REBELS.612019年6月9日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント 第13試合 REBELS 60kg級王座決定戦 3分3R・延長あり REBELSルール○鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺)判定3-0 ※三者とも30-28×葵拳士郎(マイウェイジム/WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者)※鈴木が新王座に就く。
今大会のメインイベントはREBELS 60kg級王座決定戦。REBELS新世代のエース候補として期待される鈴木と、WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者である葵が激突した。
鈴木は10戦全勝(7KO)の戦績を誇る無敗のホープ。対する葵は15勝(3KO)12敗4分の戦績を持ち、WBCムエタイ王座に加え、所属団体JAPAN KICKBOXING INNOVATION(以下イノベーション)の日本同級王座にも就いた二冠王だ。
1R、互いに様子を見合う展開から、葵が右の前蹴りと右ローを積極的に当てていく。鈴木は蹴らせながらパンチを合わせにいき、次第にワンツーや左ジャブからの右フックで押し始める。鈴木は右ローと左ミドルも強烈。
2R、鈴木はヒザ蹴りから間髪入れずに右ストレートを打ち下ろし、このコンビネーションがたびたび葵をとらえる。パンチがさらに走り始めた鈴木は鋭いワンツーを打ち込み、これを被弾した葵の動きが一瞬止まる場面も。
3R、鈴木の圧力を前にロープ際へと追い込まれる状態が続く葵。鈴木は左ボディからヒザ蹴りを突き上げ、さらに右ストレートや右フックにも繋げていく。 後が無い葵もパンチのコンビネーションを懸命に振るい、左右フックが鈴木の顔面をとらえる場面も。しかし打ち合いになると、それ以上に鈴木が右フックでヒットを重ねていき、ヒザ蹴りの集中砲火も止まず。葵は胴廻し回転蹴りや後ろ回し蹴りなどの大技を返すも、逆転には至らなかった。
判定3-0で鈴木が11戦全勝で無敗のまま初戴冠を果たした。試合後、ベルトを腰にマイクを握った鈴木は、「時間も押してきたので手短に挨拶させていただきます。葵選手は本当に強くて、途中、いいのをもらってしまいましたが、皆さんの応援があったから勝つことができました。これからは自分がREBELSを世界の舞台に持っていくので、皆さんも一緒についてきて下さい。お願いします!」と笑顔を見せた。
▼セミファイナル 第12試合 REBELS-MUAYTHAIフェザー級王座決定戦 3分5R・延長なし REBELS-MUAYTHAIルール○安本晴翔(橋本道場/INNOVATIONスーパーバンタム級王者)判定3-0 ※49-47、49-47、49-46 ×栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)※安本が新王座に就く。
セミファイナルのREBELS-MUAYTHAIフェザー級王座決定戦では、次世代のキック界を担う逸材同士の対決が実現。19歳で15戦12勝(4KO)1敗2分の安本と、24歳で52戦35勝(17KO)14敗3分の栗秋が激突した。
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座(その後に返上)、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座を獲得した。今年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、4月のレベルスでは般若HASHIMOTOに勝利して再起を果たしている。
対する栗秋は昨年10月にクロスポイント吉祥に移籍し、REBELS王者たちと連戦。KING強介には延長判定で敗れたものの、古谷野一樹に判定勝ち、八神剣太には1RKO勝ちしている。今回はその八神が返上した王座を安本と争う。
