▼第7試合 120kg契約 5分3R
○高阪 剛(ALLIANCE)
[1R 2分05秒 TKO] ※右フック→パウンド
×上田幹雄(BRAVE)
上田は高校時代から頭角を表し、2013年第30回全日本ウェイト制空手道選手権大会軽重量級優勝、2015年第11回全世界空手道選手権大会第6位、2018年第50回全日本空手道選手権大会優勝などの実績を収め、2019年11月に開催された「第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会」で24歳にして優勝。2003年に開催された第8回大会以来、実に16年ぶりに空手母国である日本に世界王座を奪還。2021年4月には極真最大の荒行・百人組手にも挑戦した(60人でドクターストップ)。
その後、2021年8月31日をもって退会したことを極真会館が発表。9月5日には幕張ベイパークアリーナにて開催された『GRACHAN 50』でMMA転向を正式表明していた。身長186cm、体重104kg。26歳。
高阪は中学から社会人まで柔道を経験し、1994年8月にリングスでプロデビュー。1998年にUFC初出場を果たすと日本人初のUFC定期参戦を実現し、“世界のTK”として一躍有名に。リングス時代にはエメリヤーエンコ・ヒ ョードルにTKO勝ちを収めるなど数々の強豪と対戦。2006年5月のPRIDE無差別級GP1回戦でマーク・ハントに負けを喫し現役を引退したが、2015年RIZINのリングで現役復帰。ジェームス・トンプソンに文句なしのTKO勝利を収めたが、その後はバルト、ミルコ・クロコップ、サシャ・ミリンコヴィッチに3連敗を喫して2020年1月以降はリングから離れていた。52歳。
極真の道衣をまとい入場した上田。セコンドには宮田和幸BRAVE代表。対する高阪は柔道の黒帯を左手に登場。目を閉じ、両手を合わせてリングイン、四方に礼。家族がリングサイドで最後の試合を見守る。リングスの盟友・田村潔司、坂田亘の姿もリングサイドに。
1R、ともにオーソドックス構え、左の前蹴りを連続で腹に突くと高阪が後方に飛ばされる。さらに左上段廻し蹴りの上田! 右の中段蹴りを高阪の顔面に入れる。高阪はそれでも前に出てシングルレッグテイクダウン! ハーフの高阪に、上田は下から掌底、さらに腰を切り蹴り上げで立ち上がる!
すぐに詰める高阪にヒザを突く上田! コーナーを背にする高阪は上田の腕を脇に入れてクリンチ。離れると、上田の左ストレートに外から右フックを合わせてダウンを奪い、パウンド! レフェリーが間に入った。
レスリングを学んでいる息子に背中を見せたい、と言っていた高阪は、26歳差若い上田をKOし、勝者コールに両手を挙げてガッツポーズ。そして涙、涙。妻、長女、長男から花束を受け取りようやく高阪は、笑顔を見せた。
試合後、リング上で高阪は「今日の引退試合に向けて、たくさんの“ありがとう”があります。希望を聞いてくださり、実現してくださった榊原社長、スタッフの皆さん、ご尽力いただいたすべての方々にありがとうございました。もうひとつは、格闘技をやっていく上で練習仲間、家族の支えとか、応援してくださった方々、すべての方々にありがとうございました。
総合格闘技を通して、一生懸命頑張る気持ちを教えてもらえいました。試合をしてくれた世界中の“化け物”たち、ハント、ミルコ、クートゥアー、ヒーゾ、ルッテン……いつもボコボコにされるたびにもっと強くならないといけないと思ってきました。世界中の化け物たち、ありがとう、
自分の頭の骨、骨折の痕があるらしいです。それは致命傷に至らず自然と治ってきて、この歳でもこうしてリングに立つことができています。こんな頑丈の身体に産んでくれた両親と兄弟に感謝します。そして今日見てくださった皆さん、長い間、ありがとうございました」と引退の挨拶。