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インタビュー

【Bellator】本命!? ストッツ「試合開始から終わりまで動き回る」×前王者アーチュレッタ「マイク・タイソンと同じことをしてやる」=本日GP1回戦&王座戦!

2022/04/24 09:04
 2022年4月22日&23日(日本時間23日&24日)、米国ハワイ・ホノルルのニール・S・ブレイズデル・センターにて、『Bellator 278』と『Bellator 279』が連日開催され、バンタム級ワールドGPが開幕した(日本ではU-NEXTにてAM9時からライブ配信)。  前日の『Bellator 278』ではワイルドカードで、エンリケ・バルゾラ(ペルー)とダニー・サバテーロ(米国)が勝ち上がり。いきなりハイレベルな試合を見せつけている。  そして、いよいよ本日の『Bellator 279』では、日本の堀口恭司(アメリカントップチーム)が再起戦。Bellatorバンタム級ワールドGP1回戦として、強豪パッチー・ミックス(米国)と5Rで対戦する。2021年12月3日の前戦で、王者セルジオ・ペティスを圧倒しながら、4Rのスピニングバックフィストに敗れた堀口は、いかに再起戦で寝技師ミックスと戦うか。  GPの前日計量では、RIZINバンタム級王者・堀口が134.2ポンド(60.87kg)、同級2位のミックスが135ポンドで共に一発で計量をパス。  また、王者セルジオ・ペティスが負傷欠場のため、Bellator世界バンタム級暫定王座戦&GP1回戦となる、元王者のフアン・アーチュレッタ(米国)と、GP優勝候補の1人であるラフェオン・ストッツ(米国)が対戦する注目カードでは、アーチュレッタが134.5ポンド(61.0kg)、ストッツが135ポンド(61.24kg)で、こちらもともに計量をクリアしている。  本稿では、ストッツの独占インタビューと、会見でのアーチュレッタのコメントを紹介する。果たして、5RのGP1回戦で「王者」になるのは、ストッツかアーチュレッタか(text by Isamu Horiuchi)。 [nextpage] カマルのおかげで僕は強くなった ──2021年8月、あなたは“Bellatorバンタム級最強”の声も高いマゴメド・マゴメドフを大激闘の末に下しました。そして試合後のインタビューで「アメリカン・レスリングは常にダゲスタン(マゴメドフの出身地。カビブ・ヌルマゴメドフをはじめ超強豪レスラーを続々輩出している)を倒すんだぜ!」と叫びました。 「ハッハッハ!」 ──続いて「ナイジェリアの血も僕を支えているからね!」とおっしゃっていたのですが、あなたのご両親はナイジェリア系なのですか。 「父がナイジェリア出身なんだ。母はアフリカ系だけど、アメリカ人だよ」 ──カマル・ウスマン、イスラエル・アデサニャ等、現在MMAを席巻しているナイジェリアン・パワーをあなたも担っているのですね。そんなあなたのプロモ(マイクアピール)は、いつもエネルギーに満ち溢れていて最高なのですが、小さい頃からあんな感じだったのですか? 「そうさ! 小さい頃からスーパー…カリスマに満ちていたよ! ハハハ! 僕のカリスマに魅了される者もいれば、単に……うざいと思ってた奴もいただろうね!」  ──(笑)。 「まあ、僕はずっとこんな感じさ!」 ──なるほど。子供時代にはMMA等に興味ありました? 「いや、MMAのことは何も知らなかったよ。空手をやってオレンジ帯とかだったけど、ママにやらされてただけさ」 ──なるほど。そして高校になってから始めたレスリングで、テキサス州代表チームに選ばれるほどの戦績を残したと。 「始めたのが遅かったから、それだけ余分に練習したんだよ。練習時間よりも前に来て反復練習をして、遅くまで残ってやった。夏の期間はみんな休むんだけど、僕はそこでもフリースタイルやグレコローマンの練習をしていたんだ。みんなに追いつくためにね」 ──その州代表チームのコーチだったのが、あなたと同じナイジェリア系のカマル・ウスマン(現UFC世界ウェルター級王者)だったんですよね。当時の思い出はありますか。 「僕が初めてチーム・テキサスの練習に参加した時、カマルはアシスタントコーチだったんだ。そこで別のコーチが彼に『こいつは練習に参加するのがはじめてで、パートナーがいないからレスリングの相手してやってくれ』って言ったんだ。で、僕が思うにカマルは動揺して機嫌が悪くなったんだよ。なんで俺がレッスルしなくちゃいけねえんだ、ただコーチとして来てるのに、って」 ──あらー(笑)。 「それで苛立った状態で僕とレッスルして、ボコボコにやっつけてくれたというわけだよ。もうサディスティックな感じでね。向こうの方が僕より強いし大きいし、さんざんにやられたよ。なんというか苦い思い出だね。でも長い目で見れば、おかげで僕は強くなったんだ」 ──ナイジェリアン・ブラザーとして、以後もあなたに目をかけてくれたのですよね。その後あなたは、ウスマンと同じネブラスカ州立大学カーニー高に進学し、彼に続いてNCAAディヴィジョンII王者となります。その頃はオリンピックを目指していたのですか。 「そう、それが目標だったんだ。そうやって名を上げようと思っていたんだ」 ──それがMMAに焦点を移すようになったのは、MMA軽量級パイオニアのジェンズ・パルヴァーとのきっかけだったと聞いています。「ジェンズのやつが、僕を騙しやがったのさ!」 ──(笑)。 「彼はまず僕に『うちのジムでレスリングを教えてくれよ!』