1R、左の蹴りをガンガン飛ばすサウスポーの安本に対し、鋭い踏み込みからのパンチで応戦するオーソドックスの栗秋。安本は徐々に左ローから左ミドル、左ローから左ハイなど、足を下ろさずに蹴る連続技も繰り出す。パンチの間合いになると、栗秋が得意の左フックで顔面を狙うが、安本も冷静にスウェーでかわす。
2R、栗秋は左フックや右ストレートから一気に切り込まんとするが、安本は素早く背後に回り込みようにしてクリンチ。安本に左ミドルと左ハイをガードの上から強打された栗秋の上体が大きく揺れる。栗秋も負けじと右の前蹴りからのバックハンドブロー、さらに安本の離れ際には飛びヒザ蹴りでの強襲にいく。
3R、栗秋の左フックと安本の右ストレートが交錯。両者はクリンチから荒々しくヒザ蹴りも入れ合う。コンタクトが激しさを増す中、栗秋がパンチのコンビネーションで安本をぐらつかせる。栗秋の左右フックでコーナーへと押し込まれる安本。両者がクリンチでもつれたところで、右まぶたから出血が見られる安本にドクターチェックが入るが、試合は続行となる。
4R、疲れの色が見え始めた栗秋に対し、左の蹴りを叩き込んでいく安本。栗秋は蹴り足をキャッチして足払いを狙うが、自ら仕掛ける場面が少なくなる。突如爆発したかのようなパンチのラッシュをたびたび見せる安本は、強烈な左右ボディーをヒットさせ、さらに首相撲に持ち込んでのヒザ蹴り連打で、栗秋の体をくの字に曲げていく。安本が完全に主導権を取り返した。
5R、安本の攻勢は止まらず、栗秋は打たれ続ける苦しい状況。安本は右の前蹴り、左右ハイ、左右フックのコンボをガンガンまとめていき、終了間際には二段蹴りや飛び蹴りも見せた。
安本が判定3-0で試合を制し、REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級に続き、フェザー級王座を獲得。二階級制覇を達成した。
▼第11試合 71kg契約 3分3R・延長あり REBELSルール○日菜太(クロスポイント吉祥寺/REBELS 70kg級王者)延長判定2-0 ※10-9、10-10、10-9 ×坂本優起(シーザージム/第5代SB日本スーパーウェルター級王者)※本戦は30-29(日菜太)、29-29、29-29
日菜太はK-1 WORLD MAXからREBELS、そして新生K-1のリングで活躍してきたベテラン。2月の前戦では、ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者シップムーン・シットシェフブンタムを左ローでKOし、REBELS 70kg級王座の3度目の防衛に成功するなど好調だ。8月18日(日)には初参戦のKNOCK OUTで、世界的強豪ジョムトーン・チュワタナとの対戦も決まっており、大一番に向けて勝利で弾みをつけたいところ。
対する坂本はREBELS初参戦となるベテランのシュートボクサー。浅草で人力車の車夫を務めていることから、“人力車ファイター”の異名でも知られている。第5代SB日本スーパーウェルター級王者の実績を持ち、過去にはT-98から得意の右ストレートでダウンを奪い勝利したことも。前戦は2月の「SHOOT BOXING 2019 act.1」で奥山貴大に判定2-0で敗れており、今回は再起戦となる。
1R、サウスポーの日菜太は右ジャブを突き、坂本が間合いを取ると左ローを蹴る。さらに日菜太が右ジャブからの左ボディもヒットさせると、オーソドックスの坂本もすかさず間合いを詰めて右ボディ。日菜太がヒザ蹴りの連打を突き刺せば、坂本も負けじとパンチの連打で押し返す。
ロープを背負った日菜太に対し、右アッパーと右ボディをねじ込んでいく坂本。日菜太も打ち合いに応じ、右フックと左ストレート、スペースができると左ミドルと左ローをヒットさせる。
2R、なおも間合いを潰しながらのパンチ勝負に来る坂本。再びロープを背負わされた日菜太は坂本の右フックを被弾するが、すかさず鋭い左ハイを返して譲らず。坂本は日菜太に至近距離からヒザ蹴りと左ミドルも打たれるが、それでも果敢にパンチで前に出続ける。両者とも止まることなくアグレッシブに打ち合い、観客は大盛り上がり。
3R、タフさを発揮しながらパンチをまとめる坂本。日菜太は打ち返すものの、後退を強いられる展開が続く。坂本は右フック、右ボディ、右ストレートを強打。日菜太も懸命に左ローと左フックを返すが、終盤、ついに坂本の右ストレートを連続で被弾してよろめく。日菜太が坂本の追撃をなんとか凌ぎ、試合終了となった。
