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2022年4月17日(日)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで『RIZIN TRIGGER 3rd』に続き、連続開催された『RIZIN.35』のセミファイナル「RIZINフェザー級(66kg)タイトルマッチ」で、王者・牛久絢太郎(K-Clann)が、前王者の斎藤裕(パラエストラ小岩)と5分3Rで対戦。判定3-0で牛久が勝利し、初防衛に成功した。
DEEP同級王者の牛久は、2021年10月にRIZINに初参戦し、当時王者だった斎藤を跳びヒザ蹴りでカットさせ、2R TKO勝ち。いきなり王者になった。再戦で接戦が必至ななか、DEEP王座戦を年末に越えた牛久、牛久、朝倉未来戦の連敗から再起となる斎藤はいかにダメージを回復させコンディションを整えられたか。
「たまたま」という声が多くて、死ぬ気で打ち込んできた
試合は、斎藤との立場を変えた再戦に臨み、四つ組みで優位に立った牛久が、オーソドックスとサウスポー構えのスイッチを多用し、2Rにサウスポー構えからの左ハイキックでダウンを奪い、3Rにもオーソドックス構えからの左フックで斎藤にマットに手を着かせるなど、判定3-0で快勝した。
試合後、牛久はリング上でベルトを腰に巻き、「RIZINフェザー級第二代王者の牛久絢太郎です。前回、ベルトを獲って“たまたま”という声が多くて、死ぬ気で打ち込んできました。こうして結果が出て、ほんとうに嬉しく思います」と語り、涙。
続けて、「自分、最近、SNS頑張ったりしてるんですが、それは、RIZINという舞台が大好きで、もっと盛り上げたいという気持ちで始めました。僕、すごく不器用なんですけど、皆さんのことを大好きなことは変わらないんで、第二代チャンピオンの僕を信じてついてきてくれないですか? 皆さんと一緒なら不可能はないんで、それを試合を通して体現したいです。皆さんと一緒に強くなりたいです。僕は皆さんのこと裏切ったりしないんで」と“偶然の戴冠”を“必然の防衛”に変えた思いを語った。
【写真】斎藤のボディロックに大外刈を合わせて上になった牛久。組みの強さも打撃戦にする要因となった。
互いに研究を積み重ねての再戦。
試合後の会見で牛久は、「この半年間、自分を追い込んでやってきたので、勝利が何より嬉しいです」と安堵の表情を浮かべた。
「今回は自分が挑戦者じゃなくて防衛するという形での試合で、RIZINが大きな舞台だからこそ、プレッシャーもすごくて。本当にこう、自分を強くしてくれたなって。自分に自信がなきゃ本当に試合できないと感じました。だから本当にベルトに感謝しています」と、王者の立場が自身をより強くしたと語った。
1Rのオープニングは、斎藤がグローブタッチに応じず。因縁を感じさせたが、「それは斎藤選手に僕がグローブタッチするのかしないのか目で合図して、向こうがグっと、“いや”って感じだったから(グローブを合わせなかった)。そこにお互い敬意はあると思うので、変な意味はないです」と振り返る。
「前回の試合よりも僕を仕留めにきているなという圧力を感じました」という牛久は、作戦を「組みではなく打撃で作ろう」と考えていたという。
右利きサウスポー構えからこまめにスイッチ。左右の打撃を織り交ぜて、カウンタースタイルのアウトキックボクシングのバリエーションを増やしていた。
対する斎藤は、「前回よりも色々打撃の交錯だったり組みの展開もあった。(牛久の関節蹴りは)自分の距離を維持するための攻撃だとは思いましたけど、ダメージとかはない。やりづらさも特になかったけど、構えをオーソドックス、サウスポーとスイッチさせて、器用な技というか技術を持っている選手だと感じました」と牛久の変化を語る。
一方の牛久も「斎藤選手はガツガツ来るなとすごく感じていたので、プレッシャーを逃すじゃないですけど、自分の距離を作るためにもスイッチを混ぜていこうと。もともと僕は両方できるので、使えるなら使おうと、両方混ぜて作戦を練りました」と作戦だったことを語る。