メイウェザーのジムではボクシングで結構やられた
朝倉のサプライズは続く。UFCでのダナ・ホワイト代表との面談の翌日、榊原CEOは、再び朝倉に目的を告げず、ある場所へと招いた。
それはラスベガスのメイウェザージムだった。
「急遽、呼ばれて。わけわかんないまま次の日にまた榊原さんの指定の場所に行ったらメイウェザーのジムだった。『ちょっと海にサプライズ』と言って、『メイウェザーが来るから待っていて』と。そうしたらほんとうに来て、『ここでメイウェザーがミットを持ってアドバイスをくれる』と」
海にサプライズを仕掛けました!
— NOBUYUKI SAKAKIBARA (@nobu_sakakibara) April 30, 2022
近々、映像を公開しますね!
ダナに続いてメイウェザーとの遭遇には、さすがの海ものけぞってましたよ!笑 pic.twitter.com/c0G0KrrYZr
突然のメイウェザーとの顔合わせ、かと思いきや、ここでも事態は思わぬ方向に向かう。
「全然、違う展開になって、なぜか僕がメイウェザーのジムの選手とスパーリングすることになりました。マジですごい展開になりました。“期待のホープ”と言われている選手に、ボクシングで結構やられました。顔とかも腫れているけど、これはボクシングだけじゃなく練習でもそうで、ほんとうに貴重な体験をさせてもらっています」
王者スターリングに極められたけど──
アルジャメインと会った pic.twitter.com/UsVscx4npi
— 朝倉 海 Kai Asakura (@kai_1031_) April 26, 2022
さまざまなサプライズはあるが、現地での目的は「様々な強い選手と戦うこと」「練習環境を直に見ること」「米国でいろいろな関係を築くこと」。強くなるための武者修行で、多くの収穫を朝倉は得ている。
ニューヨークでの井上直樹の練習仲間でもあるメラブ・ドヴァリシビリとの練習、そして、「世界最高峰」を肌で感じる機会も訪れた。
現UFC世界バンタム級王者のアルジャメイン・スターリング(米国)とのスパーリングだ。
セラ・ロンゴ・ファイトチームでドヴァリシビリと同門のスターリングは、ドヴァリシビリの呼びかけにより、朝倉と練習することに。スターリングは「RIZIN.17」で佐々木憂流迦のセコンドにつくために来日しており、朝倉に「そこから全試合チェックしているよ」と語りかけたという。
4月9日の「UFC世界バンタム級王座統一戦」でのピョートル・ヤンとの因縁の再戦をスプリット判定で勝利したスターリングは、現在はオフで77kgあり、「そこから61kgまで、かなり減量して戻しているなと感じた」という朝倉。
スパーリングでは、「まずグラップリングをやってもらって……エグいくらい強かったです。5分1Rしかやらなかったけど、一本極められてしまいました。(自分は)なかなか極められることないんだけど。77kgで、自分より10kg以上重かったけど、レスリングや寝技の技術が高かった」と舌を巻く。
一方、立ち技では「キックのスパーを軽くやって、めちゃめちゃ強いとは感じなかったけど、これがチャンピオンだな」と、その強さを肌で感じたようだ。
「ここまでの練習で一番強かった人は、やっぱりアルジャメイン選手ですね。でも、ほかにも強い選手はたくさんいます。シンジケートジムにもUFC選手が3、4人いてみな強いです。アルジャメインとの練習は、自分が目指している選手と組んだことはめちゃめちゃ勉強になりました。あと2週間くらいいるのでまた練習したい」と目を輝かせる。
米国での練習で手ごたえを得ているのは「技、全部ですね。特に、僕のなかでは、テイクダウンを取って上をキープすることに力を入れています。打撃に関してはいろいろテクニックを教えあったりもしました」と、スキルが高まっていることを感じている。