判定はジャッジ1名が1ポイント差で日菜太を支持したが、残り2名がドロー。試合は延長戦に突入し、両者は残った力を振り絞って再び激しく打ち合う。
坂本が右アッパーと右ボディを打てば、日菜太も負けじと左ストレートを振り抜く。日菜太がヒザ蹴りも決めるようになると、坂本はややペースダウン。パンチの的が絞れなくなってきた坂本に対し、日菜太も疲労困憊になりながら得意の左ミドルをヒットさせた。
大熱戦の結末は判定2-0で日菜太に軍配。坂本は敗れはしたものの、初参戦のリングで大いに会場を沸かせた。
試合後、マイクを握った日菜太は「すいません。今日は本当に疲れる試合でした」を第一声。「坂本選手の体力が凄かったです。見ての通り、僕は今日、ほとんど蹴れなかったんですが、怪我も多くなっているのでパンチでも勝負していきました」と息を切らせながら試合を振り返り、「残された時間は本当に少ないです。8月の試合、そしてその次に(目標とする)東京ドーム。僕の最後の挑戦を応援して下さい。ありがとうございました!」と次戦に向けてアピールした。
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▼第10試合 55.5kg契約 3分3R・延長あり REBELS-MUAYTHAIルール×KING強介(fighting bull/REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者)判定0-3 ※27-30、27-30、26-30 ○大野貴志(士道館新座ジム/WMC日本スーパーバンタム級王者)
強介はREBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者で、大野はWMC日本スーパーバンタム級王者。この試合の勝者には、8月18日(日)東京・大田区総合体育館『K.O CLIMAX 2019 SUMMER KICK FEVER』で行われる「MTM Presents KNOCK OUT初代スーパーバンタム級王座決定1DAYトーナメント」への出場権が与えられる。
1R、ジリジリと前に出て圧力をかけてくる大野に対し、フットワークを駆使してかわさんとする強介。大野が左右ローを蹴ると、強介は左ジャブを合わせにいく。しかし終盤、強介は左フックが大振りとなったところで、大野の左ショートを被弾してダウンを喫してしまう。
2R、巻き返したい強介は体を小刻みに動かしながら左ジャブを繰り出す。大野の左ストレートに強介が右フックを合わせにいく。大野の右ミドルと強介の左ミドルも交錯。やや試合のテンポが落ち着いたところで終盤へ。ここで強介は大野の右ハイと右ストレートを浴びてぐらつき、またも危ない場面が。
3R、後が無い強介はパンチをまとめ、強烈な左右フックで大野に迫る。しかし大野は右フックと右ストレートのクリーンヒットを返し、強介に反撃を許さず。試合はこのまま終了し、大野が判定勝ちでKNOCK OUTトーナメントへの出場権を掴んだ。
試合後、1回戦の対戦相手となる江幡塁がリングに登場し、「8月18日のKNOCK OUTで大野選手との対戦が決まりました。決勝まで勝ち上がれば、小笠原瑛作選手とも戦うことになると思います。今日のREBELSと新日本キックボクシングの対抗戦では、新日本が負けしてしまいましたが、その借りは返させてもらいます。REBELSと新日本キックボクシングをはじめ、さまざまな団体が交わることで、日本のキックの新時代も盛り上がってくると思います。皆さん、これからもよろしくお願いします」と、次戦とキック界に向けた思いをアピール。
大野もマイクを握ると、「本当に皆さんの応援があったから掴めた挑戦権だと思っています。そしてKING強介選手が相手でなければ、こんなに試合が盛り上がることも無かったと思います。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、江幡との試合に向けては「江幡選手は小笠原選手と決勝と言いましたが、僕が勝ちます」と言葉に力を込めた。
