドミネートすることだ。“ハンター”じゃないといけないのに……」と、『HUNTER×HUNTER』のネテロ会長を敬愛する新王者は、唇を噛んだ。

 退場時にプロハースカは、元王者のヤン・ブラホヴィッチと言葉をかわしている。初防衛戦の相手は誰になるか。

「次の相手はヤンになると思う。彼を倒すキーは既に掴んでいるから、彼と戦うならヨーロッパ大会がいいだろう。ポーランドとチェコの間で」と、かつてブラホヴィッチが提案した“チェシンの戦い”(※第一次世界大戦後の1920年にポーランドとチェコスロバキアに分割された街)に意欲を示した。

 一方で、死闘を繰り広げたテイシェイラとの再戦も否定はしていない。プロハースカにとって、重要なのは、今回の試合で露呈した課題を克服し、成長を遂げることだ。

「グローバーでもヤンでも構わない。僕にとってはどうでもいいことなんだ。次の試合では、別のファイターになると誓うよ。今回は良いパフォーマンスではなかったから」

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