キング・モーとの試合で、まったく別人になることができた
──なるほど。グラウンドを着実に強化されているようですが、打撃の方はいかがですか。UFCでのこれまでの2戦は見事なKO勝利を収めていますが、同時にガードが低く相手のパンチを被弾してヒヤッとする場面が見られたのも事実です。
「そうだね……近年、僕は気づいたことがあるんだ。我々の人生でもっとも大事なこと──MMA選手としてだけでなく、人生全てにおいてだよ──は、進化することだとね。学び、より良い人間となるために成長し続けることだ。キャリア全てを通してそうすべきなんだ。確かに前回の試合では修正すべきものがあった。打撃についてもそうだし、柔術やグラウンドゲームにおいてもだ。そこに取り組んだ現在の自分は、前回とは違う人間だと思っているよ」
──RIZINでの最後の試合となったCBダラウェイ戦後も似たようなことをおっしゃっていましたね。重要なのはお金ではなく、より強い相手と戦い自分を向上させることなのだと。
「そうだ。まさにそれが、僕がMMAをやっている理由だし、だからこそ僕は現在ここにいるんだよ。僕のこれまでの全ての試合において、お金が一番重要だったことはない。もちろん生活のためにお金は重要だ。でもそれ以上に重要なのは、自分に対して確信を持てることだ」
──あなたのようにキャリア全体を成長の過程と捉えたとき、RIZINでの試合はどのような意味を持ちますか。
「RIZINは、僕に大いなる教えを与えてくれた学校だよ。僕にビッグネームたちと戦う素晴らしい機会を与えてくれて、ファイティング・ライフスタイルをもたらしてくれた。僕はあそこで成長したんだ。RIZINでの5年間のことは、本当に感謝しているよ」
──RIZINでのあなたの唯一の敗戦は、15年大晦日のヘビー級GP決勝のキング・モー戦(1R KO負け)です。3年後にリベンジを果たしましたが、あの敗戦から得たものは?
「あれは……僕の人生においてもっとも大きな、そして重要な戦いの一つだね。あの試合のおかげで、もっともっと自分を鍛えて、まったく別人になることができたんだ。あの試合で得た教訓は、現在に至るまでのその後の全ての試合で活かしているよ」