って言ってきた。そして教えるようになったら、次は『なあ、ちょっとだけクラスにも出てみろよ』と来たから、じゃあやってみるか、ってボクシングクラスに参加したんだ。次には『いいね、柔術のクラスも参加してみろよ』と来るんだ。僕が何かをやるたびに、『これもやってみろ、あれもどうだ』って言われて、こっちもいろいろやり出してしまったんだ」 ──ジェンズにハメられたと(笑)。ジェンズがジムを閉めた後は、アイオワのパット・ミレティッチの下で練習。2人のMMAレジェンドから手ほどきを受けたことになりますね。 「本当に恵まれたよね。おかげでここまで辿り着くことができた。初代UFC王者のジェンズが最初の僕のMMAの最初のコーチだったおかげで、多くの悪い習慣を身につけずに済んだ。ミレティッチのところでも同じだ。ジュニア・ヘルナンデス、エリック・シェルトン…キャリアの初めから優れた人々の周りにいたことは、まったく幸運だったよ」 [nextpage] ダナの番組の試合で、対戦相手は普段以上に必死の力を出してくることを悟ることができたよ ──その後は現在の所属のルーファスポーツに移ります。 「パットやジェンズは、解説の仕事をしたりで不在のことも多かった。でも僕はまだキャリアが浅く、指導を受ける必要があったから2人に相談したら、ATTとルーファスポーツを進められたんだよ。そこでルーファスポーツに行ってみたら、すごく気に入ったんだ」 ──強力なレスリングバックグラウンドを持つあなたですが、デビュー5戦目ではウィリアム・ジョプリンを見事な左ハイでKOし、8戦目はUFCヴェテランのロブ・エマソン相手に打撃でも互角以上に渡り合って完勝。立ち技でも大きな安定感を見せています。 「正直、それは全てルーファスポーツのおかげだよ。スコット・クシュマン、デューク・ルーファスらのコーチは戦いに関してきわめて高い知識を持っているから。ルーファスポーツで練習をしていれば、実際の試合ははるかに楽になるんだ(※その後セルジオとの同門対決に備えてジムを離れる)」 ──そうやって連勝街道を進んでいたあなたに、大きなチャンスが訪れます。当時UFCファイトパスで選手発掘番組「Lookin' for a Fight」をやっていたダナ・ホワイトが、番組撮影であなたとメラブ・ドヴァリシヴィリの試合の観戦に訪れました。ダナのお目当てはあなたで、あなたをUFCに入れるために組まれたような試合でした。しかし結果は開始早々のハイからのバックブローをもらってまさかの16秒KO負け。この試合を現在どう振り返りますか。 「今となれば、あの試合は僕に必要だったと言える。あの試合によって、僕の対戦相手は普段以上に必死の力を出してくることを悟ることができた。相手にとって僕は全方面で危険な存在だからね。だから僕は試合開始から終了までそのことを意識しなくてはならないんだ。緊張したり動きが悪くなる選手もいるし、僕は状況をしっかり意識する必要がある。そういうことを気づかせてくれるのに最適の試合だったよ」 ──なるほど。ただ、当時はあの試合の衝撃はさぞかし大きかったと思います。どうやってそこまでポジティブな考えを持てるまで気持ちを持ち直したのでしょう? 「泣いたよ。動揺して、なんでだ、どうしてだって考えては自分を責めていた。ジムに行ったんだけど、コーチたちは練習をやめて休めと言う。コーチたち、つまりファミリーが動転する僕に『こういうことは起こるもんだ、お前はもっと強くなる、これを教訓にするんだ』って言ってくれた。当時はもう最悪の気分だったけど、時が経ってみたら彼らは正しかったよ。僕はやるしかなかったんだ」 ──その後あなたは再び勝ち続け、冒頭でも触れたようにバンタム級最強という評判もあったマゴメドフにも素晴らしい勝利を挙げ、優勝候補として今回のGPを迎えます。 「アーチュレッタに唯一劣る部分は多分カーディオだ。あの心肺機能はすごい。ほかは互角をちょっとずつ、どっちが優位かな。彼は強い選手だけど、精神的に弱いと思う。僕はそれを利用したい。だからファイト・キャンプではずっとそうするためのことをしてきた。そして試合では、5Rにわたって彼をいじめ続けるつもりだ。 みんな、僕とフアンが戦うのをとても楽しみにしていると思う。彼はアクションを起こす。それは僕にアクションをもたらす。僕たちは2人ともハートが強い。レスリングもストライクも上手だ。楽しい試合になると思うよ」 ──最後に日本のファンにメッセージをお願いします。 「日本のみんな、僕の試合のアクションを楽しみにしていてくれ。僕は試合開始から終わりまで動き回るから。試合後のインタビューもきっと気に入ってくれると思うよ! 応援ありがとう!」 [nextpage] アーチュレッタ「何が何でもチャンピオンになる」 「今の時代、口先だけで逃げ回る人が多すぎる。マイク・タイソンが しつこく絡んできた相手を ボコボコにしたように、俺もラフェオンに同じことをしてやる。  2人とも絶対に試合を激闘に持ち込もうと思っているだろう。家族のためにこのタイトルを獲得し、このGPで優勝するために、我々は間違いなくすべてを賭けている。私はラフェオンのベストを期待しているし、ラウフェオンも私のベストを期待しているはずだ。土曜の夜(日本時間・日曜の昼)には、何が何でもBellatorの新バンタム級チャンピオンになるんだ。ベルトを巻いて『新Bellatorバンタム級王者』と言われる。そうなるんだ」(※アーチュレッタ インタビュー)
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