キックボクシング
レポート

【ミネルヴァ】初の女子単独キック大会、百花がメインで元韓国王者破り「女子キックボクシング私が盛り上げる」

2019/06/12 14:06
【ミネルヴァ】初の女子単独キック大会、百花がメインで元韓国王者破り「女子キックボクシング私が盛り上げる」

メインで元韓国王者を迎え撃ち、撃破した百花(左)

ミネルヴァ
2019年6月9日(日)大阪・平野区民ホール

2019年6月9日(日)大阪・平野区民ホールで女子だけのキックボクシング大会『ミネルヴァ』が初開催された。

『ミネルヴァ』はNJKFの女子部門の名称として誕生。2018年からはNJKF西日本や大阪のDEEP☆KICKだけではなく、イノベーション認定大会であるBORDER-KICK、NKB西日本、ホーストカップ(順不同)といった関西・中京のキックボクシング大会がミネルヴァを女子キックの総称として位置づけ、業界全体で盛り上げていく意向を示した。それが今回の大阪での単独開催につながった。

▼メインイベント ミネルヴァ 47.5kg契約 2分3R
○百花(魁塾/ミネルヴァ アトム級王者)
判定3-0 ※30-28、30-28、30-29
×キム・ヒョソン(韓国/JUNGWOO GYM/元MAX FCバンタム級王者)

 ミネルヴァアトム級王者の百花が、韓国最大のキックボクシングイベントMAX FCのフライ級元王者キム・ヒョソンを迎え撃った。


 1R、百花が放つジャブ、ローキックで試合はスタートした。ヒョソンは強いストレートを返す。階級が上のヒョソンは重いパンチで突進してくる。百花はヒョソンの圧力に苦戦しながらも軽快なフットワークで左右に回り、ローキックとパンチを返していく。ヒョソンはキックとパンチを上下バランスよくこなし、首相撲も仕掛けるなど元王者らしさを見せる。百花も力負けはしていない。


 2R、百花の右フックが当たりだすがヒョソンの突進は止まらない。ヒョソンはパンチから、ミネルヴァルールの3秒まで認められる首相撲を駆使して百花を苦しめる。ヒョソンの重い右ミドルキックが百花の脇腹をえぐり、たたみかけたいヒョソンだが、百花のフットワークと前蹴りに攻めあぐねる。ラウンド終盤に百花のショートのパンチと右フックが的確に当たり、百花はヒョソンをコーナーに詰めてラッシュ、このラウンドは百花がやや優勢に。


 3Rが開始すると百花の左右のフックがヒョソンを襲う。それでも元王者ヒョソンの突進は止まらない。百花は突進するヒョソンを前蹴りで止めながら左右のフック、ボディーストレートと的確にパンチを打ち込む。残り30秒、百花も前に出て激しい打ち合いに、有効打は百花が上か。


 圧力に苦しみながらも的確なパンチを放った百花が韓国からの刺客を退けた。試合後にマイクをとった百花は「みなさん! ミネルヴァ楽しんでいただけましたか? 試合はあまり良い内容ではなかったですが、メインを勝ちで終われたということで、喜ばせてください(笑)。応援ありがとうございました」と大会を締めくくった。


 控え室では「前回のビッグチャンス(RISEでの王座決定トーナメント)を掴む事が出来ず心が折れてしまいそうでしたが、たくさんの方から応援メッセージを頂きそれが力になり、初のミネルヴァ単独興行でのメインでしっかり勝つ事が出来ました。試合中もたくさんの応援があり、ずっと前に出てくるキム・ヒョソン選手の圧力に負ける事なく最後まで闘う事ができました。先週のRIZINで魁塾の憂也が出場していたのでセコンドに入ったのですが、本当に夢の舞台でした。女子のMMAが2試合セミファイナルで組まれていて羨ましかったです。女子キックボクシングも私が盛り上げていきますので応援よろしくお願いします」と話した。

▼セミファイナル ミネルヴァ アトム級 2分3R(-46.26)
×MARI(ナックルズGYM/ミネルヴァ ピン級王者)
判定0-2 ※29-30、29-30、29-29
○Ayaka(NJKF健心塾/ミネルヴァ アトム級5位)

