MMA
インタビュー

【Bellator】なぜ堀口恭司は敗れたのか──一夜明けインタビュー全文公開「負けたから辞めるとかはない」

2022/04/25 13:04

1R目で相当極めに来てましたね。命賭けてましたよ、あそこで

──ジャッジペーパーでは2R、4Rを堀口選手が取っている。そうすると5Rが勝負の最終回でした。あの瞬間、組まれたくなかったなかで、ボディロックから小手に巻いてぎりぎりバックテイクを耐えていたところで、バックを奪われました。しかし、4の字の組み直しの瞬間に正対に成功して上になりましたが、ギロチンチョークでリバーサルされました。極めに至らなくても印象として悪かった。あの場面をどう感じていましたか。

「そうですね。そこが勝負のポイントかなと思いましたね。あそこで取られて長い間コントロールされてしまったので、そこが敗因かなと思います」

──頭を抱えられたことで前転して上を譲らざるを得なかったと。

「あそこでちょっとでも立って、足を組まれたら(クローズドガードの中に入って極めされて)終わりなので、前転してよかったと思いました」

──その後も立ち上がってはいるんですよね。しかしケージ際で詰められた。あの時点では体力的にはいかがでした。

「全然、体力は大丈夫でしたね」

──極められる心配は?

「はっきり言って全然なかったですね」

──となると、やはり勝機はスタンドに求めていた。

「そうですね。思ったよりも相手が出てこなかったっていうか。大きいのにもうちょっと出てきてくれればなと、それでカウンターが取り辛いかったというのはありますね」

──蹴りやテイクダウンのバリエーション、グラウンドでのディフェンスと、MMAの幅の広さでは強さを増しているとも感じますが、なかなか試合で結果として現れないもどかしさも感じます。そういうなかでのバランスの難しさなど、敗因をどう考えていますか?

「今回の敗因……、そうですね。本当に一つのミスで試合って流れが全然変わってきちゃうものなので、技術的には増えていてもやっぱり勝たなきゃ行けない世界なので、まあ負けているのでダメですね」

──敗れましたが、“まだまだやれる”という手応えもあったうえでの悔しさもあるのではないですか?

「そうですね。前回もそうですけど、KOで負けて“まだ行ける”っていうのがあるんで、いつでもプラスにしてるので、別に負けたから辞めるとかはないですね。次にどうしようかと考えています」

──ヒザを傷めたあとでスタイルチェンジもあり、打撃の質も変化し、空手とボクシングの融合もあると思います。ただ、今回は、最初に左で入ったところで、脇を潜られ、いきなり組まれました。あれが1発目だったのが、厳しい入りでした。

「あそこは……本当に1R目で相当極めに来てましたね。命賭けてましたよ、あそこで(笑)」

──はい。でもスタンドバックから4の字でグラウンドに引き込まれても腕を押し上げ、極められることはありませんでした。

「そうですね、首には絶対入れさせずにいましたから」

──しかし、難しい試合だったと思います。判定として、ほぼノーダメージだったとしても4の字バックコントロールは、脱出に時間がかかる。ギロチンスイープも形としては劣勢に見えてしまいます。

「そうですね、UFCの試合もそうだったじゃないですか。やっぱり“コントロールされてる”ってなっちゃう。難しいですよね。自分が防いで何も無かったら極まらない。でもコツコツやったら攻撃しているとなってしまうので、マイク・ブラウンとも“あそこをもうちょっと考えよう”と話しました。極められなくても抜けるのに時間がかかってしまう」

──1ポイント差の判定負け。前回のペティス戦は途中まで優勢に見えていたなかでの逆転負け。今回は惜しい内容でしたが連敗になりました。次が正念場になると思います。そこについてどう思います。

「どんな試合でも負けは自分にとって、プロの格闘家なので大きいです。負けないような、どんな形でもしっかり勝てるような身体づくりだったり、精神面、技術を次の試合に向けて、もっとつけていきたいと思っています」

──今後のプランとして、少し休みたいとか、今の時点で話せることがあれば。

「とりあえずハワイにちょっと残って、日本に久しぶりに帰るんですけど、すこし、何週間か休んで、また身体を作っていきたいなという感じですかね」

──ちょっと足を痛めているということですけど、12月に再起戦とスコット・コーカー代表は言っていました。ご自身としては、次戦はどのくらいにと考えていますか。

「夏くらいにはできるんじゃないかなとは思いますね」

──その上での復帰までの課題をどうとらえていますか。

「やっぱり寝技はだいぶ良くなってきているので、打撃の殺傷能力をもっと上げる。体重が軽いので、このあといったん日本に帰るんですけど、そこでメシをバカバカ食って 筋肉つけまくって身体を大きくする、ですかね(笑)」

──元気そうでよかったです。ところでATTの同門のダニー・サバテーロが、GPのワイルドカードで無敗のルゴに完封勝利し、6月のレアンドロ・イーゴ戦に駒を進めた。どこまで上がって行けそうでしょうか。

「まあ、そうですね。上がっていけそうだけど厳しい戦いになるかなと思います」

──そんななか、もうひとつのGP1回戦では、ラフェオン・ストッツが、フアン・アーチュレッタに3R 左ハイキックでKO勝ちしました。あの試合をどう見ましたか

「相手の入りに合わせた、よく相手の癖を研究していたなという感じですね」

──ストッツは優勝候補の一人でしょうか。

「そうですね。(トーナメントの)流れによりますけど、優勝は、やっぱりスタッツかなと思いますけどね」

──帰国したら、少しリラックスして、地元の空手道場の一期倶楽部にも顔を出しますか。

「そうですね、時間があれば行きたいと思っています。リラックス? 釣りですかね(笑)」

──ところで愛犬のロイくんの様子は確認しましたか。

「ATTの知り合いの家に預けてあります。めちゃめちゃ良い子にしてます。誰にでも懐くので(笑)」

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア