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2022年4月24日(日)米国ハワイ州ホノルルのニールSブレイズデール・センターで開催された『Bellator279』(U-NEXT配信)で、「Bellatorバンタム級ワールドGP」に臨んだ堀口恭司(日本/ATT)が一夜明けインタビューに応じた。
15勝1敗のパッチー・ミックス(米国)と対戦した堀口は、階級違いの大きさと手足の長いパッチー・ミックス(米国)を相手に、1Rから組み技でバックコントロールされ、苦しい展開から、2Rと4Rを取り返すも、最終5Rに再びバックを奪われ、5R判定3-0(48-47×3)の1ポイント差で敗北。GP1回戦で姿を消した。
試合から一夜明けた堀口は、ダメージはないものの、判定負けに悔しさをあらわに。最終5Rのバックの攻防からの、ミックスの必殺のギロチンチョークを防いだものの、ポジションを奪われた場面を「勝負のポイントだった」と振り返った。
当日体重で70kg以上あったことを明かしたミックスを相手に、大きさだけでなく、初回からバックを奪い、4の字に組みチョーク狙いで時間を使われたことで、その後の打撃の展開でも、ポイントを取り返しきれなかった試合。
堀口は、「フェイントにも動じないっていう感じですかね。打撃を怖いと思わないで、もらってもどんどん前に出てくる。下手に詰めると詰めたでタックルがあるので詰められない。やり辛い選手でした」と、敗因を語った。
「打撃の殺傷能力をもっと上げる。体重が軽いので、このあといったん日本に帰るんですけど、そこでメシをバカバカ食って 筋肉つけまくって身体を大きくする」と、肉体改造にも取り組むことを語った堀口。
Bellatorのスコット・コーカー代表は、12月にBellator日本大会と、堀口の試合を組みたいことを語ったが、堀口は、「夏くらいには次の試合ができるんじゃないかなとは思いますね」と、展望を語った。激闘から一夜明けた、堀口恭司との一問一答の全文は以下の通りだ。
相手の得意な技、パターンにはまってしまった
──お疲れ様でした。いまダメージはありませんか。
「自分の蹴った足が痛いぐらいですね。ちょっと腫れているくらいで」
──今回のサポートメンバーは?
「兄が応援に来て、(空手家の盟友)二瓶孔宇とジョシュア(・スミス)とマイク・ブラウンがコーナーマンとしてつきました」
──コールドウェル戦同様に、今回のミックス戦でも手足の長いジョシュアを練習パートナーにつけていたのですね。そのパッチー・ミックスとのGP1回戦から一夜明けて、率直な感想、試合の振り返りをお願いします。
「気持ちは、悔しいですね。感想はやっぱり、相手の得意な技、パターンにはまってしまったなというところですかね」
──作戦としてはどのように考えていましたか。
「相手がバックが得意なので、あそこに入らせないこと。入ったときの対処法。あそこが抜きん出ていて、入り方もすごい上手かったですね。ただ、やっぱり厳しい戦いになると思っていたので、組まれても落ち着いて対処していました」
──実際に肌を合わせた印象として、ほかにどんなところが強かったでしょうか。
「フェイントにも動じないっていう感じですかね。打撃を怖いと思わないで、もらってもどんどん前に出てくる感じでした」
──堀口選手はサークリングしながら、出入りの多いヒット&アウェイの打撃に対し、ミックスは中央でどっしり構え、のしのしと近づきました。打撃のディフェンスの懐が深かったでしょうか?
「身長がデカい(身長・リーチ165cmの堀口と、身長180cm・リーチ182cmのミックス)ので、下手に詰めると詰めたでタックルがあるので下手に詰められない。やり辛い選手でした」
──身長差、リーチ差は想像以上でしたか。
「向こうも自分のことを研究していたと思うので、すごいやり辛かったですね。大きな相手との試合についてもうちょっと考えないとな、と思います」
──相手のミックスは、試合当日155ポンド=70キロ以上あったそうです。堀口選手の当日体重はどのくらいでしたか。
「自分は145ポンド(65kg)とかじゃないですかね」
──フェザー級とライト級で10ポンド差があったわけですね。組んでいて、組み力はどれくらい感じましたか。
「組み力はそんなに感じなかったですね。強いなとは思わなかった」
──「階級を下げては」という声もあります。Bellatorだとフライ級は難しいでしょうけど、いかがですか。
「階級を下げたとしても全然行けるんですけど、そんなに注目度が無いところでやったところで正直、どうなのかなと思って上げたので、この階級にあった身体で、休んでいるうちに食べ物を食べまくって筋肉増やしていこうかと思っています」
──相手がサウスポー構えで、得意のカーフキックはスイッチして蹴るか、あるいはインローでした。なかなか打ちにくかったですが想定内でしたか?
「そうですね、でもやっぱり相手がすごい反応してきましたよね」
──はい。なかなか連続では蹴らせてもらえない印象でした。堀口選手の新たな武器のテイクダウンは、1Rのバックテイクがあったこともあって組み辛くなったと?
「そうですね、やっぱり寝技が得意なので自分がテイクダウンに行ったとしても、相手にとっては美味しいじゃないですか。だから今回、打撃で勝負に行こうかなと思ってましたね」
──最終的なスタッツを見ると打撃は倍で堀口選手。5Rのなかで“ここはいける”と感じた流れはありましたか。
「1R目を取られて、2Rを取りに行って、3Rを取りに行って、というラウンドごとにこちらのポイントの基準で、2、3、4、5まで取りにいければと思っていました。2、3はすごい手応えあってポイント取っただろうと思ったんですけど、最後の5R目ちょっと逃して1ポイント差で負けたしまったなという感じです」
──4R終了時点で、マイク・ブラウンからの指示はいかがでしたか。「イーブン」だと?
「そうですね。マイクは5R前に『ここで行け、2-2だから、絶対このラウンドを落とすな』とは言ってましたね」