 セミファイナルでは、メインに出場する百花のベルトを狙う2人が対決した。


 1R、MARIはフリッカースタイルで構え、Ayakaはしっかりガードを上げて構える。MARIの速いジャブがAyakaの顔を捕らえれば、Ayakaは空手仕込みの蹴りで応戦。Ayakaの右ミドルキックにMARIが右のパンチを合わせて顔面にヒットさせると、Ayakaは楽しんでいるかのように笑みを浮かべる。Ayakaは蹴りを上下に蹴り分けプレッシャーをかけ、MARIはフリッカーとアップライトを切り替えながらパンチを狙う。すきをついたAyakaが首相撲に持ち込み右の膝蹴りをMARIのみぞおちに打ち込んだ。


 2R、MARIがガードを上げて蹴りからのコンビネーションを狙うと、Ayakaもそれに応えて激しい攻防戦に。組み合った離れ際にAyakaがMARIのアゴをめがけてハイキックを放つも、間一髪で喉もとにそれる。ペースを掴んだAyakaは左右の蹴りで激しく追撃。MARIはパンチの打ち合いに持ち込んで巻き返しを狙うもラウンド終了。


 3Rが始まると、2人の意地がぶつかり合う激しい打ち合いに。Ayakaはバックスピンキック、バックブローを織り交ぜパンチでも攻め立てる。MARIも王者の意地を見せて得意のパンチで応戦。互いに譲らずヒットを重ねて一進一退の攻防のなか試合終了のゴング。


 判定は一人がイーブン、二人が1ポイント差でAyakaを支持。判定2-0でAyakaがピン級王者を破る金星となった。


 勝ったAyakaはマイクで「MARI選手、本当に強かったです。応援ありがとうございました。この後メインで百花選手の試合があるので、最後まで楽しんで行ってください」とあいさつ。控え室では「たくさんの方の声援のおかげでなんとか勝つことができました。 MARI選手、対戦していただきありがとうございました。アトム級でもピン級でもベルトを狙いたいと思っているので、百花選手よろしくお願いします」と、百花に挑戦したいとアピールした。

▼第3試合 ミネルヴァ スーパーフライ級(-52.16)挑戦者決定トーナメント準決勝 2分3R
×楓(LEGEND GYM/ミネルヴァ ライトフライ級王者)
TKO 1R1分43秒 ※パンチ・2ノックダウン
〇聖愛(魁塾/ミネルヴァ スーパーフライ級5位)

 ミネルヴァライトフライ級王者の楓がスーパーフライ級に階級を上げ、ランキング5位の聖愛と次期挑戦者決定トーナメント準決勝を争った。


 先に入場した聖愛、そして王者の風格を漂わせて楓がリングイン、聖愛は落ち着いた様子で楓を見る。

 試合開始のゴングが鳴らされ静かな立ち上がりで始まった。お互いがミドルキックで相手の出方を確認する。蹴りからパンチのコンビネーションで攻める楓に聖愛もショートのパンチで返す。


 前に出る楓の圧力に、下がりながら放った聖愛の右ストレートがタイミングよく楓の顔をとらえて尻餅をつくようにダウン。楓はすぐに立ち上がり大丈夫さをアピール。焦った楓は前に出てポイントを取り戻そうとするが、聖愛は逃げずに打ち合いに応じる。

 回転の早い楓の攻撃に対して、聖愛の長い手足から繰り出す攻撃が楓を苦しめる。攻撃をもらいながらも前に出る楓、大振りになった楓の顔に聖愛が放った左のロングフックがヒット、楓は後ろに崩れ落ちる、


 また即座に立ち上がるも2ノックダウン制であえなくTKO、レフェリーが試合を止めた。王者の猛攻を冷静に対処した聖愛が勝利してトーナメント決勝に駒を進めた。

 これにより、同日の埼玉大会でもう一つの準決勝が行われ、勝利した真美 (Team ImmortaL)と聖愛のスーパーフライ級挑戦者決定戦が決定した(日程未定)。


 試合後に聖愛は「今回の試合をKOで勝利できたことは自分にとってすごく自信になりました。魁塾の先生や先輩方の指導やアドバイスを受けながら練習してきたことが今回の勝利につながり、とても嬉しいです。令和最初の試合で良い勝ち方をしたので、このまま勝ち続けてベルトを獲りにいきたいと思います」と語った。

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