▼第9試合 REBELSvs新日本キック 3対3対抗戦 大将戦 スーパーフライ級 3分3R REBELS-MUAYTHAIルール○老沼隆斗(STRUGGLE/REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者)判定3-0 ※30-29、30-28、30-28×空龍(=あろん/伊原道場新潟支部/日本フライ級2位)
4月に開戦した「REBELSvs新日本キックボクシング協会」の対抗戦では5試合が組まれ、結果は2勝2敗1分の引き分け。今大会ではその第2弾として3試合が組まれた。 大将戦で激突したのは、REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者の老沼と、日本フライ級2位の空龍。戦績は老沼が14戦11勝(5KO)2敗1分で、空龍が10戦7勝(2KO)1敗2分となる。
1R、いきなり蹴りを打ち合う両者。リング中央から左ミドルを飛ばした老沼に対し、空龍は蹴り足をキャッチしてすかさず右ストレートを振るう。次第に圧力を強める老沼が左ミドルと右ローを打ち分け、たびたび前蹴りで空龍をコーナーまで突き飛ばす。空龍も左ジャブから右ヒジや右ストレートで狙うが空を切る。
2R、蹴りを散らしながらプレッシャーをかける老沼。空龍はロープ際まで後退するも、左ジャブから右ストレート、左ジャブから右ヒジの連打を思い切りよく振るっていく。老沼はそれでも蹴りからジリジリと前に出て、中盤にはバックスピンキックで奇襲。腹に喰らった空龍はややダメージがある様子だ。空龍は老沼の右ミドルをキャッチして右ストレートを振り抜くが、これも空砲に終わった。
3R、巻き返したい空龍は老沼の左ミドルをかわすと、すかさず右ミドルをヒット。老沼が蹴れば、空龍はしっかりと蹴り返す。しかし老沼は蹴りと共に時おり振るう左フックも強烈。終盤には両者がクリンチからもつれて際、老沼の放った攻撃が倒れた後のものと見なされ、レフェリーからイエローカードが掲示されるが、直後に試合はタイムアップとなった。
老沼が空龍を封じ、判定3-0で大将戦に勝利。これで今大会の対抗戦の結果は、2勝1分でREBELSに軍配が上がることとなった。▼第8試合 REBELSvs新日本キック 3対3対抗戦 中堅戦 ライト級 3分3R REBELS-MUAYTHAIルール△大谷翔司(スクランブル渋谷)ドロー 判定1-1 ※28-29、29-28、29-29△髙橋亨汰(伊原道場本部/元日本フェザー級1位)
REBELSvs新日本キックの中堅戦。REBELS側からは大谷、新日本キック側からは髙橋というマッチアップだ。大谷は4月の対抗戦では敵地で千久にKO勝ちしており、今回は新日本キックでタイトルマッチを経験している髙橋をホームリングで迎え撃つ。
1R、サウスポーの髙橋が強烈な左ミドル、オーソドックスの大谷が前に出ながらのパンチで攻め合う。髙橋は大谷が連打で一気に前進してくると、素早く回り込んで右フック。大谷も終盤に右ストレートを離れ際の髙橋へと届かせる。
2R、髙橋の左ミドルと左ハイがクリーンヒット。大谷は顔面にまともに喰らうが、構わずパンチで向かい続け、髙橋に右フックを叩き込む。ふらついた髙橋に対し、左右フックで襲いかかる大谷。髙橋も踏ん張りながらパンチを返し、大谷の追撃を食い止めんとする。
3R、勢いづいた大谷はガンガン間合いを潰して右ストレートや右アッパーを振るう。髙橋も負けじと左ミドルと左ハイで狙い続け、前がかりになった大谷の顔面に左の前蹴りをお見舞い。大谷は被弾しながらも下がることなく、パンチに加えて右ミドルや右ローも返した。
両者が譲らぬ意地をぶつけ合った一戦は判定1-1のドロー決着。激しい打ち合いに会場も大きく沸いた。
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▼第7試合 REBELSvs新日本キック 3対3対抗戦 先鋒戦 フェザー級 3分3回戦(延長なし) REBELS-MUAYTHAIルール○千羽裕樹(スクランブル渋谷)TKO 2R2分46秒×瀬川 琉(伊原道場稲城支部) REBELSvs新日本キックの先鋒戦。REBELS側からは2015年にプロデビューした33歳の千羽、新日本キック側からは2018年にプロデビューした瀬川が、それぞれ出撃した。戦績は千羽が19戦9勝(2KO)8敗2分、瀬川が7戦5勝(3KO)2敗だ。
