たとえグローバーとの試合がグラウンドになっても、僕はどんどん攻撃を仕掛けてゆくつもりだ
──なるほど。その後あなたはUFCに転出し、初戦はライトヘビー級7位のヴォルカン・オーズデミアに2R KO勝ち、次戦はランキング3位にして2度のタイトル挑戦経験を持つドミニク・レイエスをやはり2R KOで仕留めました。これらの試合も学びの過程ということですね。
「イエス。最初の試合で学んだのは、僕の心、感情の使い方だ。世界最高の選手であるためにね。あの試合以来、僕は精神面に取り組み、自分の感情を抑え、もっと効果的に使うようになしたんだ。それによって、はるかに良い体調で試合に臨めるんだよ」
──なるほど。
「次の試合で学んだのは、技術的にもっと向上させ、また焦りすぎないことだ。冷静さを保ち、勝利に向かって進むんだ」
──レイエス戦の後では、ダメージを与えたと思って距離を詰めたところでカウンターをもらう場面があったことを反省していましたね。そして今回のタイトルマッチでは、先ほどお話してくれたグラウンドゲームを含めて、さらに進化したプロハースカ選手が見られると。
「イエス。たとえグローバーとの試合で戦いがグラウンドに移行したとしても、僕は他の選手のようにただ守るのではなく、どんどん攻撃を仕掛けてゆくつもりだよ」
──では最後に、史上初のRIZIN&UFCの二冠王の誕生を心待ちにしている日本のファンにメッセージを。
「僕が思うに、僕のRIZINでの時間の全ては、今回の戦いへの準備だったんだ。RIZINの王者になるだけでなく、世界のチャンピオンになるためのね。日本が、僕がここに至るまでの心の持ち方、礎を築いてくれたことを心から嬉しく、そしてありがたいと思っているよ」
──ありがとうございました!
「ニホンダイスキ! VICTORY!」
◆Jiri Prochazka
1992年10月14日、チェコスロヴァキア共和国(現チェコ共和国)ズイナモ生まれ。少年時代より松濤館空手とムエタイを学び、2011年にアマチュアムエタイチェコ王者に。翌12年にプロMMAデビューし、15年12月、石井慧を1RKOに下してRIZINデビュー。19年4月にキング・モーを倒してRIZIN初代ライトヘビー級王座に。翌20年からUFCに参戦。ライトヘビー級7位のヴォルカン・オーズデミア、ランキング3位のドミニク・レイエスに連続KO勝利を収め、2022年6月12日の「UFC 275」にて、グローバー・テイシェイラの持つライトヘビー級王座に挑戦が決定している。191cm、93kg。イェトサーム・ジム・ブルノ/ファイト・レディ所属