1R、オーソドックスの千羽は左の前手を前手を伸ばしながら前進。サウスポーの瀬川が左ストレートを繰り出すと、千羽は組んでのヒザ蹴りと縦ヒジで迎え撃つ。ワンツーからの縦ヒジと右ミドルのコンビネーションも決める千羽。
2R、巻き返しを図る瀬川も鋭い左ハイと左ストレートで迫るが、打ち合いに入ったところで千羽の連打をもらってスタンディングダウンを取られてしまう。ダメージが残る瀬川に対し、千羽は右フックからの右ミドル。これで2度目のダウンを喫した瀬川は、いったん立ち上がったものの再びうずくまり、ここでレフェリーストップとなった。 千羽がホームリングで瀬川にTKO勝ち。今大会の対抗戦はREBELSの勝利で幕開けとなった。▼第6試合 63kg級 3分3R REBELSルール×耀織(=よしき/Y's glow)判定1-2 ※28-30、29-28、28-29○与座優貴(橋本道場/極真会館2017全世界ウェイト制軽量級優勝)
極真空手の世界王者である与座は2勝(2KO)の戦績で迎えるREBELS初陣。対する耀織も空手出身で5勝(1KO)3敗2分の戦績を持つ。
1R、いきなり強烈な左ハイを繰り出した与座に対し、左右フックの連打を返す耀織。与座は左インローも効かせていき、構えをスイッチしながらのジャブとフックもヒット。終盤には与座の左ハイで耀織がぐらつく。
2R、与座は左ジャブから左右ローを蹴り、左ハイ強襲もたびたび見せる。耀織はパンチで前に出ようとするが、与座のジャブが見えずに被弾する場面が多く、足も削られて苦しい展開が続く。
3R、一矢報いたい耀織がパンチの連打で手数を重ねる。ガードを固める与座に対し、耀織はアッパーやボディーをねじ込む。両者はヒザ蹴りを荒々しく打ち合いながら、もつれて転倒する場面も。与座は疲労したか、耀織にコーナーへと押し込まれるなどペースダウンした。
スプリット判定での勝利となった与座。その表情からは落胆と歯がゆさが見て取れた。
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▼第5試合 47kg契約 2分3R REBELSルール×パク・シウ(TEAM MAD)判定0-3 ※29-30、28-30、28-30○ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)
ぱんちゃんはTOKYO MXのスポーツ情報番組『BE BOP SPORTS』で、アマチュア女子選手をプロに育てる企画『PANCRASE REBELS TRYOUT』に出演。ルックスの良さもあって多方面で注目を浴び、デビューからの戦績も2連勝という女子キック界期待の新星だ。今回は3戦目にして迎える初の国際戦となる。 対戦相手のパクはテコンドーをバックボーンに持ち、キム・ドンヒョンやハム・ソヒなどのMMAトップファイターを擁するTEAM MADの所属。日本で伊藤紗弥や紅絹とも対戦経験があり、MMAルールでは昨年8月の『DEEP』で富松恵美から大差の判定勝ちを収めている。キック戦績は3勝2敗、MMA戦績は2勝2敗だ。
1R、序盤はぱんちゃんが遠めの間合いから左右ロー、右ミドル、右ストレートを当てるなど、リーチを活かした攻撃。パクがパンチから組みつくようになると、ぱんちゃんは接近戦を強いられる。長身のぱんちゃんに対し、右ストレートから潜り込んで左アッパーを突き上げるパク。ぱんちゃんもヒザ蹴りで応戦する。
間合いが開くとぱんちゃんは左ローを蹴るが、パクは左ミドルを返してすぐに間合いを潰す。ぱんちゃんはパクを前蹴りで突き飛ばし、すかさずパンチをラッシュせんとするが、ここもクリンチされてヒットさせることができない。
2R、変則的な動きから二段蹴りを放つパク。ぱんちゃんが攻撃を返そうとすると、パクはすかさず組んでロープに押し込む。ぱんちゃんはパクの体を荒々しく揺すったり、両手で頭を下げさせたりしながら、顔面ヒザ蹴り。パクが飛び込む際に放つ右フックと右ストレートもたびたびヒットし、ぱんちゃんは鼻から出血する。
3R、同様の展開が続く中、パクがバックスピンキックを打ち損じたところへ、ぱんちゃんが鋭い打ち下ろしの右ストレート。これは惜しくもクリーンヒットしなかったが、パクはバランスを崩して転倒する。以降も両者は至近距離でパンチを打ち合うなど、アグレッシブな攻防を繰り広げた。
パクに苦戦を強いられたぱんちゃんであったが、判定勝ちのコールを受けると満面の笑み。試合後には両者が健闘を称え合った。
▼第4試合 スーパーバンタム級 3分3R REBELS-MUAYTHAIルール○炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーバンタム級王者)判定3-0 ※29-27、30-27、30-27×ダイナマイト柿崎(DRAGON GYM/RKAスーパーバンタム級王者、前DBSスーパーバンタム級王者)
炎出丸はキャリア64戦目のベテラン。今年2月、WMC日本スーパーバンタム級王者・大野貴志との一戦でTKO負けして以来の再起戦となる。対戦相手はその名の通り、ダイナマイトのような激闘っぷりを持ち味とするキャリア30戦目の柿崎だ。
1R、柿崎は左フックからの右ロー、ワンツーからの右ローのコンビネーションを多用。柿崎が手数を伸ばすが、炎出丸は冷静に左右ローを返していく。足を効かされた柿崎は終盤に炎出丸の右ストレートを被弾する。
2R、炎出丸はなおも右ローで削りながら右ストレートで顔面も狙う。柿崎もパンチを打ち返し、左ハイと右ローまで繋げるが、炎出丸の右ローを受けると体が傾いてしまう。
3R、炎出丸はパンチのコンビネーションを振るい、左右ボディーがヒット。柿崎も左フックから右ロー、さらにさまざまな角度からパンチを入れて炎出丸のガードをこじ開けようとするが、間合いが詰まったところでヒザ蹴りを被弾。
続けて炎出丸の右ハイ強襲が決まり、柿崎はついにダウンする。立ち上がった柿崎に対し、炎出丸が追撃の連打をまとめて試合終了。炎出丸がダウンを奪っての判定勝ちで再起を飾った。
▼第3試合 61kg契約 3分3R REBELSルール○古谷野一樹(クロスポイント古河/前REBELS 57.5kg級王者)判定3-0 ※29-27、30-27、30-26×小磯哲史(テッサイジム/蹴拳ムエタイスーパーフェザー級王者)
26歳の前REBELS 57.5kg級王者・古谷野と45歳の蹴拳ムエタイスーパーフェザー級王者・小磯の一戦。小磯は5月の試合に勝利し、中1カ月で連勝を狙う。
1R、古谷野がフットワークを駆使しながら蹴りを放ち、強烈な右ローをヒットさせる。小磯の左右フックは古谷野のガードの上を叩く。右ローを効かされた小磯に対し、古谷野は右フックも強打。しかし終盤には、小磯が鋭い左ジャブで古谷野をぐらつかせる。両者が打ち合いに転じると、今度は古谷野の右フックで小磯がよろめく。このシーソーゲームに会場が沸く。
2R、打ち合いがさらに激しさを増す。小磯の左フックに古谷野が右フックをかぶせるなど、両者のパンチが何度も交錯。古谷野の左ストレートと右アッパー、小磯の右ストレートカウンターがヒットする。終盤に再び試合が動き、右ロングフックを当てた古谷野が追撃のラッシュでダウンを奪取。立ち上がった小磯もパンチで向かい続ける。
3R、古谷野がパンチをまとめ、さらにヒザ蹴りと左右ミドルも追加。小磯はヒザ蹴りを突き刺されて苦悶の表情だが、それでも懸命に左右フックと右ミドルを返し続けた。
試合終了後、悔しげな表情を浮べてコーナーへと戻る古谷野に対し、マットに倒れ込む満身創痍の小磯。ダウンを奪った古谷野が判定を制し、勝ち名乗りを受けた。一方、最後まで戦い続ける精神力を見せた小磯にも、観客から大きな拍手が贈られた。
▼第2試合 REBELS-MUAYTHAI スーパーウェルター級王座決定リーグ戦 3分3R REBELS-MUAYTHAIルール×津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム/勝点3)TKO 1R2分7秒○吉田英司(クロスポイント吉祥寺/勝点2
▼第1試合 REBELS-MUAYTHAI スーパーウェルター級王座決定リーグ戦 3分3R REBELS-MUAYTHAIルール×光成(=みつなり/ROCK ON/勝点0)判定0-2 ※28-30、29-29、28-29 ○降籏健嗣(=ふりはた・けんじ/士道館ひばりケ丘道場/勝点0)